概要・あらすじ
多摩川のほとりにある台地の上にそびえ立つ美しく優しき乙女の城セント・メリーゴーランド女学院。旧き良きヨーロッパの貴婦人を現代に生み出さんと広大な土地に現地から本物の城を買い込んで移し替えた素晴らしい環境に、高校を卒業したばかりの夏目真沙子が月10万円のアルバイト料に惹かれて、音大受験のレッスン料を稼ぐという軽い気持ちでサッカー部のコーチに応募してくる。
しかしそこは、これまで引き受けた10人のコーチの内、5人が行方不明、3人が発狂、2人が病院送りになるという危険極まりない場所だった。ボスと亜美の2人が率いる中等部サッカー部は、教師さえも弄び危害を加える悪魔のような問題児達が集まっていた。特にボスはお気に入りの監督の冬木達也を誘惑する相手には容赦をしないため、冬木達也は恋人の夏目真沙子のコーチ就任を猛反対し、もし二人の関係が生徒達に知れたら命を落とす事になると脅す。
そんな中で、亜美達が痛めつけた高等部の三須順子が協定を結んでいたスケバングループの四聖者の一員だった事から、中等部サッカー部と高等部四聖者との抗争が一気に激化する事になる。
登場人物・キャラクター
夏目 真沙子 (なつめ まさこ)
今年高校を卒業したばかりで現在は音大の試験勉強中。ピアノのレッスンに通う為に月10万円で全寮制の部屋、食事つき、空いている時間はピアノの練習に費やせるセント・メリーゴーランド女学院の中等部サッカー部コーチのアルバイトに軽い気持ちで応募してくる。学園の教師でサッカー部監督の冬木達也は恋人だが、危険なコーチの話には大反対で、二人が付き合っている事が生徒達に知られれば命を落とす事になると脅される。 そのため学園内では二人の関係を秘密にする事になる。生徒達から拒絶され何度叩き出されても、その度に防具を身に付けて戻ってくるしぶとさと、共に冬木達也を誘惑する女性を憎む気持ちで徐々に仲間として打ち解けていく。 冬木達也と一緒に写った写真をネタに舎監に脅迫され手先となってボスをピンチに陥れたが、いざとなれば自ら中世の鎧を身に纏い窓から突入する度胸を見せた。試合中に退場処分となった冬木達也に代わり、ピアノで曲を弾く事で無線で受けた指示を選手達に伝えた。バスト86、ヒップ91の安産型。
冬木 達也 (ふゆき たつや)
セント・メリーゴーランド女学院の歴史教師およびサッカー部監督。生徒達の憧れの存在だが校内では女嫌いとして通っている。しかし、恋人の夏目真沙子が勝手にコーチとして学園にやって来てしまい、二人の関係が生徒達に知られるとどちらか命を落とす事になると脅して何とか辞めさせようとする。チームを全日本大会で優勝させるという使命があり、その為には一人や二人の犠牲者は出しても構わないと理事長から言われている為、有刺鉄線を張り巡らしたグラウンドで迷彩服を着させた生徒達をジープやランドローバーに括りつけ、巨大な無反動砲から打ち出したボールでヘディングの恐怖心を克服させるという過酷な練習を行う。 理事長については貞操の危機を感じる程苦手で、舎監が手に入れた2人の写真を理事長室まで取り返しに行った時には、清掃係に変装し潜り込み、怪しまれる中を必死にごまかしながら捜索を続けた。 大事な試合で再三の警告にも従わず退場となってしまい、選手達への指示が出せなくなってしまう。
葉戸 (はど)
