概要・あらすじ
鋼のような肉体を持つ大男の陰陽師、九十九乱蔵は、修験者の玄角に呼ばれてアイドル歌手の岡江麻希の家を訪ねる。岡江麻希の力が入らず、手足が毛むくじゃらになった異様な姿に、何か原因があると探っていく乱蔵たち。彼らは、ストーカーのような異常なファン、笹本典夫の存在が関係していると、酒匂川上流の寄(やどろぎ)へ乗り込んでいくのだった。
登場人物・キャラクター
九十九 乱蔵 (つくも らんぞう)
身長2m、体重145㎏の巨漢。仙道と中国拳法の使い手。アイドル歌手の岡江麻希の身に起きた怪奇現象の原因を突きとめるため、寄(やどろぎ)に向かう。
シャモン
九十九乱蔵が引き連れている黒猫の姿をした猫又。
玄角 (げんかく)
修験者。自分の手に負えない状況の時に、九十九乱蔵を呼ぶ。
野宮山 正平 (のみやま しょうへい)
芸能プロ野宮山プロモーション社長。岡江麻希に起きた異変を治すために、玄角に依頼する。
岡江 麻希 (おかえ まき)
野宮山プロモーション所属のアイドル歌手。身体に異変が起こり、玄角に見てもらう。
笹本 典夫 (ささもと のりお)
岡江麻希を熱心に追いかける異常なファン。岡江麻希に異変が起きてから、脅迫状を出す。寄で父とふたり暮らし。
田島 兼三 (たじま けんぞう)
小田原を流れる酒匂川で、シラスウナギの密漁をしていたところを異形のものに襲われる。
真壁 雲斎 (まかべ うんさい)
九十九乱蔵の仙道の師匠。
馬 黄精 (ば おうせい)
『闇狩り師』に出てくる妖怪。もともとは水精の蛟の一種。二十年に一度、産卵期があり、水辺の牛や馬に子精を産み付ける。体内で3日ほどで孵り、一月後には糞と一緒に出てくる。人間の体内に入るとその人の精に溶け、馬絆となる。