ARMS

身体の一部にナノマシンの集合体ARMSを移植された少年・高槻涼達が、闇の組織エグリゴリの陰謀に巻き込まれ、壮絶なバトルを繰り広げる漫画。原案協力七月鏡一。(1998年)小学館漫画賞受賞。

あらすじ

覚醒編(第1巻~第3巻)

幼なじみの赤木カツミと穏やかで平凡な高校生活を送っていた高槻涼は、ある日、転校生の新宮隼人に身に覚えのない因縁をつけられて襲われる。隼人は自らの左腕を「ARMS」と呼ばれる特殊な兵器に変形させて襲って来るが、涼は辛くもこれを退ける事に成功する。一方で、隼人とは別の存在が少しずつ涼の身近に忍び寄っていた。涼は秘密組織「エグリゴリ」の送り出した刺客達の襲撃を受けるが、涼をエグリゴリの一員だと誤解していた隼人と和解し、二人は協力して敵に立ち向かう。自分達と同じ境遇の人間があと二人いる事を知った涼と隼人は、仲間探しに奔走し、巴武士と出会う。涼と隼人、武士は次々と襲い掛かって来る刺客を退け、刺客の一人であったアル・ボーエンを仲間に加えつつ、自分達にかかわる秘密が眠る鐙沢村へと向かう事を決める。そこで涼達は、鐙沢村で行われていたエグリゴリの非人道的な実験と自分達の出生の秘密を知るが、キース・レッド率いる敵の攻撃で鐙沢村は壊滅。さらに涼は、目の前でカツミを失ってしまう。そして涼の絶望と憎悪は、彼の中で眠る破壊の化身、ジャバウォックを呼び覚ます事となる。

邂逅編(第4巻~第7巻)

赤木カツミを失った絶望と自らの内に眠るジャバウォックに恐怖を抱いた高槻涼は、一人孤立する道を選んでいた。しかし、そこに反エグリゴリ組織「ブルーメン」の使者にして、新たなARMS所持者の久留間恵が現れる。彼らからカツミが生きている可能性があると伝えられた涼は再び立ち上がり、自分達を取り巻く残酷な運命と戦う決意を固めるのだった。そんな涼と仲間達の前に、新たな敵、クリフ・ギルバート率いるX-ARMYが襲い掛かる。そしてクリフの言動に動揺した涼は、再びジャバウォックを暴走させてしまう。しかし仲間達の絆と、ユーゴー・ギルバートの協力によって涼は正気を取り戻す。さらに涼達はクリフとも和解し、クリフはエグリゴリに敵対する事を決意する。だが、涼達に再会を約束して旅立ったクリフは、レッドキャップスのガウス・ゴールキース・レッドの襲撃を受けて死亡。さらにガウスは町全体を巻き込んだ卑劣な作戦を立て、涼達を追い詰めていく。だが、ガウスの人となりを知る涼の母親、高槻美沙が適切な対抗策を用意した事でガウスの作戦は失敗。涼もジャバウォックの力に向き合う事で力の完全な制御に成功し、ガウスを打ち破る。さらにレッドも新たな力を覚醒させた新宮隼人に敗れ去った事で、事態は一段落着いたと思われたが、そこにキース・レッドと同じ顔をした四人の人物が現れ、彼らをさらなる混迷へと突き落とすのだった。

進化編(第8巻~第10巻)

高槻涼は仲間達と共にアメリカの田舎町、ギャローズ・ベルへと向かう。不気味な雰囲気に包まれた町は、アル・ボーエンと同じ「チャペルの子供達」に支配されていたのだ。チャペルの子供達に改造された猟犬部隊に苦戦する涼達だったが、久留間恵がリーダーとして成長した事で撃破。そして一行はギャローズ・ベルに隠された秘密の生命体、アザゼルを目にする事となる。エグリゴリ誕生の真実、ARMSの正体に近づいた涼達だったが、キース・シルバーは機密保持とアザゼル確保のためギャローズ・ベルを抹消する事を決断、軍隊を率いて町を取り囲むのだった。涼とアルは子供達と町の住人を助けるため、キース・シルバー率いる敵と戦う。そしてジャバウォックは戦いの中でさらに進化し、シルバーを退ける。しかし、ジャバウォックの新たな力を目にした仲間達は、その光景に言い知れぬ不吉な物を感じるのだった。多くの犠牲を出しながら、涼は仲間達と共に辛うじて秘密の抜け道から脱出する事に成功する。地下道を通ってグランド・キャニオンに到達し、一息つく子供と住民達だったが、そこにはキース・グリーンが待ち構えていた。涼に憎しみの感情をあらわにするグリーンは、彼の目の前で子供と住民達を虐殺。涼が生み出した憎悪はジャバウォックに注ぎ込まれ、膨れ上がるジャバウォックの力は世界をそのものを飲み込もうとする。その事態にナイトとホワイトラビットは、所有者の意思を無視して涼を殺そうと力を向ける。仲間同士で争う混迷とした事態に陥るが、恵が身を挺して力を振るう事で辛うじて戦いは終わりを迎えるのだった。

アリス編(第11巻~第19巻)

反撃に転じた高槻涼達は、エグリゴリに攻め入り、エグリゴリの最高科学顧問であるサミュエル・ティリングハーストの身柄を確保する。サミュエルから情報を手に入れようとするが、偏屈でマイペースな彼からは有益な情報を得られなかった。さらにエグリゴリはサミュエルを取り戻すため、コウ・カルナギを涼達に差し向ける。生身の人間にもかかわらず圧倒的な力を持つコウに、新宮隼人巴武士は敗北。そして隼人は、己の無力感に打ちのめされ、姿を消してしまうのだった。しかし、高槻巌や街の人々との出会いによって隼人は精神的に成長し、コウとの再戦で勝利。今まで目を背けていた涼のジャバウォックの危険性とも向き合う覚悟を決める。一方、重傷を負って意識不明となった武士を救うため、アル・ボーエンはサミュエルと共に奔走していた。その中で、アルはARMSには「アリス」と呼ばれる存在がかかわっている事を突き止める。サミュエルからアリスの真実、ARMS誕生の秘密、そしてエグリゴリが行おうとしている恐るべき「プロジェクト・ジャバウォック」の詳細を聞いた一行は、改めて残酷な運命で支配された世界に抗う事を誓う。エグリゴリの中枢がニューヨークのマンハッタンにある事を知った涼達は、遂にエグリゴリとの決戦に挑む。死力を尽くして戦う涼達は、遂にその刃をキース・ブラックに届かせ、彼のARMSを切り裂く事に成功する。しかしブラックが倒れた事で、彼の中に潜んでいたキース・ホワイトが復活してしまう。ホワイトの奸計によって涼は自らの手でカツミを手に掛けてしまい、憎悪と絶望に飲み込まれジャバウォックを発動。膨れ上がるジャバウォックはアリスを取り込み、人類すべてを葬り去る「プロジェクト・ジャバウォック」は発動させる。絶望的な状況に陥るが、ユーゴー・ギルバートの犠牲と仲間達の絆、さらに意思を芽生えさせたオリジナルARMS達の力によって逆転。涼はカツミを取り戻し、遂にエグリゴリの敷いた運命のレールを破壊する事に成功するのだった。

帰還編(第19巻~第22巻)

戦いを終わらせ、各々の日常に帰還した高槻涼達は、ARMSの力も失い、元通りの静かで平穏な日々を過ごしていた。しかし、エグリゴリは未だ壊滅しておらず、静かに暗躍を続ける。また、赤木カツミも自らに異変が起きているのを日増しに実感していくようになる。そんなある日、暴漢に襲われたカツミは無意識の内に暴漢を返り討ちにし、皆殺しにしてしまう事件を起こす。事件とカツミを調べた結果、カツミには新たなARMSが宿っている事がわかるが、その直後、彼女はキース・ホワイトに浚われてしまう。因縁の地である鐙沢村に彼女がいる事を知った涼達は、カツミを助けるため行動を開始する。モデュレイテッドARMSという強敵を退け、カツミを見つけるが、それはホワイトの罠だった。あやつられたカツミは久留間恵を傷つけ、新たなARMS「パンダースナッチ」を覚醒させてしまう。ホワイトはかつてのジャバウォックの覚醒のなぞり直しを目論んでいたのだ。そしてパンダースナッチとホワイトは、地球をパンダースナッチの力で死の星にする「プロジェクト・パンダースナッチ」を行うため、藍空市へと向かう。キース・ブルーの犠牲によって辛うじて撤退する事に成功した涼と仲間達は、カツミを助けるため、そして今度こそすべての戦いに終止符を打つべく藍空市へと向かう。 

登場人物・キャラクター

高槻 涼 (たかつき りょう)

藍空東高校に通う男子高校生。年齢は17歳。黒い髪を短く切りそろえたスポーツ少年で、父親の教育のたまもので、サバイバル関係の知識に長ける。実は本人すら気づかぬ内に、幼い頃にARMSを移植されており、新宮隼人の転校をきっかけにしてARMSをめぐる陰謀に巻き込まれていく。高槻涼自身は平凡な高校生と思っているが、冷静沈着で肝が据わっており、頭の回転も速いため一行のリーダー的存在となる。移植されているのはオリジナルARMSの一つ、ジャバウォック。ARMSの中で最も謎が多く、制御困難とされるARMSで、当初は暴走させる事が多かった。鐙沢村の戦いで赤木カツミを失い、ジャバウォックを覚醒させて以降、ジャバウォックの暴走に翻弄される事が多かったが、レッドキャップスの戦いを経てジャバウォックと和解。その力を制御下に置く事に成功する。カツミが生きている事を知って以降は、彼女を取り戻すため戦い抜く事を決意し、過酷な運命に身を投じていく。最初は巻き込まれているだけだったが、鐙沢村で戦ったガシュレーの戦士としての生き様に思うところがあり、以降は戦いの中で「戦士」としての自覚を培っている。

