黒の魔王

黒の魔王

菱影代理の小説『黒の魔王』のコミカライズ作品。少し強面なだけで中身は平凡な男子高校生の黒乃真央は、突如として異世界に召喚される。訳のわからないまま、異世界で過酷な人体実験を受け続けた彼は施設から脱走するが、再び混迷の戦禍へと引きずり込まれていく。復讐と愛憎うずまくダークファンタジー。KADOKAWA「ComicWalker」で2018年9月24日から2021年5月24日まで配信。

正式名称
黒の魔王
ふりがな
くろのまおう
原作者
菱影 代理
作者
ジャンル
ダークファンタジー
 
バトル
レーベル
MFC(KADOKAWA)
巻数
全6巻完結
関連商品
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あらすじ

第1巻

平凡な男子高校生の黒乃真央はある日突然、異世界に召喚される。そして真央は訳のわからぬままに謎の施設に囚われ、思考すら奪われて過酷な人体実験を受けることとなる。実験と殺し合いを無理やり強制される日々の中で、真央の心はどんどん磨耗していくが、大きな地震が起きたことで真央を拘束する装置が壊れ、彼は脱走のチャンスを得る。しかし施設の出口を探す真央の前に、サリエルが立ちふさがる。真央は圧倒的な力を持つサリエルを前に敗北寸前まで追い詰められるが、井戸に逃げ込んで地下水脈を利用して脱走することに成功。その後、行くあてのない真央は、海を越えれば追っ手の目をまけると考え、船の荷物にまぎれてパンドラ大陸へと密航する。無事にパンドラ大陸へとたどり着けた真央であったが、まぎれ込んだ荷物は輸送中に崖から落下。気がつけば、妖精の住む妖精の森へと迷い込んでいた。通りすがりの妖精のリリィに介抱された真央は、彼女と行動を共にするようになる。そして真央はリリィに案内され、近所のイルズ村で冒険者稼業を始めながら、少しずつ異世界での生活に馴染んでいくのだった。

第2巻

黒乃真央は、イルズ村で行き倒れた魔女のフィオナ・ソレイユを助けたり、冒険に出てモンスターを倒したりして、騒がしくも穏やかな日常を送っていた。村にも馴染み始めたそんなある日、真央は「メディア遺跡の調査」の仕事を受け、ダイダロス国の首都を目指すことを決める。イルズ村を出立する真央であったが、その道中で真央はパンドラ大陸に十字軍が遠征していることを知る。お世話になったイルズ村が戦争に巻き込まれることを危惧した真央は、少しでも情報を集めるべく首都の偵察に向かう。そこで真央が目にしたのは、十字軍に占拠された首都の姿だった。軍を率いているのが因縁の相手であるサリエルだと知った真央は、不意打ちで彼女を倒して軍の指揮を乱そうとするが失敗。リリィの力を借りて辛うじて逃げることに成功する。真央は危険を伝えるために一刻も早く村に帰ろうとするが、村に帰った彼が目にしたのは変わり果てた仲間たちの姿だった。怒り狂った真央は十字軍に戦いを挑み、彼らの指揮を執っていた司祭を討ち取るが、真央は次第に追い詰められてしまう。しかしそんな真央をフィオナが援護し、助けるのだった。

登場人物・キャラクター

黒乃 真央 (くろの まお)

強面ながら平凡な男子高校生。十字軍によって異世界に召喚され、謎の施設「白の秘蹟」で過酷な人体実験を受けてしまう。実験中は「思考制御装置(エンゼルリング)」を頭にはめられて自由意志を奪われ、実験体「49号」と呼ばれていた。実験によって身体能力は大幅に上昇し、「黒魔法」と呼ばれる力も身につけた。また施設では怪物や、同じ境遇の実験体と殺し合いをさせられたため、多様な魔法を編み出している。戦闘の際には「アンチマテリアル」や「ライフル」「パイルバンカー」など現代社会の武器をイメージし、それらを黒魔法で再現して使う。また黒魔法は影の中に物を収納したり、呪いの武器を制御したりすることも可能。このため、呪鉈「辻斬」を手に入れてからは黒魔法で鉈の呪いを抑え込み、愛用している。施設から脱走後にリリィと出会い、彼女と生活を共にする。リリィが黒乃真央自身の名前をうまく発音できなかったため、リリィが呼びやすいように「クロノ」と名乗るようになる。リリィの家の近くにあるイルズ村で仲間たちと穏やかに暮らしていたが、十字軍の襲撃で村は全滅したため、彼らに復讐を誓う。

