FLAT OUT

FLAT OUT

一般公道でバトルを繰り広げるモータースポーツの格闘技であり公道のF1とも呼ばれる世界ラリー選手権を題材に描かれた作品。登場する人物はすべてオリジナルだが、コースや地名などは実在するものに準じている。作中でルールやマシンの仕組みなども解説されている。

正式名称
FLAT OUT
ふりがな
ふらっとあうと
作者
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概要・あらすじ

剣龍也は、北海道にある峠で日々公道バトルに臨み連戦連勝を重ねていた。このバトルが今は亡き、峠での最速伝説を持つ父親を弔う龍也なりの唯一の方法であり、生きがいとなっていた。しかし、プロのラリーストであるリチャード・ウィルソンがその峠に現れたことで事態は一変する。父親の最速伝説に懸けて負けられない龍也は、敗色濃厚と知りながらもリチャードに峠でバトルを仕掛け、そこで初めて敗北を喫してしまう。

絶望の淵に突き落とされた龍也だったが、リチャードは彼の素質を見いだし、龍也にラリーへの挑戦を勧める。龍也はもう一度リチャードに挑むべく、プロのラリーストを目指すことを決意するのだった。

登場人物・キャラクター

剣 龍也 (つるぎ りゅうや)

父親の持つ峠での最速伝説を守るため、峠でのレースバトルを繰り返している23歳の青年。子供の頃に両親を亡くしており、自立するまでは立花家で居候をしていた。レーシングチーム「チームTT」に所属し、ラリーの世界に足を踏み入れる。並外れた動体視力の持ち主で、スピンしたマシンを冷静にコントロールする技術も兼ね備えている。そのラリーストとしての才能は、ラリー界で「帝王」と呼ばれるリチャード・ウィルソンも認めるほど。

剣龍也の父 (つるぎりゅうやのちち)

剣龍也の父親。峠の走りでは一番早いと自負し、人々から「KING」と呼ばれていた男性。実際に峠では負け知らずで、その峠の最速伝説を持っている。しかし、8年前に事故で帰らぬ人となった。

立花 晃一 (たちばな こういち)

妹の立花茜に「車馬鹿」と言われるほど、車が好きな27歳。レーシングチーム「チームTT」に所属し、剣龍也のコ・ドライバーを務める。無駄に軽口を叩き、うっかり屋な性格が玉に瑕だが、ドライバーを務める龍也のことは心から信頼している。

立花 茜 (たちばな あかね)

立花晃一の妹で、剣龍也とは幼なじみ。何事も一生懸命な性格の23歳の女性。兄や龍也とは違って車には特別関心はないが、レーシングチーム「チームTT」のヘルパーを務め、熱心にチームのサポートをする。

リチャード・ウィルソン (りちゃーどうぃるそん)

世界ラリー選手権4連続グランドチャンピオンを成し遂げたラリー界の重鎮。その偉業に敬意を表して人々から「帝王」とも呼ばれている。しかし、それでも自らの力を過信することはなく、求められる成績に応えることを信条にマシンに乗り続けている。雪や雨での悪路を苦にしないことはもちろん、コースを察知する皮膚感覚に特に優れており、その体表センサーを頼りにマシンをコントロールする。

トニー・ドルフィス (とにーどるふぃす)

リチャード・ウィルソンのコ・ドライバーを務める男性。過去に日本への留学経験があるため、日本語が堪能で箸も器用に使うことができる。リチャードからも「相棒」と認められるほど信頼を置かれ、彼の気持ちを誰よりも素早く察することができる。

ラルク・アレン (らるくあれん)

リチャード・ウィルソンの教え子と言われる、ラリー界期待のホープ。スコットランド出身だが日本人の母親を持つハーフで、その甘いマスクと確かな実力で日本でも絶大な人気を誇る。師であるリチャードを本気にさせたという剣龍也を意識している。

ディーン・バース (でぃーんばーす)

リチャード・ウィルソンの世界ラリー選手権5連続グランドチャンピオンを阻止した男性で、新進気鋭のラリースト。しかし、北海道で行われたレースバトルでは僅差でリチャードに優勝の座を奪われてしまう。

