概要・あらすじ
天下泰平となった江戸時代、天下転覆を企てる怪人森宗意軒は、「魔界転生」という蘇りの秘術を使い、天草四郎時貞、宮本武蔵などかつて名を馳せた剣豪たちを次々と蘇らせていく。魔人に殺された木村助九郎、関口柔心、田宮平兵衛らの娘、孫娘より、その企みを知らされた柳生十兵衛は、柳生十人衆とともに戦う決意をするのだった。
登場人物・キャラクター
柳生 十兵衛 三厳 (やぎゅう じゅうべえ みつよし)
実在の人物、柳生十兵衛がモデル。徳川将軍家兵法指南役、一万石の柳生宗矩の息子。森宗意軒の企みを知り、魔界より復活した剣豪と戦っていく。
森 宗意軒 (もり そういけん)
実在の人物、森宗意軒がモデル。小西摂津守の家臣。島原の乱を生き延び、天草で潜んでいたときにキリシタンの蔵で見た西洋の祈祷書や魔術書を読み解き、日本古来の忍法と融合させ、忍法「魔界転生」を独創。この技を使えるのは、他に天草四郎時貞のみ。この秘術には、指を1本ずつ使うため、転生させられるのは10人となっている。
天草 四郎 時貞 (あまくさ しろう ときさだ)
実在の人物、天草四郎がモデル。島原の乱の総大将で、当時16歳。森宗意軒の忍法「魔界転生」によって、再びこの世に蘇る。忍法髪切丸を使い、髪の毛を操り、自在に斬ることが出来る。
由比 民部之介 正雪 (ゆい みんぶのすけ しょうせつ)
実在の人物、由比正雪がモデル。武芸の回国修行中、森宗意軒が天草四郎時貞を復活させるのを見て、その企みに助力する。
宮本 武蔵 (みやもと むさし)
実在の人物、宮本武蔵がモデル。二刀流を使う剣聖。豊前小倉の小笠原藩で御軍監として島原の乱に参軍。その後、岩戸山の霊巌堂で数年、座禅していた。昔愛した女、お通の姪との交合によって、魔界転生する。
柳生 兵庫助 利巌 (やぎゅう ひょうごのすけ としよし)
実在の人物、柳生利巌がモデル。柳生石舟斎の新陰流の正統を受け継ぐ。田宮坊太郎、宮本武蔵、柳生但馬守宗矩の転生を見て、その秘術を信じるようになり、魔界転生する。
宝蔵院 胤瞬 (ほうぞういん いんしゅん)
実在の人物、宝蔵院胤瞬がモデル。奈良の宝蔵院で春日大社の社務を担当していた。槍術の使い手で、宝蔵院流の二代目。肉食妻帯をしない清僧。柳生但馬守宗矩を訪ね、ともに魔界転生する。
田宮 坊太郎 (たみや ぼうたろう)
実在していたとも言われる田宮坊太郎がモデル。讃岐の丸亀出身。抜刀術の開祖として有名な田宮流の名手、田宮源八郎の息子。江戸で柳生流を学び、謀殺された父の仇を討つ。由比正雪とお類とともに病み衰えた姿で如雲斎を訪ね、そこで魔界転生の秘術を施される。
荒木 又右衛門 (あらき またえもん)
実在の人物、荒木又右衛門がモデル。伊賀上野の鍵屋の辻で河合又五郎を討ち取った後、伊賀上野藤堂藩に預けられ、その後、鳥取藩へ預けられる。鳥取に着いて十数日で頓死。死の直前に、妻とうり二つの女と交合し、魔界転生した。
柳生 但馬守 宗矩 (やぎゅう たじまのかみ むねのり)
実在の人物、柳生宗矩がモデル。徳川将軍家指南役、一万二千五百石。公儀大目付。柳生十兵衛の父。死期が近いことを知り、魔界転生する。
徳川 頼宣 (とくがわ よりのぶ)
実在の人物、徳川頼宣がモデル。由比正雪に連れられ、森宗意軒と会う。
クララお品 (くららおしな)
森宗意軒が、柳生十兵衛のもとへ送り込んだ女。目の前で父親を殺されたという偽装をして十兵衛らの仲間の中に入りこむ。
関口 弥太郎 (せきぐち やたろう)
関口柔心の息子。姉はおひろ。子供だが、父の仇を討つため柳生十兵衛とともに行動する。