概要・あらすじ
前作『賭博堕天録カイジ 和也編』で友情確認ゲーム救出による死闘を終えた主人公の伊藤開司。兵藤和也はその結果に憤慨し、遂に伊藤開司に真っ向勝負、マザー・ソフィーによるポーカー勝負を申し込む。それに対して伊藤開司は、救出で信頼を得た新たな仲間のチャン、マリオと共に勝負に挑み、一方の兵藤和也はそんな友情を打ち砕かんとする決意を固める。
考え方が全く異なる2人の信念、金、命を賭けたギャンブル勝負が始まる。
登場人物・キャラクター
伊藤 開司 (いとうかいじ)
身長178cm。『賭博黙示録カイジ』で多額の借金を背負い、借金返済の為に裏社会のギャンブルに染まっていった青年。性格は怠惰で自堕落な駄目人間だが、命を賭けたギャンブルにおいては天才的発想による博才を発揮する。かなりのお人好しでもあり、他人を信頼し共に危機へ立ち向かうも、毎回手酷く裏切られている。 だが、それでも他人を疑う事が出来ない甘い面を持ち、どんな状況でも信念を貫く人間が居る事を信じている。今作では友情確認ゲーム救出を終え、新たな仲間のチャン、マリオと共に、宿敵である帝愛グループ総帥の兵藤和尊の息子、兵藤和也との真っ向勝負、マザー・ソフィーでのポーカー勝負に挑む。
兵藤 和也 (ひょうどう かずや)
裏社会を牛耳る帝愛グループの総帥、兵藤和尊の息子。茶髪でサングラスを掛け、ストライプのスーツとマフラーを着用している。酒や煙草を嗜むが、伊藤開司の見立てでは年齢は10代。性格は冷酷なサディストで、周囲の人間が兵藤和尊のご機嫌とりばかりする環境で育った為、人間の良心など虚仮だと信じてやまない。 一方で、不利を被ろうと約束は守る、妙に義理堅い面も持つ。また、父親の威光ではなく、小説家として自身の才能を示し尊敬される為に活動をしており、その一環で『愛よりも剣』という小説を出版している。今作では友情確認ゲーム救出の結果に憤慨し、伊藤開司に真っ向勝負、マザー・ソフィーによるポーカー勝負を申し込む。 勝負では部下である高崎らを従え、父親譲りの人知を越えた強運で伊藤開司を追い詰める。
チャン
顎髭を生やした、面長で長身の青年。中国の貧しい家の次男として生まれたが、一人っ子政策の影響で戸籍を得られず、10歳で親元を離れ過酷な労働環境に身を置く。次第に、戸籍を買って普通の生活を送るという夢を持つ様になり、夢を叶えるべく必死で日本語を勉強。裏社会の力を借り、出稼ぎの為に日本へやってきた。 その後、職場の同僚である光山の借金返済問題を知り、マリオと共に身を呈して返済の手助けをしようとしたが、兵藤和也に光山、マリオ共々身柄を買い取られ、友情確認ゲーム救出に挑まされる。ゲームを終えた今作では、伊藤開司を助ける仲間としてマザー・ソフィーでのポーカー勝負に同行する。
マリオ
まだ年若い、頼りなさげな青年。フィリピンの貧民層で生まれ、スカベンジャーを生業としていた。兄に連れられ、いつか出稼ぎに行く時の為、老人の世話をして日本語を教えてもらっていた。だが、その事を無駄に感じており、正しい人間は報われると兄に語りかけられては、心の中で煙たがっていた。 だが結果的に家族の助けに支えられ、出稼ぎの為に日本へやってきた。その後、職場の同僚である光山の借金返済問題を知り、チャンと共に身を呈して返済の手助けをしようとしたが、兵藤和也に光山、チャン共々身柄を買い取られ、友情確認ゲーム救出に挑まされる。ゲームを終えた今作では、伊藤開司を助ける仲間としてマザー・ソフィーでのポーカー勝負に同行する。
光山 (みつやま)
自転車操業の会社の元経営者。年齢は40歳過ぎの冴えない中年男性。高利貸の社長に、腎臓を売り飛ばしての借金1000万円返済を強いられる。しかし、B型肝炎を患っていた為に腎臓の価値は無いに等しく、借金返済が出来ない人間の辿る末路、帝愛グループの地下強制労働を控え困り果てていた。 その後、突如乱入した職場の同僚であるチャンとマリオが身を呈して返済の手助けをすると言い出したが、兵藤和也にチャン、マリオ共々身柄を買い取られ、友情確認ゲーム救出に挑まされる。今作では回想で登場する。
