星空のカラス

星空のカラス

囲碁が大好きな13歳の少女・烏丸和歌と、17歳の若き天才棋士・鷺坂総司を2人の主人公とし、登場人物たちが棋士として強くなろうともがく姿や、その恋愛模様を描く囲碁漫画。「文化系スポ根囲碁マンガ」がキャッチフレーズ。監修に女流プロ棋士の穂坂繭三段、取材協力に「日本棋院」がクレジットされている。作者にとって最長連載を更新した代表作となる。

正式名称
星空のカラス
ふりがな
ほしぞらのからす
作者
ジャンル
囲碁
 
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概要・あらすじ

プロ棋士である祖父の影響で囲碁に夢中になった少女・烏丸和歌は、13歳ながら年齢と名前を偽ってアマチュアの大会に参加し、大人相手の囲碁を楽しんでいた。しかし鷺坂総司という、17歳の天才プロ棋士との出会いをきっかけにプロを目指すようになる。だが、プロ棋士としての祖父を嫌っていた母には反対されてしまう。母親を説得したい和歌は、囲碁を続けるか辞めるかを賭けて「少年少女囲碁大会」で全国優勝することを申し出る。

その大会で、幼い頃の囲碁友達・国領葉月と再会。だが葉月は、和歌に碁を辞めさせるために負かしに来たと言い、和歌はショックを受ける。葉月との対戦後、紆余曲折あって日本棋院の院生となった和歌は、同世代の囲碁仲間と触れ合い、衝突しながらも成長していく。

そして、押しかけ弟子の状態だった和歌と総司の距離も縮まっていく。今まで憧れだと思っていた気持ちが恋愛感情だったと気付く和歌は、憧れだけでなく恋をすることによっても強くなろうと決意する。総司から和歌への感情も次第に変化していきながら、2人で共に歩む囲碁の道は続いていく。

登場人物・キャラクター

烏丸 和歌 (からすま わか)

中学1年生(13歳)。プロ棋士である祖父に影響され、幼い頃から囲碁に夢中になる。碁を打ち続けている内に髪が伸びるのも忘れ、13歳になる頃には腰まで届く長髪になっていた、黒髪ロングストレートの美少女。年齢を17歳と偽っても怪しまれず、逆に中1と言えば年齢詐称を疑われるほど背丈がある。高校生以上に間違われやすいため、高校生の男子から片思いされ、街中では社会人にナンパされるほど。 大人とも対等に囲碁を打てるよう、従姉の烏丸里津に服と名前を借りて囲碁大会に参加していた。しかしプロ棋士の鷺坂総司と出会ってからは、彼と対局できるように本来の年齢と本名のままプロ棋士を目指すようになる。総司からは「囲碁バカ」と呼ばれるほど、いつも囲碁のことばかり考えている。 好物はチーズかまぼこ。かに座。苗字の「烏」や黒髪のイメージは、囲碁の別称のひとつである「烏鷺」の「烏」(黒の碁石を表す)に由来している。

鷺坂 総司 (さぎさか そうじ)

『星空のカラス』の登場人物であり、烏丸和歌と並ぶ主人公でもある。登場時では17歳の男性プロ棋士(七段)で、和歌とは囲碁大会の会場で出会う。4月28日生まれ。12歳でプロ入りし、16歳で最年少名人リーグ入りを果たした若手の有望株。名誉名人・鷺坂暁生(さぎさかあきお)の孫で、祖父の弟子である南雲清一郎や首藤龍臣とは同門。 和歌から見て、外面は「オレ様で軽薄」な印象だが、その勝利への執念に和歌は魅せられ、棋士としてのその内側を見たいと思わせるようになる。和歌からは師匠と呼ばれているが、本人は弟子入りをなかなか認めない。運勢占いが好きで、ラッキーカラーやラッキーアイテムを身に付けることにこだわっている。 ちなみに「メロン先生の恋占い」では、おうし座の総司とかに座の]和歌の相性はバツグンだったという。ヤギが苦手で、寒がり。苗字の「鷺」は囲碁の別称である「烏鷺」の「鷺」(白の碁石を表す)に由来する。黒がイメージカラーの和歌と対照的に、髪は白色(カラーイラストでは薄い灰色)で描かれている。