新宮 隼人 (しんぐう はやと)

藍空東高校に転校して来た男子高校生。年齢は17歳。茶色の髪を長く伸ばし、鋭い目つきをしている。10年前に起きた鐙沢村襲撃事件の生き残りで、復讐のため生きて来たため性格は非常に好戦的。判断力も欠けており、当初は高槻涼を敵だと思って襲いかかった。一方で、起きてしまった事をあとに引きずらず、仲間と認めた人間には情が厚くなる。涼と和解して以降は急速に親しくなり、お互いを親友として認め合う仲となる。また当初は敵だったアル・ボーエンの事も、口では文句を言いつつも面倒を見ているため、凹凸コンビともいうべき仲になっている。仲間と触れ合ううちに精神的に成長し、レッドキャップスの戦いでは仲間を守る事を優先する「仁愛」の心に目覚め、自らのARMSに眠るナイトを目覚めさせる事に成功する。コウ・カルナギとの戦いでは心の迷いから無様をさらし、新宮隼人自身の無力さを痛感したが、ブラックハーレムの経験で「水の心」に目覚め、力押しだけではない柔軟な技も使うようになる。また、自分達を取り巻く過酷な運命に立ち向かう覚悟も決め、涼にその覚悟を伝えた。

巴 武士 (ともえ たけし)

藍空東高校に転校して来た男子高校生。気弱で、いつもビクビクと怯えた様子を見せている。過去に事故で両足を失い、ARMSを移植された。臆病な性格で、周囲からいじめられる事が多かったが、高槻涼と違い、不完全ながら制御に成功しているため、怯えながらもいじめに反撃するという暴力沙汰を繰り返していた。またその暴力沙汰の際に、両親や妹とも血がつながっていない事を知り、自分の境遇に絶望し、周囲を恨みながら過ごす事となる。しかし、自分と同じ境遇の涼や新宮隼人との出会いによって少しずつ変わり、本来持つ勇気や優しさが現れ、心強い存在へと成長していく。移植されたのはオリジナルARMSの一つ、ホワイトラビット。高速機動型の強力なARMSだが、真に驚異的なのはそのARMSを使いこなす巴武士自身の運動神経で、亜音速戦闘にすら反応する人間離れした反射神経を持つ。高槻美沙にその強みを教えてもらって以降は、武士自身の強みを活かした戦法を取り、仲間達を守るため奮闘している。コウ・カルナギとの戦いで生死不明の重症を負い、精神世界でホワイトラビットの導きによって白いアリスと対話する。

久留間 恵 (くるま けい)

ブルーメンに所属する少女。黒色のロングヘアで、赤木カツミとよく似た容姿をしている。オリジナルARMSの一つクイーン・オブ・ハートの適合者で、高槻涼達と違い、エグリゴリと戦う戦士としてブルーメンに育てられた。そのため当初は、涼達のリーダーとして居丈高な態度を取っていた。またリーダーとしても経験が足りておらず、未熟な判断をする事が多かったが、ギャローズ・ベルの戦いでリーダーの役割と仲間達の絆の大切さを知り、名実共にARMSチームのリーダーとして成長していく。ユーゴー・ギルバートに対しても最初は強い反感を抱いていたが、のちに心を許して無二の親友になる。オリジナルARMSの中で唯一、戦闘能力を持たないため無力感に苛まれる事が多かったが、グランドキャニオンの戦いで、涼達のARMSが暴走し、仲間内で殺しあう状況を身を挺して止めようとした際に、クイーン・オブ・ハートの真の力が発動した。そしてニューヨークの戦いで、クイーン・オブ・ハートの適合者の真の役割とは、人とARMSの関係に審判をくだす者だと教えられ、世界の命運を分かつ重要な選択を突きつけられた。

赤木 カツミ (あかぎ かつみ)

藍空東高校に通う女子高校生。黒髪をロングヘアにしている。高槻涼とは幼なじみの間柄で、子供の頃からずっとお互いを憎からず思いながら過ごしていた。新宮隼人が涼を呼び寄せるための人質にされたのをきっかけにして、彼らとエグリゴリの戦いに巻き込まれていく。涼を心配しており、鐙沢村に向かう彼らに黙って同行。エグリゴリの行った殲滅戦に巻き込まれ、涼の目の前で爆発に飲み込まれて消えた。その後、死亡したと思われていたがキース・グリーンに確保され、救助されていた。実は涼と同じくARMS適合者の因子を使って人工的に生み出された人類。久留間恵が瓜二つの容姿をしているのも、同じタイプの遺伝子から培養された、いわば「姉妹」ともいうべき存在であるため。「プロジェクト・ジャバウォック」実現のため、涼との出会いすら仕組まれたもので、本人達の意思とは無関係に計画実現の駒として扱われていた。身柄が確保されて以降はグリーンと過ごし、彼と親交を深める。しかしニューヨークの戦いで、キース・ブラックに身柄を奪われ、計画発動の最後の鍵とされてしまう。

兜 光一 (かぶと こういち)

無精髭を生やした男性。初登場時は29歳。藍空警察署の刑事で階級は警部補。正義感に溢れ、しばしば上司の命令も無視して行動する。藍空市で次々に起こった凄惨な事件を独自に追う中で高槻涼達と出会う。その後は警察を辞し、反エグリゴリ組織ブルーメンに参加し、高槻涼達をサポートする。

メアリー・カッツ

ショートヘアーの金髪の女性。鐙沢村実験場の最高責任者。鐙沢村で非人道的と知りつつ様々な人体実験を行なっている。訪れた高槻涼、新宮隼人、巴武士に彼らの出生の秘密の一端を明らかにする。

クリフ・ギルバート

X-ARMYのリーダーを務める金髪の青年。「魔王」の異名を持つ念動力能力者で、同じ念動力能力者のキャロルとは比較にならない強大な力を持つ。幼い頃は、物心ついてからずっとエグリゴリの実験施設で、超能力のモルモット扱いされて過ごした。妹のユーゴー・ギルバートは早くに超能力に覚醒したが、自身は一向に目覚めず、「無能力者」の烙印を押され、科学者から虐待紛(まが)いの仕打ちを受ける。コンプレックスと憎しみを爆発させ、念動力を目覚めさせたため、力に飲み込まれ傲慢な性格となった。同じ境遇の仲間達をエグリゴリから救いたいという思いも合わさり、高槻涼のジャバウォックを殺す事で、X-ARMYの有用性を示す事を目論む。仲間達をぶつけ、涼の憎しみを煽ってジャバウォックを目覚めさせるが敗北。暴走するジャバウォックに殺される寸前まで追い詰められるが、ユーゴの献身と涼と仲間達の絆に救われた。その後は涼と和解し、再会を約束して仲間を救いに旅立つが、レッドキャップスの待ち伏せに遭う。ユーゴとキャロルを逃がす事に成功するが、キース・レッドに殺された。

ユーゴー・ギルバート

X-ARMYに所属する金髪の女性。クリフ・ギルバートの妹で、「天使ユーゴ」の異名を持つ世界最強のテレパシスト。兄に協力しているが、本来は心優しい性格で、兄の所業に心を痛めている。ジャバウォックに懸命に抗う高槻涼の姿を見ている内にその思いは強くなり、兄の意に反して次第に彼に力を貸すようになる。戦いが終わったあとは、兄と共に旅立つが、直後にレッドキャップスに襲われて部隊は壊滅。兄とも死別したため、涼達一行に合流して力を貸すようになる。テレパシー能力は強力な反面、オンオフができず、無意識に人の心を読んでしまうもので、その力に苦しみつつも仲間の心をケアし、一行を支える力となる。久留間恵とは同性な事もあり、お互いに心を許して話し合える親友となる。また涼に惹かれているが、思い人の心の中にはすでに別の人間がいると知り、自分の入る余地がないとあきらめている。しかしそれでも涼を身近で支え、ジャバウォックの力に怯える涼の大きな支えとなった。ニューヨークの戦いではジャバウォックの精神世界に身体を送り込み、精神エネルギーを燃やし尽くして涼を救うが、ユーゴー・ギルバート自身も力を使い果たした事で死亡した。

アル・ボーエン

エグリゴリに所属する天才少年。チャペルの子供達の一人。栗色の髪で、利発そうな雰囲気を漂わせている。双子の弟であるジェフ・ボーエンにのみ心を許し、弟と共にARMSを狙って藍空東高校を襲撃する。知性は大人を圧倒的に凌駕するが、それゆえに周囲からいじめられていた。その後、同級生を自分達が作った毒ガスで全員殺害する事件を起こす。事件後、父親にも見捨てられ、殺されかかったため、逆に自分達の手で殺した。これらの経験からアルとジェフは心を閉ざし、傲慢な性格となっている。子供ならではの残酷さと無邪気さを持ち、ARMSを狙ったのも、エグリゴリの命令ではなく自分達の好奇心からだった。ゲームと称して高槻涼達を翻弄したが敗北。さらに独断で動いたのがエグリゴリにバレてキース・レッドに粛清され、ジェフを殺されてしまう。アルも殺されかけるが巴武士に助けられ、九死に一生を得る。その後は、涼や新宮隼人に半ば無理やり面倒を見られ、彼らと行動を共にするようになる。特に口の悪さから隼人によくゲンコツを見舞われているが、仲はよく、次第に凹凸コンビとなっていく。口では文句を言いつつも隼人達には仲間意識を抱いており、彼らが死にそうになった時は大きく取り乱した。