パトリック

世界ラリー選手権最終戦オーストラリアに参戦したラリースト。トップクラスのラリーストの前でも態度が大きく、ラリージャパンからスポット参戦した剣龍也を意識しているドライバーの前で、自分のライバルはラルク・アレンのみだと豪語した。

サラバン

世界ラリー選手権最終戦オーストラリアに参戦した、レーシングチーム「P-drive」のファーストドライバー。感情的なブライアンとは対照的に冷静で、剣龍也にタイムで迫られた際にも落ち着いてチームの勝利のために尽力しようとしていた。

ブライアン

世界ラリー選手権最終戦オーストラリアに参戦した、レーシングチーム「P-drive」のセカンドドライバー。感情的になりやすい熱いタイプで、剣龍也にタイムを抜かれた際には激しく取り乱して物にあたったりしていた。自分の力を過信して個人プレーに走るなど協調性がない。

カワカミ

レーシングチーム「チームスバル」の監督を務める中年の男性。世界ラリー選手権4連続グランドチャンピオンを成し遂げたリチャード・ウィルソンをチームに加えても特別扱いをせず、むしろその力量を自らの目で確かめるためにわざと「最新のマシンとの相性を確かめたい」という口実でマシンに乗せてしまうなどやり手。

滝沢 竹信 (たきざわ たけのぶ)

剣龍也の所属するレーシングチーム「チームTT」の監督を務める中年の男性。小太りで、常に細いサングラスをかけ長い髪の毛を後ろで束ねている。ラリーの知識が豊富だが、過去の経歴は謎に包まれている。選手の目を見てチーム状態を把握するという独特な方法をとっているが、それにより非常に的確に状況を判断することができる。

相場 泉夢 (あいば いずむ)

ショックアブソーバーの製作会社「AIBA」の社長の一人娘。現在はその「AIBA」から分離独立したラリー部門「IZUMIコーポレーション」の代表を務めている。当初は胸を強調する黒のワンピースを着用して登場し、立花茜から「ハレンチな格好」と言われていた。

マサ

滝沢竹信の親友で、豚丼屋「豚丼の政」の店主を務める男性。宝くじが当たったことを聞いて駆けつけて来た滝沢に、酒の席で無理矢理スポンサー契約させられてしまう。ラリーのスポンサーになることで、本当に宣伝効果が出るかどうか不安に思っている。

集団・組織

チームスバル

カワカミが監督を務めるレーシングチーム。二輪駆動が当たり前だったラリーの世界に四輪駆動を取り入れたパイオニア的な存在。近年は世界ラリー選手権4連続グランドチャンピオンを成し遂げたリチャード・ウィルソンをメンバーに加え、盤石の態勢を整えている。

チームTT (ちーむてぃてぃ)

滝沢竹信が監督を務める、プライベーターのレーシングチーム。資金不足の貧乏チームだが、コンピューター担当者やメカニックなど、最低限の人員は確保している。素性の知れない剣龍也と立花晃一を起用したチームで、一般的には無名。

AIBA (あいば)

海外でトレーラーなどのショックアブソーバーを作成している会社。70年代に世界ラリー選手権のショックアブソーバーを供給していた過去があり、採用していたチームこそ少なかったものの、その性能は抜群で評判も良かった。当時は結局、採算が取れずに撤退を余儀なくされている。

IZUMIコーポレーション (いずみこーぽれーしょん)

「AIBA」から分離独立したラリー部門の会社。代表は相場泉夢。ラリーに本格参入するために剣龍也に目をつけ、彼のためにショックアブソーバー「チーターズレッグ」や高性能なラリーカーを用意した。

その他キーワード

チーターズレッグ

「AIBA」のテクノロジーを集約して作られたショックアブソーバー。剣龍也がちょっと触れただけで他のショックアブソーバーと違うことを感じ取ったほどの性能を誇る。名前の通りチーターが跳ねる直前のように車体を深く沈みこませ、その反動で100%のグリップで路面を蹴ることができる。

ボールベアリングロード

オーストラリア特有の路面のこと。丸い小石が硬い路面上に敷き詰められており、極めて滑りやすいうえに場所によってはタイヤが空転してなかなか進まないという、ドライバーの運転技術が求められる高難易度のコース。

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