セント・メリーゴーランド女学院中等部サッカー部のキャプテンで不良生徒達のボス。監督の冬木達也に色目を使う女は、例え高等部の生徒でも冬木達也がよろめく前に仲間達と手を打ち、容赦なく学園から放逐するように仕向ける。これまで来たコーチの5人を行方不明、3人を発狂、2人を病院送りにしてきた為、教師達からは悪魔の様だと例えられる。 夏目真沙子が冬木達也と2人きりでしていた会話を盗み聞き、付き合っているのではないかと子分を使って探りを入れた。舎監に脅されていた夏目真沙子に騙され、不利益になる証拠のテープを奪い返そうと待ち伏せする舎監の所へ一人で向ってしまう。高等部のスケバングループ四聖者との対立となり、リーダーのジュリーを相手に壮絶な格闘を行う。 バストは90センチで4つ年上の夏目真沙子よりもスタイルがいいのが自慢。
亜美 (あみ)
セント・メリーゴーランド女学院中等部サッカー部で、ボスの右腕としてコンビで数々の悪事を働くチームの参謀役。中学生とは思えない非道な行為を犯しては、礼拝堂でわざわざハレンチに仕立てた説明で懺悔をして、牧師が発情する姿を見て喜ぶ根っからのサディスト。悪巧みを思いつく知恵と残虐さはボス以上。 仲間が襲われたり試合で劣勢になった時など、熱くなるボスを冷静になだめている。ボスと高等部のスケバングループ四聖者のジュリーとの対決を遮り、ショーとして武道館を借り切って客から金を集める事を提案し拒まれるが、再戦を1週間後の外出日に指定し、その間に四聖者には黙って口コミで商店街のスケベ連中をギャラリーとして呼びガッポリ儲けようと企んだ。 騒動の後も、守衛達に警備の不始末を理由に理事長への侵入者の報告をもみ消させる用意周到さを見せている。
ジュリー
セント・メリーゴーランド女学院高等部のスケバングループ四聖者のリーダー。医学部志望。父親は全日本石油連合会長で年収5億を誇る資産家。四聖者の親達による毎年の寄付で学校運営が成り立っている為、教師達も一切口出しできない存在。親にはいい所を見せないと仕送りが途絶える為、決闘を中断してでも父兄参観にはきちんと出席するような表向きは優等生を演じている。 至る所にナイフを隠し持ち相手に投げつける技を得意とする。ボスとは一対一の格闘で勝負を付けようとした。決闘を利用して自分の知らない所でショーとして荒稼ぎしたサッカー部についに怒りが爆発し、ボスにこれ以上ない辱めを与えて自殺したくなる目に遭わせると決意する。
三須 順子 (みしゅ じゅんこ)
セント・メリーゴーランド女学院高等部のスケバングループ四聖者の一員。父親はロッキード海運重役。対センチメンタル学院との試合のキーパー候補として真剣に人材を探していた冬木達也から、マンツーマンの指導を受けながら誘惑をした事でボスと夏目真沙子を敵に回す。練習で手が使えない時にわざとユニフォームの中にゆで卵を入れられ、さらに生卵と間違えて持ってきた熱々のカレーうどんをパンツの中に流し込まれてしまう。 この出来事がきっかけとなり、それまで縄張りも決めお互いに手を出さない協定を結んでいた四聖者と中等部サッカー部の関係は決裂し、全面対決となった。先を鋭利に研いだコンパスを武器にする。
重宗 (しげむね)
セント・メリーゴーランド女学院高等部のスケバングループ四聖者の一員。父親はデパート王と言われる重宗次郎なる人物。左官用のコテやゴルフのパターなどを振り回し、大きな体の割に、ジュリーがピンチのときは加勢に飛び掛かかる敏しょう性の高さを見せる。足も速い。三須順子と一緒に亜美達が連れて来た商店街の連中に襲われるものの、自分の方には誰も手を出してこなかった為、自ら進んで男達の中に飛び込んでいった。 ジュリーの指示でサッカー部の試合中に水道に薬品を混入させる。
巻毛 妙子 (まきげ たえこ)