じじ

烏丸和歌の祖父であり、彼女が幼い頃から囲碁を教わっていたプロ棋士。故人。女性関係や金銭で家族に迷惑をかけるタイプで、和歌の母親がプロ棋士を嫌う原因となった。特に、和歌の祖母が倒れた時でも囲碁の試合に出たことから、和歌の母は「プロの碁打ちはひとでなし」と考えるようになり、娘が祖父と同じにならないよう願っている。 なお、和歌や鷺坂総司は、彼のことを無名のプロだと思い込んでいるが、実際は碁界に名の知れた棋士であり、和歌の母はそれを娘に知らせないようにしている。ちなみに和歌の家には「蛤(はまぐり)」と名付けられた白ヤギが飼われているが、それはじじが突然家につれてきたヤギの二世代目である。

烏丸 里津 (からすま りつ)

烏丸和歌の従姉で、高校2年生の17歳。趣味はファッションと買い物という、ふつうの女子高生。13歳の和歌が囲碁の大会に出る際、身分と服を借してもらっていた相手である。背丈は13歳の和歌より低いが、胸は鷺坂総司に「ハデ」と言われるほど大きい。和歌が身分詐称をしなくなってからも、おこづかいを囲碁用に遣い果たして服を買えなくなった彼女に、余った洋服をお下がりしてあげていた。 そんな保護者的存在の里津を、和歌は「りっちゃん」と呼んでよく慕っている。里津自身も、囲碁に夢中な和歌の様子を見ているうちに興味が湧き、飯塚というレッスンプロから囲碁を教わるようになった。 その様子は「りっちゃんのいご入門」というシリーズでコミックスに収録されている。

南雲 清一郎 (なぐも せいいちろう)

やつれた風貌の、30歳をすぎた男性。現在の囲碁界において「四天王」と呼ばれる強豪の1人で、九段のプロ棋士。プロ入りは14歳。名誉名人・鷺坂暁生(さぎさかあきお)の弟子であり、鷺坂総司と首藤龍臣の兄弟子にあたる。スポーツ化する囲碁ではなく、芸術としての囲碁を追い求める求道の精神の持ち主であり、勝つための囲碁を打つ総司とは対極的。 そのため総司からは天敵扱いを受けている。いつも和服を着ていて自宅も日本家屋。シニア向けの携帯電話ですら使い方がよくわかっていないなど、世間知らずなところがある。やぎ座。

首藤 龍臣 (すどう たつおみ)

烏丸和歌が鷺坂総司と日本棋院に同行した際に出会った男性プロ棋士(五段)。総司とは同い歳(17歳)で、親友にして囲碁のライバルである。小学3年生以降から総司の祖父・鷺坂暁生(さぎさかあきお)名人に内弟子として師事していた。総司は一人暮しだが自炊ができないため、龍臣は同門のよしみでよく家事の世話をしてやっている。 タレ目で、ウェーブがかった髪が特徴。性格はまじめ。また、須藤蘭子という妹がおり、本人にシスコンの自覚はないが、甘やかしがち。

飯塚 (いいづか)

32歳の男性で、囲碁のレッスンプロをしているプロ棋士(三段)。七三分けの髪型に眼鏡が特徴。高校と大学はアマチュアとして活躍し、25歳でプロ棋士採用試験に合格した。レッスンプロとしてだけでなく、対局の記録係としても優秀。人当たりのいい性格であり、「少年少女囲碁大会」で和歌の観戦に来た烏丸里津にルールの解説をする。 その後、囲碁に興味を持った里津に碁を教えるようになった。その様子は「りっちゃんのいご入門」というシリーズでコミックスに収録されている。

