あらすじ
第1巻
日本の高校に潜入していた極秘国際防衛組織、MAPPOのエージェントの北斗英二のもとへ、自分の討つべき標的である秘密科学組織、ナンバーズの難波零一が転校して来た。英二は早速、零一を破壊するために勝負したが、返り討ちに遭ってしまう。自分の命をあきらめた英二だったが、零一は自分の目的が青春を取り戻す事で、充実した高校生活を送るために組織から脱走して来た事を明かす。その後、零一は英二と友達となり、零一を追って来たナンバーズの南場八も加わり、零一達の青春を謳歌する日常がスタートする。
第2巻
夏休みの前日。クラス委員長である七倉潤が捨てられていた動物を拾った事を知り、難波零一と北斗英二、南場八の三人は学校の飼育小屋へ向かった。するとそこには、秘密科学組織、ナンバーズのゴローが飼われていた。ゴローは食糧不足で行き倒れになっているところを潤に救われた事で恩義を感じ、この地で潤の世話を受けて暮らすという事を使命と定めて、人間に危害を加える存在ではなくなっていた。ゴローは夏休み中もこの飼育小屋で過ごし、その世話はクラスのみんなが当番制で担当していた。その後、夏休みに入って1週間が経過したある日の事。家でダラダラと過ごしていた零一は、ふと自分が7月中のゴローのエサやり当番であった事を思い出す。こうして、零一の夏休みはゴローの安否を確認する事から始まるのだった。
第3巻
北斗英二は、急に夜の学校に呼び出されたという難波零一、南場八、ゴローと共にやって来た。その三人を呼び出した相手は、秘密科学組織、ナンバーズのNo.3とNo.6とNo.9だった。彼らはナンバーズの最強メンバー達が脱走した、という事を重く見て派遣された作戦部隊だったのである。こうして、ナンバーズの中でも強大な力を持つ「シングル」と呼ばれる兵器達の戦いの幕が切って落とされたが、結局、零一達の勝利で幕を閉じる。そして、敗れた彼らも、いつの間にか零一達の日常の一部になっていくのであった。
第4巻
二学期も残りわずかとなったある日、転校生が来る事になった。北斗英二は、それが難波零一や南場八のような秘密科学組織、ナンバーズなのではないかと不安を覚えていた。その不安は的中し、零一と同等の力を持つというナンバーズのNo.2であるツーが学校に姿を現す。ツーは零一と同じく、青春を謳歌したいがために学校へとやって来たが、彼はつねにコンセントをつないでいないと活動ができない、「失敗作」だったのである。
第5巻
季節は春。灘波零一と北斗英二は、2年生に進級した。後輩ができ、上級生としての自覚を持たなければならない零一だったが、彼にはまだ英二の知らない隠された機能があった。それが、後輩ができた喜びでつい大きな態度を取ってしまい、物理的な風を起こすという「先輩風」だったのである。その「先輩風」は、度が過ぎると校舎すら吹き飛ばしてしまうという非常に危険なものだった。こうして英二は、2年生になって最初の任務として、無事に学校生活を送るため、零一の「先輩風」を止める事に挑む。
登場人物・キャラクター
難波 零一 (なんば ぜろいち)
秘密科学組織、ナンバーズのNo.1で、高校生の男子。別名「始まりの最終兵器」と呼ばれている。黒髪で、髪型はおかっぱ頭。頭頂部には「対青春制御螺子」という大きなネジがあり、「01」と書かれた赤いマフラーを身につけている。北斗英二が初めて遭遇したナンバーズだが、その力はナンバーズの中でも群を抜いているといわれている。 極秘国際防衛組織、MAPPOからはナンバーズの最高戦力であり、世界征服の切り札で、世界を滅ぼす力を持っているとまで評されている。しかし、本人の目的は世界征服などではなく「失われた青春を取り戻す事」であり、「リア充」を目指している。そのために自分を生み出したDr.モサリーナのもとを脱走し、英二の学校へ転校して来た。 