リリィ

輝くような長いブロンドの髪を持つ、妖精族の少女。背中から蝶のような羽を伸ばしている。小柄な体格で子供っぽく見られるが、年齢は32歳。妖精族は衣服を着ないため全裸だが、黒乃真央に「エンシェントビロードのワンピース」をプレゼントされてからは、その服を愛用している。半人半魔で純粋な妖精族ではないことから、生まれてすぐ故郷の妖精の森を追い出され、森のそばの小屋で一人で暮らしていた。森の中で行き倒れていた真央と出会ってから、彼といっしょに暮らすようになる。生まれてからずっと孤独を抱えて生きてきたため、初めて自分に親切に接して頼ってくれる真央を愛し、依存していく。魔法が得意で、戦闘の際には魔方陣からビームを出す魔法を繰り出す。また満月のときは、力が増加して妖艶な美女の姿となり、その姿でいるあいだは魔法の威力も大幅にアップする。十字軍の襲撃の際、真央を失う恐怖と長いあいだ妖精族から迫害された思いが噴き出し、ドサクサにまぎれて妖精族の秘法「紅水晶球」を奪う。これによって、その力を大幅にアップさせることに成功した。

サリエル

十字軍に所属する少女。小柄な体格で、白い髪を足元まで長く伸ばしている。「第七使徒」と呼ばれる特殊な存在で、巨大な魔力を持つことから枢機卿の護衛を務める。地震に乗じて白の秘蹟から脱走しようとした黒乃真央の前に立ち塞がり、圧倒的な力で彼を追い詰めるが、あと一歩のところで取り逃がした。十字軍の遠征では、軍を率いて強国のダイダロスに進軍した。ダイダロス王の竜王と激闘を繰り広げ、これを打ち倒す。その後はダイダロスで真央と再び相見えるが、真央には思うところがあり、襲い掛かってきた真央を戦闘不能に追い込むも敢えて見逃している。

フィオナ・ソレイユ

魔術士の若い女性。整った顔立ちで、とんがり帽子に黒いローブを身にまとっている。大食漢で、つねに食べることばかりを考えている。空腹で行き倒れていたところを、黒乃真央に介抱され、彼に恩義を感じるようになる。マイペースながら律儀な性格で、恩を返すために真央が十字軍と戦っている前に現れ、彼の援護を行った。

ニャレコ

イルズ村に住む猫獣人(ワーキャット)の女性。髪をボブカットにし、頭から猫耳を生やしている。イルズ村の冒険者ギルドの受付嬢を務めているが、先輩から雑用をすべて押し付けられており、愚痴を漏らしている。陽気でノリのいい性格をしており、黒乃真央とも仲がいい。ニーノから好意を寄せられていることに気がついておらず、ニャレコ自身は真央に対して気のある態度をしている。イルズ村が十字軍に襲撃された際、非戦闘員として避難していたが、降伏が聞き入れられずに殺された。

ニーノ

猫獣人の青年で、剣を武器に戦う剣士。イルズ村専属の冒険者パーティ「イルズ・ブレイダー」のリーダーを務める。お調子者な性格で、勝手に一人で盛り上がって大騒ぎすることが多い。冒険者ギルドの受付嬢のニャレコに片思いしているため、ニャレコとすぐになかよくなった黒乃真央にも嫉妬していたが、彼にニャレコとの恋を応援すると言われ、すぐに手のひらを返して真央の存在を受け入れた。真央とは悪友のような関係を築いている。アテンが真央に思いを寄せていることに気づいており、その恋を応援している。イルズ村が十字軍に襲撃された際、非戦闘員を守るために応戦するが敵に囲まれて孤立する。みんなの命を守るために十字軍に降伏を申し出るが、目の前でニャレコを殺され、ニーノも魔法で顔を焼かれて死亡した。

