みなもと太郎の世界名作劇場 ハムレット

みなもと太郎の世界名作劇場 ハムレット

有名歌劇や児童文学など5本を題材に、基本的にはもとのストーリーに準じながらも、ギャグを中心として描き直したオムニバス作品集。より笑いを誘うため、一部の物語は結末が原作と異なるものもある。「希望の友」1972年冬1月増刊号、春4月増刊号、夏8月増刊号、および「週刊少年マガジン」1972年4月2日号から3回連載、また「コミックトム」1988年9月号から11月号にかけて連載された作品。

正式名称
みなもと太郎の世界名作劇場 ハムレット
ふりがな
みなもとたろうのせかいめいさくげきじょう はむれっと
作者
ジャンル
パロディ
関連商品
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世界観

エピソード「スターウォーズ・ドン・キホーテ」では2036年が舞台となっており、個人でもシャトルを所有し、操縦免許を取得して気軽に星間旅行をできる時代として描かれている。また宇宙空間に浮かぶ巨大な太陽電池が、地球の都市に電力を供給しているとされている。宇宙空間には人工都市「スペースコロニー」なども登場し、旅行者だけでなく、宇宙に移住した人間も多数存在する。小型艇でも地球から月へ1日足らずで航行できるが、火星、木星、土星へは最大で4か月かかるとされ、小型艇では航行することができない。これ以外のエピソードについては、基本的に原作となった物語の世界観を踏襲している。

あらすじ

ハムレット

デンマーク王子であるハムレットは、叔父のクローディアスと母親のガートルードの結婚を前に思い悩んでいた。そんな折、亡き父親である先王の亡霊が現れ、自身が毒殺されたこと、そしてその犯人であるクローディアスへの恨みを告白。自身の無念を晴らすべく、ハムレットに復讐を命じる。

シラノ・ド・ベルジュラック

鼻がないことがコンプレックスのエルキュウル・サヴィニヤン・ド・シラノ・ド・ベルジュラックは、幼なじみの想い人であるロクサーヌに想いを告げられぬまま、彼女とクリスチャン・ド・ヌービレットとの仲を取り持つことになる。しかしクリスチャンは自身の言葉のクセの強さを憂い、シラノに愛の言葉の代弁、そして手紙の代筆を依頼する。

乞食王子

イギリス王子のエドワードと貧民のトムは、非常によく似た容姿を持っていたので、お互いの衣服を取り替えることにした。しかし、そのままの姿で外出したエドワードは、本当の貧民と思われて王城に戻れなくなってしまう。初めて貧民としての扱いを受けて困惑するエドワードだったが、唯一手助けしてくれたマイルズ・ヘンドンの助けを借りて、王城へ戻る決意をする。

モンテ・クリスト伯

善良な船乗りだったエドモン・ダンテスは、かつての同僚と恋敵の策略により、無実の罪で取り調べを受けることになった。しかも担当検事にとって都合の悪い事実を記憶していたことによって、無期懲役の刑で投獄されてしまう。隣室にいたファリヤ法師に知識を教わって見事脱獄を果たしたエドモンは、「モンテ・クリスト伯爵」を名乗って復讐を始める。

スターウォーズ・ドン・キホーテ

宇宙旅行も気軽に楽しめるようになった2036年。土地を売った金で自家用シャトルを購入したSFアニメオタクの老人・呑木放手は、参猪范をシャトル操縦士兼下男として雇い、念願の宇宙に出る。宇宙の広大さに躁状態となった放手は、現実と虚構の区別がつかなくなり、自分が亡国の姫君であるドルシネアを守る騎士だと思い込んでしまう。

作風

原作となった『ハムレット』や『モンテ・クリスト伯』のストーリーを忠実に再現しながらも、キャラクターの本質をとぼけたものに変更するなど、ギャグを中心とした作品として描かれている。またそのギャグも、雑誌掲載当時の流行ギャグやテレビCM、著名人のモノマネなどを中心に構成されており、現在では意味が理解しづらいであろうネタについては、作中に解説ページが設けられている。

パロディネタ

エピソード「スターウォーズ・ドン・キホーテ」の作中に登場するスペースコロニーは、宇宙を舞台とした戦争をテーマにしたTVアニメ『機動戦士ガンダム』に登場するスペースコロニーと同型であり、扉絵などで呑木放手が、同作品に登場する人型ロボット兵器「モビルスーツ」の仮装をしている。また宇宙ステーションのデザインやドルシネアのマネージャーが扮した「アカンベーダー」は、星間戦争をテーマにしたハリウッド映画『スターウォーズ』に登場した戦艦、キャラクターと酷似している。

