赤赫血物語

赤赫血物語

介錯の代表作の一つ。血液を糧とする吸血者に村を滅ぼされた少年、樹が、吸血者の殲滅(せんめつ)と、拉致された幼なじみの救出を目的に旅するバイオレンス復讐譚(ふくしゅうたん)。吸血者による人間の家畜化や奴隷化が行われているハードな世界観が特徴で、四肢が捥(も)げるほどの凄絶な戦いを通して、「弱肉強食」という自然の摂理に抗(あらが)おうとする人間の姿が濃密に描かれている。布状の武器「血染布(けっせんぷ)」を用いて行われる戦闘も見どころとなっている。DeNA「マンガボックス」2014年第19号から2017年第14号にかけて連載され、単行本1巻は2014年9月に講談社より刊行された。

正式名称
赤赫血物語
ふりがな
あかあかとしたちのものがたり
作者
ジャンル
ダークファンタジー
 
バトル
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概要・あらすじ

登場人物・キャラクター

(いつき)

山間部にある四十八村(よそやむら)で暮らす黒髪の少年。お人好しながら、頭に血が上ると周囲が見えなくなって暴走する悪癖がある。凄腕(うごうで)の狩人、大牙(たいが)の息子で、父親から貰った「血染布」の赫(あか)いマフラーを首に巻いている。血染布は蜘蛛(くも)糸のように伸縮する特別製で、狩猟の際に暴れる獲物を拘束するなどの用法がある。神託で選ばれた男女が交わり五穀豊穣(ほうじょう)と子孫繁栄を願う「契りの日」に相思相愛の幼なじみの若菜と結ばれる予定だったが、儀式の前日に人間の血液を糧とする吸血者に村を襲撃され、大牙が死亡。捕縛された若菜を救おうと奮戦するも、吸血者のリーダー、ハキムに従う近衛隊のアイに四肢を切断されてしまう。それでも抵抗の意思を失わず、血染布で四肢を繫ぎ抗戦するが、若菜の奪還に失敗。すべてを失ったとで悲しみに打ちひしがれるも、大牙の知己であるシャーリー・ベルの叱咤(しった)で立ち直り、吸血者の駆逐と若菜の奪還を決意した。そして、シャーリーから血染布を自在にあやつる「赫血闘布術(しゃくけつとうふじゅつ)」を教わり、ハキムを追って旅に出る。修行後は血染布を包帯のように纏(まと)ったり、糸状にして張り巡らせたり、繊維を漂わせてセンサーにしたりと、活用の幅が広がった。また、以前から使用していた刀に加えて、苦無(くない)も使うようになった。

シャーリー・ベル

四十八村の住民が近寄らない禁山に屋敷を構える女性。金髪金眼の持ち主で、ポニーテールの髪型にしている。その美貌は見た者が恐怖を覚えるほど。一人称は「ワシ」で、語尾に「じゃ」を付けるなど古風な口調で話す。ある日、好奇心から屋敷に立ち入った樹の「血染布」を見て、彼が大牙の息子だと言い当てた。その素性には謎が多く、当人は病気の療養中で、感染を避けるため人里から離れていると主張している。しかし、樹は大牙が定期的に屋敷を訪れ、シャーリーに血を吸わせていることを知っている。四十八村の壊滅後、切断された四肢を「血染布」で繕い戦い続けた樹の根性を絶賛。絶望に泣き腫らす樹を殴打、叱咤激励で立ち直らせ、再起を誓った彼の唇を奪い、1か月に渡って樹に「赫血闘布術」と不撓(ふとう)不屈の心を叩(たた)き込んだ。その後は樹と共に下山し、旅のパートナーとして活躍。サイドカー型マシン「ロードシーザー」の運転と整備を担うのみならず、有事には「赫血闘布術」を用いて戦闘に参加することもある。ただし、血染布で織った衣服を纏っているため、血染布を武器として使用すると衣服の丈が短くなってしまう。実は大牙と旅したことがあり、彼に赫血闘布術を教えたのもシャーリーである。樹と旅を続けるうちに大牙との共通点を見出し、好意を抱くようになる。

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