概要・あらすじ
暴走族の哲は、新聞配達の途中で異形の男に襲われる。その後、哲の身体は傷つけても痛みを感じなくなった。ウイルスに感染したことで変化する魔人、哲を襲ったのはその頂点に立つ魔神だった。魔人となった哲とその妹の里美は、復讐を誓い魔人狩りの旅に出る。高校生の出虎一八は、2人とすれ違った瞬間、額に傷ができる。
それは、頭に魔神が寄生した印だった。やがて一八の周りには次々に奇怪な事件が起きる。
登場人物・キャラクター
哲 (てつ)
リーゼントに鋭い目つきの若者。本編前半の主人公。暴走族・烈鬼魔王のヘッドで、その凶暴さから「狂王」「殺鬼」「暴帝」「餓狼拳」「魔人」などと渾名されている。血のつながっていない妹の里美には憎まれ口を叩くが可愛がっており、暴走族の世界には入れたくないと思っている。父親が亡くなり家計が苦しいため、朝は新聞配達をしている。 新聞配達の途中、魔人の一種・魔神に襲われ死亡するが、火葬される直前に生き返った。しかし、魔神に噛みついたことで、自らも魔人になる。同じく魔人と化した里美と共に復讐を誓い、魔人狩りを行うようになる。里美と共に一八とすれ違った際に一八の額に傷がつき、この時から一八の戦いを見守るようになった。
里美 (さとみ)
ロングヘアーの少女。哲の妹だが、血は繋がっていない。哲に好意を持っており、少しでも近づこうとバイクの乗せてほしいとせがんだり、高校に入ったら暴走族を作りたいと言っている。魔人となった哲に襲われるが、彼が正気に戻ったことで助かる。その後魔人となったサトシに胴を貫かれるが、既に自らも魔人になっていたため息を吹き返した。 自分に起こった変化を悟り、哲と共に魔人に復讐を誓って旅立つ。本編後半では猫のような耳となり、ネコ娘と呼ばれている。
サトシ
髪を長く伸ばしメッシュにした男性。暴走族・烈鬼魔王のメンバーで、哲の仲間。女たらしで、複数の女と付き合っている。哲に対しては密かに畏怖を感じていた。女とイチャついていたところを襲われ、魔人になる。哲の妹・里美を襲い、哲もろとも彼女の胴を貫いた。その後怒り狂った哲と戦うことになる。
魔神 (まじん)
顔に大きな傷がある男性。バンダナを巻いている。哲を襲い、彼を魔人に変化させた。その後哲の友人サトシも魔人化させ、彼をたきつけて哲と戦わせる。魔人達の頂点に立つ存在で、300年間1人で生きてきた。哲との戦いの後、一八の頭に寄生し深層意識の中から彼を操って新たな能力を獲得して復活した。しかしハリーの妨害によって再び深層意識に閉じ込められる。 その後、夢魔の力で一八と共に深層意識にやってきたハカセを使って再び暴れ出す。
出虎 一八 (いでとら かずや)
額が広く眼鏡をかけた少年。白銀高校の生徒。父親は生物学者。「デコッパ」と呼ばれるが、本人はこの渾名を嫌っている。理科系の成績が優秀で、常に敬語で話している。哲、里美が変化した魔人とすれ違いざまに額に傷がつく。それは頭の中に魔神が寄生した証だった。その後、謎の声が聞こえるようになる。同級生の萠の彼氏で魔人となっていたナオヒサに襲われ、これをきっかけに魔人との戦いの中に入り込んでいく。
葦原 萠 (あしはら ともえ)
ショートヘアーの少女。白銀高校の生徒で一八の同級生。本人も気が付かないうちに彼氏のナオヒサの子を妊娠しており、それがきっかけで一八とともに魔人との戦いに巻き込まれていく。一八に好意を寄せており、アプローチするがなかなか気づいてもらえない。
林 (はやし)
ロングヘアの女性。一八の伯母で、アルバイトで白銀高校の校医をしている。本来の職業は生物学者。異性関係は奔放だが研究意欲は旺盛で、一八に頼んで弟(一八の父)の研究データを無断で貸してもらうなどしている。白銀高校に潜り込んだハカセとは、研究の話題で話が弾んでいる。後に一八の戦いに重要な役割を果たす。
ナオヒサ
整った顔の男子。K大学の学生で、萠と付き合っていた。その正体は魔人の一種・クモ男で、付き合った女性達に卵を産み付け、自分の子どもを増やしていた。萠と一緒にいた一八に襲いかかる。
ハリー
耳の尖ったリスのような小動物。魔人の一種で、同一族の生き残りで関西弁を話す。魔人達の依頼を受け、便利屋のようなことをしていた。クモ男が死んでからは一八の家の居候となり、一八に仕事を手伝わせるようになった。
はる
ロングヘアの女子。萠とは中学生の時に親友同士で、彼女を「とも」と呼ぶ。ハカセの手によって魔人に変化しろくろ首となる。魔人の力を使って盗みを働いていたことで賞金首となり、ハリーに追われていた。その途中で一八、萠と出会う。
ハカセ
常に手術用の服を着た男性。顔はマスクで隠し、狂気の滲んだ目をのぞかせている。地下に巨大な秘密施設を構え、調査や実験を繰り返しながらろくろ首、鬼厳鉄、夢魔など多数の魔人を生み出し、配下に従えている。一八とその頭に寄生している魔神の存在に気づき、一八が在籍している白銀高校に非常勤の数学講師として赴任する。
鬼巌鉄 (ぎがんてす)
髑髏のような顔で体中に継ぎ目を持つ生物。神話時代の怪物で、ハカセによって現代に甦った魔人。怪力の持ち主で普段は肉弾戦だが、危機に陥ると身体の継ぎ目から極低周の超音波を発生させ、周りの物体を破壊する。ハカセに命じられ、はるを追ってきた一八、萠、ハリーを襲う。
夢魔 (いんきゅばす)
脳に目がついたクラゲのような身体をした生物。ハカセの配下の魔人の一種。頭につけることで精神の中に入ることができる。ハカセはこれを使って一八の深層意識に入り込み、中に閉じ込められている魔神に近付こうとした。
集団・組織
魔人 (まじん)
突然変異を起こした生物の総称。原因はウイルスに感染したことにある。いくつかの種族に分かれており、ほとんどが禍々しい形態をしている。著しい知能の発達、強靭な肉体、特殊な働きをする生体器官など、様々な形態がある。魔神はこの頂点に立ち、彼の血で魔人となった哲達は「魔神の息子」と呼ばれる。