0ファイター

0ファイター

一流レーサーに憧れる少年・南郷たけしは、その才能を見出した先輩レーサーの天馬や、喧嘩っ早いが頼れる父親の辰らの応援を受けながら、愛車レッドアロー号を自らの手で作り上げると、街中のカーチェイスや自動車同士の殺人競技でその実力を発揮し、レーサー訓練学校で腕を磨いていく。神山博士が息子のために開発した新型の0戦カーで、全日本24時間レースに出場し優勝を目指す。太平洋戦争当時、日本が誇る名戦闘機ゼロ戦を指す0ファイターの呼び名で讃えられる、度胸と自動車を愛する心では誰にも負けない少年の物語。

正式名称
0ファイター
ふりがな
ぜろふぁいたー
作者
ジャンル
アクション
 
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概要・あらすじ

富士サーキットの一角でプロのレーサー達のハンドル捌きとギアチェンジの上手さを見極め、煙たがられていた車好きの少年、南郷たけし。彼に類稀な度胸とセンスを見出したトップレーサーの天馬は、試しに自分の車でサーキットを走らせてみるが事故を起こし、たけしは罪の意識から姿をくらませてしまう。やがて貧しさから父・に隠れて早司モータースで修理工として働き出したたけしは、銀行強盗と遭遇し派手なカーチェイスを繰り広げる。

さらに廃品回収業のバタ源の長屋立ち退きを賭けて、山寒組親分の息子とのレースが、息子を勝たせたい山寒親分の思惑により、自動車同士がバトルする殺人競技に発展する。その後、天馬と再会したたけしは、レーサー訓練学校で着実に腕を磨き、プロのレーサーへと成長していく。

ふとした事でたけしは、神山博士が余命僅かな息子のために没頭している新マシンの開発に携わるようになり、大出力が必要なマシンのためにの仲間達と共にゼロ戦のエンジンを調達する。そして、完成間近の新マシン「0戦カー」で日本が誇る全日本24時間レースでの優勝を目指す。

登場人物・キャラクター

南郷 たけし (なんごう たけし)

レーサーに憧れる自動車好きの少年。富士サーキットで、一流レーサーの天馬にその才能を見出される。父親の辰と貧しい二人暮らしで、家計を支えるため、辰に内緒で早司モータースで働き始めるが、ある時逃亡する銀行強盗を解体寸前の車で追跡して見事に捕らえた事から辰の知る所となる。 その後はあくまで自動車の勉強として給料はもらわず、勤務して僅か1か月で余った部品から車を作り、レッドアロー号と名付けて乗るようになる。その後、立ち退きを迫られたバタ源を救うため、山寒組親子の差し金でレスマンが開催する自動車同士を激しくぶつけ合う殺人競技に出場させられる。天馬の勧めでレーサー訓練学校に通い、さらに腕に磨きをかけ、卒業試験予選ではライバルの鬼頭を破り見事な成績を残している。 日東モータースの専属として全日本24時間レースの出場を約束されるが、神山博士の新型マシン開発に携わるようになるとこれを辞退。アメリカ軍から無断拝借したゼロ戦のエンジンを積む新マシン0戦カーでの優勝を狙う。 ゼッケンは0。

天馬 (てんま)

自動車メーカー日東モータース専属の日本を代表するレーサー。チロル帽を被っていたため、南郷たけしにはロビンフットと呼ばれる事がある。初対面で、たけしに未来の大レーサーになる資質を見出し、自分の車でサーキットを運転させる。その後も辰の所へ出向き、レーサー訓練学校への入学を熱心に勧めている。 先輩としてたけしにモスの抜き手と呼ばれるテクニックを伝授したり、社外機密のテストコースで試作車を見学させている。また全日本24時間レースに神山博士の開発した車で出場するため、所属している日東モータースを辞めると報告に来たたけしを心配し、必死で引き留めようとした。全日本24時間レースにはゼッケン100で出場。

(たつ)

南郷たけしの父親。45歳。宮大工。口で言っても利かない相手には拳を振るい、町の人達に因縁を付けるチンピラを追い払い、人々から守り神の辰つぁんと慕われている。親子2人貧しく怪我の治療費も満足に払えない生活を送っているが、レーサーになりたいという息子の夢を実現させるため、生活の心配をしないよう頑なに援助を拒み、たけしが早司モータースで仕事をするようになってからも給料はもらわないように約束させている。 廃品回収業のバタ源が山寒組によって長屋を立ち退かされそうになると、子分の三次達を相手に大立ち回りをし、心配したたけしが慌てて志賀医師を連れてくるも無傷だった。神山博士が開発中の車に大出力のエンジンが必要と聞くと、アメリカ空軍基地の資料室に置いてあるゼロ戦のエンジンを使う事を提案し、仲間を集めて盗み出しに行く。 スタートまでに0戦カーの完成が間に合わず、出場が危ぶまれて嘆くたけしに、男がこうと決心したならば最後までその言葉に責任を持てと喝を入れ、諦めずに出場できる方法を考えさせた。

神山博士 (かみやまはかせ)

