野良猫と便利屋

野良猫と便利屋

人生に絶望し、自殺を試みたところを通りすがりの便利屋の青年に助けられた中年男性が、彼と同じ便利屋となって人生をやり直し、世相を表す人々の悩みを解決するために奮闘するヒューマンドラマ。「COMIC BRIDGE online」で2018年8月21日から配信の作品。

正式名称
野良猫と便利屋
ふりがな
のらねことべんりや
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
BRIDGE COMICS(KADOKAWA)
巻数
既刊2巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

うだつの上がらない中年男性のは人生に絶望し、ビルの上からの飛び降り自殺を実行。しかし、恐怖心から飛び降りられず、屋上の手すりにぶら下がったまま立ち往生してしまう。せまりくる死の恐怖の中、思わず助けを求めてしまった柴を、通りすがりの謎の青年が救出する。見ず知らずの他人から助けられたことに感謝する柴だったが、その青年の正体は便利屋で、あくまで仕事の一環として柴を助けただけだった。後日、職探しを開始した柴は、街中で紛失した大事なアクセサリーを捜す若い女性、三ヶ川に遭遇。彼女の必死な姿に同情した柴は、アクセサリー捜しを手伝うが、アクセサリーは見つからない。アクセサリーをあきらめきれない三ヶ川は便利屋に協力を依頼するが、現場に来た便利屋は柴を助けたあの青年、玄野草一郎だった。偶然の再会に驚いた柴は、彼のアクセサリー捜しを手伝い、ひょんなことからアクセサリーを見つけ出す。その際、三ヶ川から掛けられた感謝の言葉に心を動かされた柴は、草一郎に自分を便利屋として雇ってくれないかと申し出るのだった。(第1話「窮鼠、猫の手を借りる」。ほか、4エピソード収録)

登場人物・キャラクター

(しば)

眼鏡を掛けた白髪の中年男性で、気弱でおとなしい性格をしている。妻子はいるが、今は別離している。孤独な人生に絶望しており、ビルの屋上からの飛び降り自殺を試みる。しかし死の決断ができず、手すりにぶら下がったままの危機的状況に陥ったところを、通りがかった便利屋の青年、玄野草一郎に救出された。これが最初のきっかけとなり、紆余曲折あって柴自身も便利屋として便利屋ネコノテで働くようになる。生来の優しさと人から感謝される喜びを原動力に、どんな現場でも懸命にまじめに働いている。多くを語らず、黙々と仕事をこなす草一郎のことが気になっている。

玄野 草一郎 (くろの そういちろう)

無口な長身の青年で、年齢は19歳。便利屋ネコノテで正社員として働いており、仕事仲間からは「クロ」というあだ名で呼ばれている。飛び降り自殺に失敗し、助けを求めていた柴を偶然救った。柴が便利屋ネコノテに入社してからは、シフトの関係で柴といっしょに行動することが多くなる。便利屋としては有能ながら、仕事は事務的に淡々とこなすタイプで、依頼者のプライベートにはいっさい干渉しない主義。また、他人から干渉されることを極端に嫌う。「人助けなんて無意味」と言い放つこともあり、依頼者の事情を汲もうとする柴と意見が衝突することもある。中学生の頃に両親が事故死しており、玄野の叔母に引き取られ、育てられた過去を持つ。学生時代は人のためになる人間になることを目標にしていた。

内井

便利屋ネコノテの多摩店のオーナー兼店長を務めている女性。小柄な体型で、いつもサングラスを掛けている。仕事には真摯に取り組んでおり、仕事上のことであっても多くを語ろうとしない玄野草一郎のことを厳しく指導している。その一方で、複雑な家庭事情を持つ草一郎のことを気にかけており、つかず離れずの状態で見守っている。

神村 (かみむら)

とある会社で課長を務めている男性。新しい部署に移ったばかりで部下との距離感がつかめず、仕事の指示をパワハラ扱いされるのを恐れている。そのため、なんでもない会社の雑務を便利屋ネコノテに依頼し続けている。依頼内容に不審を抱いた柴からのアドバイスを受けて、パワハラの定義を確認して悩みを解決した。

三ヶ川 (みかがわ)

おっとりとした性格の若い女性。別れた恋人との思い出の品であるアクセサリーを紛失してしまい、街中で懸命に捜していた。たまたま現場を通りかかった柴に協力してもらうが見つからず、最終的に便利屋ネコノテにアクセサリー捜しを依頼することになった。

玄野の叔母 (くろののおば)

玄野草一郎の叔母で、ショートカットの髪型をしている。両親を事故で失った草一郎を引き取って育てた中年女性。両親の事故死以来、朗らかさが消え、すっかり人が変わってしまった草一郎を、今も温かく見守っている。

健斗 (けんと)

不登校になった小学生の男子。母親からの依頼を受け、内井が日中は会社で面倒を見ることになった。頭が非常によく、要領もいいが、両親の不仲によって精神的に不安定になり、不登校に至った。周囲には学校教育が無意味なため、学校に行かなくても平気だとうそぶき、本音を隠していた。母親の前では年相応の子供を演じている。

集団・組織

便利屋ネコノテ (べんりやねこのて)

全国にフランチャイズ展開をしている、あらゆる雑務を代行するサービス業者。柴や玄野草一郎は便利屋ネコノテの多摩支店に勤めている。依頼には出張料と一人当たりの作業料が必要になるため、決して安価ではないが、いろんな雑務を代行してもらえるために重宝されており、仕事の依頼は引きも切らない。

書誌情報

野良猫と便利屋 2巻 KADOKAWA〈BRIDGE COMICS〉

第1巻

(2019-04-08発行、 978-4040655659)

第2巻

(2020-06-08発行、 978-4040645094)

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