関連作品

本作『みなもと太郎の世界名作劇場 ハムレット』は、有名歌劇や有名児童文学を題材にギャグマンガに仕上げているため、それぞれのエピソードに原作が存在する。そのため、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ハムレット』、エドモン・ウジェーヌ・アレクシ・ロスタンの戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』、マーク・トウェインの児童文学『王子と乞食』、アレクサンドル・デュマ(父)の小説『モンテ・クリスト伯』、ミゲル・デ・セルバンテス・サアベドラの小説『ドン・キホーテ』が関連作品といえる。

作家情報

みなもと太郎は1947年3月2日、京都市生まれの漫画家。本名は「浦源太郎」。京都市立日吉ヶ丘高校美術課程を卒業後、呉服店に就職したが、漫画家を志して3か月で退職。『あにき乾杯』が1967年「別冊りぼん秋の号」に掲載されてデビュー。その後1970年から「週刊少年マガジン」に『ホモホモ7/セブン』が掲載され、初連載作品となった。2004年には代表作『風雲児たち』で第8回手塚治虫文化賞特別賞を受賞している。

登場人物・キャラクター

ハムレット

デンマークの王子で年齢は19歳。父親である先王が死んで間もなく、母親のガートルードが叔父のクローディアスと結婚することで思い悩んでいた。幽霊となった先王からクローディアスへの復讐を命じられると、乱心者のふりをして、クローディアスの油断を誘う作戦を開始する。

エルキュウル・サヴィニヤン・ド・シラノ・ド・ベルジュラック (えるきゅうるさゔぃにやんどしらのどべるじゅらっく)

詩人、剣客、天文学者を自称している青年。ガスコン青年隊に所属している。鼻がないことがコンプレックスで、目の前で「ハナ」という言葉を使用されるのを嫌う。ロクサーヌに想いを寄せている。しかし、叶わぬ恋と知り、ロクサーヌとクリスチャン・ド・ヌービレットの仲を取り持って、手紙の代筆や愛の言葉を代弁することになる。 のちにドギッシュまでもロクサーヌに想いを寄せていることを知り、ドギッシュの恋路の邪魔をする。

エドワード

イギリスの王子で、ヘンリー8世の息子。好奇心旺盛で寛大な心の持ち主。エドワード自身とトムがよく似ていることに気づき、王城に招き入れて衣服を取り替えた。しかし、その格好で外出してしまったため、臣下たちに貧民と思われ、王城に戻れなくなった。トムと間違えられ、トムの父親に通行人から金を乞う詐欺芝居を強要された。 しかし、通りがかりのマイルズ・ヘンドンに詐欺を訴えて、トムの父親を追い払わせた。その後、事の次第をマイルズに話し、王城に戻ることを目指す。

エドモン・ダンテス (えどもんだんてす)

船乗りをしていた青年で、船長から言付かって、ナポレオン・ボナパルトに手紙を届けたこともある。メルセデスと結婚する予定で、披露宴まで行っていた。その最中に、エドモン・ダンテスに恨みを持つダングラールとフェルナンの策略により、緊急逮捕されることとなった。 その後、当時の王に反逆を企てていたナポレオンを支持している、という無実の罪で、シャトー・ディフに投獄された。隣の部屋に投獄されていたファリヤ法師が、脱獄のために掘っていた穴が、エドモンの部屋に繋がったことをきっかけに、ファリヤ法師に師事して、脱獄に関する知識を教わるようになる。ファリヤ法師の死後、彼と入れ替わりに死体袋に入って海に投棄され、脱獄を果たす。 その後、ファリヤ法師から今際の際に託された宝の地図を頼りに、モンテ・クリスト島に上陸。財宝を手に入れる。それ以降は悪党にも顔が利くようになり、「モンテ・クリスト伯爵」を名乗って復讐を目論む。

呑木 放手 (どんき ほうて)

SFアニメオタクの老人。チバラギ県の中でも特に田舎の、道も舗装されていないような地域に住んでいる。開発公団に土地を売った金で自家用シャトルを手に入れ、参猪范を雇って宇宙へと出た。しかし幼い頃からの念願だった宇宙に出て躁状態となり、現実と虚構の区別がつかなくなって、自分は宇宙を飛び回る騎士だと思い込むようになった。 宇宙ステーションで出会ったドルシネアを亡国の姫君だと思い込み、空想上の敵国「ダウン帝国」から守ることを心に決める。

