PARTNER

ディスコで金髪美形の外人男性と社交ダンスを踊って以来、その魅力に取りつかれた少女宝珠茉莉花は、競技ダンス(社交ダンスの技術を競うもの)の世界に足を踏み入れる。天才青年神砌とペアを組んだ彼女は、日本国内のみならずヨーロッパの競技大会にも出場し、ダンス技術を飛躍的に向上させていく。それと同時に登場人物の多くが、様々な恋愛の道程を歩み、人生を豊かなものにしていく。

概要・あらすじ

名門お嬢様学校に通っている少女宝珠茉莉花は、学校に内緒で友人とディスコで踊っていた。そんなある夜、彼女はチークタイムに金髪美形の外人男性と社交ダンスを踊り、その魅力に取り憑かれてしまう。その後茉莉花は、スポーツとして競う社交ダンスである「競技ダンス」の世界に飛び込み、若き天才神砌とペアを組む。

事業家で富豪である芥川鉄郎の援助を受け、日本の競技ダンス界を突き進み、やがては本場であるイギリスの競技大会にも参加するようになる。そして彼女とその仲間たちは、ダンスの技術を磨くと同時に、甘くかぐわしいが陥穽も多い恋愛の遍歴を経験し、人間として成長していくのだった。

登場人物・キャラクター

宝珠 茉莉花 (ほうじゅ まつりか)

名門お嬢様学校アリス女学院高等部に通っている少女。初登場時17歳。美人で身長も高く、足も長い。漆黒の黒髪を腰まで伸ばしている。豊かな家で、父と母と三人で暮らす。学校に内緒で友人と踊っていたディスコで、金髪美形の外人男性と社交ダンスを経験し、その魅力に取り憑かれる。そして茉莉花は、競技ダンス(社交ダンスの技術を競うもの)の世界に飛び込み、天才青年神砌とペアを組んで日本国内の競技大会に出場し、ダンスの才能を開花させ、名を上げていく。 社交ダンスを教えてくれた金髪外人とも再会し、彼の名前がフランツ・フォン・ハイドリヒであることを知る。さらに、事業家で富豪である芥川鉄郎の援助を受け、イギリスに神砌と留学する。 茉莉花は、そこで様々なライバルと出会い、本場の競技大会にも出場する。同時にいくつもの恋愛の道程を歩み、人生とダンス技術を豊かにしていくのだった。彼女の名前だが、父とフランツだけ「まつりか」と呼び、他の人間は「まりか」と呼ぶ(本名は、「まつりか」)。 「茉莉花」は植物のジャスミンのこと。

フランツ・フォン・ハイドリヒ

金髪で美形の、オーストリア人青年、年齢不明。愛煙家。語学の天才で、『枕草子』の翻訳をした。日本に留学中、六本木のディスコで宝珠茉莉花と社交ダンスを踊るが、すぐヨーロッパに戻ってしまう。その段階では茉莉花に名前を告げていなかったので「金髪さん」などと呼ばれていた。 茉莉花が神砌と踊るようになった頃、東京で競技ダンス世界選手権が行われる際、通訳として結婚したばかりの妻シンシアと再来日した。シンシアは、競技ダンス界のトップである「世界ダンス協会会長」を務めるホールデン男爵の娘。茉莉花が砌とイギリスに留学した時も、通訳兼ホールデン男爵の使者といった役割で登場する。 シンシアからの熱烈なアプローチで結婚したものの、イギリスの貴族社会に嫌気を覚えて離婚を考える。女性遍歴は多い。次第に茉莉花への想いを強くしていく。

鳥丸 小夜子 (とりまる さよこ)

アリス女学院高等部に通う。宝珠茉莉花の1年生からの友人で同級生、17歳。学校では眼鏡をかけている。生徒会長である。父は外交官で、両親共に外国におり、祖母とマンションで暮らしている。祖母が土曜日ごとに観劇に出かけるので、その間茉莉花とディスコなどで遊び歩く。 小川志文は従兄弟。13歳のときある経験をして、それを秘密にしていた。後に、赤目六郎に好意を抱き、彼が経営する喫茶店で働くようになる。

神 砌 (じん みぎり)

競技ダンスの天才的な才能を持つ。179㎝で、きりっとした目の美男子。社交ダンス教室「レインダンサーズ」に所属している。W大学の学生で、大学でも社交ダンスクラブで活動している。宝珠茉莉花の才能を見抜き、「レインダンサーズ」に誘う。茉莉花とは、紆余曲折を経てラテンダンス(競技ダンスの種目)でペアを組むことになり、留学してからはモダンも一緒に踊るようになる。 感情に走りやすく、茉莉花とよく衝突するが、欧州の選手権である程度の結果を出す。芸者だった祖母と暮らしていたが、祖母が死んでから一人になる。砌の母も芸者で、政治家に囲われて砌を身ごもるが、臨月を前に死亡してしまい、彼は未熟児として取り出されたという過去がある。 そのせいで母性愛に飢えているところがあり、かなり歳が上の女性と関係を持つ。それからも、様々な恋愛遍歴を歩む。

宝珠 高子 (ほうじゅ たかこ)

