CHARON

CHARON

とある理由によって選ばれた18人の少年少女が、神の遺産と呼ばれるものを探すため月へと向かう。だがその道中には策略や争いなど、さまざまな困難が待ち受けていた。「週刊少年マガジン」2013年第42号から2014年第4・5合併号にかけて掲載された。

正式名称
CHARON
ふりがな
かろん
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

九十八密が目を覚ましたのは、すべてが金属でできた部屋だった。周りには自分と同年代の、そして全員が裸の男女がいた。次々に目を覚ました少年少女たちは互いに状況を確認するが、誰もここへ連れてこられた経緯を覚えていない。その後、部屋に配備されていたスーツに着替えた九十八たちは、アナウンスに従ってブリッジへと向かう。そこにはホログラムに映し出された謎のがいた。

彼は九十八らを「救世主」と呼び、「神の遺産」と呼ばれるものを探してきてほしいと頼むのだった。

登場人物・キャラクター

九十八 密 (にたらず ひそか)

宇宙船アークに拉致された「救世主」の1人。16歳の日本の男子高校生。念力のような超能力を持ち、物や人を宙に動かしたり、自分の方へ引き寄せることができる。この力のせいで人から避けられ、さらには母親を失う原因ともなった。そのため、この力を「悪魔の力」と呼び、中学生の時から使うことを封印していた。そんな過去の出来事から、周囲と本気で関わろうとしない。

福寿 幸 (ふくじゅ さち)

宇宙船アークに拉致された「救世主」の1人。16歳の少女。九十八密が西園寺玲音を運ぼうとした際に、声をかけた。以降は常に九十八を頼って行動をともにする。すぐに泣いてしまったりと、一見か弱そうな印象だが、その正体は国連のエージェント。「神の遺産」が平和利用できるなら持ち帰り、人の手に余るようであれば封印する、という指令を受けている。 当初、九十八には、自分の持つ力を利用するため近づいて来た、と疑われていた。実は自分の命を省みずに仲間を助けたり、正体を明かして協力を求めるなど、誠実な心の持ち主。

アイシャ・マラーク・ザファル (あいしゃまらーくざふぁる)

宇宙船アークに拉致された「救世主」の1人。16歳の少女。浅黒い肌に青い目が特徴の外国人。「救世主」たち18人の中で最初に目を覚ます。九十八密たちとは違って、初めから自分が「救世主」として選ばれたことを知っており、男が所属するクリータ教会の十字架を、首から下げている。その正体はクリータ教会に育てられた戦士。 「神の遺産」を手に入れ、人類を救うという名目のもと、他の組織から派遣された敵を倒すことを目的としている。

ラファエル・ベスティア (らふぁえるべすてぃあ)

宇宙船アークに拉致された「救世主」の1人。16歳の少年。その素性は、シチリア最大のマフィアである「ベスティアファミリー」の幹部。中性的な顔立ちだが、身体は傷だらけで、すぐに暴力を振るう好戦的な性格。「神の遺産」を手に入れるために、わざと拉致された。その目的は金と女であり、アイシャ・マラーク・ザファルとは、すぐに敵対することとなる。 また食堂を支配下に置き、食料を独り占めしたため、九十八密とも争う。

マルグリット・ウォーカー (まるぐりっとうぉーかー)

宇宙船アークに拉致された「救世主」の1人。16歳の金髪の外国人の少女。身体が小さく、10歳前後にしか見えない。食堂を占領したラファエル・ベスティアに対抗するため、近くを歩いていた九十八密を、勝手に騎士に任命して戦わせた。本来はチェスで勝負させようとしたところ、ラファエルが発砲。だが九十八は力を使って生き延び、問題を解決した。 その活躍を見て正式に騎士と認め、以降は福寿幸と同じように、九十八に付きまとう。

万年 延彦 (まんねん のぶひこ)

宇宙船アークに拉致された「救世主」の1人。16歳の日本の男子高校生。ぽっちゃりとした体形が特徴。父親がニューヨークで記者をやっている。海外の事情に詳しいらしく、ラファエル・ベスティアの素性を一番に言い当てた。また一人暮らしが長いせいで、料理の腕前は高く、食堂を占領したラファエルに作った料理は、高評価だった。

根津 旺理 (ねず おうり)

宇宙船アークに拉致された「救世主」の1人。16歳の日本の男子高校生。都議会議員の息子で小心者。18人の中で一番ヒステリックになって混乱しており、状況を予想していた福寿幸に八つ当たりした。その際に自分を馬鹿にしたラファエル・ベスティアに食って掛かるが、返り討ちに遭う。その後は、ラファエルの背に隠れて付き従うようになる。

西園寺 玲音 (さいおんじ れいん)

宇宙船アークに拉致された「救世主」の1人。16歳の日本の女子高生。16歳で陸上のオリンピック日本代表になった天才である。九十八密たちが目を覚ましても最後まで起きず、九十八と福寿幸とともに部屋に運ばれた。その際に九十八が彼女の日記のようなものを見つけて読むと、そこには福寿幸に気をつけろ、という一文が書いてあった。

(おとこ)

九十八密ら18人を宇宙船アークに乗せた男性。クリータ教会と呼ばれる組織に所属しており、各国が参加するメサイア計画の主導者になっている。神の遺産と呼ばれる大いなる力が月に存在していること、それをもって人類を救うこと、そして九十八たち18人が皆同じ年、同じ日に生まれたことを伝える。そのうえで、全員を予言書にならって救世主と呼び、命の危険があると分かった上で、全員を月へ派遣した。

謎の人物 (なぞのじんぶつ)

九十八密が船内で出くわした男性。全身をマントのような布で包み、6つの目が書かれた頭巾をかぶって現れた。九十八を見た瞬間、ナイフを手にして襲い掛かる。その際に九十八に対し一言「使え」と言って、九十八の持つ特別な力を引き出そうとした。結果的に九十八が力を使って危機を脱したが、何も言わずに走り去ってしまう。

場所

宇宙船アーク (うちゅうせんあーく)

九十八密ら18人を月へ向かわせるための星間航行船。内部は広く、ブリッジや食堂の他にも、個人用の部屋が用意されている。その室内は、それぞれが生活していた部屋とまったく同じものになっており、ベッドや備品などが置かれている。

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