オフェリア

エピソード「ハムレット」に登場する。貴族出身で、ハムレットの恋人の少女。ポロニアスの娘で、レアチーズの妹。ハムレットが乱心したので動転して階段から落ち、自身が乱心してしまう。レアチーズが帰国した直後、誤って海に落ちて溺死してしまった。

クローディアス

エピソード「ハムレット」に登場する。ハムレットの叔父。兄である先王を殺害して未亡人となったガートルードと結婚し、デンマークの王位に就く。先王を殺害した罪の意識に苛まれながらも、ハムレットが先王の死の真相を知っていると察し、さらにハムレットの暗殺を企てる。

ガートルード

エピソード「ハムレット」に登場する。ハムレットの実母にして先王の王妃。先王が死んだ後間もなくクローディアスと結婚した。クローディアスが先王を殺害し、またハムレットを殺害しようとしていることは知らずにいる。

先王 (せんおう)

エピソード「ハムレット」に登場する。ハムレットの実父であり、ガートルードの亡夫にして先代のデンマーク王。名古屋弁で話し、深夜3時になると鎧兜を身につけた姿で王城に現れる。毒蛇に噛まれて死んだとされていたが、昼寝時に弟のクローディアスによって、耳に毒液を垂らされて死んだ。落ち着きがない性格で、亡霊となって現れてハムレットにその真実を伝え、クローディアスへの復讐を命じると、慌ただしく去って行った。

ポロニアス

エピソード「ハムレット」に登場する。貴族出身の男性で、レアチーズとオフェリアの父親。クローディアスとガートルードの結婚式を祝う祝砲を撃つ際、クローディアスに向けて撃ったため、死刑に処されそうになった。この難局は、レアチーズの機転により回避することに成功している。

レアチーズ

エピソード「ハムレット」に登場する。ポロニアスの息子でオフェリアの兄。頭脳明晰で、フランスに留学している。留学直前、「王の寝小便たれのことを言いふらす」など脅迫を行い、クローディアスに死刑を言い渡されたポロニアスを救った。フランスから帰国後、オフェリアが乱心し溺死した原因を、ハムレットにいじめられたためだと信じ、クローディアスと組んでハムレットの暗殺を企てる。

ホレーショ

エピソード「ハムレット」に登場する。ハムレットの伝記をしたためている男性。先王の幽霊が現れることをハムレットに伝え、ともにその死の真相を聞いていた。ハムレットが乱心者のふりをして、クローディアスの油断を誘っていることも理解しており、クローディアスへの復讐に助言を与えている。ハムレットからは、たびたび「ホーレン草」と呼び間違えられている。

ロクサーヌ

エピソード「シラノ・ド・ベルジュラック」に登場する。エルキュウル・サヴィニヤン・ド・シラノ・ド・ベルジュラックの幼なじみの少女。クリスチャン・ド・ヌービレットの容姿に恋しているが、クリスチャンの使う名古屋弁を嫌悪している。シラノが代筆・代弁した美しい言葉を、クリスチャンが書いて話したものだと信じている。戦争が起こってからは、アラスの戦場までクリスチャンを追ってくるほどに勇敢。

ラグノオ

エピソード「シラノ・ド・ベルジュラック」に登場する。エルキュウル・サヴィニヤン・ド・シラノ・ド・ベルジュラックの行きつけの飲食店の主人。同じく鼻がないという理由で、シラノが心を許している数少ない存在となっている。ロクサーヌがアラスの戦場に出向いた際、同行してシラノたちガスコン青年隊に食事を振る舞った。

クリスチャン・ド・ヌービレット (くりすちゃんどぬーびれっと)

エピソード「シラノ・ド・ベルジュラック」に登場する。ガスコン青年隊に所属している青年。名古屋弁でしゃべるが、自身では、そのことにコンプレックスを感じている。ロクサーヌに恋している。クリスチャン・ド・ヌービレット自身が使用する名古屋弁のクセの強さを自覚しており、エルキュウル・サヴィニヤン・ド・シラノ・ド・ベルジュラックに手紙の代筆と愛の言葉の代弁を依頼する。

ドギッシュ

エピソード「シラノ・ド・ベルジュラック」に登場する。ガスコン青年隊の長官で、エルキュウル・サヴィニヤン・ド・シラノ・ド・ベルジュラックとクリスチャン・ド・ヌービレットの上司。ロクサーヌに恋しており、シラノに恋文を言付ける。

トム

エピソード「乞食王子」に登場する。贅沢な暮らしを夢見て、尊大な言葉遣いをしている貧民の少年。門兵に絡まれていたところを、エドワードによって助けられ、王城に招かれた。エドワードとよく似た容姿を持っていたので、衣服を取り替えた結果、王子として扱われることになった。しかし、王族の窮屈な暮らしに困惑しており、本物のエドワードが帰城するのを心待ちにしている。

