概要・あらすじ
登場人物・キャラクター
十文字 元 (ともんじ げん)
いつも酔っぱらっていて、口にはゲソを咥えている。ただし、その顔は特殊なマスクで、素顔は金属製の仮面に覆われている。上半身や腕にも金属製の装甲がある。安アパートの一室で独り暮らし。部屋は酒の空きビンなどゴミだらけ。私立探偵だが稼ぎは悪く、おでんの屋台を引くこともある。「十文字探偵事務所」の看板は、来々軒の店先にぶら下がっている。 かつては警察学校を優秀な成績で卒業し、柔道・空手合わせて七段を持ち、警視庁捜査第二課で最年少の敏腕刑事だった。半年前、怪盗鉄面クロスを追跡中事故に遭い、半年間行方不明の後にふらりと戻ってきた。ところが無気力になっていて、すぐに退職して私立探偵を開業。 その事故は鉄面クロスの仕業で、意識を失っていた間に特殊な針が仕込まれた鉄面を装着された。鉄面クロスの身代わりにされるところを、クロスの予想より早く目覚め、武道の師・修羅大道の家に隠れた。そこで、神月信次に精巧な人面マスクを作ってもらって帰還。探偵として鉄面クロスだけを追って張り込み、ついに直接対決で倒した。 その正体を知った十文字は、やりきれない思いを胸に、酔いどれ探偵を続けている。
十文字 剛 (ともんじ ごう)
十文字元の父親で定年間近の刑事。警視庁捜査第二課に所属する。鉄面クロスの事件を元と一緒に追っていた。自慢の 息子が腑抜けになって嘆いており、復職を願っている。『サイボーグ009』のギルモア博士と同じ顔をしている。
ミチ
肩までの髪を襟足で2つに縛っている。来々軒の看板娘で一人娘。あだ名の由来は口癖の「バカヤロウ」。言葉遣いや態度は荒いが面倒見はよく、常連客には人気。十文字元のことが気になっていて、出前では餃子などをオゴる。「十文字探偵事務所」の看板を来々軒の店先に出させた。
神月 信次 (こうづき しんじ)
メガネをかけた青年。神月整形病院の院長。柔道と空手を修羅大道の道場で学び、武道と修羅の娘・修羅里子をめぐる恋の両面で十文字元とライバルだった。医大卒業後、病院の院長となる。刑事の安サラリーからか、煮え切らない元を出し抜いて里子と結婚。病院建設と里子との結婚のための資金欲しさから怪盗鉄面クロスとなる。 だが、スリルが病みつきになり鉄面クロスを継続、里子に嗅ぎつけられてしまう。そのため里子から元のマスクを作ることを強要された。元と直接対決で敗れ、絶命した。弟も整形外科医になり、兄の復讐を目論んで元を狙ったが失敗し、事故死する。
黄金の破壊者 (ごーるど・ですとろいやー)
黄金の仮面で顔を隠した、右腕が黄金の銃の殺し屋。正体はおでんの屋台のオヤジ。戦争で片腕を失い、甲坂源三から黄金の銃が仕込まれた義手をもらって専属の殺し屋となる。甲坂の娘との結婚を反対された秘書・田中浩により甲坂の殺害を黄金の破壊者の仕業に偽装されたが、生前の甲坂から受けた依頼に従って田中を射殺。 屋台の客として知り合っていた十文字元に、腕がぶつかったときの音や、熱燗を素手で掴む様子などから右腕が義手と気付かれ、アリバイから黄金の破壊者と見抜かれた。おでんの屋台を元に譲り自殺。甲坂の娘は黄金の破壊者が自分で育てられずに養子に出した実の娘だった。
鈴原 (すずはら)
メガネをかけ、いつもネクタイをした白衣の女性。ロボット工学者で自宅を鈴原ロボット工学研究所にしている。超一流のロボット工学者を誘拐し、または殺して研究資料や設計図を奪い、最新の人型ロボットを作り上げようとしていた。そのため、人間に兜と鎧を装着してロボットに仕立てて殺人などを犯させた。 この兜には電極が仕込まれ、命令を聞かないと電気ショックを与えた。ロボット工学者が狙われる事件が続いたため、妹の鈴原良子が、十文字元に護衛を頼んだことから、真相が発覚。誘拐してロボットに仕立てた田所博士の手にかかって死亡した。良子のことを考えた元は、マスクを外した姿で自分が逃げるところを目撃させ、犯行が暴走したロボットによると見せかけた。
場所
来々軒 (らいらいけん)
町中の中華料理店。店主と娘のミチで営業している。昔ながらのラーメン屋で、店先の提灯に「さっぽろラーメン」とある。また軒下にはミチが出させた「十文字探偵事務所」の看板もある。