概要・あらすじ
徳川幕府から実権を取り戻したい後水尾上皇は夜叉麿を使って柳生秘帖を盗み、徳川幕府に不満を持つ大名に謀反を促し、御所を抜け出して吉野山中へ籠もり、徳川幕府の転覆を企む。柳生宗矩はことを隠密裏に解決すべく柳生十兵衛を向かわせる。後水尾上皇と柳生十兵衛の戦いを描いた伝奇時代劇漫画。
登場人物・キャラクター
柳生 十兵衛 (やぎゅう じゅうべい)
斬らずして相手の死命を制する活人剣を研鑽する剣豪。父の柳生宗矩から、後水尾上皇によって盗まれた柳生秘帖の奪還と、謀反の企みを隠密裏に終息させることを指示され、これを遂行する。夜叉麿との因縁の対決で相討ちとなり木津川河畔で絶命する。歴史上の実在の人物、柳生三厳がモデル。
柳生 六丸 (やぎゅう ろくまる)
後の烈堂義仙。若き剣豪であり、柳生家菩提寺・芳徳寺の住持として柳生秘帖を守っていた。柳生十兵衛により柳生秘帖が奪還された後、十兵衛から今回の事件の経緯を風の抄として書き残すように頼まれる。歴史上の実在の人物、列堂義仙がモデル。
夜叉麿 (やしゃまろ)
白装束の天皇配下の忍。ハバキの長い両刃の刀を用いた独特の剣法を使う。後水尾上皇の指示で芳徳寺から柳生秘帖を盗み、後水尾上皇の謀反を武力の面から支える。柳生十兵衛に対しては何か感じることがあり、柳生秘帖をかけて木津川河畔で対決し、十兵衛の活人剣に敗れるが、自らの命を犠牲にして相討ちに持ち込む。
後水尾上皇 (ごみずのおじょうこう)
徳川幕府による支配体制を嫌い、天皇親政の実現を目指している。夜叉麿を使って柳生秘帖を盗み出し、徳川幕府に不満を持つ大名に秘かに綸旨を送って謀反を促し、自らは三種の神器と共に御所を抜け出し吉野山に籠もり、徳川幕府に反旗を翻す。歴史上の実在の人物、後水尾上皇がモデル。
柳生 宗矩 (やぎゅう むねのり)
柳生十兵衛、柳生六丸の父親。官位は但馬守。柳生神陰流宗家。徳川将軍家剣術指南役で諸国大名を監察する大目付。諸国大名の秘密探索、諜報謀略を行っている裏柳生の総帥。後水尾上皇の徳川幕府に対する謀反の動きを察知して隠密裏に解決するために柳生十兵衛を向かわせる。 歴史上の実在の人物、柳生宗矩がモデル。
松尾 金作 (まつお きんさく)
伊賀無足人の子供で7歳。後の松尾芭蕉。父親と共に吉野山中で後水尾上皇の所在地を発見し、父親が夜叉麿に倒されるも1人で冬の夜の山中を抜けて柳生十兵衛に知らせる。歴史上の実在の人物、松尾芭蕉がモデル。
勝 海舟 (かつ かいしゅう)
明治維新の際に徳川幕府を代表して柳生秘帖に従い江戸城の無血開城を行った。歴史上の実在の人物、勝海舟がモデル。
集団・組織
八瀬童子 (やせどうじ)
代々御所内の雑役を務めることで年貢を免除されている比叡山麓八瀬の里の人々。天皇が崩御された際には棺を墓所まで運ぶ。このことを利用して天皇と外部との連絡役を務めている。
その他キーワード
柳生秘帖 (やぎゅうひちょう)
『風の抄 柳生秘帖』に登場する秘密の書。徳川家康によって書かれた文書と「いにしえのことぶみ」と呼ばれる3巻の書物から成る。家康の文書は世を揺るがすような大事が起きたときの心得(徳川家を守るために日本中を戦火にさらしてはならない)について書かれたものであり、「いにしえのことぶみ」とは『古事記』のこと。柳生家が菩提寺の芳徳寺本尊の胎内に保管していた。
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