世界観
本作『EREMENTAR GERAD』は、「謳」と呼ばれる不思議な力を操り、契約を結んだ相手の武器となる能力を有する、不思議な種族「エディルレイド」が存在するファンタジー世界を舞台に描かれている。一般的な中世ファンタジー世界とは異なり、魔法のような不思議な力の他、科学技術や飛行艇、鉄道、携帯電話、銃といった現代の技術も登場する。作者の東まゆみは本作のテーマを「誰かのための誰か」「人とのつながり」と語っており、「エディルレイド」と人間の間の絆が、重要な要素として描かれている。絶大な力をもたらす存在である「エディルレイド」は、世界的に貴重な存在であるため、その力を得ようと、さまざまな人間たちが「エディルレイド」の力を狙って奪い合いを繰り広げている。それと同時に、「エディルレイド」の持つ絶大な力を、化物と忌み嫌う人間たちも存在する。人間の都合によってその運命を左右される「エディルレイド」たちを主軸に、「エディルレイド」たちの理想郷を作ろうと嘯(うそぶ)く謎の組織や、その保護をうたう国家機関「アークエイル」などが、しのぎを削っている。このような世界であるため、人間嫌いとなる「エディルレイド」も数多い。そんな「エディルレイド」たちと、「同契」と呼ばれる契約を結び、力を合わせて戦う「同契者」というパートナーが多数登場する。彼らは世界の事情や都合を乗り越え、パートナーとして「同契」を結び、力を合わせることとなる。「エディルレイド」が真の力を発揮するには、そんな2人の「シンクロ率」が重要な要素として存在しており、心を重ね合わせれば合わせるほどに、絶大な力を発揮することが可能となっていく。人間嫌いの「エディルレイド」であるレヴェリー=メザーランスと、何事にも前向きな少年、クード=ヴァン=ジルエットが「同契」を結び、旅を続けていく間に心を通わせていく物語は、本作のテーマと世界観の縮図となっている。困難な世界がもたらす障害を乗り越えて、2人の結びつきが答えを出していく姿が、本作の強い魅力である。
作品誕生のいきさつ
本作『EREMENTAR GERAD』は「月刊コミックブレイド」の創刊前に東まゆみと担当編集者との間で交わされた、オリジナルのファンタジー作品を描こうという話し合いがきっかけとなって、製作が開始された。『EREMENTAR GERAD オフィシャルガイド』に掲載されている東まゆみ本人のインタビューでは、「作者が好きなものや楽しいと思うものすべてを盛り込んで、『アズマファンタジー』を届けようとした」と語っている。
時代設定
本作『EREMENTAR GERAD』の世界は、遠大な歴史や時代設定を背景に描かれており、派生作品間で異なる時代が描かれる。『EREMENTAR GERAD -蒼空の戦旗-』では、本作の2年後の世界。ノベライズ作品である『EREMENTAR GERAD ~時を移す藍方宝樹~』では、200年もの過去が描かれている。また、本作のヒロインであるレヴェリー=メザーランスは、500年以上前から現代まで封印された存在として登場し、彼女がエディルガーデンを目指すのは、封印される前に交わした1つの約束を理由としている。物語は、レンが約束を交わした当時と、現代に至るまでの間に起こった歴史的出来事によるギャップが、核心的な謎として描かれている。東まゆみによれば、「紅」と呼ばれる本作や、現在明らかにされている作品群の他にも、数多くの物語が存在するとのことで、それらによって、時代設定に張り巡らされた謎が明かされていくことが示唆されている。
あらすじ
天翔艇の章(第1話~第2話)
空賊の少年、クード=ヴァン=ジルエット(クー)は、自身が所属する空賊団「紅山猫」が盗んできた石棺に収められていた、人形と見間違えるほどに可憐な少女、レヴェリー=メザーランス(レン)と出会う。「エディルガーデン」を目指す、というレンの力になろうと思ったクーは、彼女を保護するためにやって来た「アークエイル」の保護官のシスカ、ローウェン、キーアと戦うことになる。それは、レンが武器となって人間に力を与えるという種族「エディルレイド」の中でも、特に希少で絶大な能力を誇る「七煌宝樹」であるためだった。金銭で取引してでも、レンを手に入れようとするシスカのやり方に反発を覚えたクーは、レンを守ろうと必死に戦う。そんなクーの姿に心打たれたレンは、クーとの間に「同契」と呼ばれる契約を結ぶ。一心同体となり、武器となったレンとともに、シスカたちと戦うクーだったが、激戦によって戦闘の舞台となった天翔艇が墜落。レンとクー、そしてアークエイルの一行は、エレ=ブランカの村近くにある森へと落ちてしまうのだった。
大風車の章(第3話~第5話)
森へと墜落したクード=ヴァン=ジルエット(クー)ら一行は、先ほどまでの一件を忘れ、手を結ぶことを決める。森の中で偶然出会ったフィオナとその父親に案内され、大風車のある村、エレ=ブランカへと到着した一行は、一晩の宿を借りる。ところが、街の支配者であるビーゾンによって、レヴェリー=メザーランス(レン)がさらわれてしまう。救出のため、ビーゾンの砦へ乗り込んだクーたちを待ち構えていたのは、「エディルレイド」であるパールを従えたビーゾンだった。強引にレンを自らのものにしようとして拒否されたビーゾンは、怒りからパールと同契して攻撃を仕掛けてくる。彼らの攻撃によって追い詰められる一行だったが、クーとレンが同契を結び、高まったシンクロ率によって紡がれた朋誦の謳「東風の鐶」の圧倒的な力によって、ビーゾンとパールを砦ごと吹き飛ばしてしまうのだった。
煌珠狩人の章(第6話~第10話)
エレ=ブランカの次にマンフェという街を訪れたクード=ヴァン=ジルエット(クー)ら一行だったが、そこでシスカたちの先輩にあたるアークエイルの保護官、サンウェルドが任務中に襲撃に遭い、負傷していることを知る。サンウェルドのもとを尋ねた一行は、彼の口から、パートナーの「エディルレイド」であるシャルロが、何者かにさらわれたことを知らされる。シャルロ救出のために事件を調べるシスカたちだったが、その途中でエディレイドハンターのヴォルクス=ハウンドによる襲撃を受け、ローウェンのパートナー、キーアまでもが奪われてしまうことに。シスカとクーたちは、負傷したローウェンを置いて、シャルロとキーアの2人を救出するために、人身売買の現場へと乗り込んだ。そこでヴォルクスと仲買人、玉翠の連れていた用心棒、アルマと「エディルレイド」の来蕾と戦うことに。戦闘経験が浅いため苦戦してしまうクーとレヴェリー=メザーランスとは対照的に、ヴォルクスとそのパートナーであるチルルとの戦闘を繰り広げるシスカは、ついに彼らの同契を解除することに成功する。シスカはキーアとシャルロを救うために、生身のヴォルクスと一対一の戦いを挑むのだった。
登場人物
本作『EREMENTAR GERAD』に登場する種族「エディルレイド」は、基本として女性のみの種族。体の一部に「核石」と呼ばれる石が、生まれつき備わっている。「核石」にはそれぞれ色の設定がなされているが、孔雀石(マラカイト)や石榴石(ガーネット)といった宝石が、宛がわれている場合がある。彼女たち「エディルレイド」には、人間と同じく、男性との間に子どもを産むという方法以外にも、体を失ってから新たに「核石」から生まれ直す、という誕生方法がある。「核石」は、「エディルレイド」の本体とも言える重要な位置づけを持っている。そのため、宝石を核石として生まれた「エディルレイド」は宝石の擬人化とも取れる。彼女たちの核石がどのような色合いで、どのような石を基としているのかを、考察する楽しみへと繋がっている。
表現上の特徴
本作『EREMENTAR GERAD』は絵柄の与える印象とは裏腹に、過激な描写が多いことが表現上の特徴としてあげられる。特に、敵キャラクターやヒロインたちが、物語内で死亡する際の描写には、腕が飛ぶなどといったグロテスクなゴア表現が描かれていることが多い。
特殊設定
本作『EREMENTAR GERAD』の特筆すべき設定として「謳」があげられる。「エディルレイド」という種族が使用することのできる「謳」という特殊能力は、他の作品で言う「魔法」のような力を持っている。本作では「エディルレイド」ごとに固有の「謳」を持つと設定されており、各「エディルレイド」の「謳」には、それぞれ古い和歌のような詠唱が設定されている。例えばヒロインであるレヴェリー=メザーランスが、主人公のクード=ヴァン=ジルエットと同契と呼ばれる契約を結ぶ際に歌った「同契の謳」は次の通りである。
「あけかなる夜へ伽つむぎ まなうたに栄ゆるおもしめし そまどろ包みいし明かし 我といましと息の緒に 相生う性の契り籠ん あからしま風を纏いたり 甘ない相具すうきかわさん」
「謳」は、基本として東まゆみのアシスタントであるましかじゅんによって作「謳」されており、「謳」が持つ独特の雰囲気が『EREMENTAR GERAD』の空気を作り上げるうえで、大きな役割を果たしている。また、空気を醸すだけでなく、ヒロインでもある「エディルレイド」たちが「謳」を歌うことによって、それ自体が強烈な個性としても機能しており、「謳」は作品における最大の特徴とも言える設定となっている。キャラクターブックとして発売されている『EREMENTAR GERAD オフィシャルガイド』や『EREMENTAR GERAD アルティメットガイド』には、作中に登場した「謳」の訳が掲載されており、ヒロインたちがどのような「謳」を歌い上げているのか、また、どのような想いを「謳」に込めているのかを、理解する手助けとなる情報が記載されている。
単行本の装丁
『EREMENTAR GERAD』のコミックスは、本体表紙に、カバー表紙の絵をもとに描かれたSDキャラが、コミカルに描かれている。カバー表紙に登場したキャラクターとそのパートナーによる掛け合いが描かれていることもあり、そのキャラクターのファンにとっては、本編では見られないシーンを垣間見ることができる。
派生作品
本作『EREMENTAR GERAD』の舞台となったプリミエナ大陸、ヴォルシオーネ大陸とも異なる舞台、エルバス大陸での出来事を描いた作品として、『EREMENTAR GERAD -蒼空の戦旗-』がある。2作品を区別するために『EREMENTAR GERAD』が「紅」と呼ばれるのに対して、『EREMENTAR GERAD -蒼空の戦旗-』が「蒼」と呼ばれている。時系列的には「紅」の2年後にあたり、大陸の二大勢力の1つとされるフアジャール王国の王妃アシェアを主人公に、エディルガーデン総裁によって滅ぼされた王国を復興させるための旅路を描く。「紅」の登場人物であるシスカの姉、メルが登場したり、エディルレイドハンターであるヴォルクス=ハウンドが登場するなど、作品間での繋がりを感じさせる構成となっている。また、「紅」のヒロインであるレヴェリー=メザーランスが目指していた旅の目的地、エディルガーデンが、冒頭で敵国として登場するといった要素もあり、2年後といった時系列設定も相まって、「紅」ファンでも楽しめる内容となっている。「月刊コミック アヴァルス」で連載していたが、2015年3月に、東まゆみが以前より患っていた緑内障が悪化したため、病状が快復するまでの期間、休載が発表された。
外伝
「コミックブレイドMASAMUNE」の2003年冬季号に、本作『EREMENTAR GERAD』の外伝「EREMENTAR GERAD Approach.1」が掲載された。本作の登場人物の1人であるシスカのライバル、マイナが登場するストーリーとなっている。コミックスには未収録。
関連作品
画集『紅霹 東まゆみIllustration Works EREMENTAR GERAD "RED"』
2003年12月にマッグガーデンより『EREMENTAR GERAD』のイラストを集めた画集『紅霹 東まゆみIllustration Works EREMENTAR GERAD "RED"』が発売された。東まゆみの画集としては3冊目にあたる。過去に発表された『EREMENTAR GERAD』に関するイラストが収録されているほか、単行本1巻の限定版などの付録であるトレーディングカードゲーム「ELEMENTAR FRONT」のイラストも収録されている。
イラスト集『彩宴 ~Colorful Festival~ 東まゆみ コンパクトイラストレーションズ』
2008年3月には、マッグガーデンより東まゆみのカラーイラスト集『彩宴 ~Colorful Festival~ 東まゆみ コンパクトイラストレーションズ』が発売された。誌上やグッズなどで発表されていた『EREMENTAR GERAD』や『EREMENTAR GERAD -蒼空の戦旗-』のイラストが多数収録されている他、描き下ろしイラストも収録されている。大きさは画集とは異なり、コミックスサイズのコンパクトなものとなっている。
関連商品
フィギュア
ユージンよりフィギュアの販売が幾度か行われている。「エレメンタル ジェレイド ツインマスコット」が2005年中旬より発売された他、「SR DX エレメンタル ジェレイド レン」が2005年7月下旬に発売され、2005年8月下旬より「TFC エレメンタル ジェレイド」が発売された。また、株式会社ペーパームーンによって『EREMENTAR GERAD』のヒロインであるレヴェリー=メザーランスの等身大フィギュアが製作され、TVアニメ化に合わせて展開されたキャンペーン企画「エディルレイド完全保護計画」における「メザーランス コース」の賞品とされた。
トレーディングカードゲーム
