大魔法峠

大魔法峠

天空に浮かぶ魔法の国・聖魔法王国のプリンセスである田中ぷにえが、女王になるための修行として地上で過ごす1年間の日常を面白おかしく、そしてデンジャラスに描いた魔法少女ものコメディ作品。キャッチコピーは「マジカル血煙コミック」。

正式名称
大魔法峠
ふりがな
だいまほうとうげ
作者
ジャンル
魔法使い・魔法少女
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

魔法の国・聖魔法王国の女王になるため、プリンセスの田中ぷにえは地上に1年間の修行にやって来た。転校早々男子生徒のハートを掴んだぷにえを気に入らないスケバンの姉御は、暴力によってぷにえを屈服させようとする。しかし魔法、そして肉体言語によってあえなく撃退される。姉御との一件を皮切りに、ぷにえの命を狙う刺客までもが次々と訪れはじめる。

パロディネタ

タイトルが中里介山による未完の長編時代小説『大菩薩峠』のパロディとなっているのをはじめ、文化祭で国鉄子たち鉄道研究会が提供するカレーを味わっているのは原作:雁屋哲、作画:花咲アキラのグルメ漫画『美味しんぼ』に登場する美食家・海原雄山のパロディキャラクターであったり、魔法を封じるアイテム「邪神アニサキスの像」がTVアニメ『機動戦士ガンダム』に登場するガンダムの顔をモチーフとしていたりと、作中のパロディ描写は非常に多い。他にも、一例として聖魔法王国の女王・田中エスメラルダがかつて斃した魔法少女の名にTVアニメ『魔法使いサリー』のサリー、『魔女っ子メグちゃん』のメグ、『魔法の天使クリィミーマミ』のマミ、『魔法のプリンセス ミンキーモモ』のモモの名が挙がっているなど、そのパロディネタは随所に盛り込まれている。

特殊設定

聖魔法王国という魔法の国や、魔法少女作品をモチーフとしていながら、作中において主に使用されているのはリリカルな魔法ではなく、「肉体言語」という名の関節技である。その理由は、例えば田中ぷにえエリーゼ=フォン=バルバロックなど、魔法力が拮抗する者同士が魔法勝負を行った場合は勝負がつかず、最終的に肉弾戦で決着をつける必要があるためである。

関連作品

本作『大魔法峠』は、「邪道魔法少女」シリーズの第3作目としてOVA化されている。これは文字通り、魔法少女ものでありながら邪道を行っている作品をシリーズ化したもので、他のシリーズ作品には『ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルて』『撲殺天使ドクロちゃん』がある。これらの作品は漫画版においてはまったく関わりはないものの、同じくくりでOVA化された作品ということで、そのテーマにおいてある意味で関連作品といえる。

メディアミックス

OVA

2006年4月から2007年3月にかけて、OVA版が全4巻各2話構成でジェネオンエンタテインメントから発売された。 田中ぷにえ役を佐藤利奈、姉御役を川澄綾子、国鉄子役を下屋則子が演じている。内容は漫画版に準拠しているが、原作以上にパロディネタが多く盛り込まれているのが特徴。またオープニングテーマ、エンディングテーマともにぷにえ役の佐藤利奈がボーカルを担当している。また各巻の初回限定版には、プロモーションラジオと「放送禁止ソング」を収録したCD-ROM、映像特典「ぷにえの里帰り」が収録されていた。

ドラマCD

2006年7月にジェネオンエンタテインメントから『大魔法峠 ドラマCDの章』が発売された。原作『大魔法峠』の「Extra.壱 田中ちゃん、最近どーよ☆シーメとミーノどっちがいい?の巻」と「Extra.弐 あかるい町をつくるわよの巻」の2エピソードのボイスドラマ、およびボーナストラックとして挿入歌「恋をINPUT」のフルバージョンが収録されている。キャストはTVアニメ版と同様。

キャラクターソングCD

2006年10月にジェネオンエンタテインメントから『大魔法峠 キャラクターソングの章』が発売された。各キャラクターをイメージしたキャラクターソングの他、OVA版で使用されたサウンドトラックも複数収録されている。

登場人物・キャラクター

田中 ぷにえ (たなか ぷにえ)

