BOYS BE…～young adult～

19歳、あれから四度目の夏に(第1話)

大学4年生のヒデヤは、新種の魚を発見するなど、学生ながら海洋学の分野で活躍し始めていた。ある日、サンプル採取のためにとある海岸を訪れたヒデヤは、採取のあとで海沿いの高台にある神社を目指していた。その日はちょうど、ヒデヤが高校生の頃に好意を抱いていた同級生・清瀬ユリカの誕生日だった。高校生入学後、ユリカと知り合って仲よくなったヒデヤだったが、高校生活での3年間、思いを伝えられることはなかった。高校3年生の夏休みになり、ユリカの誕生日、2人は初めて海へと遊びに行き、ヒデヤはユリカに誕生日プレゼントを渡したが、結局その時も告白することはなかった。さらに2学期が始まると、水泳のスポーツ推薦で進学が決まっていたユリカは、大学付属の高校に転校してしまっていた。その後、進学したヒデヤは、研究のために海を訪れ、ユリカの誕生日に2人で過ごした神社に足を運んでいるのだった。しかし、3年間ユリカに会えることはなく、4年目のこの日もユリカの姿は見えない。落胆して帰ろうとした瞬間、ヒデヤは誰かに後ろから話しかけられるのだった。

再開した君と、悩んで、笑って(第2話)

若いサラリーマンの工藤は、憧れていた社会人になっても毎日怒られてばかりいた。その日も職場で怒られたあと残業をし、1人で酒を飲んでいた。飲み屋の隣の席ではOLが1人で酔っ払っており、自分と同じように仕事の愚痴をこぼしていた。それを見て、ますますイライラを募らせる工藤だったが、隣りに座っていたのは高校3年生のころ同じクラスにいた津島かなでだった。高校卒業以来初めて顔を合わせる2人は、3年生のころの思い出話に花を咲かせる。なかでも盛り上がったのが、ソフトボールの県大会決勝戦の思い出。かなではソフトボール部の選手として出場し、見事逆転ホームランを打ってチームを優勝に導いていた。そのとき、工藤は応援部に所属しており、球場でチームを応援していたのだった。飲み屋をあとにした2人は、街のバッティングセンターに立ち寄る。高校生の頃を思い出し、打席に立つかなでだったが、久しぶりということもあってまったくボールに当たらない。ついに泣き出してしまうかなでを見て、思わず工藤は高校時代のようにかなでを応援し始めるのだった。