27歳OL、異世界で遊女の管理はじめます

27歳OL、異世界で遊女の管理はじめます

人気乙女ゲーム「廓恋風」の世界に転生してしまった女性は、遊女の管理を担うモブキャラクターの遣り手として生きることになる。ゲームの本筋には関係ない中年女性の遣り手が、自らのバッドエンドを回避するために奮闘する姿を描いた異世界転生コメディ。「GANMA!」で配信の作品。

正式名称
27歳OL、異世界で遊女の管理はじめます
ふりがな
にじゅうななさいおーえる いせかいでゆうじょのかんりはじめます
作者
ジャンル
転生
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あらすじ

乙女ゲームの世界へ転生

サービス業を生業にしている女性は、自己中心的な振る舞いばかりするパートの鈴木に頭を悩まされていた。女性にとって唯一の楽しみは乙女ゲーム「廓恋風」をプレイすることで、今日もゲームを起動させる。すると突然意識を失い、気づいた時には女性は「廓恋風」の世界におり、廓の遣り手婆(やりてばばあ)キャラクターである遣り手となっていた。彼女は自分が主人公のではないことに不満を抱きつつも、気を取り直して廓で遣り手婆の仕事を全うしようと奮闘する。そんな中、遣り手は遊女の一人である空蝉が、傷だらけであることに気づく。空蝉をいたぶる客を前にした遣り手は、彼女のために反撃を開始する。

違法なアヘンと分岐ルート

遣り手空蝉を救ったことで、との距離が縮まっていく。また、遣り手はなんらかの条件がそろった時に、ゲームの選択肢やこれまでの振り返り、そして現状はどのエンドを迎えるルートを進んでいるのかを知ることができる、特殊能力が備わっていることに気づく。特殊能力が発動されるタイミングが今一つわからない中、遣り手は現在、自分が獄中死を迎えるバッドエンドルートにいることを知る。番頭の態度から察すると、どうやら自分が転生して来る前の遣り手は、違法なアヘンの売買にかかわっていたようだった。この事実が獄中死ルートにかかわると悟った遣り手は、まず自らの言動を怪しんでいる朝霧と接点を持とうと行動を起こす。

乙女ゲーム世界の恐怖

遣り手はなんとか獄中死ルートを回避したものの、次に現れたのは遊郭追放ルートだった。遣り手はむしろこのルートの方が自分らしく生きていけるのではないかと期待をするが、ここはあくまで乙女ゲーム「廓恋風」の世界であり、ここ以外は得体のしれない真っ暗な世界が広がっていることを知ってしまう。一方、は遊女としてのルールや振る舞いをまったく覚えておらず、裕福な商人に化けて廓を出入りしている殿のに対して、失礼な態度を繰り返してしまう。そのため、廓を出入りする者たちのあいだでは、このままだと無作法な紫は激しい折檻(せっかん)の末に殺され、遊女を管理する立場にある遣り手も、遊郭から追放されるのではないかとの噂(うわさ)が出回り始める。

登場人物・キャラクター

遣り手 (やりて)

乙女ゲーム「廓恋風」に転生した女性。ゲーム内ではモブキャラクターであり、廓と遊女を管理する「遣り手婆(やりてばばあ)」として知られる。実年齢は27歳ながら、異世界では太目の中年女性になっており、以前の世界で散々迷惑をかけられてきた同僚の鈴木と瓜二つの容姿をしている。なんらかの条件がそろった時に、ゲームの選択肢やこれまでの振り返り、そして現状はどのエンドを迎えるルートに進んでいるのかを知ることができる特殊能力が発動する。転生前の「遣り手」は血も涙もない非情な人物だったが、転生してからの遣り手は遊女をはじめ誰に対しても優しく接している。そのため遊女はもちろん、紫や朝霧などからも信頼を寄せられている。

朝霧 (あさぎり)