『EREMENTAR GERAD』のキャラクターが登場する対戦型トレーディングカードゲーム『ELEMENTAR FRONT』が製作されている。一般販売はなく、『EREMENTAR GERAD』の単行本1巻の限定版付録である「EREMENTAR FRONT PREMIUM STARTER BOX」や、単行本4巻限定版での付録として販売された。また「コミックブレイドMASAMUNE」2003年夏季・秋期号にも付録として販売された。原作には登場していないキャラクターもカード化されている他、キャラクターのデザインは漫画本編での登場前に描かれた、決定稿以前のものが使用されている。「EREMENTAR FRONT PREMIUM STARTER BOX」に収録された60枚のカードのデザインは、『EREMENTAR GERAD オフィシャルガイド』の巻末にも収録されており、画集『紅霹 東まゆみIllustration Works EREMENTAR GERAD "RED"』にも、前述の60枚をはじめとするカードの絵が収録されている。また、「月刊コミックブレイド」の付録や応募者サービスとして主に展開されていたトレーディングカードゲーム「COMIC BLADE GLADIATORS」にも収録作品として参加しており、『EREMENTAR GERAD』のキャラクターがカード化されている。
シールブック
マッグガーデンより2005年8月に『EREMENTAR GERAD シールブック』が発売されている。『EREMENTAR GERAD』と『EREMENTAR GERAD -蒼空の戦旗-』のキャラクターイラストが、シールとなって412枚収録されている。
コラボレーション
ブレイドコミックアーカイブ
「ブレイドコミックアーカイブ」にて『EREMENTAR GERAD』の無料配信が行われた。Yahoo! JAPANの電子書籍配信サイトである「Yahoo!コミック」内に、ウェブコミック誌「EDEN&ブレイドコミックアーカイブ」が開設されたことに合わせた配信で、2009年9月25日から2010年9月17日の期間にわたって配信された。
メディアミックス
TVアニメ
2005年4月より、XEBECによるTVアニメ版が放送された。監督はうえだしげる、シリーズ構成は荒川稔久、美術監督は小倉宏昌、音楽は梶浦由記、メカデザインは枡田浩史が担当している。キャストはクード=ヴァン=ジルエット役を石田彰、レヴェリー=メザーランス役を高橋美佳子、シスカ役を水樹奈々、ローウェン役をうえだゆうじ、キーア役を鈴木菜穂子、ヴォルクス=ハウンド役を置鮎龍太郎、チルル役を釘宮理恵が演じている。原作連載終了前に放送されたため、内容はアニメオリジナルのストーリーを交えた展開となっている。放送時にはゲーム化などのメディアミックス展開が幅広く行われた他、単行本などの対象商品に付属している応募券を集めて応募するアニメ化記念プレゼントキャンペーン「エディルレイド 完全保護計画」が展開された。
ドラマCD
フロンティアワークスより「コミックブレイドドラマCDシリーズ 『EREMENTAR GERAD』」が2003年1月より発売されている。ドラマCDオリジナルキャストとなっており、クード=ヴァン=ジルエット役を高橋直純、レヴェリー=メザーランス役を桑島法子、シスカ役を大谷育江、ローウェン役を森久保祥太郎、キーア役を岡村明美が務めている。コミックスのストーリーに準拠した作りとなっており、それにオリジナルのサイドストーリーが盛り込まれる形となっている。第1巻~第3巻まで発売された。この商品の他に、単行本限定版の付録として制作されたドラマCDが存在し、そちらは基本的にアニメ版に準じたキャストとなっているが、キーア役が鈴木菜穂子から桑谷夏子に変更されるなど細かい相違がある。ドラマCDが付録として付いてきた限定版は3本存在し、それぞれコミックス16巻、17巻、18巻の限定版にドラマCDが付属されている。
TVゲーム
PlayStation 2とゲームボーイアドバンスでゲーム化がなされている。「エレメンタル ジェレイド -纏え、翠風の剣-」はタイトーより2005年6月30日に発売されたPlayStation 2用ゲームソフトで、ジャンルは3D格闘ゲーム。コミックスではなくアニメを原作としており、声優やキャラクターデザインなどもアニメに準拠したものとなっている。原作の物語を体感できる「ストーリーモード」の他、アーケードモードと対戦モードが存在。またアーケードモードをクリアすると、使用したキャラクターの隠しコスチュームが解放される、といったクリア特典が存在する。原作では考えられない「エディルレイド」1人での戦闘といった、ファンサービスの遊び要素も盛り込まれていた。「エレメンタル ジェレイド ~封印されし謳~」は、タカラトミーから2005年7月7日に発売されたゲームボーイアドバンス用ゲームソフト。ジャンルはバトルアドベンチャーで、キャラクターデザインなどはアニメ版を基準としている。ゲームオリジナルのストーリーが展開される作品となっており、クード=ヴァン=ジルエットらが訪れた港町・ポルトガレオンでの一幕を描いた内容となっている。原作者である東まゆみ本人のデザインによるオリジナルキャラクターなどが登場した。また早期購入特典として、「シスカのガネー貯金箱」が貰えた。
携帯電話用ゲーム
タイトーより2005年5月から携帯電話用向け2D挌闘ゲーム「エレメンタルジェレイド」が配信されていた。『EREMENTAR GERAD』のキャラクターが多数登場し、対戦させることが可能。着信ボイスの配信なども合わせて行われており、なかにはこのゲームでしか手に入れることのできない、オリジナルの着信ボイスなどが収録されていた。
小説
マッグガーデンの「MAG-Garden NOVELS」より、『EREMENTAR GERAD ~隠された月虹宝珠~』と『EREMENTAR GERAD ~時を移す藍方宝樹~』の2冊が刊行されている。両作品とも執筆は集英社の「コバルト文庫」などで活動する作家、朝香祥が担当。内容はアークエイルの保護官であるシスカを主人公に据えたスピンオフとなっている。それぞれ『EREMENTAR GERAD ~隠された月虹宝珠~』が2005年8月29日に、『EREMENTAR GERAD ~時を移す藍方宝樹~』が2007年3月8日に発売された。
キャラクターブック
マッグガーデンより『EREMENTAR GERAD オフィシャルガイド』と『EREMENTAR GERAD アルティメットガイド』の2冊のキャラクターブックが発売された。2005年5月28日に発売された『EREMENTAR GERAD オフィシャルガイド』には、単行本1巻~8巻までの情報が紹介されているほか、作者である東まゆみが「あとりえあくあ」で作業する様子や、アシスタントたちへのインタビューが掲載されている。また、2009年3月10日に発売された『EREMENTAR GERAD アルティメットガイド』には、単行本1巻~15巻までの情報が紹介されている。どちらのキャラクターブックにも、派生作品である『EREMENTAR GERAD -蒼空の戦旗-』の情報や、作中で「エディルレイド」たちの歌った「謳」の完訳などが載っており、作品世界への理解を深めるためのサポートブックとなっている。
アシスタント
東まゆみのアシスタントを務めているましかじゅんは、主に同人活動を中心に活動する漫画家であり、かつては東まゆみも同じ同人サークルで活動していた。『EREMENTAR GERAD』では、アシスタント業と並行して、作中の重要な要素である「謳」の作成を担当している。
登場人物・キャラクター
クード=ヴァン=ジルエット
紅山猫に所属する空賊の少年。金持ちの家から奪い取った財宝の中に偶然紛れ込んでいた「エディルレイド」の少女、レヴェリー=メザーランス(レン)と同契を結んで、エディルガーデンを目指す旅に出ることになった。身長は160センチ。血液型はO型。年齢は15歳で、誕生日は5月23日。髪はキャメルブラウン色のツンツン頭をしており、瞳の色はライトブルー。 陽気な性格をしており、物事に対して前向き。お調子者で、調子に乗せると実力以上の力を発揮する。反面、練習嫌いで勉強嫌い。実力不足な物事に対して、楽天的な考えから首を突っ込み、失敗することも多い。パートナーであるレンのことを異性として意識しており、強い恋心を抱いている。しかし、男所帯で育ったために、異性にどう接して良いのか分からず、腫れ物のように扱ってしまいがち。 一方で、同契時には非常に高いシンクロ率を見せるなど、レンとの相性は良く、すれ違いや勘違いといった障害を越えながら、深く心を通わせていく。メカニックの腕には確かなものがあり、飛行艇やロープウェーの修理などはお手の物。また、アンゲルというロープの付いた鉤爪のような武器を自由自在に使いこなす。 女の子がウサミミを付けるファッションが、我を忘れてしまうほど好き。
レヴェリー=メザーランス
500年以上にわたり長らく封印され、石棺に収められていた少女。「エディルレイド」の中でも特に強力な力を持つとされる「七煌宝樹」の一属、メザーランスの最終血統とされる。偶然にも紅山猫が盗んだ財宝の中に紛れ込んでいたところを、クード=ヴァン=ジルエット(クー)によって封印から解き放たれ、同契を結ぶ。 かつての約束を叶えるため、エディルガーデンを目指している。身長は154センチ。マラカイトグリーンの瞳。孔雀石(マラカイト)色の核石が額にある。ゼニスブルー色の髪を長く伸ばしており、額の核石を隠すように、髪とともにリボンで結んでいる。「エディルレイド」としての回復方法は「睡眠」を取ること。言葉数が少なく、物静かな性格をしている。 だが、時に口を開くと、核心を突く言葉を口にし、迷っている人の心を動かすことも多い。感情を表に出すことも少なく、外見上はクール。顔に似合わず頑固者で好き嫌いが激しく、激した時には熱い感情を表に出すこともある。外見は儚げな少女ながら、甘いものが全然ダメでで、ショートケーキやパフェなどは大の苦手。過去の出来事が原因で、人間嫌い。 しかし、パートナーであるクーの、何事にも前向きな姿勢に何度も救われて、徐々に改善されていくこととなる。クーとの相性は非常に良く、同契を重ねる度に高いシンクロ率を発揮。実力で上回る敵に対して何度も勝利を収めた。同契時の姿は風をまとった大剣。希少とされる風属性を有しており、その威力は絶大の一言。反面、同契者であるクーの未熟さと、「エディルレイド」としてのレンの力の膨大さゆえに燃費が非常に悪く、戦闘後はすぐに眠くなってしまう。 真名であるレヴェリー=メザーランスの名を快く思っていない。
シスカ
アークエイルの保護官を務める少女。「シスカ」という名前は、保護官としてのコードネームのようなもので、本名ではない。身長は147センチ。血液型はB型。年齢は16歳で、誕生日は12月25日。髪の色は茶色で、瞳の色は赤色。アークエイルの制帽をかぶっているが、その中に武器や財布、時には財宝を詰め込むなど、中身は収納スペースと化している。 性格は飛び抜けて明るく、常にポジティブシンキングを保つ精神力の持ち主。アークエイルとしての使命に対して誇りを持っており、任務に対しても真面目。しかし、任務一辺倒というわけではなく、あくまで「エディルレイド」の幸福を第一に考えており、絶対に保護しなければならない、というこだわりは持っていない。大家族の家に生まれ、貧乏な家庭で育ったため、お金に対する強い執着心があり、欲深い。 また出世欲も強く、七煌宝樹の保護任務に就いたのも、出世に有利になるという打算からである。アークエイルのクルスに対して思慕を抱いている。保護官ではあるが同契者ではなく、単なる人間。戦闘時には大量の銃火器と徒手空拳を武器に戦う。特に銃火器の火力は「エディルレイド」でも手を焼くほどで、同契者を相手に一歩も引かない実力を秘めている。
ローウェン
アークエイルの保護官を務める青年。「ローウェン」という名前は保護官としてのコードネームのようなもので、本名ではない。同契者で、キーアと同契を結んでいる。身長は180センチ。年齢は20歳で、誕生日は2月1日で、血液型はAB型。長い金髪をポニーテールの髪型にしている。あまり自己主張することはないが、実は資産家の一人息子。 瞳の色はラベンダー。アークエイルの保護官を育成するアカデミーを主席で卒業した逸材。心優しく、包容力のある性格をしており、誰に対しても親切で、その性格と、線が細く整った容姿を利用して、ホステスとして働くこともある。一方で、仕事に対してはシビアで冷徹な一面も持つ。同じ保護官であるシスカとコンビを組んで、七煌宝樹保護の任務に就いている。 完璧主義な面があり、戦闘時に被害を完全に防ごうとしすぎるあまり、行動選択を躊躇してしまい、むしろ状況を悪化させてしまうこともある。しかし、同契者としての実力は高く、現在ではほとんど見られなくなった併唱謳という高度な技を使いこなせるほど。そのため、同契者としての戦闘に不慣れなクード=ヴァン=ジルエットとレヴェリー=メザーランスに、戦い方の稽古をつけたり、アドバイスしたりと、同契者の先輩として彼らを導いている。
キーア
ローウェンと同契を結ぶ「エディルレイド」の女性。真名を「キュリート=エンヴァティリア」という。身長は180センチで、髪の色はブラック。二股に分かれた長い髪をしている。瞳の色はレッド。核石の色は石榴石(ガーネット)色で、両手の甲にある。「エディルレイド」としての回復方法は「食べること」。姐御肌な性格の人物で、旅のメンバーの姉的な存在。 ローウェンやレヴェリー=メザーランスの相談に乗ったりと、精神面の支えになっている。一方で、回復のためには大量の食事をする必要があり、お腹が空いてくると凶暴化し、好戦的な性格となる。アークエイルの「エディルレイド」として特別な訓練を受けており、封煌符への耐性を持つなど、非常に高い能力を誇る。 また、パートナーであるローウェンとは本当の姉弟のような関係を結んでおり、シンクロ率は高い。同契時には二対の曲刀と鎖鎌の姿をとる。