天空にある聖魔法王国のプリンセス。金髪のショートボブの髪型で、眼球がデザインされた赤いヘアバンドをしている。魔法の杖「プリンセス・ロッド」をペンダントにして携帯している。姉御や国鉄子のいる学校に転校早々、男子生徒による親衛隊ができるほどの美少女。女王になるための試練として、1年間地上で人間たちと暮らすためにやって来た。 魔法よりも肉体言語を得意としており、プロレス技の名称の前に「プリンセス」を付ける「金剛プリンセス拳」の使い手。掛け算の2の段をどうにか暗唱できるレベルという学力の低さで、あまりの馬鹿さ加減に落第間近という状況にまでなった。マスコットのパヤたんや妹である田中ぴゅん、田中ぽたるを非常に可愛がっているが、彼らが相手であっても裏切り行為には厳しい仕置きを施す。 市内の女子高生代表として一日警察署長に任命された際には、任命されている24時間を利用して暴走族を掃討、ニート処分条例の施行などを行った。このような行動によって人からの恨みを買いまくり、平将門級の怨霊が複数取り憑いているとされる。かなりの面食いであるらしく、金星の王子アッチラポッポとの政略結婚話が持ち上がった際には、見合い写真の格好良さにかなり乗り気だった。 魔法を使用する際の呪文は「リリカル・トカレフ・キルゼムオール」。ぴゅん、ぽたるからは「おねえたま」と呼ばれている。キャベツ畑人形が苦手。

パヤたん

田中ぷにえのマスコットで、もともとはわくわくマスコット村にいた。垂れ耳の犬のぬいぐるみの額に、短い円錐型の角が生えた姿をしている。また、腹部に「パ」という焼き印の痕がある。普段は語尾に「パヤ」を付け可愛らしい言動を見せるが、その本質はハードボイルド作品の傭兵を思わせるほどにクールで渋い。関節が360度動く特異体質で、マスコットになる契約をかけたぷにえとの戦闘においても、この特異体質でぷにえを大いに苦しめた。 世界中の戦場を渡り歩いて来た傭兵で、戦闘行為でテンションが突き抜けたりトラウマに触れるとフラッシュバックを起こし、スターリングラード攻防戦における冬の嵐作戦直前の心境に陥ったり、「グレッグ」という名の戦死した仲間に話しかけたりすることがある。 普段は「パヤたん」と呼ばれているが、素性を知っている者からは「パヤ=リビングストン大佐」または「大佐」と呼ばれている。

姉御 (あねご)

田中ぷにえが編入した高校の不良女子生徒をまとめる、スケバン女子高校生。背中まである黒髪をまとめず下ろしている。喫煙家で飲酒も行い、気に入らない相手には暴力で言うことを聞かせるが、自分自身は痛い思いをするのが嫌いで、密かに可愛いものや乙女チックなものを好んでいる。ぷにえが転校して来た当初は不良グループとしか交流を持っていなかったが、ぷにえと接する時間が増えるにつれて、国鉄子とも交流するようになっていく。 胸が大きく美人で、イケメン男子高生に何度か好意を抱かれている。

国 鉄子 (こく てつこ)

鉄道研究会の部長を務める女子高生。黒髪をうなじで1つにまとめた髪型で、眼鏡をかけている。重度の鉄道オタクで、0系新幹線の廃止や700系のドクターイエローのことが認められずにいる。学園祭でカレーの模擬店をしていたところ、姉御率いる不良グループに絡まれて田中ぷにえに助けられて以降、ぷにえと行動をともにしている。 実は校内に隠れファンが多く、立候補していないにも関わらず生徒会長に当選し、世界で初めて授業にNゲージ製作を取り入れた。体育の授業中にぷにえが忘れたプリンセス・ロッドを一時的に取得したことをきっかけに、聖魔法王国の次期女王候補に名前が挙がることになった。

エリーゼ=フォン=バルバロック

田中ぷにえを敵視している黒髪おかっぱの少女。聖魔法王国の前王家の王女で、田中家によって王位を簒奪されたと語り、田中家を打倒してバルバロック家に王位を取り戻すことを目的としている。王位を追われたため非常に貧乏で、空き地に「聖魔法王国正当政府」と謳った建物の張りぼてを建て、土管の中で生活している。落とし穴でぷにえを陥れようとすることが多いことから、「穴掘りエリィ」と呼ばれている。 地上に来てからはぷにえと同じ高校、同じクラスで過ごしている。魔法を使用する際の呪文は「テケレッツのパァ」。

バルバロック王 (ばるばろっくおう)

