出会ったばかりの姉弟
両親の再婚によって新たに家族になった高校生の宇佐美みなとと、小学2年生の宇佐美光志郎。突然姉弟になった二人は、一つ屋根の下で暮らすようになる。これまでどおりにいかないもどかしさに戸惑いながら、みなとは姉として光志郎に寄り添って向き合う努力をする中で、少しずつ姉弟らしくなっていく。まだ出会ったばかりの姉弟の笑顔あふれる日常が、周囲を巻き込みながら過ぎていく、ほのぼのホームコメディ。
等身大の小学2年生男子
小学2年生の宇佐美光志郎は、破天荒で天真爛漫な元気な男の子。お気に入りの石や大きなネジを宝物にしており、くだらない物にも自分なりのこだわりを持っている。光志郎の何げなく発する言葉が秀逸で時に笑い、時に感動し、その反応がいちいちかわいくて自然に笑顔になる。一方で、不安から夜中にひっそりと泣いていることもあり、思いもよらぬ大胆さと子供ならではの繊細さを持ち合わせており、思わず抱きしめてあげたくなる衝動にかられる。大人から見ると、小学生男子たちのくだらない会話に笑顔がこぼれるが、誰もが覚えのある「小学2年生男子」の等身大の姿が、コミカルかつリアルに描かれている。
それぞれの世界
宇佐美光志郎は転校先の小学校で、クラスメートのロボとの出会いをきっかけに、新しく友達の輪を広げていく。クラスメートと親しくなるにしたがって、自分とは違う友達の親子関係を目の当たりにし、再婚による複雑な家庭環境に悩む子に寄り添うなど、さまざまなことを経験していく。一方で宇佐美みなとは、高校で仲のいい女友達四人と変わらない日々を送りながら、幼稚園時代に仲がよかった田中ショウタと再会して交際に発展し、騒がしい日常がにわかに色づき始める。
登場人物・キャラクター
宇佐美 みなと (うさみ みなと)
高校1年生の女子。年齢は16歳。父親の再婚により宇佐美光志郎の姉となった。素直な性格のしっかり者。実の母親は亡くなっており、新たな母親となるミツ子を、いい人だと慕っている。しかし、「お母さん」と呼ぶのは実母だけと心に決めているため、ミツ子の呼び方は現在模索中。光志郎に対しては、会う前に勝手に抱いていたかわいい弟のイメージを大きく裏切る形になり、実際に会った際は一度はがっかりするものの、家族になった光志郎と真摯に向き合い、戸惑いながらも弟として受け入れていく。日常生活で起きた些細なことを、仏壇の母親に報告するのが日課となっている。学校では、仲のいいクラスメイトの女子四人と行動を共にしている。最近、幼稚園時代に仲がよかった田中ショウタと再会し、ぎこちなくも親交を深めている。
宇佐美 光志郎 (うさみ こうしろう)
小学2年生の少年。年齢は8歳。頂点がとがってつんつんした、玉ねぎのようなフォルムの特徴的な髪型をしている。天真爛漫(らんまん)で破天荒、さらに小生意気な小学生男子特有のやんちゃな性格をしており、寿司(すし)のわさびを毒と言ったり、ガラクタを大切な宝物にしていたりと、自分だけの独特な世界を持っている。母親の再婚により、宇佐美みなとの弟となった。勝手に抱いていた姉のイメージを裏切る形となったため、みなとに会って一時はがっかりするものの、家族として接する中で、なじんでいく。一見何も考えていなさそうに見えるが、新居に引っ越して来た日の夜に急に心細くなり、もとの家に帰りたいと涙を流すなど、繊細な一面を持つ。引っ越したあとに通い始めた新しい学校では、前の学校で流行(はや)っていた遊びが通用しないなど、寂しい思いをするものの、クラスメイトで孤立しがちなロボとなかよくなったのをきっかけに、少しずつ友達の輪を広げていく。もとの苗字は「作場」。