ラサティ=ティグレス
ラズフェ=アンクルのミリアルド=トレイで賭闘士をしている少女。身長は175センチ。年齢は18歳で、1月11日生まれ。青い瞳をしている。特徴的な長い黒髪をしており、後頭部で二又のポニーテールのような形で結い上げている。幼少期に両親と死別しており、叔父に引き取られた。血の繋がらない「エディルレイド」の妹であるリィリア=ティグレスとともに、非合法な賭闘場を運営しているオーナーに、金で買われた過去を持つ。 現在では、リィリアが賭闘の道具として使われることを防ぐために、賭闘士として戦っている。ランクは上から3番目のB(ビショップ)。素手で戦うことを得意としており、拳による打撃や蹴り技など、多彩な武術を身につけている。 闘気をまとった攻撃を相手に叩き付ける吼号穿という技によって、「エディルレイド」を装備した同契者にも引けを取らない戦闘力を発揮する。性格は真面目で、武芸一辺倒で育ったため、自分のことを「ボク」と呼ぶ。一方で優しい部分もあり、特に妹のリィリアに関しては過保護気味に接している。自身と同様に、誰かを守るという意思を持つクード=ヴァン=ジルエットを認めている部分もあるが、同時にリィリアに近づく悪い虫と見なしている部分もある。 自分に対する好意には鈍感な性格で、同じくミリアルド=トレイで賭闘士をしていたコフィ=メイカーに恋心を寄せられていたが、まったく気づいていなかった。
リィリア=ティグレス
ラズフェ=アンクルのミリアルド=トレイを運営するオーナーの屋敷でメイドをしている少女。身長は157センチで、年齢は15歳。「エディルレイド」で、右腕の上腕部に紺色の核石がある。首元で切りそろえられたエメラルドグリーンの髪で、瑠璃色の瞳をしている。ラサティ=ティグレスの家の井戸に捨てられていた「エディルレイド」の孤児で、彼女の家に引き取られた過去を持つ。 ラサティとは血の繋がらない姉妹として育てられたが、両親が死別すると、引き取った叔父によって、「エディルレイド」であることに目を付けたオーナーのもとへ、ラサティとともに売り飛ばされた。賭闘士の武器や純粋な商品として利用されそうになったが、代わりに姉であるラサティが賭闘士として戦って身代わりとなっている。 無力な自分に対してコンプレックスを抱いており、気弱で控えめな性格も合わさって、行動や欲求を自分で抑え付けてしまう面がある。のちにレヴェリー=メザーランスと知り合ってからは意気投合し、自ら「友達」と呼ぶほど仲良くなる。武器としての形態は、右足に装着されるサポーターのような形をしている。 糖分を摂取することで「エディルレイド」としての能力を回復する。リィリア=ティグレスという名前は、ラサティの両親によって付けられたもので、「エディルレイド」としての名前ではない。
バーグレット
アークエイルの元保護官の男性。特殊機動部隊B・G(バール・グライダー)の指揮官だった過去がある。身長187センチ。年齢は33歳で、誕生日は12月18日。血液型はB型。オールバックを崩した髪型をしており、髪の色はスレートグレイ。瞳の色はホライズンブルーをしている。「エディルレイド」のエンディーと同契を結んでいる同契者。 アークエイルの保護官統括であるファルクの懐刀として秘密裏に活動しており、クード=ヴァン=ジルエットたちの旅を監視し、時には窮地を救うなどしていた。性格は常識に縛られないアウトローで、怠け者。酒や煙草、バイクをこよなく愛し、ダンディズムに溢れた人物。その一方、実力は本物で、素手でシスカやローウェンたちを一蹴するほどの強さを誇る。 また、警備システムを停止させるといった偽造や工作の腕も超一流で、パートナーのエンディーからは絶対的な信頼をされている。戦闘時には持ち歩いているライフルと一体化したエンディーとともに、スナイパーとして戦う。
エンディー
バーグレットと同契を結んでいる「エディルレイド」の少女。真名は「エンディビ=ディリーパン」。身長158センチで、濡羽色の長い髪を簪で結い上げている。瞳と核石の色は深藍色(こきあいいいろ)。「エディルレイド」としての回復方法は「アロマで吸香」すること。無頼漢で怠け者なバーグレットを公私にわたりよくサポートするパートナー。 特に偽造や工作といったバーグレットの技術に対して全幅の信頼を置いており、絶対にバレないので良心の呵責を感じることもない、と公言している。同契時にはバーグレットの武器であるライフルと一体化して、狙撃銃のような姿になる。また、同契時以外も、髪を結い上げている簪(かんざし)を利用した「簪武術」という独特の武術によって、戦闘を行うことが可能。
グリィナ
バーリィ=トストで隠れ住んでいた「エディルレイド」の老婆。真名は「グリツィネ=レフィナード」。自身の核石が狙われているため、エディルレイドドクターであるS=クランクハイドの一族によって代々匿われていた。身長は180センチで、シルバー色の長い髪をしている。瞳の色は藤紫色で、同色の核石が左鎖骨にある。 黒い修道服のようなものに身を包み、老人ながら背筋はピンと伸びて、佇まいからは老いを感じさせない。頑固で気が強く、人間嫌いな性格をしており、クード=ヴァン=ジルエットにもその様子を隠そうとはしなかった。レヴェリー=メザーランスを旅の男から託された、育ての親ともいえる人物。500年以上も昔に喧嘩別れして以来、レンとの再会を心待ちにしていた。 「エディルレイド」ではあるが、かつての同契者に受けた酷い仕打ちのため人間嫌いになって以来、誰とも同契を結んでいない。しかし、自身の身の丈ほどもある長剣を易々と使いこす戦闘力と、老齢から来る卓越した戦術眼を有しており、核石を狙う刺客を相手取っても、一歩も引けを取らない能力を持っている。
キンバルト
空賊団「紅山猫」を束ねている屈強な男性。57歳ながらが、身長195センチという大柄な体格を持つ。髭面で、後ろ髪以外の髪の毛がない禿頭をしており、頭の右側に大きな傷痕が刻まれている。親もなく、スリや盗みを働いて日々を過ごしていた5歳のクード=ヴァン=ジルエットを保護し、紅山猫の一員に加えた。
ラグドール
空賊団「紅山猫」に所属する団員の1人。顎髭を生やした中年の男性で、頭にバンダナを巻き付けている。ラズフェ=アンクルの非合法な賭闘場であるミリアルド=トレイに、ウサミミの女性がいることをクード=ヴァン=ジルエットに教えた。
フィオラ
エレ=ブランカの町でクード=ヴァン=ジルエット(クー)らが出会った女性。黒く長い髪を頭巾でまとめた髪型の、垢抜けていない町娘。父親とともにラグウルスという獣に襲われていたところでクーたちと出会う。町を支配するビーゾンに対し、町のためとして人身御供にされそうになった。
サンウェルド
アークエイルに所属する保護協会員。柔和な笑みを浮かべた長身の男性で、どのようなことがあろうと、のほほんとした態度を崩さない人物。シスカやローウェンとは顔見知りで、彼らの先輩にあたる。普段はシャルロという「エディルレイド」と行動をともにしている。
シャルロ
アークエイルに所属する「エディルレイド」の少女。真名は「シャトン=バド=ウオルスローズ」。ウェーブのかかった長い髪をしており、頭の後ろに大きなリボンを付けている。普段はサンウェルドとコンビを組んで、アークエイルの職務に励んでいる。同じアークエイルに所属する「エディルレイド」であるキーアを「キーアおねーさま」と呼び、強く慕っている。
ファルク
アークエイルに所属する壮年の男性。「エディルレイド完全保護協会保護官統括」という役職にあり、「ファルク総監」と呼ばれる。顎ひげを生やし、生真面目そうな印象を与える太めの眉と骨太な輪郭の顔つきをしている。外見の印象通り、アークエイルの任務に対して実直な性格をしており、熱意を持って任務にあたっている。
クルス
アークエイルに所属する男性。保護官統括であるファルクの補佐を務めている。ゴールドブラウンの髪色をした線の細い輪郭の顔立ちで、左目の目尻に泣きボクロがある。任務に対して真面目一辺倒で、部下に厳しくあたるファルクに対して、物わかりが良く、部下に斟酌を加えるなど、臨機応変に対応してファルクをよく補佐している。
シーナ
バーリィ=トストの病院で働く女医。負傷のため、入院することとなったローウェンの治療を行った。身長は167センチ。年齢は32歳で、誕生日は3月4日。髪色はブロンドで、ウェーブのかかったロングヘアーをしている。グラマラスな体型をしており、それを強調する服装と相まって大変セクシーな外見をしている。親切ではあるが、大変甘やかな声がけをするなど、妖艶な雰囲気を身にまとう女性で、治療を受けたローウェンは、たじたじになっていた。 エディルレイドドクターであるS=クランクハイドとは知り合いで、体調の悪いレヴェリー=メザーランスを診せることのできる医者を探していたクード=ヴァン=ジルエットらに、クランクハイドのことを紹介する。
S=クランクハイド (しるとくらんくはいど)
世界でも10人ほどしか存在しないとされる「エディルレイド」専門医、エディルレイドドクターの男性。身長は185センチ。年齢は29歳で、誕生日は11月26日。よく整えられたゴールドの髪型に、端正な顔立ちをしている。バーリィ=トストに自らの病院を持っているが、「エディルレイド」ドクターの希少性から、各地へ出張に赴いていることが多い。 感情の起伏が激しく、冷静な時は思慮深い性格をしているが、興奮すると手のがつけられなくなる。男嫌いの反動か、女好きで、特に「エディルレイド」の女性が好み。自身が担当した「エディルレイド」の写真をコレクションするという趣味がある。また、診察中に患者や看護師の女性に対してセクハラを働くという噂がある。
ボッカ
ナッド=リーゼンでクード=ヴァン=ジルエットらが出会った小太りの男性。身長162センチ。年齢は51歳で、誕生日は7月5日。血液型はB型。瞳と髪の色は黒色。特徴的な赤鼻にM字を描く口ひげを蓄えている。空を愛する飛行艇乗りだった過去があり、かつては幾度となく紅山猫とやり合った因縁がある。20年前、ナッド=リーゼンで制空法が制定されて飛行艇を奪われた時から生き甲斐を失い、自暴自棄の生活を送っている。 ユーシュテという、元「エディルレイド」の妻がいる。
ユーシュテ
ナッド=リーゼンで暮らす元飛行艇乗り。ボッカの妻。身長172センチ。年齢は48歳で、誕生日は2月28日。髪の色はウォルナットブラウンで、肩口ほどの長さ。瞳の色はリーフグリーン。核石を失った「エディルレイド」で、かつて持っていた核石は瞳と同じ色をしていた。真名は「ヒュアーシ=イユテン」、「エディルレイド」としての回復方法は、野菜などからビタミンを摂取すること。 20年前に制空法が定められる前に、飛行艇乗りとして空を飛び回っていたボッカを慕っていた。
長老 (ちょうろう)
「エディルレイド」の老婆。かつてレヴェリー=メザーランスが住んでいた「エディルレイド」の聖地と呼ばれる村、アルクヴォーレをまとめる長老。身長109センチ。シルバーホワイト色の髪をしており、瞳と核石の色は古代紫。老いてなお盛んな人物で、ともに村で暮らしていたグリィナとは古い付き合いゆえに、老人同士で喧嘩しあうこともある。
ママ
ラズフェ=アンクルでバー「ピタゴラス・雅」のママを務めている人物。かつてママのもとでローウェンが働いていたことがある。ローウェンよりも高い身長で、体格も良く、青ひげに濃厚な腕毛の生えた人物だが、豊満な胸もあるなど性別不詳。心優しく、包容力のある人格者で、ローウェンに対して女の子の扱い方を手ほどきしたことがある。
シャム
空賊団である紅山猫に新たに加わった団員の少年。ラズフェ=アンクルのミリアルド=トレイで見せたクード=ヴァン=ジルエット(クー)の活躍に惚れ込み、紅山猫へ入団した。黒髪を後ろになでつけたツンツン頭をしており、クーと同じ赤いジャケットを着込んでいる。
マイナ
アークエイルに所属する女性保護官。シスカのライバルともいえる存在で、七煌宝樹の保護任務などの座を争ってきた。ツーサイドアップのような髪型だが、ツインテールの部分が縦ロールとなった独特の髪型をしている。シスカと争うほどに身長や胸がない。化学、薬学の秀でた才があり、化学薬品を調合して武器として使用する。
ヴォルクス=ハウンド
エディルレイドハンターを生業としている男性。「エディルレイド」を捕獲し、売りさばくことで金を手に入れている。身長は190センチ。年齢は28歳で、11月7日生まれ。血液型はA型。黒いコートにマフラーを巻いている。髪と瞳の色は濃紺で、前髪が前方に突きだした特徴的な髪型をしている。正確は冷静沈着で嗜虐的。優れた「エディルレイド」をねじ伏せ、捕獲することに悦びを見いだしている。 チルルという幼女のような姿形をした「エディルレイド」を相方にしているが、彼女のことは代用の利く道具のように考えている。封煌符や、それを改造した封煌帯と呼ばれる札を使って、「エディルレイド」の能力を奪うことができる。チルルの武器としての能力である防御能力を頼りに、じわじわと相手へ接近し、攻撃する戦法を得意としている。
チルル
エディルレイドハンターであるヴォルクス=ハウンドに付き従う盾属性の「エディルレイド」。真名は「ティクル=セルヴァトロス」。核石のある箇所はお腹で、黄緑色をしている。幼女のような外見をしており、身長がとても低く70センチしかない。自分の顔ほどもある大きな髪飾りで、身長ほどの長さの髪を頭の両サイドでまとめている。 髪色と瞳の色は萌黄色。「エディルレイド」としての能力の回復方法は、同契者の体に触れること。同契者であるヴォルクスのことをヴォル君と呼び慕っており、過剰なまでの愛情と行動力を見せることがある。「エディルレイド」を見分ける能力を持っており、エディルレイドハンターの活動に利用されていた。武器としての形態は、石版を複層に重ねた、巨大なピコピコハンマーのような形状をしている。