マイルズ・ヘンドン (まいるずへんどん)

エピソード「乞食王子」に登場する。正義感の強い男性。エドワードがトムの父親に詐欺芝居を強要されてるところに通りかかり、エドワードの訴えを受けて、トムの父親を追い払った。その後は、エドワードが貧民と入れ替わっているという話を聞き、半信半疑ながらも、王城に戻る手伝いをするようになる。

ヘンリー8世 (へんりーはっせい)

エピソード「乞食王子」に登場する。イギリス王にしてエドワードの父親。トムがエドワードとして生活するようになってからは、エドワードが乱心したと思い込んでいる。斬首死刑を好む残酷な性格で、トムの拙い食事の仕草などを笑った家臣を、全員死刑に処している。

トムの父親 (とむのちちおや)

エピソード「乞食王子」に登場する。貧民の男性で、トムの父親。金銭を恵まれてもトムにはほとんど食事を与えずに働かせていた悪漢。病人に扮して通行人から金銭をせびるなどの詐欺芝居も行っていた。トムと入れ替わったエドワードにも、同じ芝居をやらせようとしたところ、マイルズ・ヘンドンに追い払われることになった。

メルセデス

エピソード「モンテ・クリスト伯」に登場する。エドモン・ダンテスと結婚するはずだった女性。エドモンが投獄されたことにより、かねてから言い寄ってきていたフェルナンと結婚し、息子のアルベールをもうけた。「モンテ・クリスト伯爵」が、かつての恋人であるエドモンだと気づいている。

エデ

エピソード「モンテ・クリスト伯」に登場する。黒髪が美しい少女。もともとはギリシャの王女だった。ギリシャ王だった父親から商人として信頼を得ていたフェルナンが、敵国トルコに内通していたため敗国の王女となり、トルコに奴隷として売られていた。「モンテ・クリスト伯爵」となったエドモン・ダンテスによって救い出され、密かにエドモンに思いを寄せるようになる。

ダングラール

エピソード「モンテ・クリスト伯」に登場する。かつてエドモン・ダンテスと同じ船に乗っていた船乗りの男性。エドモンが高級ワインを独り占めした、と勘違いして恨みに思い、フェルナンと共謀して無実の罪を着せ、投獄へと追いやった。エドモンが「モンテ・クリスト伯爵」を名乗って社交界に現れた際には、その正体に気づいておらず、銀行の頭取として取引を行っていた。

フェルナン

エピソード「モンテ・クリスト伯」に登場する。商人の男性で、かねてからメルセデスに思いを寄せて言い寄っていた。ダングラールと共謀し、邪魔者であるエドモン・ダンテスに無実の罪を着せ、投獄へと追いやった。またギリシャの王だったエデの両親と取引していたが、ギリシャとトルコの戦争時に、トルコ側に内通してギリシャを敗北に導いている。 その後、エデを奴隷としてトルコに売り払ったとされる。現在はさまざまな裏切りや悪事を繰り返して財産を築き、「モルセール伯爵」を名乗っている。エドモンが「モンテ・クリスト伯爵」を名乗って社交界に現れた際には、その正体に気づかなかった。

ビルフォール

エピソード「モンテ・クリスト伯」に登場する。無実の罪で取り調べを受けることになったエドモン・ダンテスを担当した検事。一度は無実であると確認したものの、エドモンがナポレオン・ボナパルトに届けた手紙の差出人が自分の父親であると知り、政治犯の家族という汚名を免れるために、エドモンに濡れ衣を着せた。エドモンが「モンテ・クリスト伯爵」を名乗って社交界に現れた際には、その正体に気付いておらず、検事総長として付き合っていた。

ファリヤ法師 (ふぁりやほうし)

エピソード「モンテ・クリスト伯」に登場する。エドモン・ダンテスと同じくシャトー・ディフに投獄されていた老人の男性。脱獄のために穴を掘っていたが、誤って穴の出口を隣のエドモンの部屋と繋げてしまう。しかし、それをきっかけにエドモンと交友関係となり、ファリヤ法師が持ち得ている知識のすべてを、エドモンに教えることとなる。 また今隙の際に、エドモンを息子と思って可愛がっていたと告白。投獄前に発見したモンテ・クリスト島の宝の地図を託して息絶えた。

