1/11 じゅういちぶんのいち

1/11 じゅういちぶんのいち

ある少女の想いを受け継いだサッカー選手の安藤ソラと、高校、プロ、海外移籍などを通して出会う人々との間に紡がれる、さまざまな人間模様を描いた1話完結の短編作品集。「ジャンプSQ.19」2010年創刊号から2011年冬号、「ジャンプスクエア」2012年2月号から2014年7月号にかけて連載された。

正式名称
1/11 じゅういちぶんのいち
作者
ジャンル
サッカー
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
関連商品
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作品構成

元々は刊行間隔の長い季刊誌に連載されていたこともあり、前のストーリーを忘れてしまってもいいようにという配慮から、1話完結方式の連作短編という形で物語が描かれている。月刊誌へと移った後も、そうした連載形式が続いた。高校時代から日本でのプロ入り、海外移籍後など、異なる時間軸でのストーリーが入り乱れる形で配置され、安藤ソラがプロを引退するまで、彼が辿ってきた道筋が少しずつ明かされていくという独特な形でストーリーが進行していく。

あらすじ

修学院高校時代

安藤ソラは自分の才能に見切りをつけ、サッカー選手になるという夢を諦めようとしていた。そんな時、彼は自分がプロを目指すきっかけとなる一言をくれた幼なじみである若宮四季との再会を果たす。そして、サッカーは一人で挑むものではなく、11人の仲間が一丸となってプレイするものだということに気づく。再度、プロサッカー選手を目指すことを決めたソラは、手始めにサッカー部のない修学院高校で部を作ることから始めようと決心する。

横浜プロ一部時代

修学院高校を卒業後、安藤ソラは足達拓実からスカウトされていた横浜のプロ一部に加入する。そこでセカンドゴールキーパーである神崎真臣や、ポジション争いをすることになる青柳大貴と出会い、ソラは人間としてそしてサッカー選手として、さらに高みへと到達する。この時代ではソラ自身よりも周囲の人たちの成長がメインに語られている。

フィラデルフィア・ユナイテッド時代

横浜のプロ一部で実力を認められた安藤ソラは、北米にあるフィラデルフィア・ユナイテッドへと移籍する。しかしアメリカのサッカーとソラの目指すサッカーのスタイルはあまりにもかけ離れており、なかなかチームに馴染むことができなかった。それでも持ち前の明るさと、若宮四季から11人でプレイする大切さを学び、ソラは少しずつチームを良い方向へと導いていく。だがそんななか、ソラは膝の故障で長期離脱、初年の出場は絶望的と告げられる。それでも自分は諦めるわけにはいかないのだと、ソラは必死に練習に取り組む。

ロンドン・ランベス時代

ワールドカップでの安藤ソラの活躍を見たジェイコブ・クレスウェルが、フィラデルフィア・ユナイテッドから引き抜く形で、彼がオーナーを務めるロンドン・ランベスにソラを移籍させる。そのチームは全世界の有名選手が集うドリームチームだった。しかし選手の実力のわりに、ロンドン・ランベスのチーム成績はかんばしくない。ソラは敗北の理由が「新しい選手が加入してばかりで、チームワークがまったく育まれていないからだ」とクレスウェルに指摘する。しかしチームの方針に口を出してしまったことで、ソラはクレスウェルに目をつけられ、万年ベンチ入りを宣言されてしまうのだった。

作風

1話完結のオムニバス形式のストーリーの中で、安藤ソラを含めそれぞれの登場人物同士が出会い、自分の想いを打ち明けることで成長していく。なかにはストーリーの展開上サッカーが一切登場しない話数もあり、汗臭い青春物語や恋愛模様が優先的に描かれている。また、プロ入り後に高校時代のストーリーが唐突に入ってくるなど、物語は必ずしも時間軸通りに進まない。

ヒロイン像

本作『1/11 じゅういちぶんのいち』のヒロインである若宮四季は、可愛らしいだけの少女というわけではなく、まるで少年のように描かれる。彼女と他の人々との関わりは、恋愛の対象というよりも、互いを高めあうライバルのような関係を持つことが多い。主人公である安藤ソラもまた、四季に対して恋愛感情だけではなく、強い友情を感じている。

外伝

作者である中村尚儁本人の手により、「小説版 1/11 じゅういちぶんのいち 行く春」のタイトルで「JUMP j BOOKS」より刊行されている小説版がある。本作『1/11 じゅういちぶんのいち』に登場しない小説版オリジナルのキャラクターである嶺岸さくらのエピソードや、安藤ソラ修学院高校時代のチームメイトとのエピソードなど、短編4本が収録されている。

