魔法使いの印刷所

魔法使いの印刷所

だれもが魔法を使える異世界に転生した女性が、元の世界に戻るための魔法を探すために、魔導書の即売会を開催したり、会社を興して奮闘する姿をコミカルに描いたファンタジー漫画。「電撃G'sコミック」の2017年11月号から連載されている。

正式名称
魔法使いの印刷所
ふりがな
まほうつかいのいんさつじょ
原作者
もちんち
作画
ジャンル
魔法使い・魔法少女
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

半年前、ミカ=カミヤは東京で開催されたコミックマーケットからの帰宅途中で、突然異世界に転生してしまう。転生した先は、だれもが魔法が使える世界だったためにミカは戸惑うが、魔法が盛んな世界なら元の世界に戻るための魔法もあるはずと考え、魔法使いや魔法が記された魔導書が一堂に集まる即売会の開催を企画する。同時に転生した世界で生活するために、魔法を本にして量産する印刷会社「主人公印刷」を立ち上げる。会社の仲間やアキヴァーハラ聖騎士団と協力して、多くの問題を解決しながら初の魔導書即売会「マジックマーケット」を無事に開催したミカだったが、即売会では目的の魔法は見つからなかった。それでもミカは気落ちせず、次のマジックマーケットの開催準備に入るのだった。

第2巻

開催を重ねるごとに、魔導書即売会「マジックマーケット」の評判が上がっていき、多くの魔法使いや本が集まるようになって来た。そんな中、第3回の開催準備に追われるミカ=カミヤベッジ達は、魔王サツィーコからサークル参加の申し込みが来ている事を知る。サツィーコの参加に関しては開催者側も意見が分かれるものの、申し込み方法や配布魔法も問題なかったため、最終的にはサツィーコの参加は認められる。そしてサツィーコ参加の報はあっという間に世界中を巡り、マジックマーケット開催日にはサツィーコの信奉者や、これまで人里にやって来なかった凶悪な魔物まで姿を現わす。過去を大きく上回る賑わいをみせる中、第3回マジックマーケットが開催される。

登場人物・キャラクター

ミカ=カミヤ

魔導書即売会「マジックマーケット」の企画・運営で陣頭指揮を取る女性。本名は「紙谷美香」で、半年前に別世界から魔法が使える事が当たり前の今の世界に転生して来た。そのため魔法や世界情勢に疎く、使える魔法は最も基礎的な魔法の一つとされる「複写魔法(コピー)」のみ。一人で転生されて右も左もわからない状況になっても悲嘆せず、魔法が発達しているなら元の世界に戻る事ができる魔法もあるはずと考える前向きな性格。マジックマーケットの開催中に起こるさまざまなトラブルにも、柔軟に対応できる判断力と決断力を持つ。ふだんは持ち込まれた魔法や魔導書を量産する印刷会社「主人公印刷」を経営しており、仲間や従業員からは「シャチョー」と呼ばれている。

クレア

ミカ=カミヤといっしょに魔導書即売会「マジックマーケット」の企画・運営を行う魔法使いの女性。魔法や世界情勢についてなにも知らないミカにいろいろと教えており、ミカに対しては少し過保護な一面がある。破壊などの攻撃タイプの魔法は得意だが、回復魔法は苦手。ふだんは持ち込まれた魔法や魔導書を量産する印刷会社「主人公印刷」の一員として、ミカを手伝っている。

キリコ

ミカ=カミヤといっしょに魔導書即売会「マジックマーケット」の企画・運営を行う剣士の女性。ふだんは持ち込まれた魔法や魔導書を量産する印刷会社「主人公印刷」の一員として、本の断裁を担当している。口は荒いが根は優しく、無茶するミカの事をいつも心配している。

ベッジ

ミカ=カミヤといっしょに魔導書即売会「マジックマーケット」の企画・運営を行う魔法使い。マジックマーケットのさまざまな情報を掲載したカタログ作りや、当日の案内放送などを担当する。外見は狐の姿をしているが、人語を話して意志の疎通もできる。魔法使いとしての実力は一流で、ブイオ、ヒーラ、バクエン、ライネルの弟弟子にあたる。

