概要・あらすじ
死後の世界において、人間たちを成仏させようとする天使と、「神に逆らう」ことを目標に掲げ、成仏することを拒む「死んだ世界戦線」は、まったく果てることのない争いを繰り広げていた。やがて、音無と天使が恋仲になるに至り、天使が神の使いであるという話は誤解であるということが、「死んだ世界戦線」のメンバーにも理解されるようになった。
しかし、天使との戦いが終息したその矢先、世界には「影」と呼ばれる謎の存在が現れ、人間たちを強制的にNPCに変え始める。終わりを迎えようとする世界を前に、「死んだ世界戦線」のメンバーたち、そして天使は、「この世界から卒業する」という大きな決断をすることになる。
登場人物・キャラクター
音無 (おとなし)
「死んだ世界戦線」のメンバーである少年。記憶喪失であり、自分がどういう経緯で死んだのかを忘れていたが、直井の催眠術によって記憶を取り戻す。いつの間にか天使と恋仲になっていて、ひたすらノロケまくる。直井からも慕われているが、そちらについては迷惑がっている。
天使 (てんし)
死後の世界の学校で生徒会長を務めている女子。死後の世界にやって来た人々を満足させ成仏させる、という目的で行動している。そのため、死後の世界に留まり続けることを目的とする「死んだ世界戦線」とは敵対している。「神の使い」であると信じられており、「天使」と呼ばれている。実際には他の生徒たちと同じ人間で、本名は「立華かなで」。 「ハンドソニック」と呼ばれるエネルギー刃など、さまざまな能力を駆使することができる。正体を隠して「死んだ世界戦線」に入り込んだ時には、「華田かな」という偽名を使った。実は隠れ厨二病である。好物は麻婆豆腐。
ゆり
「死んだ世界戦線」のリーダーを務める少女。現在、死後の世界にいる人間たちの中ではかなり古参の部類に入る。天使に対して激しい敵意を抱いていた。しかし、すべては誤解のなせるわざであったことを理解し、苦悩の末、自分から謝罪して和解した。野田をはじめとする何人かのメンバーからは「ゆりっぺ」と呼ばれている。
直井 (なおい)
死後の世界の学校で生徒会副会長を務めている男子。「死んだ世界戦線」に参加していないため、NPCだと思われていたが、実際には人間であることが、のちに判明する。本名は「直井文人」であるが、重度の厨二病を患っており、自分で自分を「神」だと信じている。催眠術を使うことができる。麻婆豆腐など辛い物が苦手。
野田 (のだ)
「死んだ世界戦線」のメンバーの少年。槍と斧を合わせたような長柄の武器・ハルバードを愛用している。ゆりを熱烈に愛しており、年がら年中、熱い愛の告白をしているが、まったく相手にされておらず、迷惑がられている。しかし、それすら承知のうえで、ゆりに忠誠を誓い続ける。
TK (てぃーけー)
「死んだ世界戦線」のメンバーの少年。バンダナで顔を隠して、いつも英語でしゃべり、いつでも踊っていたり歌っていたりする変人。本名はもちろん、そもそも日本人なのかどうかもわからないが、ごくまれに流暢な日本語を話すこともある。
チャー
「死んだ世界戦線」のメンバー。ギルドリーダーを務める。もっさりとしたひげを生やしており、見た目はまるで中年の容姿ながら、実際には少年である。地下にある「ギルド」と呼ばれる工廠で、「死んだ世界戦線」が使っている銃器を作っている。
岩沢 (いわさわ)
「死んだ世界戦線」のメンバーの少女。根っからの音楽好き。ガールズバンド「ガルデモ」のギターボーカルを担当し、リーダーも務めている。死後の世界では充実した音楽活動に身を捧げており、一度成仏しかけたことがあるが、結局また戻って来た。
ひさ子
「死んだ世界戦線」のメンバーの少女。ガールズバンド「ガルデモ」のギターを担当している。リーダーの岩沢が音楽バカのため、実質的に「ガルデモ」を仕切っているのはひさ子である。冷静な常識人であるが、岩沢が成仏しかけて一時姿を消した時は、他の誰よりも落ち込んでいた。
入江 (いりえ)
「死んだ世界戦線」のメンバーの少女。ガールズバンド「ガルデモ」のドラムを担当している。関根とは親友同士であり、「みゆきち」と呼ばれている。バンドをやっているわりには今一つ目立たない存在で、それについて悩んでいる。自分も死者なのだが、幽霊が苦手。
関根 (せきね)
「死んだ世界戦線」のメンバーの少女。ガールズバンド「ガルデモ」のベースを担当している。入江とは親友同士であり、「しおりん」と呼ばれている。バンドをやっているわりには今一つ目立たない存在で、それについて悩んでいる。悪戯が大好き。
ユイ