高崎 (たかさき)
兵藤和也に仕える、サングラスを掛け、黒いスーツを着用した男性。マザー・ソフィーによるポーカー勝負が佳境に入り、兵藤和也が伊藤開司と2人だけになりたいと言った際、他の部下と違いすぐに離れようとはせず、一抹の不安を感じていた。だが、結局は兵藤和也の強運を信じ、部下と共に勝負の場を離れる。
兵藤 和尊 (ひょうどう かずたか)
伊藤開司が最も忌み嫌う相手。日本最大の資産家にして、帝愛グループの総帥。兵藤和也の父親でもある。賭博に負けた者や失敗した部下に器官破壊、指切断、焼き土下座、地下強制労働などの懲罰を強制的に与える。今作では、兵藤和也の人知を越えた強運を前に、伊藤開司はその幻影を見る事になる。
その他キーワード
マザー・ソフィー (まざーそふぃー)
『賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編』に登場する2人用ポーカーマシン。帝愛グループが所有する倉庫に聳え立つ塔の上に設置されている。まず、トランプ3セットからジョーカーを抜いた物をシャッフルし、山を作ってプラスチック板で区切り、そこより上の札を破棄。残った分を分配装置「神の手」にセットし、椅子に座りベルトを装着。 タッチパネルで名前と賭け金を入力して準備完了となる。「神の手」から2枚ずつ手札が配られ、その2枚を自身の手元にある「提示ボックス」に置くと、カメラが手札を読み取り、A~8のUP、もしくは7~2のDOWN、どちらであるか確認し、2種類のランプを点灯させる。手札の強さは、UP>DOWNで、数字がAに近づく程強いが、1つ例外として2の手札のみ、1番強いAに勝つ事が出来る。 また、マークの強弱は無く、数字が同じ場合は引き分ける。互いに手札を1枚選び対戦、残りの手札は手元に残り、新たな手札が神の手から配られる。従来のポーカー通り、コールやレイズも存在する。賭け金は最低でも1体2億円とする人形を用いるが、それが尽きた場合、勝負を降りるか、赤い人形を追加で賭けるかする。 この赤い人形で負けた時の代償は自身の命となる。
前作
賭博黙示録カイジ (とばくもくしろくかいじ)
福本伸行の代表作で、のちにシリーズ化される「カイジ」シリーズ1作目。カイジこと伊藤開司は、友人の保証人になったことで多額の借金を抱え、返済のために様々なギャンブルに挑んで行く。講談社「ヤングマガジン」... 関連ページ:賭博黙示録カイジ
賭博破戒録カイジ (とばくはかいろくかいじ)
『カイジシリーズ』2作目。カイジこと伊藤開司は、スターサイドホテルの勝負で兵藤に敗れ、さらに借金を1,000万円に増やすことになり、再びギャンブルの世界へ身を落として行く。福本伸行の代表作。講談社「ヤ... 関連ページ:賭博破戒録カイジ
賭博堕天録カイジ (とばくだてんろくかいじ)
『カイジシリーズ』3作目。主人公カイジこと伊藤開司が、仲間がし賭博で巻き上げられた金を取り返すために再び、ギャンブルの世界へ落ちていく姿を描く。『賭博破戒録カイジ』の続編。講談社「ヤングマガジン」20... 関連ページ:賭博堕天録カイジ
賭博堕天録カイジ 和也編 (とばくだてんろくかいじ かずやへん)
漫画『賭博堕天録カイジ』の続編で『カイジシリーズ』4作目。主人公の伊藤開司が、宿敵である帝愛グループ総帥の兵藤和尊の息子、兵藤和也にゲームを提案され、互いの信念を賭けて勝負に挑む様子を描いたギャンブル... 関連ページ:賭博堕天録カイジ 和也編
続編
賭博堕天録カイジ 24億脱出編 (とばくだてんろくかいじ にじゅうよんおくだっしゅつへん)
福本伸行の『賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編』の続編で『カイジシリーズ』6作目。前作において「ワン・ポーカー」で兵藤和也に挑んだ伊藤開司が、その勝利で得た資金を持って追っ手から逃走する「24億円の脱... 関連ページ:賭博堕天録カイジ 24億脱出編