ナキ

魔導書即売会「マジックマーケット」にサークル参加していた魔法使いの女性。死霊魔法(ネクロマンシー)を代々取り扱っているネクロマンサー。だれにも魔導書を見てもらえず落ち込んでいたところ、ミカ=カミヤから声をかけられる。その後、体調不良から死亡してしまった別の参加者を生き返らせる際に、死後の世界にいった魂をネクロマンシーで呼び寄せた事で注目を浴びる。この事がきっかけとなって自分の魔法に自信を持つようになり、性格も明るくなった。

カカ

ミカ=カミヤが経営する印刷会社「主人公印刷」に、自分の魔法を記した魔導書の量産を依頼しに来た魔法使いの男性。翌日までに100冊という無茶な依頼だったが、村の家畜や農作物を荒らす狼人種(ウェアウルフ)を追い払うため、魔法を使えない村人に配るという理由を聞いてミカは快諾。カカも手伝ってなんとか完成させ、無理を承知で依頼を引き受けてくれたミカの器の大きさを褒める。

ブイオ

古くから存在する派閥の二大巨頭の一つ、ケーダンに所属する魔法使いの男性。ケーダン四天王の一人で、魔法使いの中でも傑出したスペシャリストでもある。「闇黒のブイオ」とも呼ばれ、闇魔法を得意としている。弟弟子のベッジからの依頼で、魔導書即売会「マジックマーケット」のさまざまな情報を掲載したカタログ制作やサークル配置に協力する。

ヒーラ

古くから存在する派閥の二大巨頭の一つ、スガクに所属する魔法使いの女性。スガク四天王の一人で、魔法使いの中でも傑出したスペシャリストでもある。「廻天のヒーラ」とも呼ばれ、回復魔法を得意としている。弟弟子のベッジからの依頼で、魔導書即売会「マジックマーケット」のさまざまな情報を掲載したカタログ制作やサークル配置に協力する。

バクエン

多くの天才を輩出した派閥、スエイに所属する魔法使いの男性。スエイ四天王の一人で、魔法使いの中でも傑出したスペシャリストでもある。「炎獄のバクエン」とも呼ばれ、炎魔法を得意としている。弟弟子のベッジからの依頼で、魔導書即売会「マジックマーケット」のさまざまな情報を掲載したカタログ制作やサークル配置に協力する。大柄で強面だが、知識の乏しいミカ=カミヤにわかりやすく説明するなど面倒見はいい。

ライネル

中小の派閥を吸収して、今や最大勢力となった派閥、カドカに所属する魔法使いの男性。カドカ四天王の一人。若くして定着魔法を極め、バクエン達も認める天才魔法使い。しかし放浪癖があって、すぐにどこかにいなくなってしまうため、居場所を把握するのが非常に困難。学会発表が間にあわなくて、時間を固定する魔法を作ろうとした事でも知られている。

レイア

アキヴァーハラ聖騎士団の一番隊隊長を務める剣士の女性。魔導書即売会「マジックマーケット」の前日から会場に使い魔や召喚したゴーレムなどを送り込んで場所取りをする「テツヤグミ」掃討や、当日の来場者の列の誘導などで見事な統率力を見せる。

ブロッドウェイ

アキヴァーハラ聖騎士団に所属する剣士の男性。理想と現実の差により、任務に集中できず小さな失敗を重ねていたところ、レイアから魔導書即売会「マジックマーケット」での任務を受ける。ミカ=カミヤの護衛として会場に入り、会場内が身動き取れないくらい混雑しているのを見て、即座に問題点と解決方法を示した。ミカといっしょにスタッフとして動いているうちに騎士としての在りように気づき、マジックマーケット終了後は本来の実力を発揮できるようなる。

ラケン

鍛冶屋を営む男性。腕は国内でも指折りといわれている。鉄をいかに優れた物体にするかをモットーに、切れ味鋭い剣やどんな攻撃でも弾く鎧を制作している。そのため、冒険者から非常に人気が高い。職人肌の頑固な人物だが、友人でライバルのナマクの店が繁盛していない事を気遣い、ミカ=カミヤに様子を見て来てほしいと頼む優しい性格の持ち主。

ナマク

鍛冶屋を営む男性。かつてはラケンと共に、国では並ぶものがいないといわれたほどの鍛冶屋だったが、今では訪れる客はほとんどいない。過去に自分が作った剣と、ラケンが作った剣の優劣を言い争った剣士が決闘し、重傷者が出た事を後悔して、見た目は名品に見えるが戦闘には使えない武具を作り始める。その結果、物好きな金持ち以外は寄りつかなくなったが、信念を曲げずにいる。