アテン

魔法を得意とする魔術士。上半身が妙齢のラミアの女性で、下半身が蛇の尾という姿をしている。イルズ村専属の冒険者パーティ「イルズ・ブレイダー」に所属しており、しっかり者で、パーティの交渉なども担当している。またお調子者のニーノにたびたび苦言を呈している。大型モンスターであるドルトスとの戦いで黒乃真央に命を救われたのをきっかけに、彼に好意を持つようになる。冒険者ランクが昇格したのを機会に、イルズ村に定住するつもりのほかのパーティメンバーと独立するつもりでいた。その事を真央に相談し、彼といっしょに首都まで行く約束を交わす。イルズ村が十字軍に襲撃された際、非戦闘員を守るために応戦するが敗北。降伏することすら受け入れられず、最期は真央の名を呼びながら死亡した。

クレイドル

リザードマンの男性で、全身に蜥蜴の特徴を多く持つ亜人。大柄な体軀に青い鱗がビッシリと生えている。槍を武器に戦う戦士で、頑強な鎧を身にまとっている。寡黙であまり自己主張をしないが、気のいい性格をしている。父親はイルズ村の自警団に務めており、将来的にはその跡を継ぐ気でいる。イルズ村が十字軍に襲撃された際、父親と共に非戦闘員を守るために応戦するが敗北。降伏することすら受け入れられず、最期の最期まで仲間の盾となって戦い、死亡した。

ハリー

ハーピィの少年で、手足に鳥の特徴を多く持つ亜人。空を飛ぶことができる。弓を得意とする弓使いで、イルズ村専属の冒険者パーティ「イルズ・ブレイダー」に所属する。眼鏡をかけた小柄な体形ながら、博識でパーティの知恵袋的な存在として活躍する。イルズ村が十字軍に襲撃された際、仲間と共に非戦闘員を守るために応戦するが敗北、死亡した。

場所

パンドラ大陸 (ぱんどらたいりく)

多種多様な種族の住む大陸。かつては魔王と呼ばれる存在が大帝国を築いて繁栄を謳歌していた。しかし現在は、いくつもの国に分かたれている。「ダイダロス」や「スパーダ」といった強国が台頭しているものの、二度目の天下統一を果たした者は未だ現れていない。亜人が数多く住んでいるため、人間を至上の存在と考える十字軍によってたびたび遠征が行われているが、竜王が率いるダイダロス軍などによって撃退されている。

妖精の森 (ふぇありーがーでん)

妖精の生まれ育つ森。森の奥にある「光の泉」には妖精女王の秘法である「紅水晶球(クイーン・ベリル)」が安置されており、この秘法の加護によって妖精が生まれ、育つ森となっている。光の泉は妖精たちにとって聖地となっており、純粋な妖精以外は立ち入ることができない。リリィは純粋な妖精族ではないため、生まれてすぐに妖精の森を追い出された。秘法は妖精たちによって守られていたが、十字軍襲来の際にリリィがドサクサにまぎれて奪っている。

その他キーワード

辻斬 (つじきり)

呪いの力が宿った大ぶりの鉈。ゴブリンが所有していたが、黒乃真央がゴブリンを倒した時に回収した。辻斬には怨念が宿っており、血を求めて所有者にも大きな影響を与える。真央は黒魔法の力で怨念を抑え込んだが、常人が持てば怨念の影響で精神を病む危険性もある危険な鉈。元は剣の腕に自信がある少女が使っていたが、少女はこの辻斬を使って魔術士の少年と共に、自分の住む村を襲う魔物を倒したとされる。少女は少年に恋をし、魔物退治を機に村人に少年を認めてもらおうとするが、逆に少年は少女を危険にさらしたとされて排斥されてしまう。少年と引き離されたことで少女は発狂し、この辻斬を使って村人を惨殺したという経緯をたどっている。辻斬に宿る怨念はこの少女のもので、辻斬をにぎると無差別に人やモンスターを襲う情念に駆られることとなる。

クレジット

原作

菱影 代理

キャラクター原案

森野 ヒロ

書誌情報

黒の魔王 全6巻 KADOKAWA〈MFC〉

第1巻

(2019-02-22発行、 978-4040654324)

第2巻

(2019-07-22発行、 978-4040658285)

第3巻

(2020-01-23発行、 978-4040642864)

第4巻

(2020-07-22発行、 978-4040647616)

第5巻

(2021-02-20発行、 978-4046801173)

第6巻

(2021-07-21発行、 978-4046806697)

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