人の余命で青春するな

人の余命で青春するな

『覆面系ノイズ』や『恋に無駄口』で知られる福山リョウコの連載作品。二子玉川高等学校の芸能クラスを舞台に、俳優の夢を一度あきらめた栗栖之依と、ツンデレな男子の二宮音士。対照的な二人が、個性豊かな仲間たちと共に芸能界での成功を目指し、ひたむきに夢を追いかける姿を描いた、等身大の青春群像劇。白泉社「花とゆめ」2024年15号から連載。

正式名称
人の余命で青春するな
ふりがな
ひとのよめいでせいしゅんするな
作者
ジャンル
俳優・女優
 
青春
レーベル
花とゆめコミックス(白泉社)
巻数
既刊3巻
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二子玉川高等学校芸能クラスの青春群像劇

二子玉川高等学校の芸能クラスは、芸能事務所に所属する生徒たちで構成されている。そんな彼らに、担任は「お前たちは青春素人だ」と言い放ち、今この瞬間を全力で楽しむよう激励する。諸事情で1か月遅れてクラスに加わった之依は、事務所に所属しているものの夢への情熱を失いかけており、担任の言葉に内心反発を覚えていた。そんな中、クラスメイトで元子役の音士と同じ映画のオーディションを受けることになる。やる気のなさを音士から厳しく叱責されるが、結果は二人とも落選。しかし、この悔しさが之依の心に火をつけ、一度はあきらめかけた俳優への夢が再び燃え上がるのだった。

「無名コンビ」の青春と秘密

俳優を目指す之依は、これまで端役ばかりでなかなか芽が出ず、苦しい日々を送っていた。一方、元子役の音士も、アイドルグループの解散後に仕事が激減し、表舞台から遠ざかっていた。仕事が少ないという共通点から、クラスメイトたちからは「無名コンビ」と呼ばれ、何かとペア扱いされるようになる。そんな二人は青春を謳歌(おうか)しながら、いつか俳優として成功するという夢を誓い合う。しかし、之依は「余命はあと3年しかない」と謎めいた言葉を口にし、なんらかの病を抱えていることをほのめかす。音士もまた、自分が干されているのは過去に起こしたあるトラブルが原因だと打ち明ける。重大な秘密をそれぞれ抱えながらも、二人は静かに惹かれ合っていく。

之依と音士を取り巻く若手芸能人たち

二子玉川高等学校の芸能クラスに所属する目黒凛と三澤は、若手芸能人として活躍している。かつては教育番組で共演し、息の合った姿を見せていた二人だが、今では何かと反りが合わず、顔を合わせるたびに喧嘩を繰り返している。クラスメイトからは不仲だと思われているが、実は二人にしかわからない特別な絆があり、いざという時には三澤が凛をかばうなど、互いを強く意識し合っている。また、クラスメイトの之依と音士を「無名コンビ」とからかいながらも、オーディション前にはさりげなく励ますなど、彼らの良き理解者でもある。一方で、人気俳優の南雲有斗は、過去に音士が起こしたトラブルの真実を知っているかのような素振りを見せ、音士を動揺させるために之依を巧みに利用するなど、卑怯な手段を使う。それぞれが異なる思惑を抱え、時には周囲を巻き込みながらも、たくましく成長していく登場人物たちの姿が、本作の大きな見どころとなっている。

登場人物・キャラクター

栗栖 之依 (くるす のえ)

二子玉川高等学校の芸能クラスに在籍する1年生の女子。年齢は15歳。艶やかな黒髪と眼鏡が特徴だったが、のちにショートヘアにイメージチェンジした。映画が好きで俳優を目指していたが、体調の不安から一度は夢をあきらめかけていた。しかし、かつてドラマで共演したクラスメイトの音士に刺激を受け、再び夢に向かって挑戦することを決意する。ふだんは控えめで目立たないタイプだが、自分の意見はしっかりと主張する強い芯を持っている。その一方で少し天然な一面もあり、つかみどころのない不思議な魅力がある。実家はブティックを営んでいるため、個性的なファッションを好んでいる。

二宮 音士 (にのみや ねじ)

二子玉川高等学校の芸能クラスに在籍する1年生の男子。年齢は15歳。子役としてデビューしたあと、アイドルグループのメンバーとして活動していた。しかし、グループが解散してからは仕事に恵まれず、不遇の時期を過ごしている。歌える俳優を目指し、持ち前の高い身体能力とダンススキルを武器にオーディションに挑み続けているが、不合格の日々が続いている。ふだんは明るく負けず嫌いな性格だが、自分の過去のトラブルがグループ解散の原因となったため、そのことに自責の念を抱いている。

書誌情報

人の余命で青春するな 3巻 白泉社〈花とゆめコミックス〉

第1巻

(2024-12-20発行、978-4592225119)

第2巻

(2025-03-19発行、978-4592225249)

第3巻

(2025-07-18発行、978-4592225409)

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