また、その際に兵器としての自分の体を改造しており、武器はすべて取り外している。そして、その代わりに数々の対青春装備を搭載している。しかし、それでも戦闘能力は高く、MAPPOの首席エージェントの英二を圧倒したり、自分よりも下位のナンバーズを殴るだけで破壊するほどの力を持っている。内向的で女子とのコミュニケーションを苦手としており、勉強も不得意。 また嫉妬深く、心にもゆとりがないため、どうにも小物っぽいところがあり、その性格から基本的にボケの役割を担っている。それでも、時おり人に対する優しさや思いやりを発揮する場面もある。白百合アンヌに一目惚れし、片思いしている。
北斗 英二 (ほくと えいじ)
極秘国際防衛組織、MAPPOに所属する高校生の男子。黒髪で、頭頂部からは細く短くまとまったアホ毛が2本出ており、スクエア型のアンダーリムのメガネをかけている。通っている高校には、一般人に紛れ込んで潜入しているが、自己紹介の時に極秘の理由があってやって来た、と言ってしまう。普段から爆破物の心配をしながら、下駄箱を開ける姿などを目撃されており、クラスメイトからは「エージェント」と呼ばれている。 幼い頃に海外で両親に捨てられたところをMAPPOに拾われており、その後、英才教育を施され、最終的にMAPPOの訓練学校を首席で卒業するほどのエージェントとなった。運動能力はオリンピック選手並みで、狙撃の腕もプロレベルという桁外れのスペックを持つ。 IQは180。性格は非常にまじめで、基本的に周りに対してツッコミを入れる事が多い。しかし、本人はこれまでMAPPOの中の世界で育ったために、一般的な常識とは多少ズレているところがあり、その事が結果としてボケていると思われる事がある。また、着用しているメガネは秘密科学組織、ナンバーズを瞬時に見破る事のできる機能が搭載されており、難波零一を見た時はすぐに勝負を仕掛けている。 しかし、その圧倒的な力の前に敗れ、その後は零一から友達にならないかと誘われた事もあり、零一と共に行動する事が多くなっている。零一に対しては最初こそよそよそしい感じで接していたが、時間が経つにつれて本当の友達となっている。
七倉 潤 (ななくら じゅん)
高校生の女子。ショートカットの髪型で、頭の右前には花の髪飾りを付けている。北斗英二のクラスの学級委員長を務めており、クラスメイトからは「委員長」と呼ばれている。成績優秀で、誰に対しても優しく接する事のできる人物。しかし少々天然なところがあり、自分の父親が世界的な発明家で、秘密科学組織、ナンバーズに命を狙われている事や、難波零一をはじめとしたナンバーズの人間離れした姿を知ってもまったく動じない。 父親が残した得体のしれない乗り物でよく遊んでいたため、乗り物の運転全般が得意で、その腕前はプロ級。また、ゲーマーでもあり、「ストリートブラザーズ」という格闘ゲームでは世界大会で3位に入賞している。そのゲームをする時は「JUN」というハンドルネームを使用しており、ゲームの世界に没頭すると、普段の物腰柔らかい性格が一変し、あたりの厳しい性格となる。 また、行き倒れになっていたナンバーズのゴローに食糧を与えて助けた事から、ゴローの飼い主となっている。ゴローの事を非常にかわいがって溺愛しているが、その愛情が故に時には度が過ぎる行動を起こす事もある。
ツー
秘密科学組織、ナンバーズのNo.2で、高校生の男子。別名「失敗作」と呼ばれている。ライオンのような見た目をしており、ニット帽をかぶっている。ニット帽には「02」という数字が入っている。ナンバーズの中では兄貴分的な存在で、難波零一にとっては一番付き合いが長い。零一と同等の力を持つナンバーズで、その戦闘能力は非常に高い。 しかし、つねに充電をしなくてはならないという制限がつけられており、活動時はコンセントから電気を取り込む必要がある。その充電が切れてしまうと「省エネモード」になり、幼児退行してしまう。しかし、南場八の施した改造によりモバイルバッテリー方式となってからは、極秘国際防衛組織、MAPPOの本部にある電力をもらう事で、1週間に一度充電するだけで、コンセントにつながずに活動できるように進化している。
