BRONZE ZETSUAI since 1989

尾崎南の『絶愛-1989-』の続編。天才的なサッカーの才能に恵まれた泉拓人は、小学5年の夏に当時高校生だった南條晃司と出会う。拓人に強烈な一目惚れをした晃司は数年後に成長した拓人と再会し、いつしかお互いは強く惹かれ合うようになる。不可欠で唯一無二の存在同士である拓人と晃司の激しい愛の形を描く、男性同士のハードなラブストーリー。「マーガレット」に平成3年から平成18年にかけて連載された。

正式名称
BRONZE ZETSUAI since 1989
ふりがな
ぶろんず ぜつあい
作者
ジャンル
同性愛
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あらすじ

第1巻

愛する泉拓人といっしょに暮らし始めたミュージシャンの南條晃司は、拓人に触れたくても触れられない欲求を満たすため、手当たり次第に女性と情事を重ねる日々を送っていた。そんな晃司の真っすぐな思いを前に、拓人はどうしても素直になれない自分と葛藤し続ける。ある日、学校からサッカー留学を勧められた拓人は、晃司に書き置きを残してイタリアへと発つ。だが、それを今生の別れであるかのように受け取った晃司は、ヘルメットもかぶらずにバイクで拓人のあとを追う。そして、危険極まりない運転で車を避けそこなった晃司は、そのまま横転して頭を強打し、意識不明の重体となってしまう。

第2巻

南條晃司の意識が戻らないままもとの生活へと戻った泉拓人は、強豪校から転校して来た邦秀久也がサッカー部に加わった事もあり、さらにサッカーへとのめり込んでいく。そんなある日、病院を訪れた拓人は、昏睡状態の晃司に自分の切ない思いを伝える。そんな拓人の声が届いたのか、晃司は奇跡的に意識を取り戻すのだった。その後、体は順調に回復していったものの、精神的な要因によって声が出せず、晃司は歌手として窮地に立たされてしまう。そんな中、突如として父親の訃報を知らされた晃司は、南條家に代々伝わる真陰流の宗家を継承するよう伝えられる。そして南條家の圧力によって芸能界引退を迫られ、ついには拓人とも引き離されてしまう。

第3巻

アルバイト中に酔っ払いと取っ組み合いのケンカになり、泉拓人は頭にケガを負うが、拓人を助けてくれたのは南條晃司だった。晃司は行くあてもなく、拓人の下宿先に泊まる事になる。だが、それからしばらくして、拓人は南條広瀬のもとに連れて行かれ、晃司から離れる事を条件に取り引きを持ちかけられる。そこへ晃司が駆けつけるが、そんな彼に対し拓人は、渾身の思いを込めて自分に言いたい事はないのかと詰め寄る。この一件をきっかけに晃司は自分の声を取り戻す事に成功する。そして自身のすべてを掛けた最後のアルバムを制作し、さらに芸能界からの引退を発表するのだった。そして迎えた最後のステージの日。晃司の思いを受け止めようと拓人は会場を訪れるが、そこで晃司は熱狂的なファンの愛里によって刺されてしまう。

第4巻

幸いにも愛里に刺された傷は浅く、南條晃司はほとぼりが冷めるまで身を隠す事にした。そんな彼のため、泉拓人はイタリアへ行くのを断念し、晃司のそばにいる事を誓う。そんな中、チームメイトの邦秀久也とはうまくいっていないながらも、拓人のサッカー部は見事に県大会での優勝を決める。こうしてようやく穏やかな生活を手に入れた拓人と晃司は、束の間の幸せに浸っていた。一方、邦秀は南條広瀬に交換条件を提示され、拓人を犯すように指示を受ける。そうとも知らず邦秀の家に招かれた拓人は、体の自由が利かなくなる薬を飲まされ窮地に陥ってしまう。

第5巻

南條晃司が一番傷つく方法として、泉拓人南條広瀬に体を蹂躙されるが、心までは奪われまいと抵抗し続けた。だが、拓人の過去を徹底的に調べ上げていた広瀬は、拓人が知らなかった彼の両親の過去を暴露するのだった。こうして身も心も深く傷つけられた拓人は、晃司に対して再び心を閉ざしてしまう。だが晃司は、そんな拓人を狂おしいまでに求め続ける。

第6巻

泉拓人を犯した南條広瀬に落とし前をつけるため、南條晃司は南條家へと戻り、顔色一つ変えずに日本刀で広瀬の腹部を貫く。さらに自らの腕を斬り落とし、拓人への永遠の愛を誓うのだった。その後、応急処置こそしたものの、片腕を失った状態で家に戻った晃司を見た拓人は、ただ冷たく晃司を殴り飛ばす。そして古傷が疼く自分の腰を包丁で抉り、自分の血液を晃司に与えようとする。誰も入り込めない二人の究極の愛の形がそこにあった。