聖魔法王国の前国王で、エリーゼ=フォン=バルバロックの父親。顎ひげを蓄えた恰幅のいい男性で、民にも慕われた名君だったが、田中エスメラルダの謀略によって王位を追われたとされている。王様という立場は潰しが効かないため再就職に苦労しており、何度もリストラに遭っている。

田中 エスメラルダ (たなか えすめらるだ)

田中ぷにえ、田中ぴゅん、田中ぽたるの母親。筋肉隆々の屈強な体の持ち主。王家としてのプライドが高く、ぷにえが退学になりそうになった際には、家庭訪問に訪れたゲソ美を説得しようと優しい母親を演じた。普段はにこやかな表情を見せるが、一度怒ると非常に凶暴。かつて女王の座につくため、「サリー」「メグ」「マミ」「モモ」という魔女たちを葬って来たと語っている。 魔法を使用する際の呪文は「リリカル・トカレフ・ノーバディ・ノークライ」。ぷにえ、ぴゅん、ぽたるからは「ママ」と呼ばれている。

田中 ぴゅん (たなか ぴゅん)

田中ぷにえの妹。田中ぽたるとは双子で、常に黒い服を着ている。8歳の女児で舌足らずなところがある。ぷにえのことを「おねえたま」と呼び慕っている様子を見せるが、実は王位継承権を狙ってぷにえの殺害を目論んでいる。地上ではすずめ学園幼年科に通っており、「ゆり組」に所属している。魔法を使用する際の呪文は「リリカル・トカレフ天魔覆滅」。

田中 ぽたる (たなか ぽたる)

田中ぷにえの妹。田中ぴゅんとは双子で、常に白い服を着ている。8歳の女児で舌足らずなところがある。ぷにえのことを「おねえたま」と呼び慕っている様子を見せるが、実は王位継承権を狙ってぷにえの殺害を目論んでいる。地上ではすずめ学園幼年科に通っており、「ゆり組」に所属している。魔法を使用する際の呪文は「リリカル・トカレフ天魔覆滅」。

田中 キミヒコ (たなか きみひこ)

田中ぷにえ、田中ぴゅん、田中ぽたるの父親にして田中エスメラルダの夫、ぷにえの祖母の息子。ぷにえが地上にやって来た当初、ぷにえと会えない寂しさに耐えかね姉御たちに邪神アニサキスの像を与えて力勝負をけしかけ、修業を中断させようとした。相当なドMであり、妻であるエスメラルダの椅子になったり、浮気の罰に庭の草を食べさせられたりしている。 パヤたんからは「王様」と呼ばれている。

ぷにえの祖母 (ぷにえのそぼ)

田中ぷにえ、田中ぴゅん、田中ぽたるの祖母にして田中キミヒコの母親。おかっぱ頭の小柄な老女で、400キロもの重さのシルバーカーを持ち歩いている。童話「白雪姫」や「眠り姫」に出てきた魔女といわれている。「ケルベロスチワワ」のピッピちゃんをペットにしている。怒ると目が真っ赤になる。「屁川きよし」の大ファン。 田中エスメラルダからは「お義母さま」、パヤたんからは「太后様」と呼ばれており、作中において『風の谷のナウシカ』のパロディが描かれた際には怒りで目が真っ赤になっている特徴から、「王蟲」とかけて「王母」と呼ばれていた。

ピッピちゃん

ぷにえの祖母が飼っている「ケルベロスチワワ」。ビル群を見下ろすほど巨大な体をしているが、鳴き声は仔犬らしい「クーンクーン」や「キャイン」といったもの。どうやってか、ぷにえの祖母の持ち歩いているシルバーカーの中に入っていた。このピッピちゃんが戦闘機などによって攻撃されると、ぷにえの祖母が激怒する。

ゲソ美 (げそみ)

田中ぷにえたちが通っている学校に勤務している女性教諭。ミディアムヘアで、フォックスタイプのメガネをかけている。カンニングを見つけることに命をかけており、ゲソ美がカンニングを摘発したことで退学に追い込まれた生徒も多数いるという。眼鏡に鏡を仕込んでおり、たとえ背中を向けていてもカンニングを発見できる。また校則の遵守を心掛けており、たびたび違反して校内で魔法を使用するぷにえに、退学もあり得ると急遽家庭訪問を実施した。

立胎 小雪 (たちはら こゆき)