No.3 (なんばーすりー)
秘密科学組織、ナンバーズのNo.3の男子。別名「完全兵器」と呼ばれている。サメのような見た目をして、ベルトには「03」という数字が入っている。「超硬化」の能力の持ち主で、未知の金属で作られたナンバーズ。防御だけでなく「超硬化」で硬くした全身は強力な武器にもなる。自炊生活をしているうちに料理が得意になり、その腕前はプロレベル。 そのため、「海野幸恵」という名前で料理ブロガーとなって料理本を発売し、20万部を売り上げているほど。また、「海野幸恵」の名で活動する時はアフロのカツラをかぶっている。目玉焼きにかける調味料はソース派。
No.4 (なんばーふぉー)
秘密科学組織、ナンバーズのNo.4。別名「試作機」と呼ばれている。ネコのような見た目に、包帯を巻いている。右耳のそばには「04」という数字が入っている。ナンバーズの会議に一人だけ出席しないなど、協調性がない。しかし、それでも組織に対する忠誠心は強く、難波零一からも組織を裏切る奴じゃないと評されている。
ゴロー
秘密科学組織、ナンバーズのNo.5の男子。別名「剣聖」と呼ばれている。クマのような見た目に、眼帯を付けている。眼帯には「05」という数字が入っている。ナンバーズ最強の剣士で、難波零一からも、サシでやれば俺の次くらいに強かったと言わしめるほどの実力者。しかし、その力の代償として、体温が低下する冬のあいだはいっさいの活動が停止する「冬眠」をしなくてはならない、という欠点もある。 また、その「冬眠」の蓄積したエネルギーを使って自分の分身を生み出す「出産」という機能もある。食糧がなく力尽きてしまいそうなところを、七倉潤に助けられた恩義から、今は潤の従順なペットとなっている。
No.6 (なんばーしっくす)
秘密科学組織、ナンバーズのNo.6の男子。別名「戦艦斬り」と呼ばれている。アザラシのような見た目で、甲冑を身につけている。甲冑の左肩には「06」という数字が入っている。武器の剣は「海神剣」と呼ばれているもので、この剣を用いて極秘国際防衛組織、MAPPOの巨大戦艦を両断した事があるという逸話を持つ。甲冑を脱ぐとアザラシそのもので、医者に診てもらった際にも、生物学的にアザラシと認定されている。 ゴローの事を「師匠」と呼んで慕っている。
軟葉 ナナ (なんば なな)
秘密科学組織、ナンバーズのNo.7で、高校生の女子。別名「神創頭脳(ゴッドブレイン)」と呼ばれている。ウサギのような見た目で、ハートの髪飾りを付けている。髪飾りには「07」という数字が入っている。あらゆる事象の未来を膨大な確率計算から導き出す、的中率99%を誇る未来予知が可能であり、ナンバーズ随一の情報分析能力を持っている。 しかし、本人の乙女思考回路により、その能力を色恋沙汰の予知や占いにしか使っておらず、恋愛のスペシャリストとなっている。ナンバーズからは「ナナ姉」と呼ばれる事が多い。コミュニケーション能力は高く、すぐ人と仲よくなる事ができる。目的は自分の王子様を見つけるというもの。東光太に一目ぼれしている。
南場 八 (なんば はち)