ガウス・ゴール

レッドキャップスのリーダーを務める少年。黒い髪を長く伸ばした子供のような姿をしているが、これはクローニングした若々しい体に脳を移植したためで、本来は80歳を超えるかなりの高齢。かつては「残忍なる知将」の異名を持つ心理戦のエキスパートで、恐怖と暴力で民衆を意のままにあやつるのを得意としていた。1979年の中東の都市で「スネーク狩り」と呼ばれる作戦を実行し、都市の人間を殺しつくした。その後、高齢となって引退する。齢を重ね、死を待つだけの状態となったが、新たな戦いを求めてエグリゴリに魂を売り渡し、若々しい体と超人部隊隊長の座を手にする。ARMS奪取のため藍空市で「スネーク狩り」を行うが、高槻美沙に作戦を見抜かれて失敗。そしてさらなる進化を果たしたジャバウォックに敗走し、逃げていたところ、クローンの肉体が急激に老化してしまう。最後はガウス・ゴール自身もまた捨て駒だった事を悟り、悪魔に魂を売り渡した事の意味を自覚し、笑いながら死んだ。

カール・ヒギンズ

エグリゴリにおいて、X-ARMYの実験体を踏み台にして作られたの戦闘部隊レッド・キャップスの指揮官で、ガウス・ゴールの副官。中性子爆弾の設置・護衛にあたり、高槻美沙・巴武士を食い止めるべく部隊を率いて戦闘する。

ラルフ・コールマン

ドレッドヘアーで身体の大きな黒人男性。反エグリゴリ組織・ブルーメン所属の傭兵。陽気で人当たりの良い性格。高槻涼達を何度も助ける。元は高槻巌・高槻美沙の部下。

キャロル

ベレー帽を被った少女。エグリゴリの実験体の一群・X-ARMYの一員。物体を自在に曲げる念動力を持ち、「ツイスター(螺旋)のキャロル」の異名を持つ。ユーゴー・ギルバートを姉と慕っている。高槻涼に闘いを挑み一方的に痛めつけるが、その意志の力で戦意を喪失する。その後は高槻涼達と共に闘うようになり、レッド・キャップスの作戦「スナーク狩り」では、新宮隼人と彼の祖父新宮十三、アル・ボーエンとチームを組む。 後に新宮十三に養女に迎え入れられ、キャロル・新宮と名乗る。

李 春香 (りー・ちゅにゃん)

口元にほくろのあるショートヘアーの知的な女性。中国・福建省出身。反エグリゴリ組織・ブルーメンの幹部で、最高意志決定者・ブルーに代わり指揮をする。警察官を辞めブルーメンの一員となった兜光一と同じく、かつては「正義の味方」になることが夢だった。

新宮 十三 (しんぐう じゅうぞう)

白髪で髭を生やした小柄な老人。新宮隼人の祖父であり、育ての親。新宮流古武術の師範であり、ARMSを宿す新宮隼人も敵わないほどの腕を持つ。高槻涼の母・高槻美沙らと共にエグリゴリとの闘いに加わり、後にキャロルを養女に迎える。

高槻 巌 (たかつき いわお)

高槻涼の父親。中折れ帽子にスーツを身につけた商社勤務のサラリーマンで、現在は単身赴任をして家を留守にしている。「通りすがりのサラリーマン」という肩書きを愛用し、名乗りの際には大体その肩書きを使っている。涼にサバイバル技術を叩き込んだ師匠ともいうべき存在で、趣味で忍術を嗜んでいると語る。アメリカの荒野で熱中症で倒れた久留間恵を助け、リーダーが何たるかを説いたり、自分の無力感に打ちのめされた新宮隼人に「水の心」に至る道を示して導いたり、要所要所で現れて一行を助けている。その正体は、鐙沢村の忍者の家系に生まれた正真正銘の忍者にして、史上最強の傭兵夫婦の夫であり、「静かなる狼」の異名を持つエージェント。かつてアメリカの諜報機関が総力をあげて潰そうとしたが、その戦いでも勝利しているほど。ニューヨークのブラックハーレムでは、マフィアを倒して平和を取り戻した事から「ウィンド」の名で親しまれている。故郷を滅ぼした弟を探しており、名と顔を変えたジェームズ・ホワンこそが弟だと確信して、彼の前に現れる。グランドキャニオンで、ジャバウォックの化石化した爪を密かに回収して所持しており、ARMS殺しの力が宿る爪を使う事で対ARMS戦でも圧倒的な戦闘力を見せた。

高槻 美沙 (たかつき みさ)

高槻涼の母親。近所でも評判の若奥様で、明るく人当たりのいい性格で、赤木カツミからも名前に「ちゃん」付けで呼ばれ、懐かれている。現在は夫の高槻巌が単身赴任な事もあり、仮初の独身気分を楽しみながら家事に精を出している。世話好きで、涼がアル・ボーエンを連れて来た際も、訳も聞かずに甲斐甲斐しく世話を焼いた。涼すら知らなかったが、その正体は歴戦の傭兵ですら恐れる史上最強の傭兵夫婦の妻であり、「笑う女豹」「地獄の黒魔女」などさまざまな異名を持つ伝説的な存在。また、ガウス・ゴールによれば、少なくても13回は死んでいるはずという、謎多き人物でもある。襲い掛かって来たエグリゴリのサイボーグ兵士ですら涼しい顔で返り討ちにするほどの技量を持ち、その機敏な身のこなしはテレパシー能力を持つレッドキャップスですら見切れないほど。また、単純な戦闘能力だけではなく戦略眼にも秀でており、ガウスの「スネーク狩り」を見抜き、すぐに効果的な対抗策を編み出した。涼とは血がつながっていないが、本当の息子と思っており、母親として彼を支えて導いている。

キース・レッド

エグリゴリの男性エージェント。金髪の青年で、暴走したアル・ボーエン、ジェフ・ボーエンを粛清するため、藍空東高校に現れた。高槻涼達と同じくARMSを持つ存在で、新宮隼人からは義父を殺した仇として恨まれている。移植されているのは、アドバンストARMS「幻獣(グリフォン)」。通常形態は右腕を隼人と同じようにブレードのように変形して戦うほか、超振動をあやつる能力を持つ。この能力をブレードに使えば超振動ブレードとなり、あらゆる物を切り裂く鋭利な刃物となるほか、生身の左腕から放って対象を内部から破裂させる事も可能。鐙沢村でジャバウォックの暴走からデータを収集する事で最終形態にも目覚め、さらに強力な力を手にした。実はキース・シリーズの一人だが、その中でも欠陥品の烙印を押され、正式なシリーズの一員とは認めらていない。隼人も義父を殺した仇と誤解していたが、鐙沢村を襲撃したキースとは別人だった。ガウス・ゴールと共に「スネーク狩り」を実行して隼人を追い詰めるが、ナイトの力を覚醒させた隼人に敗北。ARMSのコアを破壊されて死亡した。

オスカー・ブレンテン

チャペルの子供達の一人で、ギャローズ・ベルに集められた子供達のリーダーを務める少年。自分達をエグリゴリに売った親達や、実験体として扱うエグリゴリを憎悪しており、エグリゴリへの反逆のため高槻涼らオリジナルARMSを手にしようと、手駒の猟犬部隊を使って襲撃した。大人顔負けの知性を持つが、年相応な部分もあり、猟犬部隊隊長のスティンガーに父性を感じ、彼を内心では慕っている。またアル・ボーエンを天才として認めており、彼にギャローズ・ベルに保管されていたアザゼルを見せた。涼達との戦いに命を燃やすスティンガーを見て、彼の命を守るため敗北を受け入れる。その後は証拠隠滅のため自分達諸共、町を殲滅しようとするエグリゴリの特殊部隊から仲間達を守るため涼達と共闘。自分をエグリゴリに売って自堕落な生活をする父親を軽蔑していたが、町から逃亡する際、父親が自らの命を引き換えにして血路を開いた時には涙を流して慟哭した。グランドキャニオンの戦いで、多くの仲間を失いつつ生き残る。ケガの治療のため別れたが、別れ際にアルにアザゼルの全記録の入ったCD-ROMを渡した。

スティンガー

強化人間で構成された猟犬部隊の隊長を務める中年の男性。エグリゴリの実験によって体を改造されたが、失敗作として廃棄処分となる。その後、紆余曲折の末、オスカー・ブレンテンに拾われ、彼らのために戦う事を決意する。オスカーからは父親として慕われており、スティンガーも決して裏切らない大人がいる事を、オスターをはじめとするチャペルの子供達に教えたいと思っている。アドレナリンを過剰分泌させる事で人間の潜在能力を自在に引き出せる強化人間で、戦闘が激化すればするほどその戦闘能力は飛躍的に高まる。またスティンガー自身、歴戦の戦士であるため、部隊の連携は高槻涼をして手強いと言わせるほど。しかしアドレナリンの過剰分泌は肉体に多大な負担を与える諸刃の剣(つるぎ)で、戦闘が激化すれば、高まる戦闘能力に応じて生命に多大なリスクが生じる。涼達との戦いでは命と引き換えても彼らを倒そうとするが、使命感に燃える余り本来の目的を見失っていた事を実感。戦いの余波に巻き込まれて死に掛けたオスカーが、巴武士に救われたのをきっかけにして敗北を受け入れた。その後は町から撤退する時に涼と共闘し、彼に戦いが何たるかを説いて激励した。藍空市で行われた最終決戦にも駆けつけ、涼達の援護をする。