メディアミックス

2014年に片岡翔が監督を務めて実写映画化している。主人公の安藤ソラ役を池岡亮介が、ヒロインの若宮四季役を上野優華が演じた。配給は東京テアトルが行った。

登場人物・キャラクター

主人公

修学院高校サッカー部の男子高校生。小学校の頃からサッカーが好きで、ドリブルを得意とし、当時は周囲に敵う選手はいなかった。しかし中学のサッカー部に入部した頃から伸び悩み始め、必死に練習したものの、中学3... 関連ページ:安藤 ソラ

中学生にして女子サッカーの日本代表に選出され、周囲から「天才」と脚光を浴びる。本人は無表情で口数も少なく感情表現が苦手だが、サッカーをしている間だけは楽しそうに笑っている。幼い頃から安藤ソラのサッカー... 関連ページ:若宮 四季

修学院高校に通う女子高生で、修学院高校サッカー部時代の安藤ソラのチームメイト。年の離れた兄の影響により小さな頃からサッカー好きで、中学生の頃にはサッカー部のマネージャーをしていた。部活動は中学までだと... 関連ページ:篠森 仁菜

修学院高校に通う男子高校生で、修学院高校サッカー部時代の安藤ソラのチームメイト。中学時代は野球部に入部していたが、努力の甲斐なく万年補欠だった。同じ中学に通っていた皇千夜子がひたむきにカメラ撮影に向か... 関連ページ:越川 凜哉

修学院高校に通う男子高校生で、修学院高校サッカー部時代の安藤ソラのチームメイト。小学生時代はサッカーに熱中していたが、コーチに「才能がない」と言われたことで挫折。高校に入ってからは、演劇部で才能はない... 関連ページ:野村 瞬

修学院高校に通う男子高校生で、修学院高校サッカー部時代の安藤ソラのチームメイト。ソラとは中学が同じで、サッカー部の先輩と後輩の関係だった。しかし、当時入部したての後輩だったソラと試合をし、実力の差を見... 関連ページ:真壁 慎一郎

修学院高校に通う男子高校生で、修学院高校サッカー部時代の安藤ソラのチームメイト。ソラに誘われ修学院高校サッカー部に入部した。ポジションはセンターバック。頭脳プレイが得意でオフサイドトラップなどを果敢に... 関連ページ:紺野 兼続

修学院高校に通う男子高校生で、修学院高校サッカー部時代の安藤ソラのチームメイト。子供の頃、命にかかわる病気を患い、その病気を伯父が治してくれたという経験から医者を目指すようになった。しかし偏差値という... 関連ページ:加瀬 博樹

修学院高校に通う男子高校生で、修学院高校サッカー部時代の安藤ソラのチームメイト。高校逆デビューしてしまい、友人ができずに休憩時間はいつも寝たフリをして過ごしていた。祖父の影響で茶道の心得があり、定期的... 関連ページ:吉岡 航

修学院高校に通う男子高校生であり、自ら修学院高校サッカー部に入部した。安藤ソラのチームメイト。サッカーの名門中学出身ということもあって能力はピカイチ。しかしワンマンプレイに走りがちで、チームメイトを気... 関連ページ:椎名 千聖

修学院高校に通う女子高生。安藤ソラの1年生の時のクラスメイトで、席が隣で帰路も同じだった。先輩に告白するがフラれて憂鬱になっていた時、先輩が好きだった曲が合唱コンクールで歌う曲に決まってしまう。嫌なこ... 関連ページ:水野 由花

安藤ソラの通っている修学院高校に通う女子高生。キラキラしている一瞬を永遠に切り取りたいという理由で、カメラ撮影にこだわっている。本人がキラキラとしていると見なしたものであれば、花や雲、人物や動物など被... 関連ページ:皇 千夜子

安藤ソラの通っている修学院高校に通う女子高生。演劇部の部長で、重度の演劇オタクでもある。あだ名は「オタマヤ」。元サッカー部の野村瞬が演劇部に入部してくれたことで演劇の幅が広がったと喜んでいたが、瞬がサ... 関連ページ:小田 麻綾

漫画を描くのが趣味の男子高校生。同級生の大神秋次にいじめられている。ある日、公園でデッサンをしているとサッカーの練習をしていた秋次の妹、大神遥夏と出会う。遥夏にプロの漫画家になって欲しいと言われるが、... 関連ページ:藪田 冬汰

サッカーの女子日本プロリーグに所属している女の子。若宮四季の再来とも呼ばれている。公園でデッサンを行っていた藪田冬汰の被写体になるという形で、藪田と出会う。将来の夢はセリエAで得点王になること。兄の大... 関連ページ:大神 遥夏