秘密科学組織、ナンバーズのNo.8で、高校生の男子。別名「軍神」と呼ばれている。犬のような見た目で犬耳があり、目は丸型の大きな黒目。軍服を着ており、頭にかぶっている軍帽には「08」という数字が入っている。あらゆる銃火器のスペシャリストで難波零一の元部下。「ハチ」の愛称で呼ばれている。零一の事を非常に慕っており、No.1様に忠誠を誓った身と発言し、零一が青春を謳歌するという目的遂行のために行動を共にするようになった。 最初は零一といっしょに行動する北斗英二を目の敵にしていたが、PK一本勝負をして敗北した事をきっかけに、「北斗どの」と呼び慕うまでになっている。軍帽の「08」と書かれた数字を押すと、自分を、ビー玉を発射する二頭身の玩具の「ビーダマン」のような形態にする事ができる。 そして、そこから弾を発射する「8キャノン」が南場八の最高の技。性格は至ってまじめで、零一に対する忠誠心が非常に高い。しかし、その忠誠心故に、零一の望む結果を求めるために法を犯す事もしばしばあり、暴走してしまう事もある。それでも、基本的には多才で、すべての物事を器用にこなす事ができるうえに、コミュニケーション能力も高いので顔も広く、男女問わず友人も多い。 そのため、零一の目指す「リア充」に最も近い事をしている存在となっている。
No.9 (なんばーないん)
秘密科学組織、ナンバーズのNo.7の男子。別名「鳥葬」と呼ばれている。ペンギンのヘルメットをかぶっている。ペンギンのヘルメットの左目には「09」という数字が入っている。ナンバーズ最速を誇るスピードの持ち主で、基本的に敬語で喋る。南場八をナンバーズの誰よりも尊敬している。目玉焼きにかける調味料は醤油派。
No.12 (なんばーとぅえるぶ)
秘密科学組織、ナンバーズのNo.12の男子。別名「武神」。巨大な人型ナンバーズで、全身を鋼鉄の鎧で固められている。難波零一を倒して自分が最強の兵器になる事が目的で、攻撃手段はパンチ。しかし、その攻撃はまったく効かず、零一には一撃で敗北している。
No.13 (なんばーさーてぃーん)
秘密科学組織、ナンバーズのNo.13の男子。別名「死神」と呼ばれている。人型ナンバーズで、全身黒ずくめの衣装に帯刀している。今までさまざまな要人暗殺をこなしてきたというナンバーズで、その戦闘力はナンバーズの最高戦力「シングル」に次ぐと評される超危険人物。強者との純粋な戦いを望んでおり、相手が忙しかったら日を改める、という礼儀のよさも兼ね備えている。 しかし、襲撃した日が難波零一が楽しみにしていたカラオケ大会の日で、間の悪い入り方をしてしまったため、零一にすぐに倒されてしまった。
No.15 (なんばーふぃふてぃーん)
秘密科学組織、ナンバーズのNo.15の男子。別名「破壊王」。全身が装甲素材でできているナンバーズで、腕はドリルになっており、腹部には爆弾を備えている。そのため、自身が戦闘で負けても、相手に時限爆弾を仕掛ける事ができる。
No.17 (なんばーせぶんてぃーん)
秘密科学組織、ナンバーズのNo.17の男子。別名「狙撃王」と呼ばれている。人型ナンバーズで、右腕は武器のバスターが装着されている。難波零一を追って来ており、子供を人質にするなど卑怯な手も辞さない。しかし、その場に偶然居合わせたナンバーズの最高戦力「シングル」数人の前に、成す術なく敗れ去っている。
No.20 (なんばーとぅえんてぃー)
秘密科学組織、ナンバーズのNo.20の男子。別名「全身大砲」と呼ばれている。巨大な人型ナンバーズであり、口元は頭巾で隠している。「全身大砲」という名の通り、本気を出すと全身から大砲が出てきて、相手を攻撃する武器を増やす事ができる。ナンバーズから脱走した難波零一を追ってきており、青春を謳歌する事を目的とする零一を「不良品」と罵って交戦するが、一撃で破壊されている。
白百合 アンヌ (しらゆり あんぬ)