キース・バイオレット

エグリゴリの最高幹部を務める金髪の女性。キース・シリーズの中で唯一の女性型で、アドバンストARMS「三日月兎(マーチ・ヘア)」が移植されている。アリスの「悲哀」の意思が託されており、本心ではオリジナルARMSと自分達、キース・シリーズが過酷な運命に翻弄されている事を悲しみ、破滅の運命を避けるため独自に行動をしていた。そのためたびたび、高槻涼や新宮隼人の前に現れ、警告にも似た言葉を残して去っている。ほかのキース・シリーズの事は家族のように大事に思っており、ニューヨークでは彼らを救うためサミュエル・ティリングハーストと赤木カツミの身柄の交換を提案するが、すでに時遅く失敗。その後、計画を止めるため、その中核となる涼を殺そうとし、隼人と戦う。ARMSの持つ能力「バロールの魔眼」は、光を自在にあやつる事で精密な幻影を作って敵を惑わすほか、光を収束する事でレーザーとして使う事も可能。悲しみの中で隼人と戦うが敗北し、涼達と和解。兄と慕うキース・ブラックと戦う事は躊躇(ためら)っていたが、ブラックがキース・ホワイトに乗っ取られたのを知ったあとは、涼達と共にホワイトと戦う覚悟を決める。

キース・ブラック

エグリゴリの最高幹部を務める青年。金色の髪を長く伸ばしている。キース・シリーズの初めての成功例で、ほかのキース・シリーズからは兄と慕われている。移植されているアドバンストARMS「神の卵」には、アリスの「絶望」が色濃く受け継がれており、キース・ブラック自身、黒いアリスの意のままに動く存在となっている。幼い頃はのちにキース・ブルーとなる少年「エドワウ」と兄弟ともいえる関係で、彼に「セロ」という名前を付けられ、呼ばれていた。しかしエドワウのARMS適合失敗、そして自らが初のARMS適合者となった事で運命が分かたれてしまう。エドワウと別れたあとは、黒いアリスの意思に従ってエグリゴリを乗っ取り、「プロジェクト・ジャバウォック」発動のためあらゆるものを利用して生きて来た。鐙沢村を襲撃したのもブラックで、新宮隼人が探す本物の仇である。しかしそれらは自分の意思ではなく、神の卵に取り込んだキース・ホワイトの意思だと、次第に気づくようになる。黒いアリスの絶望とホワイトの妄執に取り憑かれている自身を抹消する事を決めるが、皮肉にも神の卵の圧倒的な力は死ぬ事すら許さなかった。そしてニューヨークの戦いで「ARMS殺し」の力を持つジャバウォックの爪に自ら切り裂かれにいくが、それによってホワイトの復活を許し、体を乗っ取られてしまう。

キース・グリーン

エグリゴリの最高幹部を務める金髪の少年。キース・シリーズの中では最年少で、高槻涼達と同年代。アドバンストARMS「チャシャ猫(チャシャキャット)」を宿し、アリスの「希望」の意思が託されている。空間をあやつる力を持ち、瞬間移動や空間の断裂を利用した攻撃を得意とする。研究者やほかのキース・シリーズとしか過ごして来なかった経験から、当初は人間の超越種として生み出された自らの境遇になにも疑問を持たず、傲慢な性格をしていた。しかし、鐙沢村の戦いで密かに赤木カツミを助け、彼女と交友を育むうち、次第に彼女に惹かれていく。カツミからは弟のようにしか思われていない事を実感しており、高槻涼を嫉妬し、彼に対抗心を抱く。グランドキャニオンの戦いでは涼達の先回りをし、彼らを襲撃。チャペルの子供達や町の住人達を虐殺する。涼への嫉妬から来る行動だったが、皮肉にもその行動が涼の憎しみを増大させて「プログラム・ジャバウォック」の計画を進行。それに伴ってカツミに命の危機が訪れている事を知る。カツミを助けるため、キース・ブラックに戦いを挑むが手も足も出ず敗北。最期はカツミを救うため涼をブラックのもとへ送り出し、カツミに看取られながら死亡した。

キース・シルバー

エグリゴリの最高幹部を務める金髪の青年。アドバンストARMS「帽子屋(マッドハッター)」を宿し、アリスによって「闘争」の運命を与えられた。幼い頃はキース・シリーズとして生み出されたが、「アレックス」という名を与えられ、看護婦や教師にかわいがられながら育てられた。その頃は温和な性格をしていたが、キース・ブラックの命令で育ての親達を自らの手で殺し、意図的に現在の戦いを求める苛烈な性格へと調整される。移植された帽子屋は荷電粒子砲「ブリューナクの槍」をあやつる強力な攻撃力を持つ。また、荷電粒子を自らにまとわせる事でバリアーとしても使用可能。ギャローズ・ベルの戦いでは感情のまま闘争を求め、ジャバウォックと対決。ジャバウォックに、さらなる進化をもたらす糧となってしまう。ジャバウォックによって負わされた負傷を治療されている中で自身を見つめ直し、ニューヨークでは自らの意思で再びジャバウォックと戦う事を改めて選択する。一方、キース・グリーンには兄弟の情を見せており、彼にも自らの意思で自分の運命を選択するように後押しした。最期は高槻涼に敗北を認め、警告と激励を送って死亡した。

サミュエル・ティリングハースト

エグリゴリ最高科学顧問を務める老齢の男性。ユダヤ系アメリカ人で、年齢は75歳。ARMSをめぐる陰謀の中核にかかわっており、情報を欲した高槻涼にさらわれる。世界でも最高峰の頭脳を持つが、偏屈でマイペースな性格をしており、さらわれた際もオリジナルARMSを研究するため、むしろ自ら進んで涼についていった。世界すべてに絶望し、長いあいだ心を閉ざして生きて来たため、ユーゴー・ギルバートですら心を見通せず、真実を語ろうともしなかった。しかし、残酷な運命に翻弄されても決してあきらめない涼達の姿を見て覚悟を決め、彼らに真実を告げる。実は1946年にアザゼルを最初に研究した科学者で、キース・ホワイトにスカウトされ、好奇心に負けて数々の非人道的な実験にかかわった。だが本来は良識のある人物で、心の中ではつねに罪悪感を抱えており、自らを父と慕うアリスを失った事で、その心は限界を迎えてしまう。のちに、始まりのARMS「アリス」の中にアリスが生きている事を知り、再び研究を続けたが、心は磨耗し続ける。その中で、出会った高槻巌にキース・ブルーとオリジナルARMSを託した。ニューヨークの戦いでは、自らの身柄と引き換えに赤木カツミを取り戻すため、高槻涼達に同行。その後、戦いに巻き込まれ、身を挺してアル・ボーエンを爆発から守って死亡した。

キース・ブルー

ブルーメンの創始者で、最高責任者を務める青年。組織内では「ブルー」の名前以外、その詳細が伏せられた謎の人物で、正体を知るのはわずかな幹部のみ。その正体はキース・シリーズの失敗作で、キース・シリーズに唯一採用されなかったカラー「ブルー」の名を冠する者である。キース・シリーズの最初期に作られ、死にはしなかったもののARMSへの適合に失敗し、あとは死を待つだけの身となっていた。しかし、高槻巌達の侵入をきっかけにして、サミュエル・ティリングハーストに「ブルー」の名とオリジナルARMSを託されて脱出。各地の反エグリゴリ組織をまとめ上げ、ブルーメンを結成した。幼い頃からキース・シリーズの中でも変わり者で、のちにキース・ブラックとなったキースとお互いに名前を付け合い、幼い頃は心を許した人間に、ブラックに付けられた名前「エドワウ」を名乗っていた。その体はARMSに侵食されており、ふだんはそれを抑えるためリミッターを設け、制限された身体能力を補うため車椅子を使って生活をしている。しかし、鐙沢村でキース・ホワイトに追い詰められた高槻涼達を助けるためリミッターを解除。アドバンストARMS「眠り鼠(ドーマウス)」を発動して、ホワイトと戦い死亡した。命と引き換えにしたこの戦いは、ホワイトの野望を打ち砕く大きなきっかけとなった。

コウ・カルナギ

エグリゴリの収容施設「アサイラム]に収容されている大男。獰猛な顔つきで、筋骨隆々とした大柄な体格をしている。「牙」の通称を持ち、アサイラムの中でも最も危険な存在といわれている。特別な改造をいっさい受けていない生身にもかかわらず、戦闘サイボーグですら軽々と打ち倒し、オリジナルARMSを複数相手にしても圧倒するほど常識はずれな身体能力を持つ。性格も凶暴そのもので、つねに戦いを求め、強者との戦いをなにより好む。気分によっては命令も平気で無視するため、非常に扱いにくい人物だが、ジェームズ・ホワンに「ワーム」で脅されて渋々従う事となる。オリジナルARMSとの戦いでは、一度は彼らを叩きのめすが、「水の心」を得た新宮隼人に敗北。その後、ホワンからワームの制御装置を奪って逃げ出そうとするが、実は騙されていた事を暴露されたうえに叩きのめされる。以降は行方をくらませていたが、藍空市の最終決戦に参戦。ホワンとの再戦を条件に、一時的に涼達に力を貸す。

