電脳炎

電脳炎

とある会社の、地味でパソコンを全く操作できない中年男の課長を主人公に、1997年から2007年までのパソコン・携帯電話・インターネット状況を、ナンセンスかつシュールなキャラクターとその言動で描いた4コマギャグ漫画。2000年に第46回文藝春秋漫画賞を受賞。技術の進歩があまりに速いため、10年後だとわからなくなっているギャグが多いが、年代記として読む分には貴重な作品。3巻までは、漫画の中身は同じだが解説を変えて「ウィンドウズ版」と「マック版」の2種類が刊行され、4巻目からは「ハイブリッド版」1種になった(解説は川崎ぶら)。連載は2007年まで続いたが、単行本は2004年3月までに連載された分(6巻)までしか出ていない。

正式名称
電脳炎
ふりがな
でんのうえん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

とある会社に勤務する中年男の課長は、パソコンを全く操作できないどころか、パソコン・携帯電話・インターネットが近くにあるだけでアレルギー反応を起こしてしまう電子情報ダメ人間。そんな彼のまわりにOA仮面おしつけくん・ケチケチくん・2000年問題くん・山本エロ子・オモネリ課長などのナンセンスでシュールな言動を行う怪人たちが集まり(ほとんど課長の同僚か部下)、1997年から2007年までのパソコン・携帯電話・インターネット状況を笑い飛ばしていくのだった。

登場人物・キャラクター

課長 (かちょう)

眼鏡をかけた地味な容姿の中年男。年齢・姓名不明。とある会社の課長だが、パソコンを全く操作できないどころか、パソコン・携帯電話・インターネットが近くにあるだけでアレルギー反応を起こしてしまうレベルのITダメ人間。家族(妻・娘・息子)にもIT用品を禁止している(実は家族は隠れて購入して操作している)。 家では「お父さん」と呼ばれている。社内では、当初軽蔑されていたが、他の社員のITストレスが増大していくにつれ、「癒してくれる存在」へと立ち位置がシフトした。おしつけくんという、新しい技術などを無理やり課長に購入させる部下に翻弄されている。それ以外にもケチケチくん・2000年問題くん・山本エロ子・オモネリ課長といった同僚・部下にいつも困惑させられている。 ITに弱いために窮地に立たされるとき、OA仮面の暴力で救われることがある。

OA仮面 (おーえーかめん)

パソコン・携帯電話・インターネットの話題で楽しそうにしている人間に天誅をくわえるため、大きいハンマーで殴りかかる怪人。裸に黒いパンツとブーツ・マントを身に着け、パソコンのモニタのようなマスクをかぶっている。課長がIT関係で弱り切っているとき、乱入してIT知識をひけらかす輩をぶちのめす役目だった。 後半から、家族・親戚が多数が登場し(OA仮面の妻・OA仮面の娘など)、本人の登場は減った。そもそも、「OA(オフィス・オートメーションの略)」という言葉自体が、2010年くらいにはすでに死語になっている。OA仮面の娘は、課長の娘と高校の同級生。

おしつけくん

課長の部下で、いつも課長に無理やり新しい技術を購入させようとする困った若い男。年齢・姓名不明。「片手遣い人形(ハンドパペット)」のような容姿をしている。OA仮面に制裁を加えられることが多い。

2000年問題くん (にせんねんもんだいくん)

課長の部下で、「2000年問題でコンピュータ社会は崩壊し、人類は危機にさらされる」という考えに囚われ、その考えを他人にも伝播させようとする困った若者。その行動は次第に新興宗教のようになり、1999年の12月には信者たちと船に乗って危機を回避しようとして、無人島に難破してしまう。結局何も起きなかったので、みんな彼のことを忘れたが、以後毎年末ごとに「2001--03年問題くん」として登場しては呆れられた。

オモネリ課長 (おもねりかちょう)

課長の同僚。IT知識はあるが、若い部下たちの受けを得ようとして「2ちゃんねる用語」でしゃべろうとしてみたり、メールに必要以上に顔文字を使うなどして、かえって彼らから鬱陶しいと思われる中年男。喋らなければそれなりにハンサムに描かれている。IT知識が全く無いのに人気がある課長に、対抗心を無駄に燃やしている。

SHARE
EC
Amazon
logo