第7巻

腰の傷は30針も縫う大ケガとなったが、泉拓人は休む間もなく神奈川県の代表として全国高校サッカー選手権大会に出場する。試合中に傷が開き、おびただしい血を流しながらも、拓人は見事に準々決勝への進出を決める。拓人に外出を禁止されていた南條晃司渋谷克己に付き添われて勝利を見届け、一方の拓人はそんな彼のもとにまっすぐ帰還する。そして拓人と晃司はお互いの体を求め、愛を確かめ合うのだった。その後、拓人は準決勝の試合に再び出場するが、そこで足を負傷してしまう。復帰までに1年かかると医師から宣告された拓人は、過酷なリハビリ生活を送りながら、自らの進路について結論を出す。

第8巻

高校を卒業した泉拓人はJリーグに所属する事になり、南條晃司のもとを離れて寮生活を始めた。規則正しい生活を送る事で、拓人のケガも順調に快方へと向かっていたが、ある日不意に、拓人は晃司がそばにいないという喪失感に襲われる。そこで拓人は、自分の気持ちを確かめるために晃司を誘って二人で出かけ、互いの愛を再確認するのだった。やがてケガも癒え、ますますサッカーにのめり込んでいく拓人の背中をただ見ている事しかできずにいた晃司は、歌のレコーディングをスタートさせる。

第9巻

泉拓人と心を通わせた事がきっかけとなり、南條晃司はバンド「KreuZ(クロイツ)」を完璧な状態で誕生させる事となった。そんな中、拓人は合宿へ行く事となり、二人はまた離れ離れになってしまう。拓人は何の連絡もない晃司を気にしながら、そして晃司は自分に電話一つかけてこない拓人を気にしながら、日々を過ごしていた。だが、しびれを切らした晃司は自ら拓人に電話をかけ、彼が合宿しているホテルへと直行。こうして二人は久しぶりの逢瀬を楽しむのだった。これにより心身共に充実した拓人は、Jリーグ開幕戦のスターティングメンバーに抜擢され、初戦にして鮮烈なデビューを果たす。一方その頃、拓人の活躍を追っていた南條広瀬の動向に気づいた南條秋人は精神的に病み始め、拓人を殺そうと車で彼に突っ込む。

第10巻

泉拓人はかろうじて一命を取り留めたものの脊椎を損傷しており、南條晃司は医師から、彼が一生歩けない生活を送る事になると告げられる。一方で拓人を轢いた南條秋人は幼児退行を起こし、現状がまるで理解できない状態に陥っていた。拓人に現実を突きつける事を恐れた晃司は、意識が戻らない彼の首を絞めて殺そうとするが、すんでのところで渋谷克己に阻止されるのだった。そして苦悩する晃司の前で、ゆっくりと拓人が意識を取り戻す。

第11巻

意識が戻った泉拓人は、自分が事故によって脊髄を損傷し、下半身不随になってしまった事を知らされる。夢うつつの状態で現実を受け入れようとする拓人は、事故を起こした相手の事を尋ねるが、渋谷克己はその相手が南條秋人である事は生涯誰にも明かすまいと決意する。そして渋谷は、自分が使える限りの権力をもって、拓人に最高の治療を提供しようと尽力するのだった。やがて拓人は、治療のためにアメリカへと発つ事になる。そんな中、南條晃司は、渋谷と彼の父親の会話を偶然耳にして、拓人を事故に巻き込んだ犯人が秋人だという事を知る。

第12巻

足の治療とリハビリのため、南條晃司と共にアメリカへ渡った泉拓人は、担当医である緋奈透織との出会いを通じて、かつてサッカーの名プレーヤーとして名を馳せたゼータ・キルスと会う。ゼータは拓人と同じく車椅子生活を送り、現在は車椅子バスケットボールの指導にあたる事ができるほど回復していたが、サッカーへの夢は諦めていなかった。だが、二度と自分は歩けないという現実を受け入れながらも、未来に絶望している姿を拓人の前で晒すのだった。そんな中、拓人はサッカーへの思いを捨てきれずにいたが、ついに所属チームからの解雇通知を受け取り、自分自身の現実を静かに見つめる。毎日そばにいる晃司がなぜか遠く感じられ、晃司もまた同じ苦悩を抱えていた。拓人は晃司の体を求めるが、晃司は拓人の意に反して彼を乱暴に扱い、拓人の前から姿を消してしまう。そして晃司をうしなった拓人は、自ら死を選ぶのだった。

