概要・あらすじ
安政の時代、城の主・柴田兵庫は薬の調合を間違えた医師の竹庵に腹を立て、一家全員を残虐な手段で殺害する。竹庵の飼い猫だったクロは柴田兵庫への報復を誓い命を落とす。やがて時は流れ、柴田兵庫の子孫である柴田正雄は柴田医院という医院を経営していた。ある日、柴田正雄に娘の柴田えみ子が誕生した頃、時を越えてクロの復讐劇が始まるのだった。
登場人物・キャラクター
柴田 えみ子 (しばた えみこ)
柴田医院の院長・柴田正雄の娘だが、生まれたとき柴田正雄により同じ病院で生まれた他の女の子と取りかえられたため、本当は柴田正雄と血はつながっていない。美しい顔をした少女。
柴田 正雄 (しばた まさお)
柴田えみ子の父。柴田兵庫の子孫で柴田医院を経営する医師。柴田兵庫が黒猫・クロの飼い主の竹庵一家を惨殺したことからクロに怨まれており、報復を受ける。自分の生まれた娘が猫そっくりの醜い姿だったため、秘密で他の赤ん坊と取りかえた。
柴田 さえ子 (しばた さえこ)
柴田えみ子の母で、柴田正雄の妻。柴田病院で柴田正雄との娘を出産。その実の娘は柴田正雄の手により他の女の赤ん坊と取りかえられたが、そのことを何も知らずに柴田えみ子を育てる。上品で優しい母。
大森 たまみ (おおもり たまみ)
猫の形相をした女の子。柴田正雄の実の娘だが、生まれた時に大森たまみという女の子と取り換えられたため、以降、大森たまみとして育てられる。ある日、柴田正雄の元に現れ、柴田えみ子と瓜二つの顔に整形させた。
柴田 兵庫 (しばた ひょうご)
柴田正雄の先祖。乱暴な性格の殿様で、城に仕える医師の竹庵が薬の調合を間違えたことに腹を立て、竹庵一家全員を残虐な手段で殺害する。
竹庵 (ちくあん)
柴田兵庫に仕える医師。目が悪い。猫が好きで、たくさんの猫を飼っている。ある日、柴田兵庫の元へ行こうとした時、飼い猫のクロに邪魔をされるが、そのまま行ってしまう。その日、手違いで薬の調合を間違えたことを理由に、柴田兵庫に切り殺される。
お美代 (おみよ)
竹庵の娘。竹庵が薬の調合を間違えたことで、母親とともに柴田兵庫に捕えられ牢屋につながれる。飼い猫のクロを操り、柴田兵庫の母を殺したという罪をなすりつけられ惨殺される。
お美代の母 (おみよのはは)
竹庵の妻。竹庵が薬の調合を間違えたことで、娘のお美代とともに柴田兵庫に捕えられ牢屋につながれ獄死する。
クロ
『黒いねこ面』に登場する黒猫。竹庵の飼い猫。竹庵が薬の調合を間違えため一家が惨殺され、柴田兵庫の家にたたるようになる。時を越え、子孫の柴田正雄の前に現れ復讐をはじめる。
大奥さま (おおおくさま)
柴田兵庫の年老いた母。長年床に伏していが、ある日人が変わったように怪しい行動をするようになる。実は柴田兵庫に殺された竹庵の飼い猫クロが化けていた。
ばあや
柴田正雄のもとで婦長をしていたが、引退して柴田家のばあやとなる。柴田えみ子が他の子と取り換えられたという秘密を知っている。
大森たまみの母 (おおもりたまみのはは)
かつて柴田えみ子が生まれた柴田医院で娘を出産。娘の大森たまみを柴田医院に連れて行き、猫の顔をしている娘の顔を整形して欲しいと頼む。
場所
柴田医院 (しばたいいん)
柴田正雄が経営する医院。柴田家を呪う猫のクロの復讐劇の舞台となり、様々な悲劇が巻き起こる。
藤波学園 (ふじなみがくえん)
柴田えみ子が通う学校。ある日、柴田えみ子とそっくりな顔をした女の子、大森たまみが転校してくる。