玉翠 (ゆいつぇい)
「エディルレイド」の仲買を行っている謎の人物。身長は153センチ。ローブのような服を身にまとった黒ずくめの服装をしており、帽子からのベールによって顔を隠している。そのため、外見からは性別を判断できない。エディルレイドハンターであるヴォルクス=ハウンドなどと取引を行っており、七煌宝樹であるレヴェリー=メザーランスを手に入れようと暗躍している。 仲買人は裏の顔で、表の顔では中華風美術品の売買を行う店を経営している。「~デショ」と語尾を付けた特徴的な話し方をする。
アルマ
「エディルレイド」の仲買人、玉翠に付き従う護衛の女性。身長は175センチ。誕生日は10月9日。血液型はB型。「エディルレイド」の来蕾と同契を結んでいる。ゴールドの色をしたショートヘアの髪型をしている。瞳の色は右目が深緑、左目がゴールド。羽の付いた棒を回転させながら突く技を得意としている。
来蕾 (らいれい)
アルマと同契を結ぶ「エディルレイド」の少女。真名は「ラ=イール=レイガンスティクト」。身長は155センチ。カーマイン色の髪をしており、ショートヘアに短く切っている。瞳と核石の色はキャナリーイエロー。「エディルレイド」としての回復方法は「回転」すること。核石の位置は耳にある。首の後ろ側から孔雀の羽のような飾り羽を立てている。
キース=フェルゲン
オルガナイトの前身組織である「オルガシオン」の隊長を務めていた男性。身長185センチ。誕生日は10月16日。血液型はB型。サンドグレイ色の髪をしており、瞳は右がナイルブルー、左がゴールドのオッドアイをしている。年齢は不明だが、200年以上を生きているという噂がある。クード=ヴァン=ジルエットの時代より500年以上昔に存在した過去の人物で、かつてレヴェリー=メザーランスが住んでいた「エディルレイド」の聖地アルクヴォーレを訪れたことがある。 「エディルレイド」のシアと結婚し、エディルガーデンへと帰還した。「エディルレイド」と人間を平等のものとして扱い、心優しく気遣いのできる好青年。その一方で、同時にエディルガーデンの国力を高め、「エディルレイド」の理想郷を作るためならば人体実験や、「エディルレイド」の強引な捕獲なども厭わない、非情で冷酷な面もある。 オルガシオンの隊長でありながら、最新技術の研究や発明を行う科学者でもあるなど謎が多い。
シア
レヴェリー=メザーランス(レン)の姉のような存在。身長168センチ。かつて「エディルレイド」の聖地、アルクヴォーレに住んでいた。真名は「シャンティーレ=フリェジィア」。撫子色の髪をしたショートヘアで、瞳と核石の色はラヴェンダー。「エディルレイド」としての回復方法は「花で作ったお茶を飲む」こと。七煌宝樹として迫害されていたレンに対しても心優しく接していた。 生物の成長を操作する能力を持っており、雪晶華などの植物を育てるのを趣味としていた。また、育てた苺でショートケーキを作ったりするのも得意としている。人間であるキース=フェルゲンと出会い、心を通わせ結婚。エディルガーデンに移り住む際に、レンと再会の約束をした。
エディルガーデン総統 (えでぃるがーでんそうとう)
エディルガーデンの地でオルガナイトを率い、世界各地の「エディルレイド」の捕獲を命じている謎の人物。身長207センチ。シルバーホワイトの長い髪の持ち主で、瞳を除く顔全体を布で覆っている。瞳は右目が古代紫、左目がゴールドのオッドアイ。本来であれば七煌宝樹奪回などの重要任務には自ら動く行動派だが、現在は表舞台に出るのを控えている。
ガレオーダ
オルガナイトの幹部を務める男性。身長は195センチ。血液型はO型。誕生日は8月20日。威厳のある彫りの深い顔立ちをしており、スパニッシュレッドの長髪に、整えられた豊富な顎髭と口髭を生やしている。瞳は右目が真紅、左目がゴールドの色をしている。厳格な態度でオルガナイト幹部を取りまとめる、リーダー的存在。同じ幹部であるビーネンリッターやバロバルクスですら、表だって逆らえないほどの発言力を持つ。 エディルガーデンの警護においても主導的な立場をとっていた。
バロバルクス
オルガナイトの幹部を務めている男性。身長180センチ。血液型はB型。誕生日は10月13日。プリミエナ大陸を管轄している。髪の色はキャメルブラウン。瞳の色は右が濃紺、左がゴールドのオッドアイとなっている。自身の管轄内で発見した七煌宝樹、レヴェリー=メザーランスを奪還しようと、さまざまな謀略をめぐらせる。 冷酷かつ残虐な性格をしており味方にも容赦をしない。任務に失敗した部下に対しては、廃棄処分命令を出すほど。
ビーネンリッター
オルガナイトの幹部を務めている女性。身長175センチ。誕生日は7月29日。血液型はB型。ヴォルシオーネ大陸を管轄している濡羽色の長い髪をしており、瞳の色は右が漆黒、左がゴールドのオッドアイとなっている。バロバルクスが狙う七煌宝樹の「エディルレイド」であるレヴェリー=メザーランスの横取りを狙っており、オルガナイト同士で争っている。 普段は愛猫のダイルモンドレアを可愛がったりと、おどけたところのある女性。しかし、幹部に相応しい切れ者でもあり、また、シスカを圧倒するほどの戦闘能力を持つ。
ダイルモンドレア
オルガナイトの幹部であるビーネンリッターの愛猫。毛丈の長いふさふさな外見の大柄な猫で、ふてぶてしい顔立ちをしている。溺愛されており、トリミングの予約から高級猫缶まで、飼い主であるビーネンリッターによって致せり尽くせりの待遇。首元にリボンが巻かれている。
オルハ
オルガナイトの幹部であるバロバルクスの部下の青年。身長185センチ。誕生日は4月8日。血液型はAB型。レイヴンブラックの髪の色をしており、額にバンダナを巻いている。瞳の色は右がゴールド、左がミッドナイトブルーのオッドアイ。エディルガーデン総統のお気に入りとも言われる実力者で、七煌宝樹であるランジュと同契を結んでいる。 総統の勅命によってレヴェリー=メザーランスの処分を託されたことを機に、バロバルクスのもとから離れていった。好戦的で、戦うことに喜びを見いだす性格。一方でパートナーであるランジュには穏やかな表情を見せるなど、荒々しいだけではない。
ランジュ
オルハと同契を結ぶ「エディルレイド」の女性。七煌宝樹の一属。身の丈ほどの長い髪をしており、こめかみの部分から魚の鰭のような角が生えている。冷気を操る能力があり、同契すると巨大な剣の形となる。その能力は絶大で、レヴェリー=メザーランスの風を凍結させるほどの力を持つ。
ディロイ
オルガナイトの幹部の1人。メガネをかけた男性。エディルガーデンの警備を統率しており、施設の監視や異変への対応を主な職務としている。シアが暴走した際に対応をしていたが、駆けつけたガレオーダに警備の式を譲った。データ主義的なところがあり、予想外の出来事や知識外の情報に弱い。
グレイアーツ
オルガナイトからの刺客。クード=ヴァン=ジルエットの命を狙って現れた。歌手を志望する男性で、身長は178センチ。誕生日は8月10日。瞳は右がブラウン、左がゴールドのオッドアイ。「エディルレイド」であるココウェットと同契を結んだ同契者。細かいことを気にしない大ざっぱな性格をしており、そのせいか、うっかり者でドジを踏むことが多い。 自身の歌声をココウェットに増幅して貰い、周囲を音波で攻撃する「音波の初弦」という朋誦の謳を使う。
ココウェット
グレイアーツと同契を結ぶ「エディルレイド」の少女。真名は「チコーリア=コル=ウェットヴィ」。身長は155センチで、ライラック色の髪と紫の瞳を持つ。核石の色はチリアンパープルで、右胸にある。グレイアーツと同契者としてパートナーの関係にあると同時に、歌手志望であるグレイアーツの熱狂的なファンでもあり、常日頃から彼の歌に聴き惚れている。 「エディルレイド」としての回復方法は熱狂。武器としての形状は蛮刀の形をしている。オルガナイトによる改造を受けた、「強化エディルレイド」とも呼ばれる存在。
フィロ
オルガナイトに所属するスパイの少女。七煌宝樹であるレヴェリー=メザーランスと、その同契者であるクード=ヴァン=ジルエット(クー)の動向を知らせる任務を帯びている。浅紫の髪の毛に、滅紫の瞳を持っている。長い髪を両サイドで三つ編みにまとめており、大きな丸メガネをかけている。快活な性格で、ラズフェ=アンクルのミリアルド=トレイでクーたちに出会った際には、システムに不慣れな彼らに自ら話しかけ、説明してあげるなど親切な一面も持つ。 正体はフィアズーフ=エクリロールというオルガナイトによって作り出された人工エディルレイド。本来は個人名を持たず、「フィロ」という名前も作戦上のコードネームのようなもの。純粋な「エディルレイド」たちを宝石と見なしており、自分は石ころに過ぎない、とコンプレックスを抱いている。
グラディアス
オルガナイトの幹部であるバロバルクスの作戦参謀を務める同契者。身長192センチの長身痩躯な男性。誕生日は12月2日。血液型はO型。シルバーホワイトの髪の毛を身の丈に伸ばしている。瞳は右目がダークグレイ、左目がゴールドのオッドアイ。着流しに腹の部分にさらしを巻いた服装をしている。常に特注のキセルを加えており、それがなければ調子が出ない。 七煌宝樹であるレヴェリー=メザーランス(レン)の奪還を任務としており、その同契者であるクード=ヴァン=ジルエット(クー)の命を狙っている。部下にグレイアーツらがいる。冷酷無情な性格をしており、特に任務の失敗に関しては非情。反面で自身の同契相手である「エディルレイド」、イドゥイに対しては甘く、光が苦手なイドゥイを着流しの袖に隠してやったりしている。 同契者としての実力は折紙付きで、速度でクーとレンに匹敵するほど。また、オルガナイトの別派閥の同契者を、不意を突いて仕留めるなど、その方法を問わない残虐性がある。その他、球体へエネルギーを集め、それを相手へぶつける刳という朋誦の謳を使う。
イドゥイ
オルガナイトの同契者であるグラディアスの「エディルレイド」。真名は「イリティク=ロードゥイ」。身長が58センチしかない小柄な少女で、頭の上半分を黒い帽子で覆い隠している。首元まで伸びた髪の毛はブロンド色。帽子に隠されて普段見ることのできない瞳は漆黒をしており、核石も同じ色をしている。「エディルレイド」としての能力の回復方法は遮光。 闇属性の「エディルレイド」であり、光がとても苦手。そのため、眩しいところでは、グラディアスの着流しの袖に隠れてしまうほど。武器としての形状は鋭い剣の形をしており、斬るだけでなく突きにも応用できる。その剣速はとても素早く、七煌宝樹であるレヴェリー=メザーランスに匹敵する。 臆病な性格をしており、暗いところが好き。舌っ足らずなしゃべり方をする。
ヘリング
オルガナイトの同契者で、ビーネンリッターの部下。身長185センチの男性で、誕生日は9月9日。血液型はAB型。髪の色は黒く、瞳は右目がバイオレット、左目がゴールドのオッドアイとなっている。スーツの上に黒色のロングコートを羽織った出で立ちをしている。「エディルレイド」のルールローゼと同契を結んでいる。 紳士的で、理知的な性格をしているため、任務にあたっても最初から力ずくで事にあたることはない。しかし、同時に神経質なまでに自己のスケジュール管理にこだわり、所持しているスケジュール帳には、私事や仕事を問わず予定が詰め込まれている。スケジュールがズレそうになると、紳士的な性格を脱ぎ捨ててでも、すぐさまことを片付けようとする。 戦闘能力は折紙付きで、ビーネンリッターの部下の中でも上位に位置する。その他、情報収集能力も極めて高く、身分証明書すらないクード=ヴァン=ジルエットの個人情報を、事細やかに調べ上げたほど。過去にコーチネルと関係を持っていたことがある。
ルールローゼ
ヘリングと同契を結んでいる「エディルレイド」の女性。真名は「サヴィルール=ロージェス」。身長168センチ。妖艶で余裕のある雰囲気を身にまとい、丁寧にカールを施されたゴールドの長い髪をしている。瞳と核石の色はバーントアンバー。「エディルレイド」としての回復方法は「貢がれることによる満足感」を得ること。 同契時には巨大な鎌の形となる。ヘリングとは公私ともにパートナーの関係で、かつてヘリングと関係を持っていたコーチネルに対して、余裕の笑みで現在の関係を誇示することもある。仕事以上に私情を優先する点はヘリングと同様で、同契は1日1回までと原則的に決めている。そのため、2回目からは貢ぎ物を容赦なく要求して、ヘリングを困らせる。
ロンブル
オルガナイトの同契者で、ビーネンリッターの部下。身長は180センチの男性。誕生日は4月10日。血液型はO型。チョコレートブラウンの色をした髪を首元まで伸ばした髪型をしており、瞳は右がバイオレット、左がゴールドのオッドアイ。七煌宝樹であるレヴェリー=メザーランスを手に入れるため、同契者であるクード=ヴァン=ジルエットの命を狙って現れた。 「愛宝石」と名付けた12人の「エディルレイド」と同契している多種煌珠使いを自称する人物で、「エディルレイド」への造詣が深く、その発想も天才的。同時に複数の「エディルレイド」を使用して朋誦の謳を合体させ、新たな朋誦の謳を生み出すという、他に類を見ない戦闘法を編み出している。 12人の「エディルレイド」と同時に同契するには、人間として12人の女性と心を通わせる必要があるため、シスカからは凄まじい甲斐性の持ち主と見られている。「エディルレイド」に対して偏執的な収集癖があり、24属性、すべての「エディルレイド」を集めることが夢。
リレイニ
多種煌珠使いであるロンブルと同契を結ぶ強化された「エディルレイド」の少女。12人の「愛宝石」の1人。火属性を担当している。真名は「サリーレ=イグニス」。身長は163センチ。キャロットオレンジのロングヘアで、首元のあたりで外側にカールした髪型をしている。瞳と核石の色は深紅。「エディルレイド」としての能力回復方法は「火に当たる」か、「温度を上げる」こと。