極秘国際防衛組織、MAPPOに所属する高校生の女子。ショーットカットの髪型で、頭の右側にはリボンを付けている。秘密科学組織、ナンバーズのNo.1を倒す事を目的として、北斗英二の高校に途中から転校して来たMAPPOきっての天才少女エージェント。訓練学校では英二に次ぐ2番目の成績をおさめており、訓練学校卒業後はたった2か月で三つの基地を破壊している。 その冷徹な戦いぶりから「白い悪霊」の異名を持つ。また、かなりの大食漢で、戦場で餓死しないように、食料がタダで食べられる状況で無限に食いだめする癖がある。その際にはかなり太った姿となるが、これを「備蓄形態(ストック・フォーム)」と呼んでいる。「備蓄形態(ストック・フォーム)」状態の時は理性がなくなり、「ゴフ」としか喋る事ができなくなる。
ミコナミ・ユウ (みこなみゆう)
極秘国際防衛組織、MAPPOに所属する女子。年齢は13歳。ショートカットの髪型で、白衣を着用し、頭には学士帽をかぶっている。喋る時は手に持つフクロウのパペットを用いて、腹話術のようにして喋る。若いものの、明晰な頭脳を持っている天才科学者であり、さまざまな発明品を生み出している。北斗英二が通っている高校に転入し、難波零一をはじめとする秘密科学組織、ナンバーズの存在にすぐに気がついたが、自分が持ち合わせているデータにはない零一の存在に興味を示し、MAPPOへの報告は取りやめている。
アンドリュー・シンドー (あんどりゅーしんどー)
極秘国際防衛組織、MAPPOに所属する男性のエージェント。頭はスキンヘッドで、傷が刻まれており、サングラスをかけている。強面の風貌で、さらに筋骨隆々で大柄な体格をしている。好戦的な性格で、自分を戦士と自称しており、物騒な発言も多い。そのため、一見しただけで北斗英二にエージェントであると見抜かれていた。
教官 (きょうかん)
極秘国際防衛組織、MAPPOに所属する男性のエージェント。黒ハットをかぶり、口髭を蓄え、口の付近には傷がある。北斗英二を育ててくれた親代わりの人物で、英二の高校の三者面談にも顔を見せている。現在は前線を退いており、若者の役に立つのが仕事と言っている。過去に秘密科学組織、ナンバーズとの戦闘経験があり、その際には南場八と交戦したが、手も足もでなかった。 顔の傷もその時に負ったもので、ナンバーズが近くにいると、その傷が疼いてしまう。
東 光太 (ひがし こうた)
高校生の男子。1年生にしてサッカー部のエースを任されている。イケメンという事で、校内にはファンクラブが存在するほど。さらに性格も非の打ちどころがなく、正義感が強いうえに人情味あふれる。そのあまりの人気ぶりに、つねに周りが光っており、まぶしく見える。白百合アンヌの事を正義感のある子と評し、気にしている。
藤 アキ (ふじ あき)
高校生の女子。ポニーテールの髪型で、幅の広い糸目が特徴。漫画研究会に所属している。「週刊少年ジャンプ」の編集部に持ち込みをしており、その際に名刺を貰った、という未来の漫画家候補。クラスメイトの難波零一の行動や言動にヒントを得て執筆した漫画では、秘密科学組織、ナンバーズと極秘国際防衛組織、MAPPOの抗争だけでなく、零一が脱走した理由なども描かれており、それらはすべて実際の出来事と一致していた。 新作漫画は、主人公のエージェントと護衛対象の女の子が禁断の恋に落ちる話で、これは北斗英二と七倉潤をモデルにしている。
美山 のり子 (みやま のりこ)
高校生の女子。性格は温厚で、周囲からも慕われている。ダンス大会で南場八の活躍を見て、一目ぼれしてラブレターを出した。ところが、間違って難波零一のロッカーにラブレターを入れており、零一に期待させてしまっていた。また、八からはのちにふられている。
梔子 今日子 (くちなし きょうこ)
難波零一や北斗英二のクラス担任を務める女性。ポニーテールの髪型で、水玉のリボンを付けている。つねに笑顔を絶やさない明るい性格。英二の三者面談の際には、以前と比べて友達も増え、毎日明るく過ごしています、と英二の親代わりの教官に語っている。
