SS

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かつてラリードライバーだった過去を持つ自動車整備工のダイブツが、峠道や首都高速などで公道バトルを繰り広げる車漫画。

正式名称
SS
ふりがな
えすえす
作者
ジャンル
 
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

自動車整備工をつとめる中年男ダイブツは、かつて全日本ラリーにも出場するほどのラリードライバーだったが、現在は夢破れて平凡な暮らしを営んでいた。しかし、テレビでダカール・ラリーを見たことがきっかけとなり、くすぶり続けていたレースへの情熱が再燃する。やがて勤務先の工場に眠っていたスタリオン4WDラリーを社長から譲り受けたダイブツは、峠道や首都高速などを攻めるようになった。

その卓越したドライビングテクニックで、峠道を走行する若い走り屋たちから一目置かれるようになったダイブツは、「ジャッキー」の異名をとるようになり、さまざまな相手と公道バトルを繰り広げていく。

登場人物・キャラクター

ダイブツ

2000年時点では西山モータースで自動車整備工として働く中年男性。妻は大佛久美子。ユウスケとナホという二人の子供がいる。大学生時代は自動車クラブに所属していた。その後、出入りしていた西山モータースのクラブに入り、同じクラブの栗原と共に各地のレースに出場。ラリーのBクラスで優勝し、全日本ラリーにも出場するなどラリードライバーとして活躍していた。 しかし栗原と共に出場したレースで崖からの転落事故を起こし、ワークス入りを諦める。さらに大佛久美子と結婚し、子供ができたことをきっかけにレーサーを断念し、西山モータースに就職した。その後は家族とともに平凡な暮らしを営んでいたが、テレビで2000年度のダカール・ラリーを見たことがきっかけとなって、くすぶり続けていたレースへの情熱が再燃。 西山モータースの倉庫に眠っていた、かつてラリーをしていたころの搭乗車スタリオン4WDラリーを持ち出し、箱根の峠道や首都高速などを走行するようになった。その卓越したドライビングテクニックから、走り屋の間で「ジャッキー」の異名で知られるようになり、走り屋たちと箱根の峠道でのタイムトライアルなどで勝負を繰り広げていく。

大佛 久美子 (おさらぎ くみこ)

ダイブツの妻。「スーパー神威屋」でパートタイマーとして働いている。ダイブツが大学生時代に自動車クラブに所属していたころ、栗原の紹介で知り合った。栗原は彼女を気に入りしつこくアタックするが、ダイブツに心惹かれていた彼女は栗原を拒絶する。彼女との間に子供ができたことでダイブツがラリーレースを諦め、就職を決めたさいは、泣きながら反発・抗議し、結婚生活で唯一の夫婦ゲンカをした。 それ以降、夫婦ゲンカのときの話をするのは夫婦間ではタブーとなっている。ダイブツが再びスタリオン4WDラリーで走り始めたことに、しばらく経ってから気づき、微笑ましく見守っている。

山ちゃん (やまちゃん)

西山モータースで勤務する自動車整備工でダイブツの同僚。ダイブツとは、ダイブツが大学生時代に西山モータースに車体の補強の相談をしに来たことをきっかけに知り合った旧知の仲。カブキから、走り屋の間で話題になっているスタリオン4WDラリーを駆る「ジャッキー」の噂を聞きつけ、その正体がダイブツであることに気づき、ダイブツが何を目指しているか、いぶかしむようになる。

社長 (しゃちょう)

ダイブツらの勤務先である西山モータースの社長。かつては腕利きの自動車整備工だったが、現在はダイブツ、山ちゃんに現場を任せている。不況でボーナスが出せないため、スタリオン4WDラリーを現物支給で持っていっていいとダイブツに申し出て、ダイブツが公道バトルを始めるきっかけを作った。 ダイブツとは、彼が大学生時代に車体の補強の相談で西山モータースを訪れたことをきっかけに知り合う。1984年夏には、当時大学生だったダイブツと栗原をスタリオン4WDラリーの試作車のテスト走行に誘うなど、一介の町工場の社長とは思えない人脈を持つ。