宝珠茉莉花の母。年齢不明。旧姓は津島で、財閥系の名家である。夫(茉莉花の父)は、宝珠英麻呂で、高子の兄総一朗と大学が同級だった縁で結ばれた。英麻呂と縁を結ぶ前に、ひどい男と付き合っており、辛酸な経験をしている。茉莉花が社交ダンスに興味をもったときに、教養として必要と言って、彼女を夫と踊らせて基礎を叩き込む。

赤目 六郎 (あかめ ろくろう)

「レインダンサーズ」に所属するスペシャルAクラスのプロのダンサーで、日本での現役最高峰と言われる。26歳。パトロンである芥川鉄郎からもらった喫茶店「PARTNER」の店長もやっている。東京で行われた競技ダンス世界選手権の結果、パートナーだった千香子を芥川鉄郎によって交代される。 そのストレスで、酒を飲んで車を運転して事故を起こし、腰に大けがをする。生活には支障はないものの、世界選手権クラスの競技の出場は絶望的になり、以後コーチとしての道を歩むことになる。

芥川 鉄郎 (あくたがわ てつろう)

事業に成功した資産家で、「レインダンサーズ」を始めとして、様々な面で競技ダンスを援助している。いつもサングラスをかけており、顔の右側に大きな傷を縫った痕がある、4-50代の男性。右手が動かないが、傷痕とともにその原因は、作品中では一切語られない。邸宅にダンスの練習用スタジオがあり、見どころのあるダンサーに使わせている。 「レインダンサーズ」を主宰する芥川千香子は妻だが、何年も前から別居している。過去に、作品中の意外な人物と、縁を結んでいる。

芥川 千香子 (あくたがわ ちかこ)

社交ダンス教室「レインダンサーズ」主宰者。37歳の女性だが、ずっと若く見える。赤目六郎のパートナーだったが、年齢を理由に芥川鉄郎に交代を命令される。芥川鉄郎は夫だが、もう何年も前から別居している。作品中のある人物と、肉体関係を持つようになる。

小川 志文 (おがわ しもん)

神砌に恋愛感情を抱く女性ダンサー小川鈴音の兄。身長185㎝。神砌がパートナーを宝珠茉莉花に決めてしまうのを邪魔するために芥川邸のスタジオに来たが、結局茉莉花の相方(競技ダンス用語では「リーダー」)に、一時的になる。競技ダンスは未経験だったが、母親がベルギー人の著名なバレエダンサーで、幼少時からクラシックバレエの訓練を受けており、パリオペラ座の舞踊学校に入学を許可されたほどで、赤目のコーチによって砌並みの踊りを見せるようになる。 T大の医学部の生徒で、振付などを一瞬で記憶して踊ることができる天才だったが、大勢が同時に踊る競技会で他のペアを上手く避けられず、茉莉花が気を使って捻挫を装い棄権。 その後、渡欧する。

シンシア・フォン・ハイドリヒ

フランツの妻で、競技ダンス界のトップである世界ダンス協会会長を務めるサー・オリバー・ホールデン男爵の娘。グラマラスな大柄で美人のイギリス人。フランツに激しいアプローチをかけて結婚したが、フランツはイギリスの貴族社会に嫌気を覚え、彼女に離婚を提案する。シンシアは、それを拒絶し続けた。

サー・オリバー・ホールデン男爵 (だんしゃく)

競技ダンス界のトップである「世界ダンス協会会長」を務めるイギリス貴族。4-50代の男性で、鋭い目つきとカイゼル髭が特徴。シンシアの父親。留学でイギリスにやってきた宝珠茉莉花と神砌を、自らの城で厚くもてなす。競技ダンス界の将来について、考えている。

ジェニファー・コール

東京で行われた競技ダンス世界選手権の総合優勝ペアの「パートナー」。18歳の女性だが非常に速いスピードで踊り、動きも的確で優雅さも失われない。美人というより可愛いいタイプ。競技ダンスの天才で、以後何年もチャンピオンの座を維持し続ける。相方(リーダー)は、ずっと年上のチャールズ・チャップマン。 宝珠茉莉花をライバル視する。

フレイア・ビョルンソン

ノルウェー出身の、競技ダンスアマチュア選手権、ラテンダンスのチャンピオンを続ける姉弟の姉。男勝りのパワーで、激しく踊る。初登場時19歳。愛車はスズキの大型バイク「カタナ1100」。激しい恋愛の遍歴を経験している。

オーディン・ビョルンソン

ノルウェー出身の、競技ダンスアマチュア選手権、ラテンダンスのチャンピオンを続ける姉弟の弟。かなりの長身だが、登場時はまだ16歳。宝珠茉莉花を愛してしまい、茉莉花も一時それに応える。茉莉花をパートナーにすることも考えるが、彼の背が高すぎてバランスが取れず、断念する。

ヘンリー卿 (へんりーきょう)

シンシアのいとこでイギリス貴族の若者。短髪で、目付きが悪い。いつも酔っ払っている。シンシアを不幸にしたフランツを憎んでいる。

書誌情報

Partner 全8巻 小学館〈小学館文庫〉 完結

第1巻

(1999年12月発行、 978-4091913012)

第2巻

(1999年12月発行、 978-4091913029)

第3巻

(2000年2月発行、 978-4091913036)

第4巻

(2000年2月発行、 978-4091913043)

第5巻

(2000年3月発行、 978-4091913050)

第6巻

(2000年3月発行、 978-4091913067)

第7巻

(2000年5月発行、 978-4091913074)

第8巻

(2000年5月発行、 978-4091913081)

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