人気少女漫画『赤ずきんチャチャ』の続編
前作『赤ずきんチャチャ』の連載終了から11年を経て連載開始された続編。前作とは違って本作の主な舞台は魔法界ではなく、東京を中心とした現代日本となっている。前作終盤に魔界に行っていたチャチャたちが、魔法界に戻ってきたあとの時系列で描かれる。また前作から11年経過しているため、テレビアニメ版『赤ずきんチャチャ』に登場したオリジナル設定やオリジナルキャラクターの一部も、本作に登場する。訳あってしばらく東京で暮らすことになったチャチャたちの日常生活が、ファンタジーありラブコメディありのドタバタ劇で展開される。前作『赤ずきんチャチャ』は魔法界の学校「うらら学園」を舞台にした学園コメディで、テレビアニメ化やOVA化をはじめ、さまざまなメディアミックス化され、少女漫画ながら幅広い層に人気がある。
ドジな魔法使いの少女が主人公
前作に引き続き、本作でも赤頭巾がトレードマークの魔法使い、チャチャが主人公を務める。チャチャは世界一の魔法使いとして知られるセラヴィーの弟子で、彼の指導のもとで魔法の修行を重ねているが、その魔法は不安定で変なものを召喚したりと、一向に魔法の腕は上がっていない。魔法使いとしてはちょっとドジでかわいらしいチャチャは、幼なじみで狼男のリーヤ、チャチャに片思いする生真面目な魔法使いのしいね、しいねの師匠である魔女のどろしーと、周囲には個性的な人物ばかり。魔界から魔法界に戻って平和に暮らしていたチャチャたちはある日、魔法界から見て「界外」にあたる別世界への旅行に出掛けたセラヴィーとどろしーが使用したワープ瓶を発見する。以前から界外に興味のあったチャチャは、好奇心のままにリーヤとしいねを連れて、セラヴィーたちがいる日本の東京へと向かう。
魔法界に戻れなくなったチャチャたちの東京生活
東京にやってきたチャチャたちはセラヴィーと合流するも、魔法界に戻るためのワープ瓶が壊れていることが判明し、しばらく東京にマンションを借りてセラヴィーたちと暮らし始める。やがてチャチャはお嬢様学校、リーヤとしいねは公立中学校へ通うようになり、同級生や教師、日本に住む人々と出会いや交流を重ねていく。当初、東京にやってきたのはチャチャ、リーヤ、しいね、セラヴィー、どろしーの五人だったが、その後も魔法界から彼女たちの友人が次々と東京にやってきて、チャチャたちの東京生活はますますにぎやかになっていく。前作でお馴染(なじ)みのキャラクターはもちろん、本作ならではのオリジナルキャラクターも多数登場する。
登場人物・キャラクター
チャチャ
魔法界のもちもち山に住んでいる魔法使いの少女。金髪のセミロングヘアを二つのおさげにしており、真っ赤な頭巾がトレードマーク。少々天然気味ながら、明るく天真爛漫(らんまん)な性格をしている。召喚魔法を中心に使用し、ほうきに乗って空を飛ぶこともできる。魔法界では「うらら学園」に通いながら、セラヴィー先生の弟子として魔法を学んでいた。しかし魔法の上達スピードが遅く失敗も多いため、周囲にはあまりその腕を信頼されていない。日本へ旅行に行ったセラヴィーたちを追って友人のリーヤ、しいねの三人で東京へ向かうものの帰れなくなってしまう。そして、そのまま東京のマンションで暮らすことになり、やがてお嬢様学校「おりぼん学園」に通うようになる。乗馬クラブに所属しており、学校では魔法使いであることを隠している。頭巾はセラヴィーの手作りで非常に防御力が高く、手裏剣が刺さっても問題ない。
セラヴィー
世界一の魔法使いの男性。チャチャの師匠兼保護者で、東京にやってきたチャチャたちと暮らしている。天才的な魔法の技術と知識の持ち主で、ピアノや空手、料理など幅広い趣味を持つ。爽やかで優しい性格のイケメンだが、執着心が強すぎる変わり者でもあり、特に幼なじみでライバルでもある、どろしーには異様な執着を見せる。その一方で、教え子のやっこから一方的に慕われていたり、未熟な教え子たちに手を焼いたりと、苦労人な一面もある。昔のどろしーをモデルにした人形のエリザベスを連れ歩き、腹話術で会話している。どろしーと共に日帰りの東京旅行に行ったものの、セラヴィー自身がワープ瓶を壊したために帰れなくなってしまい、のちに合流したチャチャたちと共に東京のマンションで暮らすようになる。ワープ瓶を作り直すものの、チャチャたちが部屋で暴れて壊してしまったため、彼女たちに代わりの材料探しを頼んでいる。
前作
赤ずきんチャチャ (あかずきんちゃちゃ)
作者・彩花みんの代表作。魔法の国にあるうらら学園を舞台に、魔法使いのたまごのチャチャと、その仲間達による楽しい日々を描いた学園ギャグ漫画。集英社「りぼん」1992年10月号から2000年8月号まで連載... 関連ページ:赤ずきんチャチャ
書誌情報
赤ずきんチャチャN 全5巻 集英社〈マーガレットコミックス〉
第1巻
(2013-11-25発行、 978-4088451220)
第5巻
(2019-09-25発行、 978-4088442402)