ジェームズ・ホワン

エグリゴリの収容施設「アサイラム]に収容されている盲目の男性。「占い」と称する遠隔透視能力を持ち、逃げ隠れする対象を探し出す事に関しては随一の才能を発揮する。キース・グリーンにサミュエル・ティリングハーストの奪還を依頼され、コウ・カルナギ、ラヴィニア・ウェイトリーと共に、高槻涼達を襲撃する。痛みを与える「ワーム」のスイッチを使ってコウの手綱を握り、三人の中でリーダー格として振る舞う。非常にうさんくさい性格をしており、仲間内でも不信に思われている。その正体は高槻巌の弟、高槻崖で、10年前に起きた新宮隼人の故郷、鐙沢村の襲撃事件を引き起こした元凶。鐙沢村で生まれ育ったが、自らの異能を恐れて差別した住人を憎悪し、復讐のために村をエグリゴリに売り渡した。遠隔透視能力と称した能力の正体は空間干渉能力で、グリーンの持つ空間干渉能力の遺伝子提供者。そのためふだんは隠しているが、グリーンと同じように空間移動や空間を利用した攻撃も可能。村を滅ぼした事で兄に仇敵として狙われ、殺されかかったため、キース・ブラックと取り引きし、整形したうえでアセイラムに匿われていた。

キース・ホワイト

エグリゴリにかつて所属していた科学者の青年。1946年、アザゼルを発見したサミュエル・ティリングハーストをスカウトし、彼と共にアザゼルの研究をする。目的のためなら手段を選ばない冷酷な人物で、非人道的な研究も率先して行った。アリスを生み出した存在であるため、彼女から父と慕われている。一見するとアリスを大事にしているが、その思いも、役に立つ道具に向ける程度でしかなく、内心では一片の愛情も抱いていない。アリスの死によって責任を問われて一時は失脚するが、のちにエグリゴリの最高幹部にまで上り詰め、アザゼルと人の融合であるARMS計画を立ち上げる。究極の進化に焦がれており、キース・ホワイト自身の分身であるキース・シリーズを生み出し、非人道的な実験を繰り返す。その果てにキース・ブラックを生み出すが、彼の反乱によって死亡した。実はその意思はブラックの「神の卵」の中で生き続けており、高槻涼の攻撃によって神の卵の殻が壊れた事で復活する。黒いアリスの意思すら利用して究極の進化をする事を望んでおり、すべての元凶にして最大の敵として涼達の前に立ち塞がる。

ラヴィニア・ウェイトリー

エグリゴリの収容施設「アサイラム]に収容されている女性。ニューイングランドのダンウィッチで、魔女の家系であるウェイトリー家の長女。「悪夢」の通称で呼ばれるテレパシストで、他者の心を読み、幻覚を見せる能力を持つ。しかし、周囲の人間に能力を散々利用されて迫害された過去を持ち、その際に息子も失っている。サミュエル・ティリングハースト奪還の依頼を受け、コウ・カルナギと共に高槻涼たちを襲い、同じテレパシストのユーゴー・ギルバートと戦う。天使と呼ばれるユーゴに対抗心を抱き、テレパシー能力で彼女の罪悪感を暴き出そうとするも、過去を受け入れ、未来へとつなごうとするユーゴは罪悪感にゆらがず、逆にラヴィニア・ウェイトリー自身が胸に隠していた罪悪感を暴かれて敗北した。

ホワイトラビット

巴武士のオリジナルARMSに宿る意思。通常形態は武士の両脚が変形し、強力な脚力と跳躍力を発揮する。目にも止まらない高速移動も可能で、その機動力は全ARMS中随一。最終形態は兎と鳥を組み合わせた細身の姿で、翼が生えて飛翔する事が可能となる。通常形態を遥かに超える高速移動ができ、音速で飛ぶ事も可能。目立った武装は存在しないが、音速での飛行はその余波だけで強烈な武器となる。白いアリスの「勇気」から生まれた存在で、その役割は童話のアリスを導いた白兎にちなんで「導く者」。適合者が正しい道を進めるように導き、プログラム・ジャバウォックが発動した場合、ナイトと共にジャバウォックを止めるのを役目とする。武士がコウ・カルナギとの戦いで生死不明の重傷を負った際に、武士の精神世界で白い兎の姿となって現れ、彼にARMSとアリスの真実を伝え、覚悟を問う。武士が目覚める際に、想定外の白いアリスを連れ出すという選択肢を取った事で、白いフィールドを発生させるという新たな力に目覚める。フィールドは空間の断裂すら無効化し、「ARMS殺し」の力を持つため、ホワイトラビットの高速移動と合わせる事で非常に強力な能力となっている。

キクロプス

X-ARMYに所属する男性。エグリゴリの実験体として幼い頃より組織に育てられ、神経細胞に突然変異を起こす新薬の実験台にされた事であらゆる光線、電磁場を知覚できる超人的視力を得た。それによって「千里眼のキクロプス」の異名を得るも、代償として声を失い、両目も血走るように変異してしまった。そのため、ふだんは特徴的なゴーグルを身につけて両目を隠している。両の目は透視能力や遠視、暗視などさまざまな能力を持ち、さらに光線を自在にあやつる能力もある。これを応用する事で、目で見た場所に位相をそろえた光線を発射する事で、対象を燃やす事も可能。キクロプス自身のナイフの技量も合わさって、遠近にスキのない存在となっている。あらゆる光線を見て、あやつる事ができるが、その能力ゆえに光を乱反射する鏡が弱点。高槻涼との戦いでは、一時は優位に立つも、ミラーハウスに誘い込まれて敗北した。無口で自分の感情を表に出す事はなかったが、仲間思いで、戦いのあとはクリフ・ギルバートと共に旅立った。しかしその直後、レッドキャップスの待ち伏せに遭って死亡した。

デューイ・グラハム

エグリゴリのサイボーグ関連の総責任者を務めていた男性科学者。サイボーグ研究の集大成としてネクストを生み出し、自らも肉体を捨ててネクストとなる。現在はエグリゴリの本拠地、カリヨンタワーの中核を成す巨大コンピューターとなっており、タワー内部のシステム統括を行っている。死んだ息子のヒューイ・グラハムをよみがえらせるために研究にすべてを捧げたが、その結果、自分のエゴで人間として死んだヒューイを再び狂気の世界に舞い戻らせたと気づく。またネクストも「完璧な人間」を作ろうとするあまり「人として大事な物」が存在しない事を知る。自らの過ちを認めたデューイ・グラハムはアル・ボーエンたちを試し、みごと試練を乗り越えた彼らに自ら破壊する役割を与えた。最期はサミュエル・ティリングハーストに引導を渡され、崩れ去るカリヨンタワーと運命を共にした。

黒いアリス

アザゼルに取り込まれ、心が二つに分割されたアリスの片割れ。人を憎悪する心を持ったアリスで、人を愛する白いアリスとは対をなす存在。始まりのARMS「アリス」の中で、白いアリスと絶妙なパワーバランスで共存している。アリスが抱いていた外の世界と「自由」へのあこがれが、人間への憎悪によって歪み、世界から人類を一掃して完璧な世界を作る事を夢見ている。それを実現させるために「プロジェクト・ジャバウォック」を立案し、実現のためにジャバウォックを生み出した。幼い頃のキース・ブラックにささやきかけ、彼をあやつり人形にしてエグリゴリを支配。超巨大コンピューターとなった「アリス」を使って、計画実現のために暗躍していた。ニューヨークの戦いで計画を実行するものの、高槻涼と仲間たちの抵抗、そして何より自身から生まれたジャバウォック自身に反旗を翻されて失敗。さらに白いアリスの捨て身の攻撃を食らって消滅寸前となる。しかし、死の間際に赤木カツミと触れ合った事で偶発的に融合。新たなARMS「パンダースナッチ」となった。

ヨハン・ホルスト

ブルーメンのヨーロッパサイボーグ特殊部隊「ドラッケン」の隊長を務める男性サイボーグ。自分たちを捨て石としか思っていないエグリゴリを憎悪しており、エグリゴリから離反。まともなメンテナンスを受けられなくなっても、その闘志はいささかも衰えない、ブルーメン最強の部隊。現在は耐用年数が過ぎた機械の体を、仲間内で死んだ仲間の部品を融通し合って、かろうじて命をつないでいる。「クリムゾン・トライアッド」のガシュレーはかつての戦友。ARMSの研究の捨て石にされたため、高槻涼たちにも反感を抱いており、彼らを試すためにあえて襲撃する。しかし、ジャバウォックの力を恐れて本気を出さない涼に失望。ブルーメンから離脱すると宣言する。その後、迷いを振り払った涼が人間として自分たちと戦う姿を認め、共闘を約束する。サイボーグの体は圧倒的なパワーとスピードを持ち、さらに背中には蟹の手足のような4本腕が多角的な攻撃を可能としている。ニューヨークの決戦ではネクストとなったかつての上司であるクラーク・ノイマンと戦い、激戦の果てに撃破した。

ハインツ

エグリゴリにモデュレイテッドARMSを移植された青年。モデュレイテッドARMS適合者で構成された部隊を率いる隊長で、部隊を率いてオリジナルARMSの力を失った高槻涼と仲間たちの前に立ち塞がる。自分たちを選ばれた新しい人類だと信じて疑わず、力を失った涼たちを見下していたが、鐙沢村では自分たちのARMSの力を過信するあまり敗北。藍空市の戦いでは、合流したコウ・カルナギの圧倒的なパワーを前になすすべなく敗れたのをきっかけにして、コンプレックスを爆発させ、二度と元に戻れなくなるのと引き換えにARMSを最終形態へと進化させる。

