概要・あらすじ
第二次世界大戦中の日本。特攻隊に志願した火乃正人は生き残り、終戦後に暴力団火乃正一家を組織する。兄火乃直彦の愛した水上晶子とその息子水上直樹と出会い、火乃正人は、2人を陰から守り続けようとする。しかし抗争相手だった鬼門組やその残党達が次々に現れ、陰謀を廻らしてくる。
登場人物・キャラクター
火乃 正人 (ひの まさと)
熊本・阿蘇の麓で生まれ、その激しく実直な気性から兄火乃直彦と共に「炎の兄弟」と呼ばれた。特攻隊として出征するが生き残る。第二次世界大戦後、ヤクザとなって火乃正一家を起こし、その腕っぷしから「ステゴロ(素手のケンカ)火乃正」と呼ばれる。兄火乃正彦と両想いだった水上晶子とその息子水上直樹と出会い、身を隠しながらも守り続ける。 抗争により右頬には傷がある。
水上 晶子 (みずかみ あきこ)
軍需財閥水上男爵家の美しい令嬢。親の定めた婚約者東方利男がいたが、火乃正人の兄火乃直彦と恋に落ち、戦時中の一時の逢瀬で息子水上直樹を授かる。第二次世界大戦後、水上家は没落し、花屋を営みながら女手一つで水上直樹を育てた。
火乃 直彦 (ひの なおひこ)
火乃正人の兄。江田島海軍兵学校を経て水上晶子と恋に落ちるが、海軍少尉候補生として出征し通称「見殺し部隊」と呼ばれるサイゴンの前線に配属される。
東方 光起 (とうほう みつおき)
右翼の大ボス。白髪に長い眉毛で威圧感のある老人。軍部と軍需産業の橋渡しをしてうまい汁を吸っている。息子東方利男は水上晶子の婚約者。
春日 真知子 (かすが まちこ)
長い黒髪を後ろで一つに結んだ女性。県立緑ヶ丘中等学校の教員。火乃正人の担任で、彼の初恋の人。正人に軍と軍需産業との癒着関係について教える。のちに正人に教師と生徒という関係を超えた思いを抱くようになる。戦後は英聖女子高等学校の教員となり、火乃正人の前に現れる。
風見 俊介 (かざみ しゅんすけ)
公報新聞の報道記者。軍国主義の暗黒の時代に「最小限の勇気と正義」を保とうとしている。サイゴンの前線で火乃直彦を知りその英雄的な活躍を執筆しようとするが、規制されてしまう。帰国後火乃正人に火乃直彦の様子を知らせる。
山本 五十六 (やまもと いそろく)
実在の旧日本海軍大将山本五十六がモデル。日本一の名将と呼ばれる。負傷しながら海に浮かんでいた火乃直彦からミッドウェー海域の戦況を聞き、作戦の変更を決断したのち、火乃直彦の功績を認め日本に帰還させる。
水上 直樹 (みずかみ なおき)
水上晶子の子。幼い頃母に黙って火乃正人と会っていた。東陽高等学校に進学し、成績優秀な優等生だったが甲賀魔子と出会ってから次第に変わり始める。
甲賀 魔子 (こうが まこ)
ロングヘアーの若い女性。関東甲賀組の二代目女組長。鬼門組の残党が結成した不動興行の依頼で水上直樹に近付くが、彼を守ろうとする火乃正人を深く愛するようになる。ヌンチャクと空手の達人。のちに極東女子プロレスに入団する。
三条 大輔 (さんじょう だいすけ)
オールバックで凄味のある紳士。元鬼門組の副組長で不動興行の専務。火乃正人への恨みを晴らすべく水上直樹に甲賀魔子を仕向ける。
三条 季実子 (さんじょう きみこ)
二つ結びの女子高生。父は不動興行専務。幼い頃から父親に敵が多い事を知り、自らもいつか巻き込まれると覚悟しながら生きている。水上直樹が在学する東陽高等学校に転校する。鬼門組三代目組長の鬼門龍二とは幼馴染。
鬼門 龍二 (きもん りゅうじ)
額に星型の刺青のある男子。登場時は17歳。鬼門組組長の息子。15歳で殺人を犯し少年院に収監されていたが、脱走し鬼門組の三代目組長となった。冷酷な手段で火乃正人達を追い詰める。
ブラックローザ・ユキ
長い金髪の女性。登場時は17歳。フロリダ育ちの日系2世で鬼門龍二とは腹違いの兄弟。アメリカ女子プロレスの中量級チャンピオン。ブラックローザ・スペシャルという殺人技を持つ。日本でのプロレスデビューと同時に鬼門組の四代目組長として迎え入れられる。
水上 正樹 (みずかみ まさき)
水上直樹の息子。幼い頃、火乃正人に助けられた。成長して青葉台中学校に進学するが、ノゾキ事件を起こし登校拒否になる。