アルベール

エピソード「モンテ・クリスト伯」に登場する。フェルナンとメルセデスの間にできた息子。ヘラヘラした青年で、盗賊であるルイジ・バンパにさらわれたところを、「モンテ・クリスト伯爵」(エドモン・ダンテス)に助けられ、それ以降慕うようになる。ストリップ劇場に上がっていたエデに一目惚れし、エデを不幸に追いやったのが父親であるフェルナンであることを知らず、身の上話に同情して、フェルナンが過去に犯した裏切りを新聞で告発することを勧めた。

ダングラールの妻 (だんぐらーるのつま)

エピソード「モンテ・クリスト伯」に登場する。ダングラールの妻でビルフォールの元恋人。醜女で、仕草や言葉遣いに品がない女性。夫であるダングラールに対して非常に暴力的な態度を取っている。金銭面でも抜け目がなく、ダングラールが多額の負債を残したまま夜逃げした際には、代理で支払わされるのを見越し、即座に元恋人のビルフォールと再婚した。

ルイジ・バンパ (るいじばんぱ)

エピソード「モンテ・クリスト伯」に登場する。暗黒街と呼ばれる場所で名を馳せている大盗賊の男性。「モンテ・クリスト伯爵」となったエドモン・ダンテスと知人関係にあり、エドモンの復讐のために、アルベールを誘拐してわざとエドモンに奪還させたり、ダングラールを拉致・監禁したりと協力する。

参 猪范 (さん ちょはん)

エピソード「スターウォーズ・ドン・キホーテ」に登場する。気のいい青年で、もともとは開発公団の社員。呑木放手の土地にリニア地下鉄の駅を建設するために、土地の買取交渉を続けていた。ついに交渉が成立したものの、代わりに職を手放し、放手の所有したシャトルの操縦士を兼ねた下男として雇われることになってしまう。当初は躁状態となった放手に困惑していたが、妄想に付き合ううちに、参猪范自身も躁状態になっていく。

ドルシネア

エピソード「スターウォーズ・ドン・キホーテ」に登場する。女性歌手。楽屋で舞台衣装を着ている姿を呑木放手に目撃された結果、そのSFアニメチックな衣装のため、亡国の姫君と勘違いされてしまった。出会った当初は、別プロダクションからのヘッドハンティングかと思っていたが、相手が躁状態の妄想老人と知って一度は離別する。しかし再会後、放手の実直さに心打たれることになる。

ドルシネアのマネージャー

エピソード「スターウォーズ・ドン・キホーテ」に登場する。ドルシネアのマネージャーを務める初老の男性。最初は呑木放手を、ドルシネアを引き抜こうとしている別プロダクションの人間だと思っていた。ドルシネアに対して下心を持っており、結婚を迫っている。のちにドルシネアの頼みを受け、放手の躁状態を治療するため、「ダウン帝国の皇帝・アカンベーダー」を名乗って放手の前に立ちはだかる。

集団・組織

ガスコン青年隊 (がすこんせいねんたい)

エピソード「シラノ・ド・ベルジュラック」に登場する。エルキュウル・サヴィニヤン・ド・シラノ・ド・ベルジュラックとクリスチャン・ド・ヌービレットが所属している青年隊。戦争が起こった際にはアラスに派遣された。

場所

アラス

エピソード「シラノ・ド・ベルジュラック」に登場する。ガスコン青年隊が派遣された戦場。エルキュウル・サヴィニヤン・ド・シラノ・ド・ベルジュラックはクリスチャン・ド・ヌービレットの代わりに、毎日敵陣をかいくぐってロクサーヌへの手紙を差し出していた。

モンテ・クリスト島 (もんてくりすととう)

エピソード「モンテ・クリスト伯」に登場する。莫大な宝が眠っている絶海の孤島。ファリヤ法師が、死の床でエドモン・ダンテスに、その場所を教えた。たくさんの穴が空いた岩石があり、東の小湾から数えて20番目の穴に入ると、大量の財宝が隠されている。

シャトー・ディフ (しゃとーでぃふ)

エピソード「モンテ・クリスト伯」に登場する。エドモン・ダンテスとファリヤ法師が数年にわたって投獄されていた牢獄。孤島の海に面した場所にあり、エドモン、ファリヤ法師は、窓もない地下に収監されていた。牢獄で死亡した囚人は海に投棄される。

その他キーワード

露支南天丸 (ろしなんてまる)

エピソード「スターウォーズ・ドン・キホーテ」に登場する。呑木放手の所有する自家用の小型シャトル。放手が住んでいた土地にリニア地下鉄を通すために支払われた金銭で購入された。放手はシャトルの操縦免許を持っていなかったため、参猪范を専属操縦士を兼ねた下男として雇うことにした。

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