セント・メリーゴーランド女学院高等部のスケバングループ四聖者の一員。父親は次期首相と言われる大臣。アフロヘアと大きなサングラスがトレードマーク。トモ子と千左子に行ったリンチが原因でサッカー部に捕えられ、舎監が握りつぶした事件の真相を明かすように強要される。練習で使っていた有刺鉄線の張り巡らされたグラウンドでランドローバーに縛りつけられ巨大な無反動砲から打ち出されるボールを浴びながら30回以上もダイビングヘッドを強いられるという拷問を受け、自白の証拠をテープに収められてしまう。
千左子 (ちさこ)
セント・メリーゴーランド女学院中等部サッカー部。四聖者の襲撃を警戒し部員達は必ず5人1組となって行動する中、風邪で授業を欠席して部屋で休んでいた所を校医と偽った四聖者に呼び出され、医務室で太腿に4の字に傷を刻まれた上に吊るされてしまう。その後トモ子が囚われ引き渡しに金を要求されると、責任を感じ既に酷い目に遭わされた自分は2度も襲われる事はないので受け渡し役には適任と、熱を押して買って出る。 持って行った金が10万円分不足していた為、代償として4人から性的な虐待を受けてしまう。
トモ子 (ともこ)
セント・メリーゴーランド女学院中等部サッカー部。千左子が部屋で一人で居た所を襲われたのは、風邪で授業を休んでいた事を知っているドイツ語教師の馬野が四聖者に売ったからだと思い、乗り込んでいった所を待ち伏せされてしまう。高等部の寮へと連れていかれ、サッカー部に40万円で引き取りに来るように要求されてしまう。 千左子が金を届けに来た時には雨の中を外に吊るされていた。
色川 トシ子 (いろかわ としこ)
セント・メリーゴーランド女学院高等部の生徒で、冬木達也に目を付けたと中等部の間でうわさが広がった美人。サッカー部の連中の罠に落ち、礼拝堂で煙草を吸っていた疑いを掛けられてしまう。罰として職員室で後ろ足のない木馬につかまりスカートを捲し上げられ、左右に並んだ教師達から順に物差しで尻を撃ちつけられる木馬の刑を受ける事になる。 刑が終わる前、残り2人の所で音を上げてしまった為に放校処分となってしまう。水虫で人目につかない所ではいつも靴を脱いでいる。
学院長 (がくいんちょう)
セント・メリーゴーランド女学院の創設者。日本一の資産家を自負する男。小学校しか出ていない事を馬鹿にされ、成功した後も成金や乗っ取り屋と呼ばれている事をコンプレックスに感じている。下品と呼ばれる事を極端に気にしている為、旧き良きヨーロッパの貴婦人を現代に生み出さんと、広大な土地に現地から本物の城を買い込んで移し替えた素晴らしい環境に学園を作った。
理事長 (りじちょう)
セント・メリーゴーランド女学院の理事長である男性。同性愛者であるため、娘を預ける親達にとっては最も安心な存在と言われている。真の教育を目指し、まがい物は許さず、人体模型一つをとってもプラスチックは一切使わないで全て本物を用意する。しばしばおじゃるといった公家風の言葉を用いる。
荒神 (あらがみ)
全寮制のセント・メリーゴーランド女学院で見回りをしながら、生徒達に寮の規則を守らせる務めを担う。損得の計算をガッチリとして、得になるなら生徒の一人や二人は犠牲になってもなんとも思わない性格。トモ子と千左子が囚われ夏目真沙子に助けを求めてきたサッカー部員の話を聞き止めに向かうが、四聖者の差出す誘惑に負けて集めた金に手を出し千左子を抱いた事で共犯となり、事件を不問にしてしまう。 巻毛妙子が自白した自分にとって不利益となる証拠のテープを取り返そうと、冬木達也と一緒に写った写真をネタに夏目真沙子を脅迫し、ボスを呼び出させる。
吉永 葉百合 (よしなが はゆり)
セント・メリーゴーランド女学院教頭。一般家庭で育った夏目真沙子に貧乏人のセンスや生活態度を押し付ける事を禁じ、生徒達にはリッチに接するように指導した。普段は厳格な教師だが冬木達也に気がある。職員室では何故かいつもプラモデルを組み立てている。