自称国家公認エクソシストの女性。姉御に霊を取り憑かせ、ただのトルマリンを5万円という高額で売りつけようとした。悪霊に取り憑かれた人間を押さえつけるために編み出された「エクソシスト退魔拳」の使い手。

安芸の虎 (あきのとら)

田中ぷにえたちが修学旅行で訪れた京都で出会った広島県の女子学生。最初は姉御と一触即発状態だったが、「仲裁」と称したぷにえの魔法で頭上から大量の熱湯をかけられてからは、ぷにえを集中的に狙うようになった。ぷにえを疎ましく思う余り、ぷにえたちが宿泊した金閣寺に放火するという暴挙に出る。

ピーター

田中ぷにえが中間試験の難しさに絶望して危険な魔法を使用しないようにと、試験を妨害するためにパヤたんが連れて来た軍用ヘリコプターのパイロット。顎の割れた陽気な白人男性で、パヤたんの求めに応じてぷにえたちの学校校舎を砲撃した。パヤたんとはベトナム戦争をともに経験しており、彼のことを「パヤ=リビングストン大佐」と呼ぶ数少ない人物。

山田 (やまだ)

姉御の初恋の相手で、同じクラスの男子生徒。温室育ちで明るく優しい性格のため、クラスでも人気者。姉御にデートに誘われた際にも笑顔で受け入れており、ぷにえの余計な手出しに怯える姉御を「お化け屋敷が怖いため」と勘違いして手を繋ぐなど優しくエスコートする。

浜浦 あゆゆ (はまうら あゆゆ)

CDのミリオンヒットを何枚も出しているスーパースター。レイヤーヘアで、非常に足の長い女性。超大手プロダクション「毛利プロ」に所属しており、気にくわないアイドルはことごとく失脚させてきた腹黒さを持つ。田中ぷにえがアイドルとして活動している際にも、陰湿ないじめを繰り返した。

雪風 夕菜 (ゆきかぜ ゆうな)

田中ぷにえたちが通う学校にある、漫画研究会の部長を務めている女性。「雪風夕菜」はペンネームで本名は「毒島花子」だが、本名で呼ぶと激怒する。70年代の少女漫画のような画風の持ち主で、漫画家が編集者と戦うため編み出したとされる、ペンや定規を駆使して戦う「まんが道」の使い手。

胃院 長太郎 (いいん ちょうたろう)

田中ぷにえのクラスの学級委員長を務めている男子生徒。面長の顔に眼鏡をかけており、冴えない風体をしている。ぷにえに一目惚れして以降告白の機会を狙っていたが、ぷにえの残虐さを知った直後に意を決して告白。実はドMの性癖の持ち主で、関節技をかけられても恍惚とし、逆にぷにえを怖がらせた。

ダニエル

北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)の司令官を務める初老の白人男性。パヤたんとは旧知の仲であり、本来は「サンタ追跡プログラム」上に隠されている、サンタクロースの位置を表示する認識番号を伝えた。パヤたんを「パヤ=リビングストン大佐」と呼ぶ数少ない人物。

サンタクロース

世界中の子供たちに知られ、その存在を信じられている人物。一般には架空の存在とされているが実在し、その実態は獣臭を漂わせ、屈強な肉体を持つ老人である。身にまとっている物はよく知られたサンタクロースと同じく赤い上下の服と白い髭。北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)による特設サイト「サンタ追跡プログラム」にダニエルの認識番号を入力すると実際の移動位置が表示される。

王島 奈保奈 (おうじま なぼな)

2年F組に在籍している野球少女。筋骨隆々で背も高く、男性と見間違う容姿をしている。田中ぷにえによる聖魔法王国式の野蛮な野球を見とがめ、野球対決を挑んだ。威圧的な物言いをするが、可愛いものを愛する優しさを持ち合わせている。バッターボックスに立った際には一本足打法を用いる。

萩本 ノリコ (はぎもと のりこ)

すずめ学園幼年科に通う幼女。「さくら組」に所属しており、田中ぴゅん、田中ぽたると砂場の使用権を巡ってクラスを代表して対立するライバルでもある。IT企業の社長令嬢で、非常に気が強い。自らが率先して校内で人気の高い砂場の使用権を得ることで、優れた指導者としてさくら組を統率している。

国 鉄郎 (こく てつろう)

