金目童子

金目童子

母親の幽霊から不思議な力を持つ金色の瞳を与えられた少年、金目童子の旅を描く、冒険活劇妖怪譚。「月刊ハロウィン」1991年11月号から1992年8月号にかけて掲載された作品。

正式名称
金目童子
ふりがな
きんめどうじ
作者
ジャンル
お化け・妖怪
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概要・あらすじ

出生と共に母親と死に別れた少年は、育ての父母に虐待されながら育った。ついには焼けた火箸で両目を突かれた少年は、命からがら山の中に逃れるが、そこで母親の幽霊と出会う。我が子を不憫に思う母親は、少年にさまざまな不思議を見通す、金色に光る神秘の目を与え、実の父親を捜すよう助言する。こうして金目童子となった少年は一人、あてどもない旅に出る。途中、いけにえとなった子供達の怨念の集合体、単眼鬼を鎮めていた銀姫や、旅の僧侶である紫銅が仲間に加わり、少年の旅はにぎやかなものになっていく。 そんなある晩、野宿をしている時にちょうどいい行李(こうり)を見つけた金目童子は、その中で眠ってしまう。しかしその行李は、ある家に代々伝わるもので、過去の夢を見せる不思議な品物だった。夢の世界で、金目童子は自分の父親が川に住まう妖怪であったと知る。同時に母親の死に妖怪がかかわってるとを知った金目童子は、仇を討とうと決意する。

登場人物・キャラクター

金目童子 (きんめどうじ)

山中で産み落とされ、そのまま母親と死別してしまった少年。幽霊になった母親から与えられた金色の瞳のおかげで不思議な力を身につけ、「金目童子」と呼ばれるようになった。実は父親は妖怪で、不思議な力を受け継いでおり、その力使う際には、顔に歌舞伎の隈取りのような模様が浮かび上がる。正義感にあふれ、特に自分のように不幸な目に遭った者への同情心が強いため、人間に害をなす妖怪との戦いに巻き込まれる事も多い。 一方で少年らしい自由気ままさも持ち、旅の仲間となった銀姫や紫銅を振りまわす事もある。またトラブルメーカーでもあり、何かと騒ぎに巻き込まれるきっかけを作っている。

銀姫 (ぎんひめ)

山中の洞窟で、鎮魂の鈴を鳴らし続けていた少女。不思議な力を持った子供で、単眼鬼という妖怪を山に封じておくという、家に代々伝わる任を負っている。同時に、鈴の音でふもとの村に福をもたらしてもいる。しかし山の地主の息子が鉄砲で鎮魂の鈴を砕いてしまったため、単眼鬼が実体化。これを金目童子が退治してからは役目からも解放され、押しかけ女房的に金目童子の旅につき従うようになる。 旅においては、料理や裁縫などの面で金目童子を助ける。金目童子と同室で宿泊した時は、彼がついたてを越えようとしたのを見てパニックに陥るなど、年頃の少女らしい面を見せる。

紫銅 (しどう)

妖怪退治をしながら各地を巡っている旅の僧侶。悪鬼妖怪の類に負けない身体能力を有するだけではなく、女性受けする魅力の持ち主でもある。金目童子や銀姫と知り合ってからは、二人を見守り、助ける立場となる。一振りの錫杖(しゃくじょう)を武器に妖怪と戦っているが、密かに妖怪退治の経文を所持している。しかし、紫銅本人は念仏を唱えるよりも、杖で妖怪を「ぶったたく」方が好みだと公言しており、妖怪退治の経文も金目童子に譲ってしまう。

単眼鬼 (たんがんき)

いけにえとなった子供達の怨念が集合体となった妖怪。毛むくじゃらで、一つ目の鬼の姿をしている。銀姫が鎮魂の鈴を鳴らし続けていたおかげで、おとなしくしていたが、地主の息子が鎮魂の鈴を破壊したため実体化し、大暴れした。最期は、金目童子から、砕け散った鎮魂の鈴の破片を目に振りかけられ、ドロドロに溶け去ってしまう。

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