フェイス

エグリゴリのサイボーグ兵士で、中肉中背の男性。ガシュレー、ビイと共にチーム「クリムゾン・トライアッド」を結成。鐙沢村のエグリゴリ研究施設の防衛に当たっていた。サイボーグに改造された際に、体の間接が取り払われ、軟体動物のように自在に体を折り曲げられる体となった。通常の人間ではできないトリッキーな動きを可能とし、その動きは攻撃も回避も先読みがしづらく、非常に凶悪。フェイス自身、狡猾で残忍な性格をしており、対象をいたぶって殺す事に快感を覚える。また高度な擬態能力を持ち、これによって敵の身近な人物に変装して、だまし討ちを行うのを得意とする。鐙沢村では新宮隼人と戦い、隼人の母親にまで変装して不意打ちをしようともくろむが、隼人の逆鱗に触れて敗北、致命傷を負って死亡した。

クラーク・ノイマン

エグリゴリによって作られたネクスト。かつてはヨハン・ホルストの上官で生身の肉体を持つ人間だったが、人間の体を捨ててネクストとなった。現在は人格や記憶のデータを複製し、そのデータを無数のボディに転送しているため、一見すると同じ記憶と顔をした無数の人間がいるような、異様な状況となっている。ヒューイ・グラハムと共に無数のボディを使い、高槻涼と戦った。最期はデューイに人格のバックアップデータを消去させられ、崩れ去るカリヨンタワーと運命を共にした。

パンダースナッチ

ニューヨークの戦いで消滅しかかった黒いアリスが、偶発的に赤木カツミと融合した事で生まれた新たなARMS。ほかのARMSと違い、コアを移植せず、黒いアリスが融合した事で体内でコアが生成されてARMSとなった異色の存在。黒いアリスの意思が内包されているため、オリジナルARMS同様に意思の宿ったARMSとなっている。誕生当初はカツミの中で静かに成長していき、成長に伴ってアリスとカツミの姿が合わさったような姿へと変貌していく。最終形態は体表が白く、髪が逆立った筋骨隆々とした鬼のようなもので、さながら白いジャバウォックとでもいうべき姿となっている。能力も、炎の力を持つジャバウォックと対照的な氷をあやつる力。キース・バイオレットの「三月兎」のようにナノマシンを散布し、空気中の窒素を液体化する事で極低温環境を作り出す。その力は気候すら変化させ、吹雪を生み出すほどで、その力は「滅びの神獣」ともたとえられた。鐙沢村で完全に覚醒したのち、黒いアリスの意思によって人類を滅ぼす「プロジェクト・パンダースナッチ」の発動を行おうとする。

ガシュレー

エグリゴリのサイボーグ兵士で、たくましい体つきの大男。妹のビイ、弟のフェイスと共にチーム「クリムゾン・トライアッド」を結成し、鐙沢村のエグリゴリ研究施設の防衛に当たっていた。全身をチタンとスチールの複合装甲で覆ったヘヴィー級サイボーグで、圧倒的なパワーと防御力を誇る。敵対者はいかなる者であろうと全力で叩き潰す矜持を持ち、「戦士」である事にこだわる。高槻涼を強敵と認め、全力で戦いを挑むが敗北した。敵であれば弱者にも容赦はしない人物だが、無抵抗な民衆をいたぶる事は嫌悪する高潔な部分もあり、キース・レッドの軍勢が鐙沢村の住人を虐殺しようとした際には矢面に立って敵と戦い、壮絶な戦いの果てに戦士として戦場に散った。彼の戦士としての矜持は涼にも思うところがあったらしく、彼との出会い以降、涼は戦士としての自覚を芽生えさせていく。ブルーメンのヨハン・ホルストとは古い友人だった模様。

ヒューイ・グラハム

エグリゴリによって作られたネクストの一人。デューイ・グラハムの死んだ息子のデータがインプットされており、男性の姿をしている。カリヨンタワーの最高責任者で、無数のクラーク・ノイマンを率いるネクストのリーダー的役割を担う。圧倒的な性能を誇る新型ボディに、多彩な武装を持ち、その戦闘能力は非常に強大。カリヨンタワーの戦いで高槻涼や久留間恵を追い詰めるが、アル・ボーエンがデューイの試練を乗り越えた事で父親の真意を聞く。最期はデューイに人格のバックアップデータを消去させられ、父親の事を思いながら崩れ去るカリヨンタワーと運命を共にした。

ナイト

新宮隼人のオリジナルARMSに宿る意思。通常形態は隼人の右腕が変形し、カギ爪や剣状の形をしている。ブレードの高度は全ARMS中最硬と評され、鋼ですらたやすく切り裂くほど。最終形態は巨大な槍と盾を持った騎士甲冑で、まさしく「騎士」というべき姿。槍は「ARMS殺し」の力を持った魔槍「ミストルテインの槍」で、対ARMS戦では非常に強力な武装となっている。白いアリスの「仁愛」の心が受け継がれており、人を守り、慈しむ事に喜びを覚える高潔な精神を持つ。隼人が復讐よりも人を守ろうとする意思を見せた事で目覚め、彼に力を貸すようになる。与えられた役割はジャバウォックの暴走に対するカウンター。プログラム・ジャバウォックが発動した場合、ホワイトラビットと共に高槻涼を殺し、ジャバウォックの存在を抹消するべしと考えている。そのため、時に隼人の意思を無視してジャバウォックに牙をむく事もある。一時期、そのせいで隼人との関係が険悪なものとなったが、コウ・カルナギの戦いを経て成長した隼人が覚悟を決めた事で関係が修復された。キース・バイオレットとの戦いでは、隼人の覚悟とバイオレットの悲しみから「人間」を実感、新たな力を目覚めさせる。

クイーン・オブ・ハート

久留間恵のオリジナルARMSに宿る意思。オリジナルARMSの中で唯一の戦術偵察型で、肉体を変化させる戦闘型と違い、発動状態もいっさい見た目は変わらない。その代わり、空気の流れから熱源探知まで見通す超視力を得られ、情報処理能力はARMSの中でも随一。また最終形態の発動もほかのARMSと違い、恵の肉体には変化が訪れず、光輝くエネルギーがホログラムのような姿をとる形で現れる。その姿は仮面をして豪奢なドレスを身につけた女性の姿で、厳かな雰囲気を漂わせている。最終形態は直接的な攻撃力はないが、あらゆる攻撃を反射する無敵の盾「アイギスの鏡」を使用する事が可能。自身の在り様に疑いを抱いた白いアリスが、自身に「審判」を下すために生み出した存在で、その性質は中立、公正。誕生の経緯からお互いに争うように設計されている、ほかのオリジナルARMSの仲裁を役割とする。実はクイーン・オブ・ハート自身を含めたすべてのARMSを消滅させる禁断の力を持ち、プログラム・ジャバウォック発動時には「審判者」として、自らの適合者である恵にその判断を委ねた。最終形態の仮面の下にはアリスの素顔があり、オリジナルARMSの中で最もアリスの意思を色濃く受け継いだ存在。

アリス

チャペルの子供達計画で誕生した最初の子供。人類最高の頭脳とアザゼルへの完全な適性を持つ少女。よわい9歳でエグリゴリの研究機関で一定の成果を上げる天才で、自然界には存在しない青いバラ「ブルーウィッシュ」を独自に品種改良で生み出したり、1960年代のコンピューターでアザゼル-βに膨大なデータを入力して人間を学習させたりと、目覚ましい活躍を見せる。また心優しく、今まで見た事がない外の世界にあこがれるなど、年相応な部分もある。アザゼル移植の実験体の子供たちからも慕われていたが、使い捨てされている子供たちの扱いに心痛めていた。子供たちが処分される事を知り、エグリゴリを脱走する事を決意するも、キース・ホワイトによってその思いも踏みにじられてしまう。末期の瞬間、人類への「絶望」と「憎悪」が膨れ上がり、それに呼応したアザゼル-βを融合。アリスはアザゼルと融合する事で始まりのARMS「アリス」へと変貌し、四つのオリジナルARMSを生み出す事となった。アリスの人格は、末期に抱いた憎悪に染まった黒いアリスと、本来の心優しく理性的な部分を持った白いアリスへと分割され、始まりのARMS「アリス」の中で共存する事となる。

ビイ

エグリゴリのサイボーグ兵士で、細身の体の女性。ガシュレー、フェイスと共にチーム「クリムゾン・トライアッド」を結成。鐙沢村のエグリゴリ研究施設の防衛に当たっていた。背中から羽を生やし、飛行と高速移動を行う事ができる飛行試験型サイボーグ。脳内にアクセラレーターを搭載する事で亜音速での戦闘も可能とし、高速移動で生まれる衝撃波だけで敵をズタズタに引き裂く事が可能。サイボーグに改造された自らの容姿にコンプレックスを抱いており、巴武士に「化け物」呼ばわりされた事を激昂。武士と戦うが、新たなARMS能力を目覚めさせた武士に敗北した。武士との戦いで、いつの間にか心まで残虐な行為を平気で行う本物の「化け物」になっていた事を自覚。武士に「自分たちのようにはなるな」と忠告し、ガシュレーと共に鐙沢村の住人を守るために戦い、死亡した。