グレニオ
多種煌珠使いであるロンブルと同契を結ぶ強化された「エディルレイド」の少女。12人の「愛宝石」の1人。動属性を担当している。真名は「グレンデ=プーニオ」。身長は178センチ。水浅黄色のショートヘアの髪型をしている。瞳と核石の色はアクアマリン。「エディルレイド」としての回復方法は「パーッと人のおごりで遊ぶ」こと。
フリーウィ
多種煌珠使いであるロンブルと同契を結ぶ強化された「エディルレイド」の少女。12人の「愛宝石」の1人。静属性を担当している。真名は「フリーオ=ウィヌーム」。身長は175センチ。ラヴェンダーブルーの髪色をしており、後ろを短く切り、長く伸ばしたもみあげの部分を筒状にまとめている。瞳と核石の色はモーヴパープル。 「エディルレイド」としての回復方法は「ふかふかなものをもふもふする」こと。
エスタローラ
多種煌珠使いであるロンブルと同契を結ぶ強化された「エディルレイド」の少女。12人の「愛宝石」の1人。美属性を担当している。真名は「ウェヌスタ=アウローラ」。身長は158センチ。ウェーブのかかったオーロラピンク色の髪をしており、髪の長さは膝裏まである。カメリアピンクの瞳と核石の色をしており、「エディルレイド」としての回復方法は「イチャイチャする」こと。
ジョム
多種煌珠使いであるロンブルと同契を結ぶ強化された「エディルレイド」の少女。12人の「愛宝石」の1人。闇属性を担当している。真名は「ネソンジョーク=フリム」。身長は140センチ。ジャスパーグリーンの髪色をしている。雨合羽のような衣服に身を包んでおり、常にフードをかぶっている。瞳と核石の色は紺緑。 「エディルレイド」としての回復方法は「じとじとする」こと。雨が降るとなお良いようで、湿度があるほど回復が早まる。
ウールジーク
多種煌珠使いであるロンブルと同契を結ぶ強化された「エディルレイド」の少女。12人の「愛宝石」の1人。盾属性を担当している。真名は「ウールワゥトゥ=エナジーク」。身長は178センチ。首元ほどの長さの髪を乱雑に伸ばしており、髪色はファイアーレッド。瞳と核石の色はゴールド。「エディルレイド」としての回復方法は「運動やサウナで汗をかく」こと。
カディーラ
多種煌珠使いであるロンブルと同契を結ぶ強化された「エディルレイド」の少女。12人の「愛宝石」の1人。古を司るとされる緑属性を担当している。真名は「カディーム=イーラン」。身長は175センチ。ターコイズブルーのストレートな長い髪をしており、膝裏まである。また、頭にはターバンを巻いており、耳には大きなイヤリングを付けている。 瞳と核石の色はターコイズグリーン。「エディルレイド」としての回復方法は「無心でただただぼーっとする」こと。
コーダ
多種煌珠使いであるロンブルと同契を結ぶ強化された「エディルレイド」の少女。12人の「愛宝石」の1人。音属性を担当している。真名は「コロラトゥーラ=ダンツァ」。身長は173センチ。シルヴァーグレイの髪をしており、後ろは乱雑に短く切られ、頭頂部からの顔の両サイドを通る形で二房長く伸ばされている。 また、愛天使の中で唯一肌が色黒い。瞳と核石の色はスカイブルー。「エディルレイド」としての回復方法は「音楽を聴いてリラックス」すること。
セディア
多種煌珠使いであるロンブルと同契を結ぶ強化された「エディルレイド」の少女。12人の「愛宝石」の1人。地属性を担当している。真名は「セリツオ=ディモカラスィア」。身長は155センチ。セピア色の髪色をしており、長く伸ばされた髪を3本の三つ編みにまとめている。瞳と核石の色は瑠璃色。「エディルレイド」としての回復方法は「読書」をすること。
キュメイ
多種煌珠使いであるロンブルと同契を結ぶ強化された「エディルレイド」の少女。12人の「愛宝石」の1人。虚属性を担当している。真名は「キュセイロ=セーメイアン」。身長は160センチ。ディープブルーの髪色をしており、髪の長さは肩口ほど。角のように伸びた髪飾りを頭の両サイドにつけている。瞳と核石の色はサファイアブルー。 「エディルレイド」としての回復方法は「過去の過ちを思い出して反省、あるいは贖罪する」こと。
レレク
多種煌珠使いであるロンブルと同契を結ぶ強化された「エディルレイド」の少女。12人の「愛宝石」の1人。剣属性を担当している。真名は「レィヴンダル=アウブレークメス」。身長は135センチ。髪の色はキャナリーイエロー。両のこめかみ辺りでぴょんと跳ねたピッグテールの髪型をしており、円筒状の帽子をかぶっている。 瞳と核石の色はパープル。「エディルレイド」としての回復方法は「切り刻む快感」を味わうこと。
キリヤ
多種煌珠使いであるロンブルと同契を結ぶ強化された「エディルレイド」の少女。12人の「愛宝石」の1人。智属性を担当している。真名は「アーキル=リーシャ」。トパーズブラウンの髪色をしており、髪型は首元でまっすぐに切りそろえられたストレートヘア。瞳と核石の色はコバルトグリーンをしている。「エディルレイド」としての回復方法は「美味しい紅茶とお菓子」。
サミュエル=G=ヒューストン (さみゅえるごーるどひゅーすとん)
ナッド=リーゼンの制空軍に所属する将軍。49歳の初老の男性。戦闘機部隊を率いており、実践の際には自らも戦闘機に乗って戦闘へ赴く。身長は183センチ。血液型はA型。金髪の髪を軍帽に収め、瞳の色はスカイブルー。軍人として任務に忠実で、高圧的。制空法を嵩にナッド=リーゼンの空を独占しており、それを破ろうとするものに容赦がない。 ボッカとの間には、制空法が定められた時からの因縁がある。
コーチネル
オルガナイトに所属する「エディルレイド」の少女。真名は「コークチッチ=ファネイル」。幹部であるビーネンリッターの部下を務めている。「エディルレイド」でありながら、部隊を率いての作戦行動をする指揮能力を有する。「フランボワーズ・ハニー」という、選りすぐりのフィアズーフ=エクリロールによって構成された精鋭部隊を任されている。 身長は165センチ。髪の色はダンディライオンイエローをしており、伸ばされた髪は背中で野放図に跳ねている。瞳と核石の色はセレストブルー。「エディルレイド」としての回復方法は「萌えること」。軍服萌えという嗜好があり、軍服が似合うナッド=リーゼンの制空軍将軍であるサミュエル=G=ヒューストンを気に入っている。 自身も軍服のような衣装に身を包んでいるが、そのシルエットや、制帽や服についている斑点などから「毒キノコ」と呼ばれることもある。同契した際の武器の形状はスナイパーライフル。敵を弄びたがる、悪い癖がある。昔、ヘリングと関係を持っていたことがあり、今でも憎からず想っている。
フェリス
オルガナイトに所属する同契者の女性。コーチネルと同契を結んでいる。身長175センチ。誕生日は1月9日。血液型はA型。腿裏まで伸ばされたブロンドの長い髪をしており、瞳の色は右が紫苑色、左がゴールドのオッドアイ。任務に対して実直に真面目で、無駄口や無駄な行動をしない生粋の軍人。オルガナイトの狙撃要討隊のスナイパーで、その実力は敵であるバーグレットも認めるほどのもの。
マリボワ
コーチネルが率いている、選りすぐりのフィアズーフ=エクリロールによる精鋭部隊「フランボワーズ・ハニー」の少女。身長157センチ。年齢は16歳。誕生日は3月3日。ベビーピンク色をした髪をベリーロングのツインテールに結い上げており、毛先が渦巻きのようになっている。瞳の色はバーントアンバー。核石の色はフィアズーフ=エクリロール特有の滅紫をしている。 情緒がとても不安定な人物で、自分が虐められているという意識を持っている。そのため、普段は自信のない素振りで、めそめそとしているが、一定値を振り切れると周囲を否定し、過激な攻撃を加えるようになる。戦闘時には蝶の羽のようなものを生やし、鱗粉のような衝撃波を生じさせて攻撃する。
ポルチェリオ
コーチネルが率いる、選りすぐりのフィアズーフ=エクリロールによる精鋭部隊「フランボワーズ・ハニー」の少女。身長は137センチ。年齢は15歳。誕生日は4月19日。テントウムシのような斑点のある帽子に、丸い色眼鏡をかけている。杏色の髪の毛は乱雑に伸ばしている。瞳の色はオリーブグリーン。核石の色はフィアズーフ=エクリロール特有の滅紫をしている。 好戦的な性格で、挑発的な言動を繰り返している。自身を高速回転させて敵に体当たりを喰らわせる、という攻撃を行うことから、「フランボワーズ・ハニーの旋弾」という二つ名を持っている。
アラネア
コーチネルが率いる、選りすぐりのフィアズーフ=エクリロールによる精鋭部隊「フランボワーズ・ハニー」の女性。身長179センチ。年齢は28歳で、誕生日は11月18日。髪の毛の色はマーリーパープルをしており、波打つような癖っ毛を長く伸ばしている。額には蜘蛛の巣の模様のついたバンダナを巻いている。瞳の色はブラック。 核石の色はフィアズーフ=エクリロール特有の滅紫をしている。人の良さそうな慈愛に満ちあふれた笑みを浮かべているが、その実、他人を縛り上げることに愉悦を感じる嗜虐趣味の持ち主。武器として蜘蛛のような足と、対象に絡みつく蜘蛛の巣のような糸を使用する。
ローヴァ
コーチネルが率いる、選りすぐりのフィアズーフ=エクリロールによる精鋭部隊「フランボワーズ・ハニー」の女性。身長178センチ。年齢は24歳で、誕生日は10月24日。アイヴィグリーンの色をした長い髪型をしており、瞳の色はサンドグレイ。色黒な肌をしている。核石の色はフィアズーフ=エクリロール特有の滅紫をしている。 戦闘時には、両腕を長大な鋭い鎌へ変形させることができる。
セト
バロバルクスの部下で、SPを務めている男性。身長179センチで、誕生日は7月7日。亜麻色の髪を持つ。瞳は右がオリーブグリーン、左がゴールドのオッドアイ。額に頭と目を覆うマスクのようなものをつけている。バロバルクスを護るという任務のためであれば、かつての仲間にすら刃を向けることを躊躇しない。
ビーゾン
エレ=ブランカの町を実質的に支配している強欲な男。角のようにまとめられたドレッドヘアーの髪型をした屈強な人物。「エディルレイド」であるパールと同契を結んだ同契者。砦が生み出している蒸気の動力使用料を町民に払わせており、払えない場合は若い娘で収めるように強要していた。
パール
ビーゾンの所有していた「エディルレイド」の女性。真名は「パーティン=セルス」。身長は163センチ。ワインレッド色の髪を筒状の髪飾りで2本にまとめている。瞳の色もワインレッドをしており、核石の色は紅真珠。「エディルレイド」としての回復方法は「嫉妬」の感情を持つこと。核石はうなじの位置にある。自身を武器として扱うビーゾンに対して憎からず想って従っていたが、七煌宝樹であるレヴェリー=メザーランスに執着する姿を見て疑心暗鬼に陥った。 同契時には右腕の巨大な鋏、左腕の巨大な角の生えた蛇頭骨という形態を取る。攻撃の際には朋誦の謳、「呼号螺旋」によって左腕で増幅させたエネルギー体を右腕の鋏で操り、蛇のような雷撃を放つという攻撃を行う。 ベイルーンという「エディルレイド」の姉がいる。
ベイルーン
オルガナイトに所属する「エディルレイド」の女性。真名は「ベイジュウム=セルス」。身長は175センチ。オールドローズ色の波打った髪をしており、それを腰丈まで伸ばしている。瞳と核石の色は紅真珠。「エディルレイド」としての回復方法は「愛すること」。「エディルレイド」のパールと姉妹の関係にある。オルガナイト幹部であるバロバルクスの部下の1人と同契を結んでいたが、パールのレヴェリー=メザーランスとクード=ヴァン=ジルエットに対する復讐劇の邪魔となったために殺害した。 狂的なまでに妹を愛していながら、理性的な面も持ち、パールの復讐をサポートしている。同契時は竜の頭のような形に変形し、口から雷撃を放射する。
アーナ
クード=ヴァン=ジルエットを狙う刺客の少女。顔の両サイドから長い髪を結んで垂らしており、それ以外はローブのようなフード付きの服で身を包んで隠している。ヴォルシオーネ大陸へ入国するための審査で、身分証明を持っていないために密入国しようとしたクードと出会う。以来密入国仲間として認め合い、クードからは「密入国メイツ」と呼ばれていた。
チェロット
シーナのもとで働く看護師。ふりふりのナース服を着込んだ少女で、身長は150センチ。年齢は18歳で、誕生日は6月25日。インディゴの色をしたショートヘアの髪に、バーガンディ色の瞳をしている。間延びした独特な口調で話す人物だが、正体は街に隠れて暮らしているグリィナを探しているフィアズーフ=エクリロール。口調もそうした人格を装っているだけで、間延びせずに話すことができる。
オーナー
ラズフェ=アンクルの非合法な賭闘場であるミリアルド=トレイを運営しているオーナー。非常にふくよかな体格をした初老の男性で、豪奢な衣服に身を包み、女をはべらせている。幼い時分のリィリア=ティグレスとラサティ=ティグレスを、当時の養い親だった彼女らの叔父から金で買い取った人物。現在でも彼女らを庇護下に置いており、無理矢理に働かせている。
フリゴ
賭闘士の男性。ラズフェ=アンクルのミリアルド=トレイで、上から2つ目のランクであるQ(クイーン)を務める。ミリアルド=トレイ内でも二番目の実力者とされている。額にバンダナを巻いた大柄な人物で、広島弁のように「~じゃ」や「~ぜよ」を付けて話す。武器は巨大なバットで、太くなっている部分が回転するギミックがあり、振り回すだけでなく回転させながら突き出すなど多様な戦い方をする。
クリマ=ズール
初老の男性。ラズフェ=アンクルのミリアルド=トレイで最も強いとされる。K(キング)の賭闘士を務めており、「エディルレイド」を操る同契者でもある。筋骨がよく鍛えられた大柄な人物で、マントを羽織り、獅子のような髪型をしている。