テンノーズアイル8世

王都南西部にある魔法都市アイルの領主を務めるテンノーズ家の娘。母親のシーサから民の規範となるために勉強や魔法を頑張るように言われ続け、そんな生活に嫌気がさして屋敷から抜け出して王都を目指す。しかし乗る船を間違えて、魔導書即売会「マジックマーケット」の会場に来てしまう。その際、ミカ=カミヤと知り合い、正体を隠すために「テレポ・トキオート」と名乗る。会場で見た魔導書以外の本に衝撃を受け、会場にいたミカとシーサからの言葉で、学ぶ事の重要性を知る。

魔王サツィーコ

魔神ミゾラーの再来と謳われる女性。多くの信奉者や配下がいる。第3回「マジックマーケット」にサークル参加を申し込む。神話や噂が先行して他者から畏怖されているが、実際は周囲への気遣いを忘れない礼儀正しい人物。今回も参加が決まると、魔界の魔族や魔物にマジックマーケットの事を説明した。その結果、魔物達もきちんと列に並び、目立った混乱も発生せず、マジックマーケットを心行くまで楽しんだ。

レッドドラゴン

ミカ=カミヤが、魔導書の材料となる竜の皮を取りに行った洞窟で出会った赤い竜。生態系の頂点に立つ存在で、長い年月を生きているため人語を理解して魔法も使える。クレアの魔法によって巣が荒れた事に怒り、逃げ遅れたミカ=カミヤを捕獲して巣の掃除をさせる。掃除のあいだミカと話し、ミカの目的とミカから受け取った本に興味を示す。そして必要な本を用意してもらう代わりに、脱皮した薄皮を提供する契約をミカと結ぶ。

ショウ・ワドリー

休日を謳歌していたミカ=カミヤが街中で出会った魔法使いの老人の男性。分刻みのスケジュールで仕事をさせられている中で逃げ出し、複数の魔法使いから追われているところをミカに匿ってもらう。話を聞いたミカは共感し、二人で休日を楽しむ。陽気で人当たりのいい性格をしており、見た目はどこにでもいるおじいちゃんだが、実は100年前に勇者ドゥエインと共に邪悪な竜を倒した人物で、「大賢者」「魔法界の三英傑」「生きる伝説」とも呼ばれる大魔法使い。

集団・組織

アキヴァーハラ聖騎士団

最強の強さ誇る騎士団。王都や要請のあった村の守護を任務としている。魔導書即売会「マジックマーケット」でもミカ=カミヤ達に協力しており、「テツヤグミ」と呼ばれる、前日から会場に入り込もうとする輩の掃討や、当日の列整理なども担当している。

その他キーワード

マジックマーケット

魔法使いによる魔導書の即売会。ミカ=カミヤが発起人となって開催される。「マジケ」と略されて呼ばれる事もある。大昔、強大な巨人と多くの魔法使いが戦い、魔法使いが勝利した「聖地」と呼ばれる場所で開催される。マジックマーケットは回を重ねるごとに参加者の数が増えていき、ついには魔法使いや魔界の重鎮も参加するようになる。

聖剣祭り

広場に突き刺さった聖剣ドゥエイン=キガイを引き抜く祭り。1年に1回行われる。引き抜いた者は次代の勇者になるといわれており、力自慢や屈強な剣士など多くの者達が挑戦している。しかし、剣が引き抜かれた事は一度もなく、聖剣祭りは村の広場の再開発に伴って終了となった。

聖剣ドゥエイン=キガイ

100年前に邪悪な竜を倒した勇者ドゥエインが使っていた剣。聖剣ドゥエイン=キガイには意志があり、ショウ・ワドリーなど一部の人間とは会話ができる。戦いのあとにドゥエインは剣を村の広場に突き刺して姿を消したため、今でも剣は突き刺さったままになっている。引き抜いた者は次代の勇者になるといわれている事もあり、100年のあいだに多くの人物が挑戦したが、成功した者はいない。今では聖剣祭りでしか挑戦者が現れず、祭りの終了と共に森に移動させられそうになったところ、ミカ=カミヤに格安で譲られる。その後は、ミカの会社「主人公印刷」で裁断機として活用されている。

クレジット

原作

もちんち

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