29歳のプロサッカー選手で、「横浜」時代の安藤ソラのチームメイト。「横浜」のプロ一部チームのセカンドゴールキーパーを担う。毎晩遅くまでソラと練習に励むほど練習熱心。大学4年の時にプロのスカウトの目に留... 関連ページ:神崎 真臣

プロ入り5年目の22歳のサッカー選手で、「横浜」時代の安藤ソラのチームメイト。「横浜」のプロ一部チームに所属し、ポジションはセンターバック。元はフォワードの選手だったが、ソラにポジションを奪われる形で... 関連ページ:青柳 大貴

プロ入り2年目の若手の男性。安藤ソラが「ロンドン・ランベス」から「横浜」へと戻って来た時代のチームメイトで、「横浜」のプロ一部に所属しているフォワード。ソラに憧れてサッカーの練習を重ね、ついに同じチー... 関連ページ:狭川 遼馬

安藤ソラが「横浜」に所属していた時代の「横浜」プロ一部のチームスカウト部長の男性。選手の評価においては、プレイだけではなくベンチでの振舞いも重視する。就職が決まっていた足立拓実をスカウトし、プロ入りさ... 関連ページ:堂本 誠治

安藤ソラが「横浜」に所属していた時代の「横浜」プロ一部のチームの新人スカウトである男性。ソラを発見してスカウトした張本人。足立拓実も元はプロ選手として堂本誠治にスカウトされたが、試合ではまったく活躍で... 関連ページ:足立 拓実

安藤ソラが「フィラデルフィア・ユナイテッド」から移籍したイングランドのチーム「ロンドン・ランベス」のオーナー。イングランドでも有数の富豪であり、財産を注ぎ込み有能な選手を買収している。自分の方針に口を... 関連ページ:ジェイコブ・クレスウェル

9歳の小学生男子。地元のサッカーチームでフォワードとして試合に出ている。チームメイトの小田繭に気があり、彼女を笑顔にしてあげたいという理由から修学院高校時代の安藤ソラに必殺技を学びにいく。しかしソラか... 関連ページ:山中 寛太

横浜に住む女子中学生。学校の終わりに友人とプロサッカーリーグに所属する「横浜」の練習グラウンドへ向かうのが日課。「横浜」入団後、安藤ソラが無名のルーキーだった時代の初めてのファンで、練習後にサインを貰... 関連ページ:沢渡 真名

25歳のスポーツライターの男性で、安藤ソラとは「フィラデルフィア・ユナイテッド」時代から付き合いがある。同じことを繰り返す毎日にうんざりし、3年勤めてきた会社を退社。サッカーが好きだからという理由でサ... 関連ページ:御手洗 恭輔

安藤ソラの息子。幼少期からソラのプレイを間近で見ていたこともあってか、彼もまたサッカーが好きな子供になっていた。地元のサッカーチームはレベルが低いからと、横浜の下部組織に入団する。しかしそこでは逆にソ... 関連ページ:安藤 悠

集団・組織

修学院高校サッカー部

安藤ソラが修学院高校に設立したサッカー部。メンバーは一部を除いて全員が素人だが、ソラの活躍もあり、県大会のベスト8まで上りつめる。 関連ページ:修学院高校サッカー部

横浜

安藤ソラがプロ入り後に加入したチーム。神崎真臣、青柳大貴などが所属している。チームカラーはトリコロール。攻撃陣の選手層が厚いが、その分、守備陣の選手層は手薄。ソラが入団したその年にリーグ戦で3位を記録... 関連ページ:横浜

フィラデルフィア・ユナイテッド

アメリカに存在するチームで、安藤ソラが初めて海外移籍したチームでもある。御手洗恭輔に言わせると、目の前にあるボールを蹴るだけの肉体に頼った原始的なチーム。同一のオーナーが所属するチームであるフィラデル... 関連ページ:フィラデルフィア・ユナイテッド

ロンドン・ランベス

ジェイコブ・クレスウェルがオーナーを務めるチーム。ワールドカップで活躍した安藤ソラをクレスウェルが気に入り、「フィラデルフィア・ユナイテッド」から獲得した。クレスウェルが資金力に物を言わせて大量の選手... 関連ページ:ロンドン・ランベス

場所

修学院高校

安藤ソラが通っていた高校。部活動は盛んではなく、ソラが入学する前はサッカー部も存在しなかった。進学校ではあるものの偏差値的には平均的で、偏差値の高い大学への進学者は少ない。 関連ページ:修学院高校

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