コンデ・コマ

コンデ・コマ

グレイシー柔術の祖で、不世出の格闘家である前田光世の生涯を描くセミドキュメンタリー。19世紀末から20世紀初頭を舞台に、柔道家の前田光世が、命を賭した「死合」を求めて世界中で異種格闘を行う姿を描く。

正式名称
コンデ・コマ
ふりがな
こんで こま
作画
原作
ジャンル
バトル
 
柔道
 
自伝・伝記
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概要・あらすじ

1905年7月。講道館の富田、大山、佐川、前田光世の4人は、柔道を海外に普及させるべくニューヨークにいた。しかし、渡米後まもなく、富田がフットボール選手との試合で引き分けるという、大失態を演じる。「柔道弱し」のレッテルを貼られたために、アメリカでの柔道普及は困難を極めていた。講道館では命を賭けた他流試合は禁じられていたが、他に手立てもなく、公開試合で柔道の実力を示すことになった。

大観衆が見守る中、ニューヨークで一番の怪力を誇る巨漢ブッチャーボーイと前田の、命を賭した「死合」が始まった。

登場人物・キャラクター

前田 光世 (まえだ みつよ)

グレイシー柔術の祖となった格闘家・柔道家。もとは前田栄世といったが、渡米後に前田光世に改名。また、バルセロナで観衆から「コンデ(伯爵)」と称賛されたことから、コンデ・コマを名乗る。1878年、現在の青森県弘前市に生まれ、幼少時より闘争心に溢れ、ケンカに明け暮れる。 13歳の時に柔術家の東郷幻舟と出会い、死合の末に敗北。以後、東郷の弟子となり、楊心流戸塚派の柔術を習う。17歳のときに上京し、早稲田中学校に編入。講道館館長の嘉納治五郎と死合をするために、講道館に入門。嘉納や講道館四天王、門下生たちと鎬を削り、心身ともに高めあう。 1904年、25歳の時、富田常次郎率いる柔道使節団に同行して渡米。ニューヨークでの死合を皮切りに、最強の男になるために世界中を旅する。同名の実在人物がモデル。

前田 了 (まえだ さとり)

前田光世の父。由緒正しい武家だったが、明治維新をきっかけに収入が減り、没落士族となる。熊を素手で倒したという大男で、津軽の村相撲では大関を務める。

東郷 幻舟 (とうごう げんしゅう)

嘉納治五郎に敗れて以来、打倒嘉納に執念を燃やす柔術家。楊心流戸塚派の達人。金貸しの用心棒として、前田親子の前に現れるが、前田光世の才能に惚れ、弟子に取る。結核を患う自分の代わりに、前田に嘉納を倒させようと画策する。禿げ頭で異様な面相のため、前田からは「妖怪」と呼ばれる。

横山 作次郎 (よこやま さくじろう)

講道館四天王の一人。柔道五段。古流柔術他派との試合で無敗を誇り、鬼横山の異名を持つ。講道館を初めて訪れた前田光世を、禁じ手の必殺技である天狗投げで破る。大酒のみ。同名の実在人物がモデル。

富田 常次郎 (とみた つねじろう)

講道館入門者第一号にして四天王の一人。自他ともに認める、講道館館長の嘉納治五郎の参謀で、講道館の発展に大きく寄与した切れ者。前田光世らとともに、柔道を海外に普及させるべくニューヨークに赴く。同名の実在人物がモデル。

嘉納 治五郎 (かのう じごろう)

講道館館長。明治初期、古流柔術から危険な技を排除。死合を禁じ、ルールを定めてお互いを高めあうスポーツとしての柔道を創始した人物。飄々としており、外国かぶれの英語交じりで話す。ボクシング、レスリングなど西洋のスポーツにも通じる。同名の実在人物がモデル。

山下 義韶 (やました よしつぐ)

講道館四天王の一人。一年一万本の乱取りを自らに課し、嘉納治五郎の理想である「柔よく剛を制す」を体現した男。慶應義塾の師範を務める。講道館入門間もない前田光世と乱取りをし、前田を百年に一人の逸材だと評価する。後に渡米し、セオドア・ルーズベルト大統領に柔道を指南する。 同名の実在人物がモデル。

西郷 四郎 (さいごう しろう)

講道館四天王の一人で、その中でも最強と謳われた男。己の小さな体を補うために、必殺技の山嵐を編み出した。また、屋根から飛び降りることで体得した受け身技で、「猫」の異名を持つ。1890年6月、講道館から姿を消し、中国大陸に渡った。前田光世の黒帯昇段審査の際、ふらりと講道館に戻り、前田の対戦相手を買って出る。 同名の実在人物がモデル。

ケイト

前田光世がアトランタで出会った金髪美女。最強を求めて世界を旅する前田のマッチメイクを申し出る。実はベン・ムーンに雇われた女性で、前田と有色人種のファイターを次々と戦わせるように指令を受けている。

ベン・ムーン (べんむーん)

白人至上主義の老人。元KKK。ケイトを雇い、前田光世と有色人種たちの死合をマッチメイクさせる。その狙いは、日本人をはじめとした有色人種を対立させ、セオドア・ルーズベルト大統領に、人種政策を促進させること。また、日本人の評判を貶め、排日運動を激化させる目的もあった。

その他キーワード

死合 (しあい)

『コンデ・コマ』に登場する用語。かつての柔術家同士の闘いのことで、文字通り命の奪い合いだった。嘉納治五郎は、いくつかの危険な技を排除し、柔道を創始。「死合」を「試合」と改めたという。

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