国鉄子の父親で、物腰柔らかですらりとした中年男性。鉄子と同じく鉄道オタクであり、鉄道模型のOゲージのコレクションをそろえている。鉄道員の服装に身を包んでいるが、鉄道会社に勤務しているわけではなく、家業は寿司屋。営業時間中にもかかわらず鉄道員の服装を着ていることで、妻の国目照によく叱り飛ばされている。名前は『銀河鉄道999』の主人公である、星野鉄郎のパロディ。

国 目照 (こく めてる)

国鉄子の母親で、作務衣に割烹着を着用し、お団子頭にかんざしを挿した中肉中背の中年女性。家業である寿司屋を切り盛りしており、夫の国鉄郎が鉄道員の服装でいることに業を煮やしている。名前は『銀河鉄道999』に登場するキャラクターである、メーテルのパロディ。

後楽 めぐみ (こうらく めぐみ)

国鉄子が昔から通っているラーメン店から客を奪ったラーメン店「ラーメンロハス」を運営している料理人の少女。もともとは聖魔法王国の住人だったが、消費税80%という重税に負け、地上に逃げて来た。メニューのラーメンは、聖魔法王国で発売禁止になったカップラヌードル聖魔法王国地域限定シンデレラ味。

岸本 (きしもと)

姉御のブログサイトを荒らしていた少年。田中ぷにえたちと同じ学校の同学年で、D組に所属している。イケメンのお金持ちで、同学年の生徒たちの人気者。姉御に一目惚れし、気を引くためにブログを荒らしていた。

にんじん

たびたび登場する、意思を持った野菜のにんじん。田中ぷにえの兵隊、もしくは生きた味を届ける食材そのものとして活躍している。カレーの具になる際にはカレー鍋に飛び込むことに怖じ気づき、じゃがいもに叱責された。

じゃがいも

たびたび登場する、意思を持った野菜のじゃがいも。田中ぷにえの兵隊、もしくは生きた味を届ける食材そのものとして活躍している。カレーの具になる際、カレー鍋への飛び込みを恐れるにんじんの手本として自らピーラーで皮を剥き、鍋へと飛び込んだ勇気の持ち主。

ゼーフェル・イェツィラア (ぜーふぇるいぇつぃらあ)

背徳の指輪に封じられている、神話の時代以前の古き神々の1人。全身が黒い筋骨隆々な男性の姿をしており、側頭部から顎に向かって湾曲した角が生えている。桁違いに強いとされているが、過去に関節を極められた因縁から、ぷにえのことを非常に恐れている。

まつたけユニコーン

聖魔法王国に生息している動物。一般的なユニコーンの角の代わりに、額にマツタケを生やしている。このマツタケを引き抜かれると転げ回るほどの痛みに襲われ、大量の血が噴き出す。しかし、命に別状はない。

コティングリー

蝶の羽が生えた妖精の少女。髪型はオールバックにした外ハネのショートカット。日本の冬を担当している季節の妖精で、非常にプライドが高い。田中ぷにえとは魔法小学校で友人同士だったこともあり、再会直後にぷにえのバカさを揶揄するが、これにより恨みを買ってしまうこととなる。

オーベロン

蝶の羽が生えた妖精の女性。緩く巻いたロングヘアをしている。日本の春を担当している季節の妖精で、冬の妖精であるコティングリーを見下している。冬と春の妖精で行う旅人ファイトに絶対の自信を持っている。

人魚姫 (まーめいど)

アトランティス帝国に住んでいる人魚の少女。側頭部でお団子ヘアにしており、茨城弁で話す。海中にあるアトランティス帝国の頭上で用を足した田中ぽたるの無礼さに怒り、かばった田中ぷにえとスイカ割りで対決する。魚になっている下半身は自由に脱いで人間の足にすることができ、魚の部分はトカゲの尾のようにまた生えてくるらしい。

エクレア

パヤたんのかつての恋人。垂れ耳の犬のぬいぐるみのような容姿をしている。小料理ゑくれあを営んでいる。亭主であるウプに愛想を尽かして家を出たところ、彼から嫌がらせを受け続け、パヤたんにウプの殺害を依頼する。

ウプ

エクレアの亭主。女癖が悪く、あちこちで何十人もの女性と関係を持っている。愛想を尽かしたエクレアが家を出た後は、執拗につきまとって仲間と組んで嫌がらせを続けていた。エクレアに色目を使ったとして、パヤたんにケンカを仕掛ける。

アッチラポッポ

金星の王室の王子。田中ぷにえの政略結婚の相手で、黙っていれば端正な顔をしている。しかし品性下劣で、結婚式の最中に子作りを迫り、下半身を露出するなどの下品な行為を繰り返した結果、ぷにえの怒りに触れることとなる。