アンヌ・ロボ (あんぬろぼ)
白百合アンヌの外見を完全再現したロボット。アンヌが1週間任務で帰って来ない時に、難波零一が「さみしい」と言った事で、南場八が作製した。外見こそアンヌそのものだが、言動は零一を持ち上げるものや都合のいいものばかりで、本物とは程遠い。零一の彼女をまっとうするためにさまざまな機能があり、「メタモルフォーゼミサイルフォーム」という機能でミサイルになる事が可能。 ミサイルとなったあとにバラバラになってしまったが、人工知能チップを小型デバイスに移植して、零一のカバンのストラップになっている。ストラップになったあともコミュニケーションは可能となっている。
零一オルタナティブ (ぜろいちおるたなてぃぶ)
普段、難波零一が抑え込んでいる邪悪な意志や欲望が権化となって現れ、一人歩きしたもの。見た目は零一そのものだが、全体的にどす黒く、やる事も女子の体操着を盗んで匂いを嗅ぐなど、外道な振る舞いをする。兵器本来の邪悪な意志とエネルギーの結晶体なので、武器を失った零一よりもその力は上。言葉は「青春」としか喋らない。陰の存在なので、陽のエネルギーに接すると消滅する。 そのため、東光太の圧倒的な陽のエネルギーの前に消え去っている。
黒部 (くろべ)
黒部歯科クリニックに勤める男性。患者を子供扱いしない主義で、治療の際にウソをついたり気休めを言ったりしない。しかし、患者を思う気持ちは本物で、患者を絶対に見捨てたりしないで治療にあたっている。また、男に生まれたからには、一度は世界を救う働きをしてみたいという考えも持っている。リク、ノリコという息子と娘がいる。
嵐 大輔 (あらし だいすけ)
剣道の全国大会優勝者の高校生の男子。剣道の大会に助っ人として現れたゴローと決勝戦で戦った。その際、初めて本物の剣士に出会えた気がする、とゴローを高く評価しており、これを見ていた北斗英二からは、少しおかしい人と思われていた。
神野 葉沙美 (かみの はさみ)
ヘアーサロン「Kamino」の店長を務める男性。半年先まで予約が埋まっているというカリスマ美容師。客を歳や収入で差別する事なく、平等に客の要望に応える、という美容師の鑑のような人物。しかし、難波零一が来た際には、その髪の質感に愛用しているハサミを折られてしまった事で、零一を「怪物」認定していた。それでも、どんな髪の持ち主だろうと、望みをかなえられずに客を帰らせた事は一度もない、というプライドを持っていたが故に、あきらめずに零一と向き合った。 その結果、さまざまな工具を用いて零一の髪の毛を取り外し、零一の髪の下にある「スイッチ」を押すに至った。
N (えぬ)
七倉潤の父親であり、世界的な天才発明家。秘密科学組織、ナンバーズにその命を狙われており、行方をくらませている。潤が小さい頃からさまざまな発明をしており、家には数々の発明品が残されている。
Dr.モサリーナ (どくたーもさりーな)
世界征服を企むマッドサイエンティストの老人。本名「中林昭二」。頭は禿げ上がっているが、サイドだけツインテールのように毛が生えている。鼻の下には、唇に覆いかぶさるほど、厚いヒゲが生えている。また、丸メガネをかけている。秘密科学組織、ナンバーズの生みの親で、ナンバーズの事は「息子達」と呼んでいる。
集団・組織
ナンバーズ
世界征服を企む狂気の科学者、Dr.モサリーナ率いる人造人間集団で、秘密科学組織。ナンバーズは人智を超えた力を持ち、日夜あらゆる凶悪犯罪に手を染めているといわれている。また、それぞれ数字で呼ばれており、その中でも特に一ケタのナンバーズは「シングル」と呼ばれ、非常に戦闘能力が高い存在として恐れられている。「シングル」の特徴としては、身長が小さく、二頭身である事が共通している。 ナンバーズにはそれぞれに特色があり、単に戦闘以外の能力に秀でているナンバーズも存在する。