ジャバウォック

高槻涼のオリジナルARMSに宿る意思。通常形態は涼の右腕が変形し、巨大な手甲のような形をしている。最終形態は髪が逆立った筋骨隆々とした大男のような姿で、高いパワーと機動力を誇る。成長性も著しく、強敵と戦うたび、新たな能力を身につけている。特に破壊力は絶大で、クリフ・ギルバートの念動力やキース・グリーンの空間の断裂すら打ち破るほど。エグリゴリですらそのスペックをすべて把握できず、正体不明の「変種」と評した。黒いアリスの「憎悪」から生まれた存在で、性格は極めて凶暴。燃え猛る感情のままにすべてを破壊しようとするため、その姿は「破壊の化身」ともたとえられる。制御の難しいオリジナルARMSの中でも、極めて制御が難しい力の塊で、涼も当初は制御に失敗し、たびたび暴走させていた。鐙沢村の戦いで赤木カツミを失った涼の憎悪と絶望に呼応して覚醒。黒いアリスの企てる「プログラム・ジャバウォック」にとって要といえる存在で、彼女のもくろみ通りに力を増大させていく。しかし涼と戦ううちに、彼と意思を疎通させて彼と共に生き、戦うという誓いを立てる。その後はジャバウォックなりに「人間」というものを学んでいく。

ヴォルフ

X-ARMYに所属する筋骨隆々とした大男。たくましい体つきに反して、女口調で話すオカマ。ガン細胞から抽出した特殊な遺伝子が肉体に組み込まれており、不死身にも等しい驚異的な再生能力を持つ。その不死身性は心臓に刃物をつきつけられても顔色一つ変えないレベルで、肉体に損傷を負っても瞬く間に再生する事ができる。これらの不死身性から「不死身のヴォルフ」の異名が付けられている。大柄な体格に見合ったパワーを持ち、不死身性を生かした捨て身の攻撃を得意とする。一方、自らの不死身性を過信するあまり、防御が不得意。高槻涼との戦いでは、その部分を見抜かれて脳をゆらされたうえで、締め技を極められた事で敗北した。性格は陽気で意外にも家庭的なところがある。仲間思いで、自分たちを使い捨ての実験体扱いしたエグリゴリには憎しみを抱いているため、戦いのあとはクリフ・ギルバートと共に旅立った。しかしその直後、レッドキャップスの待ち伏せに遭って死亡した。

白いアリス

アザゼルに取り込まれ、心が二つに分割されたアリスの片割れ。人を愛する心を持ったアリスで、人を憎悪する黒いアリスとは対をなす存在。始まりのARMS「アリス」の中で、黒いアリスと絶妙なパワーバランスで共存している。ジャバウォックを危険視し、ジャバウォックへのカウンターとしてナイト、ホワイトラビットを生み出し、さらに自分の判断を疑問視し、審判者となる者を選ぶためクイーン・オブ・ハートを生み出した。黒いアリスの企みを恐れ、それを防ぐために幼かった頃のキース・ブルーと交信し、オリジナルARMSを解き放つべしと伝える。超巨大コンピューターとなった「アリス」の中で、長らく黒いアリスを抑え込んでいたが、キース・ホワイトの復活によってパワーバランスが崩れて無力化されてしまう。その後、ホワイトラビットを通じて、巴武士と出会い、彼に連れ出される事で初めて外の世界に出た。人と世界を守るため、精神世界で「プログラム・ジャバウォック」を発動した黒いアリスと対峙。ユーゴー・ギルバートの力の使い方を学習し、白いアリス自身の体を自爆させて黒いアリスに捨て身の攻撃を加える。

集団・組織

レッドキャップス

エグリゴリが生み出した超人部隊。X-ARMYで培われたデータを使って生み出された部隊で、全員がヴォルフの持つ不死身の体、キクロプスの持つ千里眼、ユーゴー・ギルバートのテレパシー能力をバランスよく所持している。また歴戦の傭兵や軍人の脳を移植する事で、最強の戦士に最高の肉体を与える事に成功している。部隊のほとんどの人間が元は老人といわれる年齢の人間ばかりだが、新しい肉体に脳を移植された事で少年のような若々しい姿をしている。ガウス・ゴールがリーダーを務め、藍空市で「スネーク狩り」作戦を実行する。豊富な経験に、千里眼とテレパシーによる一糸乱れぬ連携、さらに不死身の再生能力を持つため、精強な部隊となっている。だが、強力な力を持った反動で恐怖心や警戒心が麻痺し、慎重さが失われて行動がアバウトになっているという大きな弱点が存在する。また部隊の人間は定期的に不老処理を受けなければ、肉体が一気に老化して死亡するというリスクを抱えている。

X-ARMY (えぐざみぃ)

エグリゴリの超能力者部隊。先天的に超能力を持って生まれた者、訓練によって後天的に発現した者、または投薬や遺伝子操作によって人為的に超能力やそれに近しい得意能力を付与された者で構成され、現在はクリフ・ギルバートが部隊の中核となって運用している。部隊に所属する者はほとんどが実験用のモルモットのような扱いをされた過去があり、エグリゴリには強い反抗心を抱いている。クリフの率いている部隊の人間以外にも世界中の実験施設に、彼らの仲間とされる超能力者たちがいたが、彼らから得たデータで作られたレッドキャップスによって壊滅させられ、クリフも最終形態に目覚めたキース・レッドに殺害された。そのため、部隊はユーゴー・ギルバートとキャロルを残して全滅した。

エグリゴリ

世界規模に影響を及ぼす事ができる秘密結社。各地で非人道的な実験を繰り返し、その隠滅のためなら街一つを消し去る事も厭わない危険な組織で、日本の警察ですら彼らのかかわる事件には手を出す事を禁じられている。その名前の由来は旧約聖書に登場する、人に知恵と技術を与えた堕天使「エグリゴリ」で、アメリカの複数の軍需産業が複合する事で生まれたとされる。エグリゴリはアザゼルを発見した事で、「プロジェクト・アームズ」という、人を超える新たな種を誕生させる計画を始動させる。多くの犠牲の果てにキース・ブラックという成功例を生み出すに至るが、1979年に黒いアリスの指示を受けたブラックによって最高幹部会を皆殺しにされ、組織を乗っ取られてしまう。その後、ブラックは始まりのARMSを巨大コンピューターとして使う事で、エグリゴリの影響力を増大。1990年代にはインターネットの発達に伴って、エグリゴリは世界中のコンピューターにアクセスできるようになり、核兵器の発射スイッチすら意のままにできるようになった。

ブルーメン

エグリゴリの暴虐に対抗するために生み出された反抗組織。20年ほど前に、エグリゴリの実験の犠牲者やエグリゴリの非人道的な行いに反発を抱いた者が集まって結成した。技術者や傭兵、科学者、果てはかつてエグリゴリに所属していたサイボーグ兵士まで所属し、幅広い人材をそろえて世界規模で活動している。現在のトップはキース・ブルーで、彼が持ち出したオリジナルARMSの研究も独自に行っている。巨大な組織だが、エグリゴリの影響力には遠く及ばず、各地で存在を偽装しながら抵抗運動を続けている。

イベント・出来事

プログラム・ジャバウォック

エグリゴリが遂行する謎の計画。高槻涼に移植されたオリジナルARMSのジャバウォックが計画の要となっている以外は、詳細を知る者はほとんどおらず、オリジナルARMS適合者と多くの人々を翻弄する。その計画の正体は黒いアリスが企てた、ジャバウォックを使った人類抹殺計画だった。計画はジャバウォックを覚醒させる第一段階、ジャバウォックを戦闘生命として成長させる第二段階、そして反物質を生み出せるまで成長したジャバウォックが、始まりのARMS「アリス」を吸収する第三段階が存在する。アリスを吸収して極大化したジャバウォックは、反物質を使って地球上から人類を一掃し、その後は黒いアリスの夢見る完璧な世界を作り出すのが計画の全貌だった。エグリゴリ最高幹部のキース・シリーズですら、実は計画遂行の駒でしかなく、すべては黒いアリスが裏で手を引いていた。また白いアリスはプログラム・ジャバウォックの発動を望んでおらず、ジャバウォックへのカウンターとしてナイトとホワイトラビットを生み出した。

その他キーワード

ARMS (あーむず)

肉体の一部を変形させ、金属化して戦う謎の兵器。ARMS所持者は、「コア」と呼ばれる特殊な球体を核に構成されており、ふだんは通常の人間と変わらない有機物の体に擬態しているが、有事の際には所有者の意思に従って体を金属化させ、その持ちうる特殊能力を行使する。炭素生命体とケイ素生命体のハイブリッド生命体で、金属の頑強さと人の柔軟性、さらに不死身に等しい再生能力を持つ。ARMSは基本的に肉体の一部を変形させるだけで、それ以外は通常の肉体と変わらない耐久度しか存在しないが、ARMSの力を完全に制御して解放する事で、全身を金属化して変形させる「最終形態」ともいうべき姿をとる事が可能。あらゆる攻撃に高い耐性を誇り、一度受けた攻撃には耐性を得る特性を持つ。またARMSは高い適応、進化能力を持つため、過酷な環境に置かれれば置かれるほどその戦闘力を加速度的に増大させていく。ARMSはアザゼルとアリスが融合した事で生まれたオリジナルARMSや、それを研究して生み出したアドバンストARMSなどの種類が存在する。

神の卵 (はんぷてぃだんぷてぃ)

