概要・あらすじ
「飲み屋で知り合った人が娘さんをくれたぞ」と互いの父親の冗談のようなやりとりで、道は老松荘介と夫婦生活を送るためこの街にやって来た。しょっちゅう仕事をクビになる、女好きの荘介との貧乏な生活にも不満を言わず、いつも笑顔でマイペースな道。喫茶ふたばでアルバイトをしながら家事をこなす毎日。自己主張もほとんどせず、流されるように生きているようにみえる道だが、この街にやってきたのは、昔の恋人竹林賢ニがいた場所だからだった。
登場人物・キャラクター
老松 道 (おいまつ みち)
『長い道』の主人公のひとりで、老松荘介の嫁。肩にかかるくらいのセミロングの髪に、いつもヘアバンドをしている。旧姓は天堂。控えめな性格で、少しボーっとしたところがあり、壮介との貧乏生活にも不満を言わず楽しさを感じている。高校時代までは料理が苦手で、味見をした犬が気絶するほどだった。絵がヘタで似顔絵を描かれた荘介が落ち込むほど。 壮介が無職になってからは喫茶ふたばでアルバイトをしている。宝くじを当てたり、その金で買った馬券で大穴を当てたりと強運の持ち主。高校時代は科学部に所属しており、その名残で自宅に実験用具がおいてある。化粧をすると壮介が別人と見間違ってしまうほどの美人になる。
老松 荘介 (おいまつ そうすけ)
『長い道』の主人公のひとり。老松道の夫。女好きで浮気症。ちゃらんぽらんな性格で、酒の席でハメを外しすぎて会社をクビになり、就職活動中。派手目の女性が好みで、道よりも姉の遊のほうが好みである。老松家の長男で、両親と、弟と妹がひとりずついる。絵がうまく、道の似顔絵を描いたり、漫画家になって一攫千金を狙ったりもした。 歌が下手で道や動物たちが気絶してしまうほど。
天堂 遊 (てんどう ゆう)
道の姉。パーマの髪とピアスが特徴。時々、道夫婦のマンションに遊びに来る。大人の女性の魅力を持つ美人で、妹の道とは外見も性格も対照的。気が強い性格で、荘介との口喧嘩の末に、ボコボコに殴り倒した事もある。
竹林 賢ニ (たけばやし けんじ)
道の昔の恋人。誠実な男性で、一人称は僕。道夫婦と同じ街に住むシングルマザーと交際しており、最終話では結婚報告の葉書が道に届く。
老松 園子 (おいまつ そのこ)
老松家の末娘で荘介の妹。黒髪のロングヘアの大学生。気が強くヤキモチの上、兄の荘介が大好き。そのため嫁に来た道に対してヤキモチを焼いており、道に厳しい態度をとっている。
老松 宝介 (おいまつ ほうすけ)
老松家の次男で荘介の弟。荘介と違い礼儀正しく真面目で、言葉遣いも丁寧な男性。老松家で唯一メガネをかけている。一人称は僕。嫁に来た道を、「道さんは荘介兄にはもったいないぐらいだと僕は思ってる」と評価している。
荘介のお父さん (そうすけのおとうさん)
荘介の父親。盗癖があり、小物から動物まで持ってきてしまう。たまたま飲み屋で知り合った道の父親と意気投合し、道を壮介の嫁にもらった。
質屋のおじいさん (しちやのおじいさん)
失業して金に困った荘介が道を質入れしようとして入った質屋の店主。仕事着は作務衣姿。アルバイトに出かける道に200円を貸し与え、質草として荘介をこき使った。
丘本 孔平 (おかもと こうへい)
荘介の親友で、高校時代に壮介とともに剣道部に所属していた。荘介が結婚して最初に遊びにきたお客さんで、道を可愛い嫁さんと評しており、昔から荘介と女性の趣味が合わない。結婚式の際には荘介にスピーチを依頼している。
道が拾ったヒナ (みちがひろったひな)
『長い道』に登場する動物。道が拾った、目つきの悪いヒナ。鳥の種類は不明。拾われてきた当初は体が弱っていたが、道夫婦のおかげで元気になり、部屋を飛び回るほど成長する。道夫婦と散歩に出かけた際に、仲間に出会い飛び去っていった。
下の階のおばさん (したのかいのおばさん)
道夫婦と同じマンションの下の階に住むおばさん。嵐の日に停電になったマンションで、道が帰宅した際に部屋を間違えて入ってしまい仲良くなる。
店長 (てんちょう)
道のアルバイト先の喫茶店ふたばの男性店長。仕事中はバンダナで頭を覆い、店名の書かれたエプロンをしている。料理がうまく、まかない目的で道はアルバイトを続けている。優しい性格の持ち主で 道が結婚をしていることを知りつつも気になっている。
佐々木 奈々 (ささき なな)
道のバイト先ふたばに新しく入った、三つ編みでそばかすが特徴の女の子。役者のたまごで踊りが上手く、盆踊りの際には道に振り付けを教えた。
場所
ふたば
『長い道』に登場する喫茶店。壮介が会社をクビになってから道がアルバイトをしている。小さなお店で、男性店長が営んでいる。道と店長のふたりで営業していたが、後に佐々木奈々が加わる。