MAPPO (まっぽ)
北斗英二が所属する、特殊な訓練を積んだエージェント達からなる極秘国際防衛組織。正式名称は「Monster Attack Professional & Pacific Organization(対人造人間専門平和組織)」で、秘密科学組織、ナンバーズと戦うために作られている。厳しい訓練を経たエージェント達がいろいろな姿を借りたうえで世を忍び、世界中に派遣されている。
その他キーワード
対青春制御螺子 (すぷりんぐぼると)
難波零一の頭に埋め込まれている巨大なネジ。零一を兵器ではなく人間たらしめているものであり、これを緩めると、零一の真の力が解放される。適度に緩めれば、力の開放はほどほどで、性格が少々荒々しくなるだけで済むが、緩めすぎてしまうと、そのあいだは零一の意識がなくなって、強大な力を持ったまま暴走してしまう。そのため、安易に緩めるのは危険とされている。
マポマポの実 (まぽまぽのみ)
極秘国際防衛組織、MAPPOが生み出した初の人体改造食用兵器。食べたエージェントは生身でありながら、兵器と戦えるほどの身体能力を得る事ができる。その付与される能力は全身がゴムになるというもの。しかし麦わら帽子がかぶりたくなる、海へ行って大冒険したくなる、服の袖を切り落としてノースリーブにする、宴がしたくなる、肉を食べたくなる、といった数々の副作用がある。
青春謳歌度計測器 (せいしゅんおうかどけいそくき)
難波零一が自らを改造して施した対青春装備その1。脳の電波の波長から対象の日常の幸福度を算出する装置。試しに計った北斗英二の数値は対人関係幸福度0.2、推定友人数0、恋愛経験0、娯楽指数0、部活動帰宅部という散々な結果だった。高校生の平均値は10とされている。
お色気場面透視光線 (おいろけしーんとうしこうせん)
難波零一が自らを改造して施した対青春装備その2。もともとは戦場で敵の位置を探るための機能だったものを、のぞき用に解像度を向上させている。北斗英二はこれに対し、「兵器だった頃より悪質になっている」とツッコミを入れている。
全てを拾う勝者の掌 (すぷりんぐまぐねっと)
難波零一が自らを改造して施した対青春装備その3。もともとは磁場を操って敵の銃器を無力化するための力。しかし、それを改造して、威力を落とし、軽い物しか動かせない代わりに、磁石でくっつく物を正確な場所に集める事ができる力になっている。零一はこれを女子が落としたヘアピンを即座に拾って渡すための能力と解説している。
あいにくの雨で (あいにくのあめで)
難波零一が自らを改造して施した対恋敵専用装備。天候をあやつり、即座に雨を降らせるというもの。これにより、恋敵が行うデートを悪天候で台なしにするという狙いがある。
スイッチ
難波零一の髪を取り外した下に存在する、押し込み可能な突起状の物体。エネルギーの元栓のようなもので、これを押すと本来のエネルギーが無限に垂れ流され、最終的には零一本人が地球を壊すほどに巨大化してしまうというもの。それでも、普段は髪の下に隠されており、押すにはその髪を取り外さなくてはならない。南場八によれば、そこらの技師では見つけだす事もできないと言うほどの難物だが、カリスマ美容師の神野葉沙美はこれを偶然にもやってのけている。
先輩風 (せんぱいかぜ)
難波零一が高校2年生に進級した時に初めて発揮された機能。後輩ができた喜びで、つい大きな態度を取ってしまう進級直後の現象で、物理的に風を起こしてしまうというもの。後輩に道を教えて少しだけ得意げな「ドヤ顔」をしただけで、周りの人が吹き飛んでしまうほど強力。これが、あまりにも度が越えると、学校を吹き飛ばすレベルにまで発展する恐れがあり、非常に危険。