「死んだ世界戦線」のメンバーの少女。岩沢に憧れ、のちにギターボーカルとしてガールズバンド「ガルデモ」に加入する。生前は身体が弱く、やりたいことが何もできなかった。死して後に「バンド活動をする」という、当時の夢の1つをかなえた。また、「お嫁さんになりたい」という夢を抱いており、それを実現するために、日向と交際を始める。
遊佐 (ゆさ)
「死んだ世界戦線」のメンバーの少女。ゆりの命令を伝達する戦線のオペレーターをしている。無感情なタイプに見えるが、実はゆりの間抜けな行動を逐一メモして記録していたりなど、なかなかにいやらしい性格の持ち主。一時的にガールズバンド「ガルデモ」のマネージャーをしていたことがあるが、オペレーターの務めに支障をきたすという理由で、ほどなく解任となった。
日向 (ひなた)
「死んだ世界戦線」のメンバーの少年。現在、死後の世界にいる人間たちの中ではかなりの古参。ゆりとともに「死んだ世界戦線」の立ち上げに関わっている。生前は野球部に入っていた。常識人であるが、軽い性格と寒いギャグが玉に瑕。本名は「日向秀樹」。
大山 (おおやま)
「死んだ世界戦線」のメンバーの少年。現在、死後の世界にいる人間たちの中ではかなりの古参。ゆりとともに「死んだ世界戦線」の立ち上げに関わっている。「死んだ世界戦線」の作戦の一環で天使に告白したことがあり、一時期、付き合っていたこともある。天使には短期間で振られたが、大山本人はその後、天使の元カレ面をしては、周囲に鬱陶しがられている。
高松 (たかまつ)
「死んだ世界戦線」のメンバーである少年。リーダーのゆりの側にはべり、何かと知的なことを語る「メガネの参謀役」を気取っている。実際には格別知性的なわけではない。むしろ肉体派で、誰に求められるわけでもないのに、とにかく脱いでは、自分の筋肉美を披露したがる。
松下 (まつした)
「死んだ世界戦線」のメンバーの少年。柔道五段という触れ込みになっていて、周囲からは「松下五段」などと呼ばれている。だが、戦闘においては銃を使用し、実際に柔道をすることはなく、本当に五段の実力を持つのかどうかは謎である。いつも下駄をカラカラ鳴らして歩く。好物は肉うどん。
椎名 (しいな)
「死んだ世界戦線」のメンバーの少女。見た目、言動などを忍者っぽく装っており、口癖は「あさはかなり」。本人に自覚はないが、存在そのものがどこかおかしな雰囲気を醸し出す天然ボケ。可愛い物が大好きで、犬には目がない。
集団・組織
死んだ世界戦線 (しんだせかいせんせん)
死後の世界において成仏することを拒み、「神に抗う」ことを目標に掲げた集団。ゆりに率いられている。とあるきっかけから天使が「神の使い」であると勘違いしており、日々戦いを繰り広げている。基本的に変人そろいで、ツッコミ役が稀少。略して「SSS」と表記されることもある。
赤目天使 (あかめてんし)
天使本人とそっくりの分身たち。天使の「ハーモニクス」というスキルによって生み出された。瞳の色だけがオリジナルと異なるため、「赤目天使」と呼称される。とても真面目な性格で、生徒会長の職務を勤勉にこなす。天使と同じく厨二病で、自ら「灼眼の天使」を名乗っている。オリジナルと同様、麻婆豆腐が好き。
ガルデモ
「死んだ世界戦線」に所属するガールズバンド。正式名称は「Girls Dead Monster」。音楽グループだが、NPCや天使を引き付けるなどの活動を行う陽動部隊も兼ねている。天使と「死んだ世界戦線」が和解した後、役目を終えて解散になりかけたが、メンバーの意思により、結局音楽活動を続けることとなった。
場所
死後の世界
死んだ者たちが何らかの無念などを残して辿り着く世界。閉ざされた空間の中で学校が運営されていて、教師もおり、授業なども行われている。この世界にいる者たちは全員死者なので、何らかの形で死亡してもまた生き返る、という法則がある。なお、その死にまつわる未練が解消した者は、成仏してこの世界から消える。
その他キーワード
人間 (にんげん)
NPCのように事態を受け入れず、死後の世界の学校に適応することを拒絶する者たち。全員が生前に何らかの未練を残した死者であり、未練を解消させて成仏しない限り、死後の世界のルールに従って何度でも蘇る性質を持つ。天使と呼ばれている生徒も、この分類ではあくまで人間に属する側であって、超自然的存在などではない。
NPC (のんぷれいやーきゃらくたー)
死後の世界の学校で、普通に高校生活を過ごしている多くの生徒および教師たち。とはいえ、NPCたちも意思や自我を持たないわけではなく、感情もあり、ある程度までは人間たちとのコミュニケーションも可能である。
クレジット
- 原作
- キャラクター原案
-
Na-Ga