赤い文化住宅の初子

赤い文化住宅の初子

社会的弱者のシビアな現実を、シュールながらユーモラスに描くサブカル・個性派作品。セリフはすべて方言。全4部構成で、『赤毛のアン』『十五少年漂流記』『シンデレラ』などをもじった筋立てになっている。

正式名称
赤い文化住宅の初子
ふりがな
あかいぶんかじゅうたくのはつこ
作者
ジャンル
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概要・あらすじ

働き過ぎた母には先立たれ、ダメ兄克人と昭和の文化住宅に暮らす中学生宇野初子。貧乏ゆえに高校進学も諦め、中学卒業後は工場バイトで働く。家庭放棄していたホームレス同然の父が訪ねてくるが、兄に灯油をぶっかけられて追い払われ、その腹いせに焼身自殺。住むところがなくなった初子は、結婚しようと言ってくれる三島くんと離れ、兄について大阪に出ることになる。

登場人物・キャラクター

宇野 初子 (うのはつこ)

下村中3年1組で母は他界、父は蒸発中。中学生ながら家計を助けるため、ラーメン屋で皿洗いのバイトをしている。家には電話もテレビもない。健気でひたむきだがどんくさいところがあり、風邪で早退する際にも補導されそうになったり、公園で栄子さんというおばさんに新興宗教清魂会のホームに連れて行かれたりする。 中学卒業後は工場でバイトし始め、ビスケの割れたのをもらって公園デートで三島くんと食べたりする。家や家族がなくなることを何より恐れている。生まれたときから住んでいる文化住宅が父の焼身自殺で燃えたのを機に、兄について大阪に行くことに。

宇野 克人

宇野初子の兄。高校中退の社会人。東高に進学しようとしていた初子を諦めさせ、中学卒業と同時に働くよう仕向ける。二言目には自分に何も期待するなと言う。酒を飲み、デリヘルを呼ぶ金はあっても、妹を高校に通わせられない甲斐性なしの自分に負い目を感じている。借金を残して蒸発し、母を過労死に追いやった父を恨んでいる。

三島くん (みしまくん)

宇野初子と結婚前提でつき合っている彼氏。初子とは中学3年時のクラスメイトで学級委員。ケータイはJフォンユーザー。塾に通っており、当初は進学予定だった初子の勉強を見てやる。高校は予定通り、進学校の東高に進む。

田尻先生 (たじりせんせい)

男にだらしなく、無断欠勤が多い下村中のダメ教師。3年1組の担任。進学できないと報告してきた宇野初子に対し、女の子はいざとなったら結婚すればいいと、やる気のない対応をする。

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