あらすじ
男子100kg超級の絶対王者・ウルス・ダビデと野良試合を行った52kg級の女性柔道家・御船淳は、ダビデに何百回も投げられるが一回だけ投げることに成功する。次は大勢の観客が集まる公式戦でダビデに勝ちたいと決意した淳は、ダビデと闘う権利を得るため、全日本選手権の無差別級にエントリーする。淳は予選となる九州柔道選手権を順調に勝ち進み、決勝でも著名な柔道家・奥田修平を苦戦の末に下して優勝を果たす。しかし淳は、自信を持って臨んだ全日本選手権で、初戦の相手・火山彩太郎の巧みな試合運びに翻弄されて惨敗してしまう。試合後、ショックを受ける淳は、今まで指導してくれた叔父の御船隼己からの勧めもあり、淳の欠点を一目で見抜いた岡田幸三に弟子入りする。岡田に弟子入りしてから2年、淳はいっさい公式戦に出場していなかったが、次の全日本選手権に出場することを決める。
関連作品
マンガ
本作『All Free!! 無差別級挑戦女子 本伝』は前作となる『All Free! 絶対! 無差別挑戦女子伝』がある。女性柔道家の御船淳が叔父・御船隼己の志を継いで、「柔よく剛を制す」の柔道を会得するために自分より体が大きな男性柔道家たちに挑む姿を描いている。
登場人物・キャラクター
御船 淳 (みふね じゅん)
「柔よく剛を制す」を会得するために日々精進する女子高校生。金髪を一つ結びにしている。階級は52kg級ながら100kg超級の世界トップクラスの男子選手と渡り合える実力を持つ。センス、スピード、技のキレは一級品。野良試合ながら、100kg超級の絶対的王者で全柔道家の目標でもあるウルス・ダビデを一回投げたことがあり、柔道関係者の中ではかなりの有名人。叔父の御船隼己から指導を受けて15歳で初出場した無差別級の全日本選手権では、予選の九州柔道選手権では優勝するものの本戦では初戦で敗退する。試合後、岡田幸三から欠点を指摘され、隼己に勧められたこともあって岡田に弟子入りする。弟子入り後は2年間公式戦にまったく出場せずに修業の日々を重ね、岡田からの指導もあって才能を開花させる。
御船 隼己 (みふね はやき)
御船淳の叔父。数々の実績を誇る著名な柔道家ながら、ケガのために引退した。のちに淳の指導者となる。淳が初戦で惨敗した無差別級の全日本選手権後、かつての師匠・岡田幸三から淳や御船隼己自身の欠点を指摘され、淳の将来を考えて岡田に淳を託す。その後は淳のライバルになる柔道選手の育成に尽力する。
奥田 修平 (おくだ しゅうへい)
無差別級の全日本選手権の予選となる九州柔道選手権の決勝で、御船淳と対戦した男性。100kg超級ながら軽量級選手と渡り合えるほどのスピードを誇り、駆使する技も豊富な実力者。絶対的王者で力の時代の象徴でもあるウルス・ダビデの打倒を目標としている。
岡田 幸三 (おかだ こうぞう)
御船淳を指導している男性。「柔道を終わらせた男」という異名を持つ。淳の父親の御船壮祐、淳の叔父の御船隼己の元師匠で、岡田幸三の指導を受けて強豪選手になった教え子も多い。指導力と観察眼に優れており、一目で淳の柔道の欠点を見抜いた。
ウルス・ダビデ
100kg超級の絶対的王者である男性。圧倒的な実力で柔道界の頂点に君臨しており、母国フランスでは英雄と称されている。野良試合で闘った御船淳と世界の舞台で闘えることを楽しみにしている。9年5か月ものあいだ不敗で、連勝記録を150まで伸ばしていたが、パリで開催されたグランドスラムで日本人に敗れてしまう。
書誌情報
All Free!!無差別級挑戦女子 本伝 全3巻 双葉社〈アクションコミックス〉
第2巻
(2022-12-15発行、 978-4575857924)
第3巻
(2022-12-15発行、 978-4575857931)