鳥師

鳥師

才能はあるが世の中とうまく折り合えない不器用な男たちの姿を描いた作品。

正式名称
鳥師
ふりがな
とりし
作者
ジャンル
その他
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概要・あらすじ

川原で石屋を営む助川助三が和鳥専門の鳥屋で、20年前にいた天才的だが不遇な鳥師(和鳥を捕ったり育てたりする職人)の話を聞く。世の中に迎合できない不器用な男たちの姿を描いた作品。『石を売る』『無能の人』の続編的な作品で、『探石行』『カメラを売る』『蒸発』へと続く、助川を主人公にした連作のひとつ。

つげ義春の代表作。

登場人物・キャラクター

助川 助三 (すけがわ すけぞう)

口ひげを生やした中年男。川原で石屋を営む。知人である鳥屋のオヤジと共に、西洋の文化を尊重し日本の伝統をおろそかにする軽薄な現代の風潮を嘆く。鳥屋のオヤジに、20年前の鳥師の話を聞き、鳥師が飛び降りたという水門の上に立つ。

鳥屋のオヤジ

丸いメガネに禿げ頭の中年。和鳥専門の鳥屋の主人。オウムや九官鳥など外来種は下品だと断じ、玄人向けの和鳥しか扱わない。そのため、鳥を調教する腕は名人級だが店の経営は苦しく、保護鳥の密売などに手を出している。助川助三に20年前の鳥師の話をする。

鳥師 (とりし)

鳥屋のオヤジの語りの中に登場する。帽子にコートを纏っており、遠目に見ると巨大な鳥のようにも見える。腕のいい鳥捕りで、得も言われぬ鳴き声の名鳥を鳥屋に売りに来る。しかし、鳥捕りの仕事で生計を立てるのは難しいようで、やがて体を壊し水門の上から飛び降りてしまう。

場所

鳥屋

『鳥師』の舞台となる鳥屋。多摩川近くの競輪場裏手で、めったに人通りのない路地裏にある。店内は薄暗く、飼育の難しい和鳥を5、6羽しか扱っていないため、客がほとんどいない。

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