概要・あらすじ
20世紀の少年が700年間の眠りから覚めると、世界は樹木で覆われ、人類の居住場所は生い茂る大樹の枝の上に構築された「メガロ・ネスト」になっていた。少年は、巨大な戦闘兵器である「擬似生体有脚機(サイバス・クローラー)」の操縦士アイアン・キッドと名乗り、人類の平和と愛する者のために、「森賊」と呼ばれる悪党たちと激烈なバトルを繰り広げる。
1987年に「バトルマシーン」MARK6とMARK7に掲載されたのち、コミックス刊行にあたり1話が描き下ろしで加えられている。
登場人物・キャラクター
アイアン・キッド (あいあんきっど)
人工冬眠カプセルから700年後の未来に目覚めた20世紀の少年。未来世界では「擬似生体有脚機(サイバス・クローラー)」の操縦士となってゼロイン・アービックと戦い、彼の称号を継承した。その後都市圏間の「運び屋」となり、平和を乱す誘拐商人や森賊と戦う勇気ある少年。
ヨナ
ワイドワン・ロングバリバアに奴隷として買われ、彼と生活を共にしている少女。ワイドワンの発見したアイアン・キッドに想いを寄せ、20世紀の言葉を覚えてカタコトで意思疎通するけなげな性格。キッドが留守の時に誘拐商人にさらわれてしまう。
ワイドワン・ロングバリバア (わいどわんろんぐばりばあ)
「機械屋」を自称し趣味で博士をしているとうそぶく老人。ワシ鼻で白髪を頭頂部でホウキの先のように束ねている。奴隷のヨナとの2人暮らし。森の中で人工冬眠カプセルに眠るアイアン・キッドを発見し、未来の世界では彼の親代わり的な存在となる。
ゼロイン・アービック (ぜろいんあーびっく)
人工知能を備えた、感情を持つ「擬似生体有脚機(サイバス・クローラー)」の一機だったが、野生化して暴走し他の擬似生体有脚機を攻撃する。立ち向かってきたアイアン・キッドの勇敢さに感動し、自身の称号だった「鋼鉄の狩人」を彼に譲る。
リオラ
未来世界のとある村に住む若い女性。妹の病気治療のために村を出たところを森賊に襲われ、危機一髪でアイアン・キッドに救われる。村の仲間のためには自分の身を投げ出すという純真な心を持っている。
ギオー
平和な村々を襲撃し略奪の限りをつくす森賊の首領で残忍非道な性格の持ち主。野獣のような眼と尖った耳という特異な顔付きをしている。10本のブーメランを操る「擬似生体有脚機(サイバス・クローラー)」に乗ってアイアン・キッドと対決する。
カースラ・アンディ (かーすらあんでぃ)
キャラバン隊を隊長として率い、旅をする女商人。一度は潰れかけたキャラバン隊を立て直した女傑。年齢は27~8歳で、夫と子供を亡くした暗い過去を背負っている。アイアン・キッドを隊の護衛に雇う。
アドル
カースラ・アンディが率いるキャラバン隊の隊員でカースラ隊長の側近。普段は隊長に従順だが、隊を危険にさらす隊長の命令に対しては堂々と意見する真面目な性格。
ギガガラ
森賊の首領で、過去に因縁があるカースラ・アンディのキャラバン隊を襲う。モヒカン刈りの頭で浅黒い肌に分厚い口唇の持ち主。不気味なレリーフを施した「擬似生体有脚機(サイバス・クローラー)」を操り、カースラ隊を護衛するアイアン・キッドと対決する。
場所
パルム
700年後の地球で、樹高500メートルの高さの大樹の枝上に建設された都市国家群「メガロ・ネスト」に属する都市のひとつ。パルムを含む都市群はそれぞれの地域の樹木に点在し、各都市間の交通には7割が木製の「擬似生体有脚機(サイバス・クローラー)」が利用されている。