乙女ゲーム「廓恋風」に登場する男性キャラクター。主人公の紫の攻略対象。幼い頃に「遣り手」が働く廓に妹と共に売られ、以降廓に使用人の「若い衆」として在籍している。以前は、遊女に対して嫌味ばかりを口にする遣り手に対して、嫌悪感を抱いていた。しかし、転生した遣り手に対しては信頼を寄せており、朝霧自身の妹をアヘン中毒にした犯人捜しを手伝ってほしいと依頼する。「廓恋風」の中でも人気キャラクターで、非常に整った顔立ちをしている。クールな性格の頭脳派で、喜怒哀楽を表に出すことはめったにない。細身の体型ながら、大食漢。

(ひかる)

乙女ゲーム「廓恋風」に登場する男性キャラクター。主人公の紫の攻略対象。「遣り手」が働く廓を含む地域の殿様でもある。なんらかの目的からお庭番の紫に、廓への潜入調査を命ずる。以降、裕福な商人だと身分を偽って廓に出向き、さりげなく紫と情報交換をしている。転生する前の遣り手とも顔を合わせており、転生後の遣り手に対しては、まるで別人のような雰囲気になったと怪しんでいる。「廓恋風」では攻略キャラクターで、華やかな容姿の美男子。独自の色気があり、周囲にいる女性陣はつい着物の胸元を見てしまうほどだが、輝自身はまったく無頓着。

(むらさき)

乙女ゲーム「廓恋風」に登場する女性キャラクター。ゲーム内の主人公を務める。輝のお抱えのお庭番で、「遣り手」が働く廓に潜入調査している。ゲーム内の初期設定では、遊女たちに厳しく当たる遣り手に対して敵対意識を抱いていたが、転生した遣り手は遊女にも優しく接するようになったため、友好的な態度を見せる。明るい性格で正義感も強いが、天然ボケで恋愛ごとにはやや鈍いところがある。乙女ゲームの主人公の王道ともいえる人物。また、奇怪な言動をしても主人公補正がかかり、周囲からは怪しまれない特技を持つ。

空蝉 (うつせみ)

乙女ゲーム「廓恋風」に登場する女性キャラクター。「遣り手」が働く廓に所属している遊女で、馴染(なじ)みの客もほとんどいないことから位が低い。そのため、ほかの廓では出入り禁止になるような粗暴な男性の客を取るようになり、心も体も傷ついている。転生前の遣り手には金にならないと厳しく当たられていたものの、転生後の遣り手が優しくしてくれるため、心を開いている。

番頭 (ばんとう)

乙女ゲーム「廓恋風」に登場する男性キャラクター。紫も所属している輝のお庭番の一人であり、実質的なリーダーである番頭を務めている。遣り手が働く廓には医師と身分を偽って出入りしており、その際は紫と情報を共有している。その一方で、既存よりも中毒性の高いアヘンを製造しており、転生前の遣り手をなんらかの手段で脅して手下にし、遊女や客に売りさばいている疑惑がある。

鈴木 (すずき)

遣り手が乙女ゲーム「廓恋風」の世界に転生する前に、いっしょの職場で働いていた中年の女性。非常に適当かつ自己中心的な考え方の持ち主で、転生前の遣り手にストレスを与えていた。「廓恋風」の登場キャラクターである遣り手に瓜二つの容姿を持つ。

その他キーワード

廓恋風 (くるわこいかぜ)

吉原の遊郭が舞台の大人気乙女ゲーム。遣り手に転生した女性が、元の世界で暮らしていた時にプレイするのを日々の楽しみにしていた。主人公は輝のお庭番を務める紫で、潜入調査の指令を受けて遣り手が働く廓に遊女として入った紫が、そこで出会った魅力的な男性と恋に落ちていくというストーリーになっている。紫や攻略対象の男性キャラクターなど、ゲームの主要人物のデザインには気合が入っているが、遣り手をはじめとするモブキャラクターは適当なところが目立つ。また、あくまで廓での恋愛がメインのストーリーであるため、さまざまな設定が雑になっている。

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