キース・ブラックに宿るアドバンストARMS。アザゼルの持つ吸収能力をさらに特化させたもので、あらゆる物質、エネルギーを吸収する能力を持つ。この能力を使えばほかのARMSの能力を吸収して使用する事も可能で、ブラックはほかの兄弟が持つキース・バイオレットの「バロールの魔眼」、キース・シルバーの「ブリューナクの槍」、そしてキース・グリーンの空間転移能力も吸収し、使用できる状態となっている。「神剣フラガラッハ」や名称不明の翼のARMSなど、ほかにも多くのARMSの能力を吸収しており、その力は多彩。最終形態は黒い人型の巨人、全身を覆う黒い力場は吸収能力をさらに強化したもので、あらゆる攻撃を吸収する無敵の防御力を持つ。あらゆるものを吸収する無敵にも等しいARMSだが、キース・ホワイトを殺した際にその残留思念まで吸収してしまう。ブラックはホワイトの残留思念に長年、干渉され続けた結果、自らごとホワイトを抹消する事を決めるが、皮肉な事にあらゆる攻撃を吸収する神の卵は自死すら許さず、遂にはホワイトの復活を許してしまう。その後、ブラックを乗っ取ったホワイトは神の卵の吸収能力を利用して、巨大化したジャバウォックの能力を吸収する事をもくろむ。

チャペルの子供達 (ちるどれんおぶちゃぺる)

エグリゴリが行った「チャペル計画」で生み出された子供たちの総称。人工的に胎児の脳に干渉し、知的能力が高い人間を意図的に生み出す計画で、サミュエル・ティリングハーストが基礎理論を提唱して、それに目をつけたキース・ホワイトが主導して行った。アリスが最初に誕生して以降、計画的に生み出されており、アル・ボーエンもその一人。チャペルの子供達の両親はほとんどが理由を知らされず、偽りの情報で騙されて薬を投与され、子供たちを出産している。全員が乳児の段階で言葉を介するほどの優秀な頭脳を見せたが、その異質さから家族や社会から爪はじきになり、不遇な境遇を送っている者も多い。またアルとジェフ・ボーエンが毒ガス事件を引き起こした事で、真実が漏えいする事を恐れたエグリゴリによって子供たちは全員回収され、ギャローズ・ベルに送られる事となる。

アドバンストARMS (あどばんすとあーむず)

キース・シリーズに移植されているARMS。エグリゴリが自我を持つゆえに制御が難しいオリジナルARMSに見切りをつけ、より制御が容易なように、自我を持たない純粋なコアに戦闘用AIを搭載して生み出した。オリジナルARMSに比べて制御しやすいといっても適合率は低く、完成まで多くの犠牲者を生み出した。実は自我こそ宿していないがオリジナルARMSと同じく、完成された四つのアドバンストARMSにはアリスの意思が託されており、異なる四つの意思はそのままアリスの葛藤を象徴している。

オリジナルARMS (おりじなるあーむず)

アリスとアザゼルが融合した事で生まれたARMS。すべてのARMSの原型となった存在で、始まりのARMS「アリス」と共に生まれた。ジャバウォック、ナイト、ホワイトラビット、クイーン・オブ・ハートの四つが存在する。アザゼルと融合した際にアリスの人格は二つに分割され、白いアリスと黒いアリスとなり、さらに四つのオリジナルARMSにはそれぞれアリスの感情が色濃く受け継がれ、自我を形成している。ARMSの力の源泉である強い意志を持った存在で、所有者の意思と一体と化す事で絶大な力を発揮する反面、意思を持つがゆえにその制御は難解を極め、実験開始直後は適合は不可能と判断されたほど。そのためキース・ホワイトはオリジナルARMSの移植をあきらめ、アドバンストARMSを生み出す事となる。のちに良心の呵責に苛まれていたサミュエル・ティリングハーストがキース・ブルーに託し、エグリゴリから持ち出され、適合者たちに移植される事となる。また特筆すべき点として、オリジナルARMSにはARMSの再生能力を無効化する「ARMS殺し」の力が存在する。特にジャバウォックのARMS殺しは協力で、ほかのARMSにとって天敵ともいえる存在となっている。

モデュレイテッドARMS (もでゅれいてっどあーむず)

量産を前提に調整された実戦配備用ARMS。基本性能はほかのARMSと同じで、適合者の闘争心を原動力として肉体の一部を金属化し、固有の武装をあやつる。また耐久力なども同じで、一度受けた攻撃には耐性がつく特性も受け継がれている。戦闘型以外にも久留間恵のように視力が強化された者もおり、バリエーションも豊富。一方、量産を前提としているためにオリジナルARMSやアドバンストARMSから制限されている機能もある。特に、一度でも最終形態になると戻れなくなるという、オリジナルARMSやアドバンストARMSにはない大きなデメリットが存在する。

ネクスト

エグリゴリのサイボーグ技術の集大成となる完璧な人間。開発者はデューイ・グラハムで、人間の人格や記憶をデジタルデータ化する事で、感情や欲望を完全に制御し、データを複製する事で死からも解放される事をコンセプトとしている。このため、ネクストのボディは完全な機械で構成する事ができ、生身の脳がどうしても残るサイボーグとは違い、完全な機械であるアンドロイドとなっている。プロジェクト・ジャバウォック後の地球を支配する完璧な人類として生み出された。ヒューイ・グラハムやクラーク・ノイマンは戦闘を目的とするため、大量生産された高性能なボディに自らのデータを転送していたが、基本的にデータを保存する機構があればボディは問わない。開発者のデューイは自らもネクスト化し、カリヨンタワーのシステムを統括する巨大な二つのコンピューターをボディとしていた。デューイはネクストを「完璧な人間」を追及するあまり「人間として大事なもの」を見失っていたと評しており、自らの死と共にネクストのバックアップデータを消去し、ヒューイに限りある生を謳歌するようにという言葉を残した。

アザゼル

宇宙より飛来したケイ素生命体。1ミクロンにも満たない無数の小さな金属生命体が連結した「群体」で、金属でありながら自己増殖とエネルギー転換という有機生命体の特性を持つ、未知の生命体。ギャローズ・ベルの地下で発見され、その際に発見者の顔を写し取ったため、人の顔が付いた岩のような姿をしている。アザゼル同士は電波で意思疎通するが、その電波は人間の脳と非常に酷似している。そのためアザゼルは、人の命が放つ「想い」に惹かれている。ギャローズ・ベルの個体が人の顔をしていたのも、人間に惹かれたため。アリスが主に研究した「アザゼル-β」も、人間になりたいと願望を打ち明けた事から、種族全体の傾向として人のようになりたいという願望を持っている模様。この事をアル・ボーエンはアザゼルが不死身に近い特性を持つゆえに、途方も長い年月、孤独に苛まれ続けたからではないかと推測している。アリスとの触れ合いで人間に近づきつつあったアザゼル-βは、次第に「アリスになりたい」と思うようになる。その後、アザゼル-βはアリスの死に呼応して彼女と融合。始まりのARMS「アリス」と四つのオリジナルARMSを生み出す事となる。

クレジット

原案協力

アニメ

PROJECT ARMS

主人公の高槻涼は、自分と同じく体に生きた兵器であるARMSを持つ新堂隼人や巴武士と出会う。そして謎の組織エグリゴリに執拗に狙われる中で、ARMSや自身の出生の秘密を知っていく。 その後久留間恵やアル・... 関連ページ:PROJECT ARMS

PROJECT ARMS The 2nd Chapter

エグリゴリの爆撃に巻き込まれて死んだと思われていた赤木カツミだが、アメリカのアリゾナ州にいることを知った高槻涼たちは旅立つ決意をする。アメリカでエグリゴリの刺客やキースシリーズとの戦いを経て、ついにエ... 関連ページ:PROJECT ARMS The 2nd Chapter

書誌情報

Arms 全22巻 小学館〈少年サンデーコミックス スペシャル〉 完結

第1巻

(1997年11月発行、 978-4091248817)

第2巻

(1998年2月発行、 978-4091248824)

第3巻

(1998年4月発行、 978-4091248831)

第4巻

(1998年7月発行、 978-4091248848)

第5巻

(1998年10月発行、 978-4091248855)

第6巻

(1999年1月発行、 978-4091248862)

第7巻

(1999年4月発行、 978-4091248879)

第8巻

(1999年7月発行、 978-4091248886)

第9巻

(1999年9月発行、 978-4091248893)

第10巻

(1999年12月発行、 978-4091248909)

第11巻

(2000年3月発行、 978-4091248916)

第12巻

(2000年6月発行、 978-4091248923)

第13巻

(2000年8月発行、 978-4091248930)

第14巻

(2000年11月発行、 978-4091248947)

第15巻

(2001年1月発行、 978-4091248954)

第16巻

(2001年4月発行、 978-4091248961)

第17巻

(2001年6月発行、 978-4091248978)

第18巻

(2001年8月発行、 978-4091248985)

第19巻

(2001年11月発行、 978-4091248992)

第20巻

(2002年2月発行、 978-4091267504)

第21巻

(2002年3月18日発行、 978-4091268211)

第22巻

(2002年7月発行、 978-4091268228)

Arms 全12巻 小学館〈少年サンデーコミックス ワイド版〉 完結

第1巻

(2007年6月発行、 978-4091211163)

第2巻

(2007年7月発行、 978-4091211170)

第3巻

(2007年8月発行、 978-4091211187)

第4巻

(2007年9月発行、 978-4091211194)

第5巻

(2007年10月発行、 978-4091211200)

第6巻

(2007年11月発行、 978-4091211309)

第7巻

(2007年12月発行、 978-4091211439)

第8巻

(2008年1月発行、 978-4091211446)

第9巻

(2008年2月発行、 978-4091211453)

第10巻

(2008年3月発行、 978-4091211460)

第11巻

(2008年4月発行、 978-4091211477)

第12巻

(2008年5月発行、 978-4091211484)

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