集団・組織

漫画研究会 (まんがけんきゅうかい)

田中ぷにえたちが通う学校の部活動の1つで、雪風夕菜が部長を務めている。他の部の部室と違い、コミケなどで儲けた金銭を使って校内に漫画研究会専用のビルを持っている。中は高級ホテルの内装のようになっており、部員たちは有名ブランドの羽ぼうきなどを使用している。

季節の妖精 (きせつのようせい)

季節を司る妖精の総称。コティングリーが日本の冬、オーベロンが日本の春を担当している。妖精の中でも、魔法東大を出て国家一種妖精試験をパスし、妖精省で訓練された一握りのトップエリートしかなることができない。また、冬の妖精は春の妖精には絶対に勝てないなど、妖精の強さには序列がある。

料理人 (りょうりにん)

聖騎士、サムライマスターと並ぶ武闘系最強職業の1つ。本来はおたまや湯切り網も武器だったとされており、中国河南省小室山の少林寺で武術修行に明け暮れる僧たちが手慰みにこれらの武器を使って料理をしたのが始まりといわれる。

場所

聖魔法王国

日本の上空に当たる宇宙空間に浮かんでいる魔法の王国。日本との平和条約を結んでおらず、この件を日本の内閣は安全保障上極めて由々しき事態と認識している。ファシズム吹き荒れる独裁国家であり、消費税80%をはじめとする圧政を強いる、田中エスメラルダをはじめとする田中家の命を狙うレジスタンスやテロリストが数多く存在し、また亡命して人間世界に逃げている者も多い。 血と簒奪の歴史で成り立っている国家とされる。また聖魔法王国の旧帝大はかけ算の6の段を言えるレベルらしい。テレビアニメ『一休さん』が大人気とのこと。

わくわくマスコット村 (わくわくますこっとむら)

専属のマスコットを探して田中ぷにえが訪れたマスコットたちの村。村の入り口には山を成した頭蓋骨にわくわくマスコット村と記した案内板が突き刺さっている。博打や餓死、殺人が日常に横行している荒廃した村で、パヤたんが取り仕切っていた。

ぷにえハウス

田中ぷにえが地上での生活を送っている洋風一戸建ての家。窓の装飾や形状がハート型であるなど、非常にファンシーになっている。田中ぴゅんと田中ぽたるがやって来てからは、パヤたんも含めてここで生活している。

すずめ学園幼年科 (すずめがくえんようねんか)

田中ぴゅんと田中ぽたるが通っている学校。校庭には総合遊具だけでなく公園にあるような遊具まで揃っている。しかし砂場の競争率は高く、ぴゅんやぽたるのいる「ゆり組」と、萩本ノリコのいる「さくら組」とで砂場を巡る抗争が勃発した。

国鉄子の自宅 (こくてつこのじたく)

国鉄子、国鉄郎、国目照が暮らしている自宅。自宅の両脇に蒸気機関車の先頭車両が飾られており、門は自動改札、玄関ドアは電車の自動ドアになっている。また廊下の照明もかつての車内天井灯に使用されていた物を使っている徹底ぶりで、訪れた田中ぷにえは「ここまで本気臭出されるとひく」とコメントしていた。

姉御の部屋 (あねごのへや)

姉御の自宅にある私室。硬派でならしているが、室内はハート型のクッションや大きなぬいぐるみ、レースのカーテンなど非常に乙女チックなもので満たされている。また本棚には自作のポエムを綴ったノートなどが収められている。

アトランティス帝国 (あとらんてぃすていこく)

人魚姫が住んでいる国で、かつて神の怒りに触れて海中に沈められたとされる帝国。わけあって鹿島灘沖に引っ越してきたとされ、海中に複数の民家が建っている。揉め事が起きた際には、古代儀式「ワーリ=カイス」(スイカ割り)で白黒つける習慣がある。

小料理ゑくれあ (こりょうりえくれあ)

エクレアが営んでいる小さな料理屋で、能登、輪島の飲み屋街に建っている。カウンター席以外にテーブル席もあり、店内も綺麗に保たれている。人間の常連客もいるが、ウプやその仲間によって店内が占領されることが多い。

イベント・出来事

旅人ファイト (たびびとふぁいと)

