雪人 YUKITO

雪人 YUKITO

警察官だった父親が殺された事件を追って、1人の青年が東京へやってきた。警察そして暴力団、それぞれの世界で生きている人たちと関わりながら、彼は事件の真相と深い闇に切り込んでいく。「ビッグコミックスペリオール」2011年18号から2013年23号にかけて不定期に掲載された作品。原作は大沢在昌の小説『北の狩人』。

正式名称
雪人 YUKITO
ふりがな
ゆきと
原作者
大沢 在昌
作画
ジャンル
警察官・刑事・検察官
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概要・あらすじ

梶雪人は、12年前に警察官だった父親が殺された事件を追って秋田から上京してきた。事件を探る中で彼は新宿署の刑事、佐江や元田代組の幹部だった宮本に会い、雪人の父親が関係した事件が田代組崩壊のきっかけになったことを知る。そんな中、容疑者の苅部耕二が殺された直後に新島を見かけた雪人は、ただならぬ気配の彼を犯人だと確信するのだった。

一方、田代組で宮本の弟分だった近松は、現在、新陽会の中でのし上がろうとしていた。事件を追いかけていくなかで、雪人は警察組織と反社会勢力の深い関わりを知り、やがて父親殺しの真実に迫っていく。

登場人物・キャラクター

梶 雪人 (かじ ゆきと)

秋田県警捜査一課の刑事で将来のエースと期待されている。しかし12年前に同じ警察官だった父親が殺された事件の真相を探るため、退職を決意して上京する。純粋で素直な青年であり、真っ直ぐに物事を見つめるその姿が、警察だけでなく暴力団に身を置く人間までをも惹き付けていく。

宮本 (みやもと)

新陽会組員で、梶雪人が追っている元田代組の幹部。苅部耕二の兄貴分だった。義理堅くどこまでも筋を通そうとする性格で、その男気から舎弟からの信頼も厚い。田代組の組長が襲撃されて植物状態になってしまったのは、自分のせいだと責任を感じている。

佐江 (さえ)

新宿署の刑事。暴力団担当で、新宿界隈の暴力団やその組員に精通している。刑事でありながら新陽会の宮本とは心が通じ合うものがあると感じている。正義感が強く、梶雪人の話を聞いて事件の真相解明に協力する。

藤田 杏 (ふじた あん)

女子高生。本気で打ち込めるものがなく、毎日を漠然と過ごしている。ぼったくりバーのバイトをしていて梶雪人に声をかける。雪人に惹かれて捜査に協力するが、人質に取られて事件に巻き込まれる。

新島 (にいじま)

5歳の時に育児放棄に遭い、妹の遺体を食べながら生き延びていたところを保護され秋田の養護施設で暮らす。その養護施設で苅部耕二とその姉の山倉玉緒に出会う。幼少の頃の悲惨な体験のためかほとんど感情がなく、人に言われるまま次々と殺人に手を染めていく。

近松 (ちかまつ)

新陽会の幹部。元田代組で宮本の弟分だった。頭の回転が速いことを宮本に見出されて以来、経済ヤクザとしてのし上がってきた。金と力を持つことには半ば成功したが、やり方が卑怯極まりないために人望はほとんどない。宮本に対して、異常なまでの執着心を持つ。

鴨下 (かもした)

表向きは外車中心の中古車のディーラー。他にも多くの事業を展開している。調子の良い言動で、どこか胡散臭さが漂う。用心深く警察が調べてもなかなか素性が知れないが、その正体は12年前に苅部の護送中に行方不明となり、整形して別人になった巡査の水野であった。

呉林 隆太郎 (くればやし りゅうたろう)

元秋田県警本部長で現在は警察庁の長官官房監察官。ヤクザを排除するのではなく、身近に置いて全体を把握しようという考えの持ち主で、梶雪人の父親とは正反対の考え方。幼い頃の新島を保護して以来、父親代わりとなる。

向井 春信 (むかい はるのぶ)

関西の大和組の若頭。秋田に渓流釣りに行き、祖父の代わりにガイドとなった梶雪人と出会う。川で溺れそうになった際に雪人に助けられ、恩義を感じている。警視監の呉林隆太郎とは大学時代からの友人。お互いに表と裏の世界のトップに立とうと誓い合っていた仲だった。

川崎の助っ人 (かわさきのすけっと)

城川組の構成員で腕の立つ殺し屋。敵であっても依頼を受けていなければ命は狙わない。ジャーナリストを名乗り梶雪人と共に尾田を追いかけて、絶命させる。その後、近松から雪人殺しの依頼を受ける。

尾田 (おだ)

秋田県警総務課の巡査部長。刑事でありながら裏社会と取引し麻薬を密売している。取引ルートを独断で変えたせいで命を狙われる。12年前に新宿で捕まった苅部耕二を秋田に移送する際、目ざわりだった梶雪人の父親をその警護につけるように上司に依頼した。

苅部 耕二 (かりべ こうじ)

山倉玉緒の弟で元田代組構成員。12年前、秋田で傷害事件を起こし東京に逃亡するが別件で逮捕される。秋田に移送される途中で行方不明となり、梶雪人の父親殺しの容疑をかけられている。逃亡を続けた新宿のアパートで、首の骨を折られた死体で発見される。

山倉 玉緒 (やまくら たまお)

苅部耕二の姉で幼い頃は秋田の養護施設で暮らす。新宿で「鹿角」という料理店を営んでいた山倉孝と一緒になるが、10年前に亡くして以来、未亡人のまま店を継いでいる。宮本に惹かれているが言い出せずに店の女主人と客という関係を続けている。

クレジット

原作

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