概要・あらすじ
魔界を支配する悪魔大王が地獄を旅行しているあいだに、人間界では科学万能の時代となっていた。化物屋敷に帰還した悪魔大王は、世界的な発明家のヒゲタ博士に対して挑戦状を叩きつけ、魔法の力を見せつけるために、魔物達を総動員してヒゲタ博士が主宰するヒゲタ科学研究室めがけて総攻撃を開始する。これに対し、ヒゲタ科学研究所で働く少年ケン一と姉のハナ子は、火星人のチロールと共に魔物達と戦う事になる。 ある日、チロールはヒゲタ博士と共に魔物の身体を溶かす薬品を発明したが、悪魔大王の妹のヒドラによって拉致されてしまう。ケン一とハナ子は、チロール救出のために森の中の化物屋敷に向かう。途中、鍾乳石の精などの攻撃をかいくぐりながら、二人はとうとう化物屋敷に到着。そこで二人は魔物を撃退し、ついに悪魔大王と対決する。ケン一が破壊銃で攻撃すると悪魔大王は地下洞に退却し、ケン一達を水攻めにする。ケン一は海底で絶体絶命となるが、改心したヒドラに救われる事となった。そしてケン一は、三奇龍を繰り出して襲い来る悪魔大王に対し、爆弾と武器で最後の戦いを挑む。
登場人物・キャラクター
ケン一 (けんいち)
ヒゲタ博士の甥で、ヒゲタ科学研究所で助手を務める少年。「科学者の子ども」を自称している。2丁拳銃を武器に、空飛ぶ自動車を運転して、堂々と魔物達に立ち向かう勇敢な人物。姉のハナ子と共に魔物退治の旅に出る。
ヒゲタ博士 (ひげたはかせ)
ヒゲタ科学研究所の所長を務める科学者の中年男性。魔法を科学的に解明するための研究をしている。魔法はおとぎ話のようなものという考えを持っており、魔物達の攻撃にも敢然と立ち向かう。ケン一やハナ子のよき指導者。
ハナ子 (はなこ)
ケン一の姉で、ヒゲタ科学研究所でヒゲタ博士の助手を務める美少女。頭には大きなリボンを付けている。勇敢な性格で、ケン一と共に魔物退治の旅に出る。
悪魔大王 (あくまだいおう)
魔界の大王として君臨する化物屋敷の主人の男性。長いあいだ地獄を旅行しており、百年ぶりに現世に戻って来る。人間が魔法を信じなくなった科学万能の時代を嘆き、その元凶とにらんだヒゲタ博士に攻撃を仕掛ける。
チロール
火星人の男性科学者で、使節として火星から地球にやって来た。ヒゲタ博士が火星大学に留学していた時の知人。地球よりも発展している火星の科学を地球人に伝授するためにたびたびヒゲタ科学研究所を訪れ、ヒゲタ博士やケン一達と交流している。
ヒドラ
悪魔大王の妹で、月に住むの魔物の精。ウサギのような長い耳があり、アイマスクをして素顔を隠している。悪魔大王によって月から呼び寄せられ、ヒゲタ科学研究所のメンバーやチロール達と対決する。時折、感傷的になる気弱な性格をしている。
ホック
化物屋敷に住む狸の魔物。悪魔大王の命令により、パックとコンビを組んで、タマシーゲンを溶かす薬品を盗み出すためにヒゲタ科学研究所に潜入する。おっちょこちょいな性格でドジばかり踏んでいる。
パック
化物屋敷に住む狐の魔物。悪魔大王の命令により、ホックとコンビを組んで、タマシーゲンを溶かす薬品を盗み出すためにヒゲタ科学研究所に潜入する。人間に化けて敵をあざむくのを得意としている。
鍾乳石の精 (しょうにゅうせきのせい)
魔界の鍾乳洞に住む魔女。見かけは美人だが、鍾乳洞に入って来た人間を誰でも石にしてしまう。その後、石にした人間の身体に穴を空けて生き血を吸う。その正体は複数の吸血蝙蝠の集合体。
セレモニー
化物屋敷に住む骸骨の魔物。魔界の「アノヨダンスクラブ」に所属するダンサーで、悪魔大王のいいつけにより、化物屋敷を訪れたケン一達への「おもてなし」と称し、魔物を指揮してダンスを踊らせる。
三奇龍 (さんきりゅう)
魔界に住む巨大な恐竜。悪魔大王が背中に乗りあやつっている。鼻から火を吹き、人間をひと呑みして食べてしまう。正体は7000年前に栄えた恐竜トリケラトプスの化石。
場所
ヒゲタ科学研究所 (ひげたかがくけんきゅうじょ)
悪魔大王が住処とする森の一角に建てられた広大な建物。所長はヒゲタ博士で、ケン一やハナ子をはじめ多くの科学者が勤務している。建物の中では、さまざまな科学実験や発明品の試作が行われている。
化物屋敷 (ばけものやしき)
悪魔大王の住居で、ヒゲタ科学研究所の裏山の頂上の断崖絶壁に建っている。多くの魔物や魔女達が住んでおり、ヒゲタ科学研究所を攻撃するための軍事拠点ともなっている。
その他キーワード
タマシーゲン
燐によく似た成分で魔物の身体を形成している物質。空中を浮遊する火の玉で、一般にはヒトダマといわれており、電気を通すと光を発する性質がある。これを発見したヒゲタ博士とチロールとの研究の結果、タマシーゲン破壊液が発明される。