八日町 吟 (ようかまち ぎん)

「少年少女囲碁大会」の中学生の部において、烏丸和歌と対戦する兵庫県代表の男子中学生。関西弁と八重歯が特徴。少年少女囲碁大会小学生の部を三連覇した経歴の持ち主であり、自分の強さをアピールしたがる性格。だが実家が医者の家系のため、元々プロ志望ではなく、期間限定付きで囲碁に打ち込むことを親に許されている。 ちなみに吟は三人兄弟の末っ子であり、長男の兄は研修医、次男の兄は東京で医大に通う大学生。

国領 葉月 (こくりょう はづき)

少年少女囲碁大会の中学生の部において、烏丸和歌と対戦する埼玉県代表の男子中学生。引越しする前は和歌と同じ碁会所に通っており、和歌にとっては初めて出会った同年代の碁打ちだった。日本棋院東京本院の元・院生であり、院生序列1位だったこともある。院生をやめていなければ「プロになっていてもおかしくない子」と評される実力者。 ランドスケープというグループの音楽をよく聴いている。

長谷川 (はせがわ)

烏丸和歌の従姉・烏丸里津と同じ高校の男子サッカー部員。同じサッカー部のエースで相棒のツネは里津の元カレ。フられて落ち込んでいる彼とヨリを戻してくれるよう、里津に頼み込む。また、長谷川本人はサッカーばかりしていたため恋愛には疎いのだが、偶然出会った和歌を13歳とは知らず片想いしてしまう。 左頬にあるホクロが特徴。姉がいる。

須藤 蘭子 (すどう らんこ)

プロ棋士・首藤龍臣の妹。11歳。プロ棋士としての龍臣をよく慕っており、烏丸和歌と同じ時期から日本棋院東京本院の院生となる。ただし院生になれるほどの実力はあるものの、登場人物の中ではあまり強い方ではない。兄と同じくタレ目で、ふわふわのロングウェーブヘアが特徴。私服はロリータ・ファッションが中心で、私室はぬいぐるみや天蓋付きベッド、シャンデリアがあるなどファンシーな装い。

黄 一仁 (ふぁん いーれん)

13歳の烏丸和歌より歳下だが、日本棋院東京本院において院生1位の実力者。台湾出身であり、「台湾の英雄」と呼ばれる碁打ち・「王(ワン)先生」に師事している。髪型は肩までの長さのワンレングスで、小柄で中性的な容姿をしているが男の子である。愛想のよくない性格だが、かわいいものに弱い轟カンナには可愛がられている。 病気を抱える母や、自分のために全てを犠牲にしてくれる父の期待に応えるため、早くプロ棋士にならなければならないというプレッシャーが強い。

轟 豪 (とどろき ごう)

日本棋院東京本院の院生。Aクラスに所属し、広島東洋カープ現役時代の野村謙二郎選手のレプリカユニフォームをいつも着ている男子。同じAクラスの轟カンナは妹で、カンナからは「兄貴」と呼ばれている。院生序列は黄一仁に次ぐ2位と実力は高い。院生歴が長く、年長のため、他の院生たちからの信頼も厚い。 院生であることを特別だと考え、院生がアマチュアからバカにされることを嫌っている。なお、院生になったのは元・院生である国領葉月と同時期で、歳下なのに自分より先に駆け上がる葉月をライバル視していた。

轟 カンナ (とどろき かんな)

日本棋院東京本院の院生。Aクラスに所属し、女流棋士採用試験を狙う少女。同じAクラスの院生である轟豪は兄で、「兄貴」と呼んでいる。元・院生の国領葉月に片想いをしている。私服はボーイッシュで、言葉遣いは乱暴だが、須藤蘭子や黄一仁のような小さくて可愛い子には弱い。

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