5愛のルール

5愛のルール

広告業界を舞台に、小さな広告代理店に務める真面目な主人公と歌手を夢見る姉、さらに2人に絡む謎めいた男性とその周囲を描いた作品。1975年に「りぼん」に連載され、第一部が完結したところで連載が終了し、もともとは二部構成の作品として構想されていたが、物語は第一部のみで完結となった。長らくコミックスが刊行されなかったが、2003年に集英社文庫として出版され、第二部で描かれるはずだった内容が、あとがきで明かされている。

正式名称
5愛のルール
ふりがな
ふぁいぶあいのるーる
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

広告業界で活躍することを夢見る浅野麻保は、街の小さな代理店で雑用を任されていた。そんな麻保は歌手志望の派手な姉・浅野理恵と二人暮らし。ある日、思うように仕事がもらえず、自暴自棄になっていた理恵は、バーで鷹見耕一という不思議な男性から10万円を渡される。姉が受け取ったお金を返そうと、耕一の勤める国内一の広告代理店「報通社」を訪れた麻保は、そこでキャッチコピーの才能を見出され、独立を計画していた耕一にスカウトされるのだった。

こうして、麻保の人生は大きな変化を迎えることとなる。

登場人物・キャラクター

浅野 麻保 (あさの まほ)

広告業界志望の20歳前後の女性。タイプの異なる姉の浅野理恵と、アパートで二人暮らしをしている。苦労をしてデザイン学校を卒業し、街の小さな広告代理店に就職したが、雑用ばかり任されていた。もっとやりがいのある仕事がしたいと願っていた時に、広告代理店「報通社」の鷹見耕一と出会う。この時、「報通社」が作成したポスターのキャッチコピーについて、初対面で意見し、耕一に才能を見出されることとなる。 のちに独立した耕一の事務所に勤務するようになり、見事才能が開花。同時に耕一への特別な感情が芽生えていく。一見地味な印象だが、スタイルは良い。モデルに間違われたり、水石ユリアにも「磨けば光る」と評価されている。

鷹見 耕一 (たかみ こういち)

日本一の規模を誇る広告代理店「報通社」の製作部企画課長。20代半ばの男性。全国に30店舗以上を展開する西急デパートの御曹司でもある。広告プランニングに優れた才能を持ち、社内では異例の早さで出世している。恋人は報通社社長の娘でトップモデルの水石ユリア。その立場上、わがまま放題が許されているユリアに対しても時に意見するなど、自分が正しいと思ったことは隠さず口にするタイプ。 周囲から期待される存在であったが、のちに浅野麻保やカメラマンの立原とともに独立起業をする。実は極度の高所恐怖症。

立原 (たちはら)

20代半ばの男性フリーランスカメラマン。広告代理店「報通社」に勤務していた鷹見耕一の指名を受けて、度々一緒に仕事をしている。耕一からは絶大な信頼を寄せられており、独立時にも一番に誘われた。彼自身も耕一のプランニング能力を認めている。写真の腕だけでなく、スタイリングのセンスもあり、地味でしゃれっ気のなかった浅野麻保を美しく変身させた。

浅野 理恵 (あさの りえ)

浅野麻保の姉で20代前半。真面目で地味な麻保とは異なり、かなり派手な性格でセクシーな雰囲気の持ち主。歌手志望ではあったが、なかなか芽が出ずにいたところ、鷹見耕一と知り合う。麻保の橋渡しもあり、耕一と一緒にモデルとして仕事をすることになり、大成功を収める。恩人である耕一に好意を寄せており、恋人の水石ユリアがいることを知りながら、自分のものにしようと行動を起こす。

水石 ユリア (みずいし ゆりあ)

20代前半の女性。トップモデルとして雑誌やファッションショーで活躍している。広告代理店「報通社」の水野の娘。苗字の「水石」は芸名で、本名は「水野」。お嬢様気質でプライドが高く、わがまま。鷹見耕一の恋人で、表向きは報通社と西急デパートの関係を維持するための政略的な交際となっているが、耕一を本気で愛している。広告の仕事に興味を持ち、PR会社「ユリアエージェンシー」を立ち上げ、「報通社」から耕一と立原を引き抜くつもりでいた。 しかし、独立を計画していた2人からは断られてしまう。

水野 士郎 (みずの しろう)

水石ユリアの兄で、水野の息子。父親が社長を務める広告代理店「報通社」に勤務しており、鷹見耕一の才能を高く評価していた。いずれは自分の片腕として働いてくれると信じていたこともあり、耕一の独立の話を聞いて取り乱してしまう。妹であるユリアのわがままさには呆れており、度々説教をしている。ユリアによれば、「私に説教をするのは耕一さんと兄さんだけ」だという。 振り回されながらも、ユリアのことは気にかけており、いつか耕一に愛想をつかされるのではないかと心配している。

水野 (みずの)

国内一の広告代理店「報通社」の社長。水野士郎と水石ユリアの父親。「報通社」時代の鷹見耕一の実力を評価し、いずれはもっと高いポジションを任せようと考えていた。娘のユリアには甘いが、西急デパートの御曹司である耕一と政略的に交際させるなど、利用している一面もある。

鷹見 綾子 (たかみ あやこ)

鷹見耕一の母親。姉と言っても通じるほどの若さと美貌を誇っている。着物が似合う日本美人で、自宅の庭で野だての会を行っている。茶道の作法を知らずに緊張する浅野麻保に、「堅苦しい作法など若い方には窮屈でしょうから」と声をかけるなど、気づかいのできる人物。夫は西急デパート社長の鷹見巌で、息子の耕一が、なかなか実家に帰って来てくれないことを寂しく感じている。

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