コティングリーとオーベロンが行った対決方法。季節の妖精の中でも春の妖精と冬の妖精が季節の移り変わりを賭けて戦うガチンコファイトで、童話「北風と太陽」のもととなった戦いといわれている。なおこの対決で、過去に春の妖精が負けたことはない。

その他キーワード

プリンセス・ロッド (ぷりんせすろっど)

田中ぷにえが所持している魔法の杖で、キャンディケインに似ている。普段はペンダントとして首から提げられており、中央に眼球があしらわれたハート型の鞘に入っている。真の力を解放すると「プリンセス・トライロッド」という三節棍の形態になる。

邪神アニサキスの像 (じゃしんあにさきすのぞう)

魔法を封じる力を持った像。エンタシス状の円柱になっている像で、眼球と、TVアニメ『機動戦士ガンダム』に登場するガンダムの顔を縦に伸ばした彫刻、梵字を用いた呪符が描かれている。田中ぷにえが地上に降りた当初、田中キミヒコによって姉御に与えられ、ぷにえの魔法を封じた。

魔法の盾 (あにさきすしーるど)

魔法を封じる力を持った盾。TVアニメ『機動戦士ガンダム』に登場するガンダムが所持しているシールドそのものの形をしている。聖魔法王国を田中エスメラルダ率いる田中家から解放しようと活動するテロリストたちが所持していた。

背徳の指輪 (りんぐおぶいんもらる)

田中ぴゅん、田中ぽたるが打倒田中ぷにえを目指して持ち出していた指輪。王家に伝わるA級魔法装備。2つで1つの指輪になっており、割れた宝玉部分を合わせるとハート型になる。この指輪を合わせて魔法の呪文を唱えると、宝玉部分に眼球が現れ、ゼーフェル・イェツィラアが顕現する。

魔法核兵器 (まじかるAうぇぽん)

ファットマン型原子爆弾と同じ形状をしており、バイオハザードマークの中央に眼球があしらわれている。爆発させると半径1天文単位の範囲にあるすべてが原子核崩壊を起こすとされる非常に危険な兵器。

魔法の弾丸 (まじっくばれっと)

打倒田中ぷにえを目指し、エリーゼ=フォン=バルバロックが手に入れた弾丸。1963年にリー・ハーヴェイ・オズワルドがジョン・F・ケネディ大統領暗殺に使ったとされる幻の弾丸。敵に当たるまで追尾することができる。

カップラヌードル聖魔法王国地域限定シンデレラ味 (かっぷらぬーどるせいまほうおうこくちいきげんていしんでれらあじ)

聖魔法王国限定で販売されていたカップ麺。麺に魔法がかけられていたため発売禁止となった幻のラーメンといわれているが、マニアの間では高値で取引されているとされる。地上の人間には魔力が強すぎて解毒が必要となる。別名「黒魔法ラーメン」と呼ばれる。

肉体言語 (さぶみっしょん)

魔法が使えない場合、または魔法少女同士の実力が拮抗している場合などに用いられる「関節技」の総称。「打撃系など花拳繍腿」「肉体言語にて語るまで」「関節技こそ王者の技よ」など、多くの決め台詞が存在する。

マスコット

魔女っ子の側でサポートする生き物。「一般市民の前ではひたすら可愛くあるべし」という、子どもたちの夢を壊さないための全世界に存在するマスコット共通の鉄の掟がある。また聖魔法王国のマスコットはマスコット軽便など、独自のネットワークを持っている。

都電魔法線 (とでんまほうせん)

聖魔法王国を走る路面電車。動力は路面電車の上部ハッチ内部に収監されている囚人たちが丸太を回す力で賄われており、国鉄子が動力部を覗いた際には「10年ぶりの陽の光だ」と感激している囚人が見られた。

マスコット軽便 (ますこっとけいべん)

聖魔法王国のマスコットが構築している独自ネットワークの1つで、マスコットだけが利用できる軽便鉄道。ブリキのおもちゃでできたような蒸気機関車で、白髭が特徴的なおじいさん姿のマスコットが郵便などの貨物を運んで来る。

ラーメンハング

料理人の必殺技とされ、後楽めぐみが田中ぷにえを追い詰めた技。茹でる前の生ラーメンで、相手の首を締め上げる。4000年間誰にも破られなかった無敵の技で、強烈な麺のコシが弾力となり絶対に引きちぎれない悪魔の技といわれている。ラーメンの麺のコシは、元来このラーメンハングを頑強にするためのものとされる。

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