第13巻

渋谷克己たちは手を尽くして捜し回ったが、南條晃司の行方は依然として分からず仕舞いだった。そんなある日、場末の酒場を訪れた緋奈透織は、そこですっかり風貌が変わってしまっていた晃司と出会う。そして泉拓人が自殺した事を平然と晃司に告げるのだった。日本へ戻ったという拓人の遺体を確認するため、そして自殺の真相を突き止めるため、晃司は日本へ帰国しようとするが、なぜか晃司は麻薬所持の罪で指名手配されていた。緋奈の手引きで日本に不法入国した晃司は、南條広瀬南條秋人と決着をつけるべく南條家を訪れる。日本刀で秋人と斬り合った晃司は殺人犯となってしまうが、拓人が生きていた事を知り、涙を流すのだった。

第14巻

自殺を図って奇跡的に一命を取り留めた泉拓人は、完全に自失状態となっていた。渋谷克己の計らいによって精神的なケアを受け続ける事で、拓人は南條晃司と出会った頃の自分と向き合い、自身の存在価値を少しずつ確認していく。しかし晃司が去った事実と凄惨な過去の記憶がフラッシュバックしてしまい、食事もろくに取れない状態が続いていた。そんな中、何者かの謀略により渋谷の身辺が危うくなり始める。この事態に南條家が大きくかかわっていると判断した拓人は、渋谷と共に南條家へと赴き、そこで糸を引いていたのが緋奈透織である事を知る。そして囚われの身となっていた晃司と再会した拓人は、南條家の知られざる真実を目の当たりにする事となる。

登場人物・キャラクター

南條 晃司 (なんじょう こうじ)

絶大な人気を誇るミュージシャンの男性。年齢は18歳。モデルだった母親が15歳の時に産んだ子供だが、母親からは愛されないまま南條家に預けられて育った。腹違いの兄である南條広瀬、南條秋人とは折り合いが悪く、努力家の兄たちからすべてにおいて妬まれているが、まったく自覚がない。学生の時、サッカーをしている姿に一目惚れをした泉拓人の事がずっと忘れられず、今でも変わらずに愛している。 当時は拓人の事を女子だと思っていたが、のちに男子であると知り愕然とするも拓人に対する思いは揺らがなかった。拓人への募る思いを紛らわせるため、夜ごと別の女性と情事を重ねている。性別を問わずにどんな人間をも虜にしてしまう魅惑的な容姿を持っている自信家だが、拓人の前ではたちまち弱くなってしまう。 ソロでの活動を自粛するようになってからは「KreuZ(クロイツ)」というバンドを結成するが、活動の原点はすべて拓人への思いが原動力となっている。

泉 拓人 (いずみ たくと)

サッカーのたぐいまれな才能に恵まれている男子高校。年齢は18歳。子供の頃から圧倒的なプレーで他の追随を許さず、南條晃司を釘付けにした。自分に全身全霊の思いをぶつけてくる晃司に苛立ちながらも、少しずつ心を開きつつある。母親が父親を殺害後に自殺してしまったという壮絶な過去を持ち、親戚が経営する施設で育った。堀内家に引き取られた妹の堀内芹香と弟の優吾をとても大切にしており、芹香のために自分が有名になる事だけは避けたいと思っている。 将来を有望視された選手として学校からも海外チームからもサッカー留学を推奨されているものの、最後の決断は出せていない。クールそうに見えるが、鬱屈した内面の一部を晃司にだけはさらけ出し、自分でもコントロールしきれない激しい感情をぶつけてしまう。 仕組まれた事故によって選手生命を奪われてしまい、過酷なリハビリ生活を送る事になる。

堀内 芹香 (ほりうち せりか)

泉拓人の妹で高校生。もともとは「泉」姓だったが、弟の優吾と共に堀内家に引き取られたため、現在は「堀内」姓を名乗っている。南條晃司の大ファンで、晃司と話す時はつねに拓人をやきもきさせている。拓人の事を気にかけており、自分のせいでいろいろな事を我慢させてしまっている彼に対して複雑な思いを抱いている。

渋谷 克己 (しぶや かつみ)

南條晃司の学生時代からの友人。年齢は18歳。父親は警視総監で、さらに実家が総合病院と芸能プロダクションを経営しているという御曹司でもある。生まれた時から病弱だった妹がいたが、わずか13歳という若さで亡くしている。晃司と泉拓人の関係にそれなりの理解を示し、不器用な二人のあいだに立ってつい舵取りをしてしまう面倒見のいい性格の持ち主。 人当たりがよく愛想のいいタイプだが、頭の中ではつねに一手先を読んで行動する、野心的な一面もある。のちに頭のよさを活かして大学の医学部へ進学する。

邦秀 久也 (くにひで ひさや)

