老舗旅館が舞台のラブコメディ
舞台となるのは浅草の老舗「染谷旅館」で、若旦那の雪斗と板前の依音の結婚から物語が始まる。父親のような立派な板前になるため修業に励む依音は、幼い頃からあこがれを抱いていた雪斗を「推し」として、ほかの従業員たちと共にアイドルのように愛でたり崇(あが)めたりする日々を送っていた。そんなある日、雪斗の見合い話の噂を聞いてショックを受ける依音だったが、突然彼からプロポーズを受けて結婚することになる。紳士的な雪斗に過保護なほどに溺愛される依音のシンデレラストーリーが描かれる。
ナチュラル紳士の若旦那×板前修行中のピュア女子
依音は幼少期から、生前父親が板長を務めていた浅草の老舗「染谷旅館」の跡取り息子の雪斗にあこがれを抱いていた。その後、父親のような板前を目指して修行に明け暮れる依音は、みんなのあこがれである若旦那の雪斗をあくまで「推し」として愛でながら、必要以上に距離を置こうとしていた。そんな中、突然雪斗にプロポーズされた依音は彼の新妻となり、そして女将(おかみ)見習いとして新たな結婚生活を送ることになる。頭脳明晰(めいせき)で眉目秀麗な雪斗だが、依音に対しては不器用過ぎるほどにまっすぐな愛情を寄せ、若旦那の時にとは異なる言葉や表情を見せるようになる。雪斗に溺愛され翻弄される依音は、さまざまの試練に立たされながらも幸せな新婚生活を堪能し、雪斗との大切な時間を過ごしていく。
修行しながらの新婚生活が始まる
雪斗と結婚した依音は染谷旅館の女将修行を続けていたが、あることをきっかけに依音の料理への思いを知った雪斗は、彼女に板前修業に戻るよう提案する。そして雪斗は、依音が板前長になったら共に染谷旅館を支えて欲しいと、自分の思いを伝える。その後も休日デートや新婚旅行を通して二人は愛を深めていく。そんな中、絶縁状態となっていた雪斗の兄で、有名ホテルの経営者でもある雅人と再会し、依音と雪斗はさらなる試練に見舞われる。観光地として有名な浅草の四季折々の風景と、金平糖のような甘い幸せと共に純愛に満ちた二人の新婚ラブストーリーも見どころになっている。
登場人物・キャラクター
鶴岡 依音 (つるおか いお)
浅草の老舗「染谷旅館」に勤める女性。年齢は21歳。桃色の髪をショートヘアにしている。かつて染谷旅館の料理長を務めていた父親のような板前を目指して、染谷旅館で見習いとして板前修業に励んでいる。幼少期に母親が亡くなって涙を流していたところ、金平糖を渡され励ましてくれた染谷旅館の跡取り息子の雪斗を慕い、彼が若旦那となった今もひそかに恋心を抱いている。そんな中、雪斗に見合い話が舞い込んでいることを知ってショックを受けるも、その縁談を断った彼から突然プロポーズされる。立場の違いの大きさから一度は躊躇(ちゅうちょ)するも、雪斗のそばにいたい一心でプロポーズを受け入れ、幸せな新婚生活を送ることになる。結婚後は板前修業をやめて女将修行をしていたが、雪斗の提案により板前修業を再開し、染谷旅館の板前長を目指すことになる。
染谷 雪斗 (そめや ゆきと)
浅草の老舗「染谷旅館」の跡取り息子。従業員たちからは「若旦那様」と呼ばれているイケメンで、多くの人たちのあこがれの的となっている。穏やかな性格で、紳士的な物腰と美しい所作は老若男女を問わず魅了しており、旅館の従業員たちに信頼と共に尊敬を寄せられている。大旦那から縁談話を持ちかけられるが、以前から思いを寄せていた板前の依音にプロポーズし、彼女と結婚することを宣言した。好きな女性には不器用に接しがちだが、依音に対してはつねにまっすぐな愛情を向けている。結婚してからも依音に対して過保護なほどに溺愛し、周囲から心配されるほど。染谷旅館を継がずに大手ホテルの経営者となった雅人という兄がいるが、何年も絶縁状態になっている。
書誌情報
過保護な若旦那様の甘やかし婚 7巻 講談社〈BE LOVE KC〉
第1巻
(2022-09-13発行、 978-4065292266)
第2巻
(2022-11-11発行、 978-4065296622)
第3巻
(2023-01-13発行、 978-4065299272)
第4巻
(2023-04-13発行、 978-4065314104)
第5巻
(2023-09-13発行、 978-4065331361)
第6巻
(2024-05-13発行、 978-4065355701)
第7巻
(2024-11-13発行、 978-4065375792)