カブキ

箱根の峠道に出没する走り屋の男性。公道でダイブツの走りを目撃し、そのドライビングテクニックに魅了され、以後その正体を探るべく奔走する。自身は箱根の峠道でのタイムトライアルで周囲から笑われるほどの低記録を出す程度の腕前しかなかったが、ダイブツの走りを目の当たりにして感動し、以後飛躍的にドライビングテクニックを向上させていく。 ダイブツの勤務先である西山モータースの常連客だが、走り屋の間で話題になっている「ジャッキー」の正体がダイブツであることには長く気づかなかった。愛車は三菱ランサーエボリューションVI。

ギラ子 (ぎらこ)

箱根の峠道に出没する女性の走り屋。愛車はインプレッサ。通称である「ギラ子」は怪獣「アンギラス」が由来。ダイブツが現れるまでは、栗原のポルシェ・ターボの最速記録に次ぐ記録の持ち主だった。ダイブツらの走りを目の当たりにし、刺激を受けてドライビングテクニックを向上させていき、カブキとともに若年層の走り屋として記録を伸ばしていく。 勤務先は志村の経営する歯科医院。

栗原 (くりはら)

テレビなどで人気を博する自動車評論家。大学生時代はダイブツと同じ自動車クラブに所属。大学生時代にダイブツのナビゲーターとしてラリーレースに出場したさい、その判断ミスで崖からの転落事故を引き起こしてしまう。また同じく大学生時代、ダイブツに好意を抱いていた、当時の大佛久美子に強引に迫ってフラれたことがある。 事故がきっかけでワークス入りを諦めた後は、ダイブツたちと距離を置くようになり、無気力状態に陥っていた。しかし1986年夏に、全日本ツーリングカー選手権にドライバーとして出場したことが、後の自動車評論家への道につながっていく。そのような経緯から栗原は、ダイブツがいまだにかつての自分の行為を根に持っていると思い込んでいた。 現在は自動車評論家として文化人扱いされているが、卓越したドライビングテクニックの持ち主。若い頃にポルシェ・ターボで記録した箱根の峠道での記録は、ダイブツに抜かれるまで最速として君臨していた。自動車評論家になってからは順風満帆な日々を送っていたが、ある日、走り屋の間で話題になっている「ジャッキー」の存在をテレビ局のスタッフから聞かされ、それがダイブツであることに気づく。 ダイブツが何をしようとしているのか気になった栗原は、それを見極めるべく、箱根の峠道に出没するようになる。

ブンブク

箱根の峠道に出没する走り屋。本業はカーショップの店長。店のトレードマークは「ぶんぶく茶釜」の茶釜。かつてはGTカーに出場したこともあるレーサーだったが、店の経営が行き詰まり、峠で名前を売ることで店の評判を取り戻すことを狙っている。全財産をつぎ込んで自ら「ブンブク・システム」と名付けたチューンナップシステムを開発したが、客の車をいじり倒してダメにするとの評判がつき、客のクレームによって追い詰められている。 慢性的な資金不足に悩まされ、自分の車のメンテナンス費用にも事欠き、妻や子供にも逃げられてしまった。タイムトライアル中の車にもバトルを仕掛けるなど、強引なやり口で走り屋たちの間での評判は悪い。ドライビングテクニックは確かで、ダイブツの出した箱根の峠道でのタイムトライアルの最速記録を更新した。 愛車はスカイライン GT-R32。

志村 (しむら)

ギラ子が勤務する歯科医院「志村歯科」のドクター。かつて「ニコヨン通りの赤いイナズマ」と呼ばれていたと自称しており、車には根拠のない自信を持っている。ギラ子が走り屋であることを知っており、対抗意識を持つが、ドライビングテクニックは素人。金にあかせて高級車を次々と購入するが、そのたびに事故を起こしている。 行きつけのバー「蘭子」のママにプロポーズした。

その他キーワード

スタリオン4WDラリー

『SS』に登場する自動車。三菱自動車が「グループB」のラリー用に開発した。1983年1月の東京モーターショーで発表。車重がわずか960kgでありながら、350馬力の1997cc 4気筒SOHC、EC-インタークーラー・ターボフルタイム4WD、テールウイングにはデフオイル冷却用の巨大ラジエターが組み込まれた重装備を誇る。 プロのラリーレース用として開発されたが、当時の花形レーサーの死傷事故がきっかけとなってグループBのレースが廃止となり、レースでは使われなくなってしまった。西山モータースも1台所有しており、倉庫に放置されていたが、レースへの情熱を再燃させたダイブツが倉庫から持ち出して箱根の峠道などを攻めるようになる。

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