バティ=ドゥーラ
賭闘士の男性。ラズフェ=アンクルのミリアルド=トレイで最も低いランクであるW・P(ホワイトポーン)を務める。痩躯の人物で、膝まで伸びる長い黒髪を持つ。同契者で、剣の形の「エディルレイド」を操って賭闘に初挑戦したクード=ヴァン=ジルエットの前に立ちふさがる。陰湿な正確をしており、リィリア=ティグレスに無理矢理関係を迫るなどしていた。
フェロ=ダ=スティーロ
ラサティ=ティグレスに挑戦した男性。ラズフェ=アンクルのミリアルド=トレイでランクBにエントリーした。大男で、ラサティを大きく上回る身長に、倍ほどの幅の肉体を持つ筋骨逞しい体躯を持つ。同契者で、両腕に万力のような形状の「エディルレイド」を装着していたが、一度もラサティに攻撃を当てることなく敗れ去った。
コフィ=メイカー
ラズフェ=アンクルのミリアルド=トレイで賭闘士をしている青年。5つめのランクであるB・K(ブラックナイト)を務めている。顔にサポーターのようなマスクをした黒髪の人物で薙刀使い。同じ賭闘士をしているラサティ=ティグレスに恋心を抱いており、そのことをラサティの妹であるリィリア=ティグレスに知られていた。
プレヤーデン
初老の男性。プリミエナ大陸とヴォルシオーネ大陸を結ぶロディオン海路を行き来する豪華客船、エストレイド号の船長を務めている。クード=ヴァン=ジルエットを狙ったグレイアーツとローウェンの戦闘によって、メインマストが折れるなどの被害に遭った。しかし、目的地の港に到着する前夜には、船の乗客へのサプライズプレゼントとして、花火を打ち上げてパーティーを開くなど、トラブルにあっても、乗客への心遣いを忘れない精神の持ち主。
ベレンヘーナ婦人 (べれんへーなふじん)
ヴォルシオーネ大陸の港町であるポルタ=エクシードで入国審査を受けていた貴婦人。豪奢に結い上げられた髪の毛と、宝石やドレスを身に纏ったふくよかな女性。知人の結婚式に出席するために、1週間ほど滞在しにやって来た。密入国を試みていたクード=ヴァン=ジルエットらが逃げ隠れするために利用される。
ショーヅ
ナッド=リーゼンでテレビリポーターを務めている女性。色素の薄い髪をポニーテールにしており、鼻のうえにそばかすがある。ナッド=リーゼンの第二層街で発生した爆破テロの速報を現地から伝え、鉄道が全線不通となったことを報道していた。
集団・組織
紅山猫 (れっどりんくす)
クード=ヴァン=ジルエットが所属していた空賊団。キンバルトという大男がリーダーを務めている。義賊的な活動をモットーとしており、不当に金を貯め込んでいる富裕者の屋敷を狙って窃盗を行っていた。基本的に男所帯で、女っ気がない。プリミエナ大陸を主な活動範囲としている。
アークエイル
ヴィストリア公国の国家機関。正式名称は「エディルレイド完全保護協会アークエイル」。英語表記は「A・R・C AILE」で「Adiraid Conservation Aile」=「エディルレイドを保護する翼」を略したもの。「犯罪を目的とする使役」「虐待や差別・不当な迫害」「強大な能力保持により危険と判断」のいずれかに該当した「エディルレイド」たちの保護と、その後の生活支援を目的としている。 所属する保護官は国家公務員という扱いとなっており、アークエイルの使命を果たすため各地に派遣されている。ヴィストリア公国に存在する総本部の他、主要都市などに支部が存在する。シスカを始め、所属する構成員は基本的に本名を隠し、コードネームのような偽名を名乗っている。
オルガナイト
エディルガーデンを支配している巨大組織。エディルガーデン総裁の命によって、「エディルレイド」のための理想郷を作る目的で世界中を奔走している。七煌宝樹であるレヴェリー=メザーランスを狙っており、その捕獲と同時に、同契者であるクード=ヴァン=ジルエットの殺害を狙っている。プリミエナ大陸やヴォルシオーネ大陸など、世界各地の大陸ごとに管轄がわかれており、幹部がそれぞれ担当している。 十字型の短剣を模したエンブレムを象徴としており、「ORGA NIGHT」という英語表記にエンブレムを合わせたロゴが、ヘリなどに描かれている。構成員がオッドアイとなっている特徴があり、「エディルレイド」には全て核石に対して強化改造が施され、強化「エディルレイド」となる。 他、フィアズーフ=エクリロールという人工核石によって作り出された存在を、尖兵として利用している。総裁から与えられた任務を絶対としており、任務を失敗した者に対しては非情な制裁が加えられる。
愛宝石 (すうぃーとえんじぇるず)
12人の強化された「エディルレイド」たちのこと。オルガナイトの同契者であるロンブルが同契を結んでいる。ロンブルが選りすぐった別々の属性の「エディルレイド」たちによって構成されている。「エディルレイド」の属性による相性を熟知しているロンブルが、状況に合わせて同契を結ぶ「エディルレイド」を変更して戦うことにより、優位を保ちながら戦うことができるようにメンバーが選ばれている。 また、複数の「エディルレイド」と同時に同契することで既存概念とは異なる、複数の属性を複合された新しい朋誦の謳を生み出すことができる。将来的には全24属性の「エディルレイド」を揃えることを、ロンブルは目標としている。
フランボワーズ・ハニー (ふらんぼわーずはにー)
オルガナイトの幹部、ビーネンリッターの部下であるコーチネルが率いている部隊。選りすぐりのフィアズーフ=エクリロールによって構成された精鋭部隊で、マリボワ、ポルチェリオ、ローヴァ、アラネアの4人を筆頭に、複数名のフィアズーフ=エクリロールによって構成されている。
オルガシオン
500年以上も昔のエディルガーデンに存在したオルガナイトの前身組織。当時、弱かったエディルガーデンの国力を増強するためのあらゆる活動を行う実行部隊。「エディルレイド」の捕獲や人体実験、さらには新技術の開発などを率先して行っていた。かつてはキース=フェルゲンが隊長を務め率いていた。
場所
プリミエナ大陸 (ぷりみえなたいりく)
世界に存在する大陸の1つ。クード=ヴァン=ジルエット(クー)が所属していた空賊団である紅山猫が縄張りとしていた大陸。クーたちがレヴェリー=メザーランスの目指すエディルガーデンへの旅を始めた土地でもある。エレ=ブランカをはじめ、マンフェ、エン=サグワン、ラズフェ=アンクルといった町が存在している。 文化レベル的にヴォルシオーネ大陸よりも牧歌的なものが多く、中世ヨーロッパ風の建物が多い。また、移動手段もバスや徒歩が一般的とされ、航空技術や鉄道などが発達しているヴォルシオーネ大陸と比べて、ゆるやかな時間が流れている。
ヴォルシオーネ大陸 (ゔぁるしおーねたいりく)
世界に存在する大陸の1つ。レヴェリー=メザーランスが目指す土地、エディルガーデンが存在するとされている。ロディオン海路と呼ばれる海路でプリミエナ大陸と繋がっており、プリミエナ大陸の港町であるラズフェ=アンクルとヴォルシオーネの港町であるポルタ=エクシードで両大陸は結ばれている。文化レベル的にプリミエナ大陸よりも先進的な面が多く、より近代的な建物や施設、移動手段が用いられている。 そのため、プリミエナ大陸に比べて駅や空港が多いことが特徴となっている。
エディルガーデン
レヴェリー=メザーランスとクード=ヴァン=ジルエットが旅の目的地としている場所。「エディルレイド」にとっての理想郷があるとされている。実際は、非常に高度な科学技術とテクノロジーが導入された先端都市で、都市部はドームに覆われており、内部の気候が完全に調整されている。また、上空には要塞群とオルガナイトの本部が浮遊する島の中に存在しており、他国とは一線を画する発展を見せている。 入国には身分証明書が必要など厳重な入国管理がされており、特にアークエイルの保護官は入国が禁止されている。逆に、「エディルレイド」に対しては広く開かれており、フリーパスで入国ができる。
エレ=ブランカ
森林に墜落したクード=ヴァン=ジルエットらが立ち寄った峡谷に存在する小さな町。巨大な風車が特徴的な町で、それによってもたらされる動力を頼りに細々と暮らしていた。しかし、最近になり蒸気機関を備えた砦が建設されて風の流れが阻害された結果、風車が回らなくなってしまった。そのため、蒸気機関を頼りに暮らすよりなくなり、砦の持ち主であるにビーゾンに傅(かしず)き、言いなりとなって生きる生活が常態化していた。
マンフェ=バザール
クード=ヴァン=ジルエット(クー)らが立ち寄った街道。街道の脇には温泉宿があり、クーたちが利用した。朝から夕方に掛けて、街道に沿って行商人たちによる露店が建ち並ぶことで有名。どの店も板を立て掛け、その上に品物を飾って、道行く人々が見やすいようにしている。そのため「立て掛けバザール」とも呼ばれる。
マンフェ
プリミエナ大陸に存在する高い壁に囲まれた町。広い町で、郊外には朽ちた門が存在している。アークエイルに所属するサンウェルドの管轄地だが、アークエイル本部との連絡手段が存在せず、サンウェルドが任務で負傷した際に、増援を要請する手段が存在していない。エレ=ブランカとを結ぶ街道「マンフェ=バザール」は「立て掛けバザール」とも呼ばれる観光名所である。
エン=サグワン
マンフェからラズフェ=アンクルへ向かう途上にある辺鄙な場所。徒歩で2時間以上かかる位置にあり、周囲にはバス停を除いて、川をはじめとした自然しか存在しない。魚釣りなども楽しめるが、バス停には日に4~5本しかバスが来ることはなく、交通の便が悪い。
ラズフェ=アンクル
クード=ヴァン=ジルエットらが立ち寄った港街。入り江に面して段々に家屋が建ち並ぶ風光明媚な景観を持った大きな街で、アークエイルの支部が存在している。プリミエナ大陸の玄関口とも言える一大貿易拠点で、商業都市として栄えている。ヴォルシオーネ大陸の港街、ポルタ=エクシードと結ぶロディオン海路を航行する船の発着点となっており、大陸間航海用の船が多数停泊している。 そのため、観光客用の宿泊施設も充実している。
ミリアルド=トレイ
非合法の賭闘場。ラズフェ=アンクルの東9番街、クラム街路を抜けたところにある礼拝堂跡の地下に存在する。入り口に立つ黒装束の男に合い言葉を告げると案内される。週末にのみ開催されており、中では「エディルレイド」を使用した違法な賭試合が行われている。エントリー料を支払えば、簡単に賭試合に出場することができる。試合は8つのクラスに分けられており、それぞれエントリー料金が異なる。 クラスを担当する賭闘士に勝利することができれば、賞金を獲得することができる仕組みとなっている。また、試合の結果を予想しての賭博も行われている。
ロディオン海路 (ろでぃおんかいろ)
プリミエナ大陸の港街ラズフェ=アンクルとヴォルシオーネ大陸の港街ポルタ=エクシードを結ぶ海路。大陸間を最短で結ぶ大陸間航海の主要ルートであり、数日間の航海を要する。そのため、宿泊施設や食堂、娯楽設備やプールに至るまで、様々な設備が搭載されたエストレイド号を始め、大陸間航海用の船が海路を行き来している。
ポルタ=エクシード
ヴォルシオーネ大陸の主要な港街の1つ。海洋拠点の一角であるとともに、鉄道の駅が街の中にあるため、ヴォルシオーネ大陸各地への移動手段も充実しており、経由地として利用されている。激しい人の出入りを管理するために入国管理局が設けられており、大陸外からの入国者は身分証明書の提示が必須となっている。観光地としても賑わっており、食や服飾などの店舗が街中に充実している。
ベルク=ウェイ
ポルタ=エクシード郊外に存在する山道。交通網が現在のように発達する前に、山越えに利用されていた。かつては利用者も多く、山頂には廃止されたロープウェイが存在していたりと往時の面影を残す。今は山道を除いて利用者はごく僅かしか存在しない。山道の利用には現在でも支障がないが、頂上のロープウェイは現在廃止されており、稼働していない。
バーリィ=トスト
ポルタ=エクシードの北東に位置する山間の町。ラサティ=ティグレスと妹のリィリア=ティグレスの故郷である、ロンフィーへの列車が通っている。また、町には世界でも10人ほどしか存在しないとされる「エディルレイド」専門の医者であるエディルレイドドクターが存在する。
トーロ=デイレ
バーリィ=トストからコッフル=ビユ街道を進んだ先にある宿場町。年に一度、「水牛祭り(トーロ=フェスト)」と呼ばれる、豊穣の女神に捧げるお祭りが開かれる。七夜にわたって開催されるお祭りは、大通りを練り回るパレードが開かれるなど盛況で、祭りの期間中は、好きに飲み食いができる。外部からの観光客も、仮装をしていれば参加してよいことになっており、祭りの時期は盛大な賑わいを見せる。
ナッド=リーゼン
ヴォルシオーネ大陸に存在する国家。飛漂石の高い加工技術を有する。そのため、世界各地から大量の飛漂石がこの国へ集められている。住民の貧富の格差によって、生活圏が三層に区分けされている特徴があり、上層へ行けば行くほど裕福で治安の整った生活圏となっている。エディルガーデンとの繋がりが深く、先進技術を優遇して貰うために協力を結んでいる。 20年前に制空法という法律を施行し、個人による飛行艇の所持を固く禁じており、交通の便は国の管理下に置かれている。
フロストライン
エディルガーデンに続く途上にある大橋。橋の対岸を見渡すことのできないほどの長さがある。寒冷地の水上にあるため、気候によっては遮るもののない吹雪に晒されることとなり、一寸先すら見ることのできないホワイトアウトに遭遇することも。橋を越えた先には廃村があり、その先にエディルガーデンが存在する。
アルクヴォーレ
