概要・あらすじ
ハナ建設の営業部に勤務する岩楯ひかりは、2か月前に酒井晃久と離婚したばかり。晃久の女癖に愛想を尽かして別れたひかりは、まったく未練はないはずなのに、なぜか彼に抱かれる夢を見ることがあった。そんなある日、ひかりはコンビで営業に回っている後輩の小郷翔に告白される。小郷は設計部期待の新人で、勉強のために、半年間営業部預かりになっているまじめな青年だった。いったんは返事を保留したひかりだったが、誠実で一途な小郷に惹かれ、二人きりで酒を飲みに行ったあと、彼を受け入れることになる。それからしばらくして、晃久が残していったマンションから引っ越したいと考えたひかりは、晃久と会って話をする。自分が住んでいる部屋のローンを、晃久が払い続けていることに耐えられなかったのだ。すると晃久は、自分がマンションを買うと言い出す。二人が住んだ部屋を誰かに売るのは嫌だというのだ。再婚のときに邪魔になると伝えるひかりに、晃久は「ひかり以外とはしない」と断言した。晃久の態度は、明らかに復縁を望んでいるようだったが、ひかりはもう「新しい人生を始めたい」と、さっさとその場を立ち去った。そんな時ひかりは、晃久の浮気相手だったキャバクラ嬢の楠木かのの口から、ある事実を知る。晃久は、DV夫に苦しんでいた楠木を助けるために、キャバクラに通い、DV夫と揉めたのだという。晃久は浮気をしていたわけではなかったのだ。
登場人物・キャラクター
岩楯 ひかり (いわだて ひかり)
建設会社の営業部で働く33歳のOL。円満過程で育った、三人姉妹の長女。まじめな努力家で礼儀正しい。異性に対しては独占欲が強いところがある。酒井晃久と結婚していたが、キャバクラ嬢の楠木かのとの浮気を疑い、離婚する。離婚して2か月後、職場の後輩である小郷翔に告白され、やがて付き合うことになる。
酒井 晃久 (さかい あきひさ)
大手メガバンクの銀行員で岩楯ひかりの元夫。長身のイケメンで裕福な家柄に育つ。頭が切れて仕事ができ、人当たりもよいため、異性からも同性からも好かれている。女癖が悪い面があったが、ひかりと結婚して初めて、本当の恋と家庭の温かさを知る。
小郷 翔 (こごう かける)
ハナ建設の新入社員で一級建築士の資格を持つ男性。設計部に所属するが、営業部で岩楯ひかりとコンビを組み、営業の仕事を勉強中。10代のような顔をして、天然なところがあるため、会社ではゆるキャラ扱いされ、「こごちゃん」と呼ばれてかわいがられている。ひかりに好意を抱いて告白し、付き合うことになる。
楠木 かの (くすのき かの)
黒髪のロングヘアが特徴の美女。高級キャバクラのナンバーワンで、源氏名は「聖華」。DV男と暮らしていたため、体中に傷が耐えなかったが、それに気づいた、客の酒井晃久に救い出される。晃久とは男女の関係ではないが、岩楯ひかりに誤解され、晃久とひかりの離婚の原因になってしまう。
クレジット
- 原作
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伊吹 芹