魁の花巫女

魁の花巫女

テレビアニメ化もされた『ド級編隊エグゼロス』で知られる、きただりょうまの連載作品。多彩な神々が集う「廓夜城(くるわやじょう)」を舞台に、父親から楼主の座を継いだ神代新が、仲間の姫巫女たちと共に、災いをもたらす存在「禍神(まがつかみ)」と戦う姿を描いた和風バトルファンタジー。講談社「マガジンポケット」で2024年7月22日から連載。

正式名称
魁の花巫女
ふりがな
さきがけのはなみこ
作者
ジャンル
和風ファンタジー
レーベル
KCデラックス(講談社)
巻数
既刊5巻
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人々に災いをもたらす悪しき神々

人間を直接攻撃したり、天変地異を引き起こして被害をもたらす神々は「禍神」と呼ばれている。江戸時代には、「穢土(えど)」と呼ばれる異世界と現世をつなぐ門が開かれ、多くの禍神が現世に流れ込み、人々に甚大な被害をもたらした。しかし、人間に祝福や加護をもたらす「福神(ふくのかみ)」も同時に現れ、禍神と戦いながら人々を守っていた。そんな中、「出雲阿国(いずものおくに)」と呼ばれる女性が福神と協力し、現世と穢土を結ぶ門を封印することに成功する。しかし、禍神は完全に滅びたわけではなく、新の義理の兄である進とその妻も、禍神の手によって命を落としている。

人知れず禍神と戦う美少女たち

現世と穢土をつなぐ門を封印した「出雲阿国」は、現世に残る禍神を滅ぼすため、自身と同じ力を持つ女性「花巫女」の育成を始めた。同時に、現世に留まる福神たちが滞在するための施設「廓夜城」を設立した。そして現代においても、禍神と同様に廓夜城は現存している。新の義理の姪である雛をはじめ、月下、稲妻、春椿、薺といったさまざまな花巫女たちが廓夜城に滞在する福神たちをもてなしつつ、「神符(しんぷ)」と呼ばれる武器を手に、今も禍神との戦いを繰り広げている。なお、廓夜城への人間の男性の立ち入りは禁止されているが、廓夜城の管理を司る「楼主」とその候補者のみは例外とされている。

元教師が廓夜城の楼主の座を継ぐ

私立高校の非常勤講師として働く新は、父親の訃報を受けて実家の花ノ宮神社へ戻り、葬儀に参列することになった。そこで、新は年の近い義理の姪の雛と再会するが、教師の道を選び実家を離れた彼に対し、雛はどこかよそよそしい態度を見せる。そんな中、花ノ宮神社の境内に強大な禍神が襲来する。雛は禍神に立ち向かい、一時は優勢に戦いを進めるものの、禍神が真の姿を現すと窮地に追い込まれてしまう。そんな雛の危機に駆けつけたのは、「ことだま」の能力を覚醒させた新だった。禍神を打ち倒した彼は自身に眠る力に気づき、唯一の家族である雛を守るため、かつて父親が務めていた廓夜城の楼主の座を継ぐことを決意する。

登場人物・キャラクター

神代 新 (かみしろ あらた)

花ノ宮神社の当主の次男。自身の言葉を現実に変えるという稀有(けう)な能力「ことだま」を持っている。しかし、その力は父親以外には知られておらず、本人も長いあいだその存在に気づいていなかった。家督は優秀な義兄の進が継ぐことが決まっており、彼に対して尊敬の念と同時に強い劣等感を抱いていた。だが、禍神の襲撃により進とその妻が命を落としてしまう。兄に代わって跡取りになるよう請われたものの、進へのコンプレックスと事件のトラウマに苦しみ、その役目を放棄して上京し、非常勤講師の道を選んだ。それから4年後、父親の死をきっかけに一時的に帰郷。そこで再び禍神と対峙した際に、「ことだま」の力が覚醒する。この出来事を機に、義兄の跡を継いで楼主となる決意を固め、戦いの拠点である「廓夜城」に滞在することを決めた。当初は一部の姫巫女たちから軽んじられていたものの、数々の戦いを経て仲間たちの信頼を勝ち取っていく。

神代 雛 (かみしろ ひな)

新の義兄、進の娘。新の義理の姪にあたる。花巫女を務めており、生真面目でひたむきな性格の持ち主。両親や新の父親を尊敬し、幼い頃から義理の叔父である新を実の兄のように慕っていた。4年前、両親が禍神に殺害された直後、心の支えであった新までもが東京へ去ってしまい、深く傷ついた。その後は新の父親と共に暮らし、両親の仇(あだ)を討つことを胸に、花巫女として厳しい修行に励み、やがて「廓夜城」に仕えるようになる。そんな中、新の父親が亡くなり、雛自身も禍神に襲われて窮地に陥る。その危機を救ったのは、帰郷して「ことだま」の力を覚醒させた新だった。さらに、新が楼主を継ぐと知り、今度こそ彼の側を離れず支え続けることを決意して、廓夜城で共に暮らすことになる。

書誌情報

魁の花巫女 5巻 講談社〈KCデラックス〉

第1巻

(2024-10-08発行、978-4065371916)

第2巻

(2025-01-08発行、978-4065380529)

第3巻

(2025-04-09発行、978-4065390467)

第4巻

(2025-06-09発行、978-4065397510)

第5巻

(2025-09-09発行、978-4065406571)

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