「エディルレイド」だけが住む村。かつてレヴェリー=メザーランスが住んでいた。「エディルレイド」が人間に都合よく利用されないための隠れ里で、雪山の奥地にある。そのため、村の位置を知るものはごく限られており、半ば伝説の地として、聖地と言われることも。人間やよそ者に対して排他的な雰囲気がある。
ヴィストリア公国 (ゔぃすとりあこうこく)
アークエイルの総本部がある国。「エディルレイド」を保護する組織であるアークエイルを国家で運営している。「エディルレイド」に対して人間と同等の権利を保障し、一般人としての生活を支援している。浮遊島やドームに覆われた街があり、山麓に囲まれた立地をしている。
その他キーワード
エディルレイド
様々な力を持った「謳」と、身体を武器に変身するという2つの特殊能力を持った生命体。人間と一体化したり、サポートをすることができる。世界的にも希有な存在で、その絶対数は決して多くない。基本的に女性体しか存在しない。外見上は人間の女性と何ら変わらないが、人間と異なり、「核石」と呼ばれる鉱石が、体の一部に付随している。 その他、人間よりも非常に長い寿命を有するのが特徴となっており、500年以上を生きる「エディルレイド」もいる。反面、その貴重性から高額な売買の対象とされるため、多くの「エディルレイド」たちは「核石」を隠し、ごく普通の人間として生活している。何らかの理由により「核石」を失った「エディルレイド」は、その長い寿命を大幅に縮め、また「エディルレイド」としての能力も失うこととなる。 「エディルレイド」の誕生の方法は大きく2つあり、1つは、通常の人間と同じく女性として子供を産むこと。その場合は、子供に能力と「核石」が継承されることとなるが、人間との混血であるために「エディルレイド」としての血が薄まり、能力が失われる場合もある。もう1つは、「核石」そのものから誕生する方法。 寿命が近づいた「エディルレイド」の肉体からは自然と「核石」が離れ、その後、長い年月を掛けて人間の体を形成する。この場合、純粋な「エディルレイド」間での継承となるため、能力はそのまま次代に引き継がれることとなる。
核石 (かくいし)
「エディルレイド」の命とも言える石。「核石」が失われてしまうと、「エディルレイド」としての武器化能力が失われてしまうほか、「エディルレイド」の長命が急激に縮まってしまう。また、人間と「エディルレイド」を見分けるための唯一の方法でもある。「核石」は、「エディルレイド」の体の一部に埋め込まれるように存在している。エディルレイドハンターをはじめ、「エディルレイド」を狙う人間たちから身を守るため、普段は隠して生活している「エディルレイド」が多い。 「核石」の色や形、身体のどの部分にあるのかは、種族によって異なる。
真名 (まな)
「エディルレイド」が持つ本名。「エディルレイド」を封印するときに必要とされるため、自衛の観点から、多くの「エディルレイド」は愛称を名乗っている。そのため、「エディルレイド」の真名を知るものは、同契者や家族などのごく限られた存在だけとされる。
七煌宝樹 (しちこうほうじゅ)
世界に7つしか存在しない一属のこと。「エディルレイド」の中でも極めて強い力を持つため、特に貴重とされている。レヴェリー=メザーランスは「鋼鉄も紙のように切り裂ける」という、メザーランスの一属とされている。その希少性から、他の「エディルレイド」とは比較にならない価値を持ち、エディルレイドハンターをはじめオルガナイトや仲買人など、さまざまな存在に狙われている。
同契 (りあくと)
「エディルレイド」と人間が一体化するために結ぶ契約。広義には、初回契約以後に一体化する行為そのものも含む。「エディルレイド」は一人の人間としか「同契」を結ぶことができない。新たな同契を結ぶには、現在の同契者が死ぬ必要がある。そのため、同契を結んでいる「エディルレイド」を狙うエディルレイドハンターは、対象である「エディルレイド」と同契を結んでいる「同契者」の命を狙う場合が多い。 反対に、人間側にはそのような制限はなく、複数の「エディルレイド」と同時に同契を結ぶことが可能。
同契者 (ぷれじゃー)
「エディルレイド」と同契を結んだ人間のこと。「武器種族使い」とも呼ばれる。「エディルレイド」の強力な力を発揮するためには、「エディルレイド」との親密度やシンクロ率が重要とされる。これらの数値が高いほど攻撃は最適化されていき、逆に低ければ、通常の武器としての運用がままならないほどのなまくらとなる。「エディルレイド」との信頼関係を重要視する同契者がいる一方で、「エディルレイド」のことを単に強力な武器と考え、隷属的に使役する人間も多くいる。 同契者と「エディルレイド」の関係は、お互いのことを深く知っていくことから始まるため、恋人に例えられることもある。
多種煌珠使い (ばりあすぷれじゃー)
複数の「エディルレイド」と同契を結び、同時に使いこなす特異な同契者。「エディルレイド」と同契者は、基本的に1対1の同契関係に終始する。ところが、「多種煌珠使い」は、通常の同契者とは異なり複数の「エディルレイド」を同時に行使して、「エディルレイド」に生まれつき備わっている属性の優劣を利用した戦いを繰り広げることができる。 また、複数の「エディルレイド」の朋誦の謳を同時使用して、新しい朋誦の謳を生み出すといった芸当も可能となる。オルガナイトの刺客である同契者、ロンブルが自称していた。
謳 (うた)
「エディルレイド」が持つ特殊能力。武器に変身する能力以外に持つ、もう1つの能力。大別して3種類に分類される。同契者と同契を結ぶ際に歌われる「同契の謳」、同契者とともに歌う「朋誦の謳」、そして「エディルレイド」が独りで歌う「響応の謳」の3種。それぞれの謳が特殊な力を有しており、「エディルレイド」の特徴に沿った能力や技を発動することができる。 その力は謳そのものの長さに比例して大きくなる。反面、同契者は「エディルレイド」に謳を教えて貰う必要があったり、同契者と「エディルレイド」との間に絆とシンクロ率が必要であったりと、使用にはパートナーとの信頼関係をはじめさまざまな条件が伴う。また、「エディルレイド」が謳を歌った後には、回復のための代償を必要としている。 レヴェリー=メザーランスであれば十分な睡眠、キーアであれば食べること、が必要となる。
同契の謳 (どうけいのうた)
「エディルレイド」が人間と同契を結ぶために歌う謳のこと。各「エディルレイド」ごとに謳の内容は異なる。初回の同契時には、長い同契の謳を必要とする。それ以後は、省略された短い謳でも同契することが可能となる。基本として「エディルレイド」自身で歌う謳であり、同契者とともに歌う必要はない。
朋誦の謳 (ほうしょうのうた)
「エディルレイド」とその同契者がともに歌う謳。「エディルレイド」が持つ固有の能力や技を発揮するために歌われる。使用には同契者と「エディルレイド」との信頼関係の深さや、その時のシンクロ率といった、さまざまな前提条件が必要となる。同契者は朋誦の謳を歌うために、事前に「エディルレイド」から謳の内容を聞いている必要があるが、例外的にシンクロ率が極めて高い場合などには、歌うべき謳が聞こえてくることがある。 謳の長さと技や能力の威力が比例しており、長ければ長いほど、基本的に強力な謳とされる。その他、「併唱謳」といって、謳の後に別の謳を重ねて連続で歌うといった高等技術も存在する。
響応の謳 (きょうおうのうた)
「エディルレイド」が1人で歌う謳。基本的に「エディルレイド」が自身の身を守るために歌われるもので、発揮される能力は「エディルレイド」ごとに異なる。「同契の謳」と同様に、同契者を必要とせずに歌えるため、同契していない「エディルレイド」でも歌うことは可能。例外的に自衛のため以外の歌も存在している。
併唱謳 (おぶりがーず)
「朋誦の謳」の一種。1つ目の「朋誦の謳」の後半部分を別の謳へと繋げ、連続で複数の謳を歌うという高等技術。使用には、威力の高い「朋誦の謳」を歌うことのできる信頼関係が前提条件とされ、さらにシンクロ率も高める必要がある。キーアとローウェンのコンビが使用することができる。
属性 (ぞくせい)
「エディルレイド」が生まれつき持っている能力や一属の特徴。18種類の属性があることが確認されており、理論上、これに加えて6種類の属性があるとされている。属性間には、戦闘の際などに影響する相性が存在しており、大別して4つの「煌環(グリタリンク)」と呼ばれる、リング状のグループに分けられている。各煌環に属する属性は以下の通り。 第一煌環(地、風、火、水、翠、智)、第二煌環(美、音、盾、剣、愛、虚)、第三煌環(光、闇、動、静、生、死)。加えて、第四煌環が存在するとされているが、理論上のみの存在で、現在研究が進められている最中である。一説によれば、リングでない可能性もあるという。
封煌符 (ふうこうふ)
「エディルレイド」の能力を一時的、あるいは恒常的に封印するための道具。使用される封煌符によって、効果の持続時間や封印の深度が大きく異なる。またアークエイルに所属する「エディルレイド」などは、封煌符に対する耐性を訓練で身につけており、完全な封印を施すことができない。レヴェリー=メザーランスも封煌符によって封印されていたが、その期間は500年以上にも及んでいた。 真名を刻むことにより、さらに完全な封印を施すことが可能となる。「封煌帯」は特に、エディルレイドハンターであるヴォルクス=ハウンドが製作した特別な封煌符で、身につけた「エディルレイド」は、エディルレイドレーダーによって探知できなくなる。
エディルレイドハンター
「エディルレイド」を狙って襲撃・誘拐し、捕らえることを生業とするハンター。漢字では「煌珠狩人」と表記される。捕らえた「エディルレイド」は、売買を行う仲買人へとの間で高額で取引される。襲撃に使用する「エディルレイド」を仲買人から購入することもあるため、仲買人あっての職業とされている。
エディルレイドドクター
「エディルレイド」を専門に治療する医者。世界に10人ほどしか存在しないとされる。「エディルレイド」の病気の治療や診断を行える。また、重傷を負った「エディルレイド」の治療も行えるが、その場合には、同契者の血液を大量に必要とするため、大変難しい治療となる。
エディルレイドレーダー
「エディルレイド」を探索するために使用されるレーダー。小型端末でコンパクト型をしており、大きさは手のひらサイズの折りたたみ式。半径1キロ以内に存在する「エディルレイド」の反応を探知し、画面に光点として表示することができる。事前にデータ入力しておけば個別認識も可能となるが、封煌符や封煌帯、地下にいるなどの場合は感知できなくなる。 カートリッジによるデータ拡張に対応しており、地形データを取り込んだナビゲーションシステムとしての利用も可能。アークエイルからの支給品の他にも、オルガナイトが使用しているものなど、様々なものが存在している。シスカが所有しているレーダーはアークエイルからの支給品だが、違法改造されており、半径10キロまでの範囲を感知できるようになっている。
フィアズーフ=エクリロール
オルガナイトが生み出した人工の「エディルレイド」。「人工核石」と呼ばれる、作り出された核石を、人間の女性へ埋め込むことで作り出される人間兵器で、「人工核エディルレイド」とも。通常の「エディルレイド」とは違って同契者を必要とせず、自身の体の一部を武器化できるという特徴を持つ。反面、埋め込んだ期間が長くなれば人工核石への依存度が高まり、最終的には核石を体から剥がされるか、あるいは破壊されるだけで死に至ることとなる。 その場合、通常の人間の死とは異なって死体が残らず、塵となり、やがては蒸発して無に帰すこととなる。個別の名称を持たず、劇中に登場するフィアズーフ=エクリロールたちがつけられていた「フィロ」「チェロット」「アーナ」という名前は、作戦行動中に与えられたコードネームである。
飛行艇 (ひこうてい)
飛行する船を全般的に指して呼ぶ言葉。「天翔艇」や「小型艇」などを含めた広義な言い方。制空法の条文などに記されている他、会話上ではこちらで言い表されることも多い。「飛漂石」を原動力として搭載し、プロペラなどの補助を受けて飛行する。
天翔艇 (かーむしっぷ)
複数のプロペラによって空を飛ぶ巨大な船。クード=ヴァン=ジルエットが所属している紅山猫が母艦として使用していた。中には小型の飛行する船、小型艇も収容しており、居住空間や宝物庫もあるなど、一種の拠点として機能している。
小型艇 (らいとしっぷ)
天翔艇に搭載されていた小型の空飛ぶ船。プロペラで空を飛ぶ飛行機の一種で寸胴型。両翼や尾翼が胴体部に比べて非常に小さい。紅山猫では戦闘機として使用しており、そのための機銃が搭載されていた。その他、脱出艇として両翼を格納しておけるタイプも存在するなど、複数種が存在している。
小型戦闘艇 (こがたせんとうてい)
シスカたちが使用していた飛行艇。アークエイル専用の3人乗りの戦闘艇で、天翔艇に衝突しても壊れないほどに頑丈。機動力に優れているという特徴があり、船体底部にはマシンガンが搭載されている。シスカたちのものは飛行中に、クード=ヴァン=ジルエットによってプロペラを破壊され、墜落した。
飛漂石 (ひひょうせき)
空中に浮遊するという性質を持った鉱石。飛行艇の動力源となる。天然資源であり、空中に浮かんでいるものだが、飛行艇の発達とともに消費が激しくなり、世界中で絶対数が少なくなっている。また、巨大なものは、そのまま敷地として金持ちによって購入され、屋敷が建てられたりする。これが消費に拍車を掛けている。クード=ヴァン=ジルエットの幼少時には、そこら中の空に浮かんでいたのを見かけられたが、現在では見られなくなった。 そのため、飛漂石のむやみな消費は自然破壊に繋がる、と危惧されている。世界一の飛漂石加工技術を持つナッド=リーゼンには、世界中から石が集められている。
エストレイド号 (えすとれいどごう)