5軍までのべ150人が在籍するサッカー部を有する強豪のT学園から、泉拓人が通う高校に転校して来た男子。年齢は17歳。両親が離婚したため、かつて南條晃司と泉拓人が暮らしていたマンションに父親と二人で住んでいる。晃司の大ファンである愛里という彼女がおり、自分はいつも二番手のような扱いを受けている。拓人のプレーに強く惹かれて尊敬し、部活動を離れても行動を共にする事が多くなっていく。

南條 広瀬 (なんじょう ひろせ)

南條家の長男で、南條晃司の兄。年齢は33歳。南條家が経営する條統グループの後継者となるべく、幼い頃から厳しい躾を受けて育った。外見は晃司と似てはいるが、腹違いの兄弟である。とてもクールで、目的を達成するためには手段を選ばない狡猾な性格をしている。父親の期待に応えようと、子供の頃からさまざまな分野で必死に努力を重ねてきたが、あとから南條家に連れて来られた晃司に差を見せつけられ、プライドを傷つけられる。 結婚しており、妻は現在妊娠中である。学生時代はハーバード大学に在籍し、医師の緋奈透織と共に過ごした事がある。

南條 秋人 (なんじょう あきひと)

南條家の次男で、南條晃司の兄。年齢は25歳。晃司とは腹違いの兄弟で、條統グループの幹部として南條広瀬を補佐する役目にある。幼い頃から慕っていた広瀬をとても尊敬しており、ずっと仲よくやっていた。しかし、南條家に晃司が来てからは母親が出て行ってしまい、すべての均衡が崩れてしまったためその事を根に持っている。広瀬の秘書兼SPである倉内に辛くあたり、犬呼ばわりするなど失礼極まりない態度を取るほど性格が曲がっている。

高坂 俊之 (たかさか としゆき)

南條晃司のマネージャーを務める男性で、年齢は28歳。お人好しな性格のため、晃司にいつも振り回されていいように使われ、晃司がトラブルを起こすたびにその火消し役として一役も二役も買っている。芸能人としてだけではなく一人の人間としても晃司を心から尊敬し、慕っている模様。

愛里 (えり)

邦秀久也の彼女。南條晃司の熱狂的な大ファンで、髪型から服装に至るまですべて晃司の好みに合わせた格好をしている。久也の事も好きだが、晃司への愛には劣る。晃司の最後のライブで感極まり、ステージ上の晃司を思わずナイフで斬りつけてしまう。その後、ファンとマスコミから執拗なまでの攻撃を受け、精神的にボロボロになり何度も自殺を図る。

緋奈 透織 (ひな とおる)

イングランド出身で、イギリス人の父親と日本人の母親を持つハーフの男性医師。アメリカ国籍を持ち、アメリカに在住している。幼い頃から優秀で、すべての学校をスキップし、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学を史上最年少で卒業した天才児だった。脊椎を損傷した泉拓人の主治医として治療にあたり、最善の治療法やリハビリのプログラムを次々と提案し、拓人を着実に機能回復へと導いていく。 とても若く見えるが、実は47歳でバツイチである。南條広瀬とは、ハーバード大学に在籍していた頃から付き合いがある。穏やかな物言いとは裏腹に、内心では何を考えているのまったく分からない不気味なところがある。わけあって、自らの命を絶とうした南條漱次を保護し、目を潰す自傷行為を避けるためにあえて視力を奪う手術を施した。

ゼータ・キルス (ぜーたきるす)

かつてナショナルチーム代表のプロサッカー選手だったが、とある事故によって両脚の自由を失い、車椅子生活を余儀なくされた男性。現在は車椅子バスケットボールに精通し、指導にあたれるほどまで回復した。アメリカの病院で泉拓人と出会い、初対面ながらも自分が選手として未来に絶望しているという本心を吐露してしまう。

倉内 (くらうち)

南條広瀬の秘書兼SPとして仕えている、忠誠心が強い男性。広瀬に絶対的な忠誠を誓っており、彼のすべてを受け入れ、容認している。広瀬に危機が訪れた時は鍛え抜かれた体を活かし、命を賭して彼を守ろうとする。南條秋人からは犬呼ばわりをされる事もあるが、すべて想定の範囲である。

南條 漱次 (なんじょう そうじ)

南條広瀬、南條秋人、南條晃司の叔父にあたる男性。剣の使い手として名を馳せていたが、天才すぎるゆえに繊細な性格をしている。兄の龍一郎(りゅういちろう)を気がふれてしまうほど愛していたが、その思いは決して報われる事はなかった。兄への愛のために自ら片腕を失い、自傷行為を防ぐため緋奈透織の意向によって視力も失っている。 歩けないわけではないが筋力が低下しており、普段は車椅子で生活している。

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