豪華客船。プリミエナ大陸とヴォルシオーネ大陸間を結ぶ海路である、ロディオン海路を航行する。ヴォルシオーネ大陸を目指すクード=ヴァン=ジルエット(クー)らが、港町であるラズフェ=アンクルからポルタ=エクシードまでの移動に使用した。船内には個室の客室が完備されており、プールも存在するなど、致せり尽くせりの装備となっている。 しかし、クーを狙う刺客、グレイアーツとローウェンの戦闘によって、豪華だった内装やメインマストが破壊されるなど、大被害にあった。
ヘル・F16
世界最強と謳われる制空戦闘機。ナッド=リーゼンの制空軍に配備されている。戦闘用に特別なチューニングが施されており、ターボエンジンを搭載しているほか、主翼は低速、超高速時に翼を最適角度に調整する可変翼となっている。また、複数同時目標をロックオン可能なミサイル制御システムを搭載しており、7年前に設計された戦闘機とは思えないほどのバランスと、能力の高さを備えている。
ラグウルス
熊のような外見をした巨大な哺乳類。6本の足を持ち、触角と爬虫類のような尾を持つ特徴がある。寒い北方地域を主な生息地域とする生き物。しかし、エレ=ブランカを支配する男、ビーゾンが、町の住民を逃げられなくするため、エレ=ブランカの森に解き放たれていた。
サップマンク
ポルタ=エクシードで郵便配達に使役されている小動物。リスのような見た目をしているが、非常に知能指数が高く利口。手紙の入った筒を背負って目的地に郵便物を届ける姿は、ポルタ=エクシードの名物となっている。そのため、最近では利用客が増え、子どものバースデーカードや、恋人へのメッセージカードの配達に利用されるようになっている。
制空法 (せいくうほう)
ナッド=リーゼンにおいて20年前に定められた法律。ナッド=リーゼンの空全般に関する法律で、条文は多項目にわたる。第十一条には「飛行艇の不法所持」という項目があり、民間人が飛行艇を所持することや、飛行することを禁ずる法律となっている。科学先進地であるエディルガーデンとの繋がりを強め、ナッド=リーゼンが大国へと発展するために施行された背景がある。
同契者養成施設 (ぷれじゃーようせいしせつ)
アークエイルに設けられている同契者養成のための施設。アークエイルの協会員であれば、申請することで誰でも利用できる。また、本部のみならず各支部にも設けられている。訓練のための道具一式やフィールドが備え付けられており、クード=ヴァン=ジルエットとレヴェリー=メザーランスの2人が訓練を積んだ。
G (がねー)
『EREMENTAR GERAD』の世界で流通している通貨の名前。プリミエナ大陸、ヴォルシオーネ大陸の両大陸で統一された通貨が使用されている。日本円換算で1G=10円の計算となる。参考までに、シスカがレヴェリー=メザーランス(レン)を保護しようと紅山猫を襲撃した際に、レンの取引値段として提示した額は5000万ガネーだったが、日本円で換算すると5億円となる。
賭闘士 (くらすふぁいたー)
賭闘で戦う闘士。ラズフェ=アンクルに存在する非合法な賭闘場「ミリアルド=トレイ」で、賭け事の主な対象となっている賭闘において、主催者側が用意する。チェスの駒に分類された8つのクラスに、それぞれ1人ずつ配置されている。武器使いから素手で戦う闘士や同契者まで、戦い方にはそれぞれの闘士の個性が出ている。
狗輝牢 (くきろ)
特別な牢屋。エディルガーデンに存在するシアを封印するために、設けられていた。シアの煌珠兵器としての能力を封じるため、牢全体に煌縛鎮が発動するようになっている。数百年にわたり封印に成功していたが、レヴェリー=メザーランスとの再会が原因で暴走したシアによって破壊された。
アンゲル
クード=ヴァン=ジルエット(クー)が所有している武器の名前。鉤状の刃物である「アンゲル」本体とワイヤー部分によって構築されており、武器としてのみならず、移動や跳躍、高所からの脱出の際にも使用される。ワイヤーの長さは不明で、クー自身も把握していないとされる。普段はジャケットの裏に収められており、使用する際には袖の部分から出てくるようになっている。
ヴィーヴ
エディルレイドハンターであるヴォルクス=ハウンドが非常に大切にしているバイク。ヴィーヴと呼んでいるが、正式名称はヴォルクスインパルスEV。大きなバイクで、長身のヴォルクスが乗っても荷物を載せる余裕があるほど。反面、非常に修理代が高く、倒されてできた傷の修理代金だけで、シスカたちの有り金すべてよりも高くついたほど。
東風の鐶 (えうろするーぷ)
クード=ヴァン=ジルエットとレヴェリー=メザーランスのコンビが使用する朋誦の謳。周囲に対して「鐶」を描くような風の刃を生じさせると同時に、両断した対象を風圧で上空へと巻き上げる技。威力、範囲ともに凄まじく、エレ=ブランカで使用した際には、巨大な塔の上部を丸ごと吹き飛ばした。
南風の弦 (のとすこーど)
クード=ヴァン=ジルエットとレヴェリー=メザーランス(レン)のコンビが使用する朋誦の謳。風によって巨大な弦を作り出し、それによって敵を大きく吹き飛ばす技。東風の鐶よりもエネルギー消費が少なく、効率がよい技となっているため、レンへの負担が少ない。
西風の阿 (ぜふぃろすあーと)
クード=ヴァン=ジルエット(クー)とレヴェリー=メザーランスのコンビが使用する朋誦の謳。剣を振るい、風による刃を放つ技。東風の鐶と違い、前方にのみ刃を発生させる。間接攻撃ながらその切れ味は絶大で、岩や建物をいとも簡単に切り裂くほど。
艮の鎧 (りじぇくとあうと)
クード=ヴァン=ジルエット(クー)とレヴェリー=メザーランスのコンビが使用する朋誦の謳。周囲に風の障壁を発生させ、降りかかる攻撃の軌道をそらすことで防御する技。1度、謳を歌えば自動で周囲に発動し続ける。風であるため、強力な打撃攻撃などで強引に突破されることも。その一方で、風によって軌道を防ぐ効果は強力で、突破されても同契者へ致命的な一撃が加えられるのを回避する力を持つ。 オルガナイトの同契者であるグラディアスとの戦闘の際には、その強力無比な斬撃がクーに対して致命傷を与えるのを防ぎ続けた。
坤の閃 (あいそれいとるみなす)
レヴェリー=メザーランスが使用する響応の謳。相手を風のドームで覆い隠し、その内側で発光させるという目くらましの技。ドームの風によって自身を舞い上げることもできる。本来ならば「エディルレイド」単独で歌うものだが、高いシンクロ率を背景に、同契者と半分だけ同契を維持しながら歌う、という離れ業を行ってみせることも可能。
未羅の斬 (ゔぁいすりっと)
ローウェンとキーアのコンビが使用した朋誦の謳。鎖鎌を鋭く振るうことで風の刃を発生させ、それによって敵を両断する技。一度の謳で連発することも可能。また併唱謳という、謳の後半に別の謳を並行して歌い始めるという高等技術を使うことで、別の歌に接続することも可能。
鎮天の捧 (すてぃるおふぁー)
ローウェンとキーアのコンビが使用した朋誦の謳。巨大化した刀へと姿を変え、強力な衝撃波を発生させて攻撃する技。エストレイド号のメインマストを一撃で切断するほどの威力を誇る。また、攻撃の前に鎖鎌を使用して敵を拘束してから放つことが可能など、汎用性も高い。
報響の穿 (くるゔぁぷろくれしす)
ローウェンとキーアのコンビが使用した朋誦の謳。鎖鎌の数を6個まで増やした後に、曲刀の先端から放射される衝撃波と共に敵に向けて放つ技。謳の後も鎖鎌の数は維持され、歌い直すことなく攻撃を加え続けることが可能。
吼号穿 (こうごうせん)
ラサティ=ティグレスが使用する技。バリエーションがあり、それぞれ吼号穿の後に「龍」、「甲」、「麟」という名称が加わる。闘気を使用したラサティのオリジナル技で、「エディルレイド」との同契なしでも使用できる。それどころか、同契した同契者にすら通用するほどの威力を誇り、クード=ヴァン=ジルエットとレヴェリー=メザーランスが使用した艮の鎧を貫通して見せたほどの威力を誇る。
囲け花 (ふらわーびんず)
「エディルレイド」であるエンディーが使用する簪武術の1つ。足と腕を使って相手の首を締めてから投げ飛ばした後、複数の簪(かんざし)を使用して、相手の衣服を的確に縫い付け、相手を地面などに拘束する技。縫い付けた簪はエンディーにしか外すことができない。
朱華咲輪 (かーまいんふらわーず)
「エディルレイド」であるエンディーが使用する簪武術の1つ。片手に5本、両手で10本の簪(かんざし)を指で挟み込み、両腕を振るって同時に切りつける技。フランボワーズ・ハニーのアラネアとの戦闘で使用された。
彩花の謳 (はなをさかせるうた)
シアが口ずさんでいた謳。成長を自由に操作する力がある。植物の世話をしていたシアが使用していたが、本来であれば植物以外にも使用が可能なほどに強力で汎用性がある。シア自身は命に手を加えることに気が進まず、積極的な使用を躊躇(ためら)っていたが、オルガシオンの力を増すための研究をしていたキースによって利用された。
呼号螺旋 (らうどすねーかー)
ビーゾンとパールのコンビが使用した朋誦の謳。右腕の蛇頭骨から突き出た棒状の部分から、雷のようなエネルギー体を発生させて増幅。右腕でそれを蛇のように操り、敵に絡みつかせる攻撃のこと。絡みつかれた相手は全身が針で刺されたような痛み感じる。
煌縛鎮 (ですりべるたー)
封煌符などを使用して「エディルレイド」を束縛する技。ヴォルクス=ハウンドがキーアを封じ込めるために使用した。「エディルレイド」たちが持つ真名を記名しなければ本来の力を発揮しない。反面、真名を記名された封煌符による束縛は、封煌符に対する訓練を受けたアークエイルの「エディルレイド」ですら封じ込めるだけの強制力を持つ。
掩護巌壁 (ゔぇいるくりふ)
ヴォルクス=ハウンドとチルルのコンビが使用した朋誦の謳。発動するとチルルの武器形態である12枚の板が重なったハンマーが分解し、板の1枚1枚が自身を取り囲む。以後は謳を歌わずとも展開し続け、自動的に敵の攻撃から同契者を守る障壁となる。一点に攻撃が集中してしまうと障壁も集中してしまい、結果、他の部分に隙が生じてしまうと言う弱点を持つ。
鋼鉄惑星 (ふぇるぷらねいと)
ヴォルクス=ハウンドとチルルのコンビが使用した朋誦の謳。チルルの武器形態である板を連ね、一列に目標へと殺到させる技。オルハとランジェのコンビとの戦闘に使用したが、効果を完全に発動する前に氷漬けにされた。攻撃に使用する板の枚数は任意で変更できる。
音波の初弦 (さーぱすれんじ)
グレイアーツとココウェットのコンビが使用した朋誦の謳。グレイアーツの歌声をココウェットが増幅し、周囲に音波による範囲攻撃を行ったあと、発生した波動を本命の一撃に乗せて打ち込むという技。増幅された音波だけでも強力な兵器で、数十メートル離れた位置の人間がうずくまるほど。また、本命の一撃も強力で、エストレイド号の上部で使用された際には、衝撃によって転覆しかけたほどの威力を発揮した。
光芒浄穢 (るかかたるしす)
グレイアーツとノーマのコンビが使用した朋誦の謳。グレイアーツの両腕の代わりとなっている光の翼を、増幅し、強化しながら振るうことで強力な光の刃と衝撃波を放つ技。ローウェンとキーアの放った未羅の斬と互角の威力を誇る。
刳 (こ)
グラディアスとイドゥイのコンビが使用した朋誦の謳。エネルギーを球体の形に収束させ、それを相手にぶつけるという技。球体の大きさは時間が経てば経つほどに膨張し、大きくなり、それに伴って威力も強大なものとなっていく。
錯綜菟葵 (ぶりげいとけいじ)
パールとベイルーンのコンビが使用した朋誦の謳。左腕の竜頭から莫大な量の雷撃の鞭を放射し、幾本の筋となった鞭によって敵を囲んで身動きできなくする技。雷撃の檻は次第に間隔を狭めて、敵をひき裂く。雷撃でありながら、レヴェリー=メザーランスの防御用の朋誦の謳である「艮の鎧」でも押さえきれないほどの強度を持つ。
土濤 (れいじんぐだーと)
ロンブルとセディアのコンビが使用した朋誦の謳。大きな爪のような形状となったセディアが地面を掻き上げることで、大量の土を巻き上げる技。土属性のセディアの技は風属性に強く、レヴェリー=メザーランスの風による攻撃を簡単に防いだ。
猛焔の剣 (えすぱだじゃーま)
ロンブルと剣属性の「エディルレイド」であるレレク、火属性の「エディルレイド」であるリレイニの3人による朋誦の謳。本来の朋誦の謳とは異なり、2人の「エディルレイド」の謳を同時に使用することで、全く新しい謳として機能させている。巨大な1本の剣となったレレクに、リレイニの炎を纏わせ振るうことにより、周囲に衝撃と熱をまき散らす技。
千紫万紅 (えくりくしすあるく)
ロンブルと音属性の「エディルレイド」であるコーダ、美属性の「エディルレイド」であるエスタローラ、緑属性の「エディルレイド」であるカディーラの4人による朋誦の謳。多種煌珠使いを自称するロンブルによるオリジナルの技。相性の悪い音属性と美属性の間に、緑属性を挟むことによってバランスを取り、相殺することのない新たな朋誦の謳を生み出している。 3人の「エディルレイド」によって絡み合う巨大な3輪の花にも見える剣を形成した後、巨大な衝撃波を放つ。
檐 (おろぽうすとわ)
ロンブルとジョムのコンビが使用した朋誦の謳。攻撃の雨を防ぐ障壁を展開する防御系の技。武器の形状が雨傘の形をしているジョムを、攻撃の来る方向へと差して、攻撃を障壁へと吸収してしまう。闇属性のジョムは動属性に対して有利なため、動属性であるキーアの攻撃を完全に防ぎきった。
霜峩端竜 (でぃのぶろすと)
オルハとランジュのコンビが使用した朋誦の謳。レヴェリー=メザーランスの風ですら凍てつかせる冷気を集束させ、幾本もの氷の竜を生じさせる技。相手に冷気によるダメージと絶大な衝撃を与える。竜が生じる場所は調整でき、敵の足下から生やして奇襲をかけるといった使い方もできる。