5年ほど前まではレーシングカー作りの神様とまで言われた男。現在は一線を退き、スクラップ工場のような神山モータースを経営している。孤児院から引き取って養子にした息子の竜夫が重い病にかかり、余命わずか1か月となる。生きている内に開発中の車を完成させるために資金が必要となり、ダービー自動車に雇われてライバルの日東モータースの試作車をスパイするが失敗、天馬の計らいでフィルムを返してなんとか釈放される。 通常のエンジンでもその力を最大限に発揮できるX・回転機を設計。900馬力の出力が必要になり、南郷たけしと共にアメリカ空軍基地の資料室に置いてあるゼロ戦のエンジンを奪いに行く。 落ちぶれた事により、どこに頼んでもレーサーを引き受けてくれる相手が見つからずレース出場が危ぶまれる。

志賀医師 (しがいし)

南郷たけし親子の家の近所で志賀医院を営む。喧嘩や事故で怪我が絶えない親子の治療に度々呼ばれている。しかし、日頃の行いに感心し、貧しい生活の辰から治療費を取らなかった。廃品回収業のバタ源が山寒組によって長屋を立ち退かされそうになり、子分の三次達を辰が一人で相手にしていると聞いて心配したたけしによって、他の患者の診察に向かう所を無理やり車に押し込まれ、手足を縛られながら長屋まで連れて行かれたが、肝心の辰は無傷だった。

早司社長 (はやししゃちょう)

南郷たけしの家の近所で自動車修理工場の早司モータースを経営する。募集広告を見て雇って欲しいと訪ねてきたたけしを、最初は未経験者だった事から追い返そうとするが、試しに10分で直すと言って修理した車を9時間掛けてかえって壊してしまったにも拘らず、その熱心さを認めて雇う事にした。 辰との約束で決して給料をもらおうとしないものの、覚えが早く役に立っているたけしに、賃金の代わりとして店にあるボロの部品を提供する。たけしはその部品を使って一晩で車を1台作り上げ、レッドアロー号と名付けて愛車にする。

山寒親分 (さんかんおやぶん)

山寒組の組長。子分の三次達を使い、力ずくで長屋の住人達に立ち退きを迫り、悪質な商売で稼いでは私腹を肥やしている。息子には甘く、新車をせがまれると快く買ってやる。廃品回収業のバタ源の立ち退きを賭け、息子が南郷たけしと交わした賭けレースに賛成するも、万一不測の事態が起きて負ける事があってはいけないと、息子と顔立ちの似たレーサーを身代わりとするように興行師のレスマンに持ちかけた。 南郷たけしが辰に無断で殺人競技に挑んだ事に付け込み、勝敗に関わらず長屋の立ち退きを迫る計画だった。

山寒の息子 (さんかんのむすこ)

山寒組の親分の息子。フォードGTに乗り、レース前の整備を早司モータースに頼みに来る。そこに現れた銀行強盗の人質となり愛車で逃走された挙句、追跡してきた南郷たけしとのカーチェイスで車が大破してしまう。父親の財力に物を言わせて全日本GPレースに参加した最新型のポルシェカレラ6を手に入れると、恨みを晴らすため、たけしにバタ源の長屋立ち退きを賭けたレースを持ちかける。

銀行強盗 (ぎんこうごうとう)

駅前にある三間銀行から5千万円を奪った男。たまたま早司モータースに逃げ込み山寒の息子を人質に取るとフォードGTを運転させて逃走した。覆面の間から覗いた目元が辰に似ていた事から、金に困った父親の犯行ではないかと不安になった南郷たけしが工場にあった解体寸前の車で追跡し、カーチェイスを繰り広げる。

バタ屋の源 (ばたやのげん)

廃品回収業をしながら、長屋で大勢の子供達を抱えて貧しい暮らしをしている。山寒組によって立ち退きを迫られ、長屋の住人達が出て行った中、最後まで拒み続けたため、子分の三次達が大勢で押し寄せてくることに。しかし、騒ぎを聞きつけた辰が力ずくで追い払った。

レスマン

違法で危険な自動車同士をぶつけ合う殺人競技で賭博を行う、闇の興行師。山寒親分とは以前香港で一緒に商売をした仲。千葉の山の中にある秘密の場所で、新たなバトルを開催するため来日した。命知らずの選手を香港から5人引き連れてきて、日本でも新たに5人を雇うが、その中の1人が山寒の息子に似ていた事から、替え玉としてのレース参加を持ちかけられる。 バトル当日早司モータースまで直々に南郷たけしを迎えに行き、何も知らされずに競技場まで連れて行かれるにもかかわらず怖気づかないたけしの度胸に感心した。

D・スミス

南郷たけしが入学したレーサー訓練学校で、辰の隣の観覧席で見学していた。言葉が通じなかったため、双眼鏡の奪い合いが発端となり辰と乱闘になるが、レース後は好成績を残したたけしを讃えあう仲となった。辰の頼みでアメリカ空軍基地の資料室に置いてあるゼロ戦のエンジンを盗み出すにあたり、鍵屋やペンキ職人などそれぞれ助っ人の特技が活かされる中で、英語が話せる人材として協力した。

竜夫 (たつお)

神山博士が5年前に孤児院から引き取り、養子にした少年。現在7歳。重い病にかかり、山の療養所で離れて暮らしながら治療を受けている。本人は知らないがあと一か月の命で、一時帰宅の時に開催される全日本24時間レースで、神山博士の作った車が活躍する事を楽しみにしている。竜夫が神山博士に書いた手紙を読んだ南郷たけしは協力を決意する。 レース当日は看護師が付き添い、車椅子に乗って会場で見学した。

牙 竜蔵 (きば りゅうぞう)

一流レーサー。海外で活躍しているが、全日本24時間レースに出場するために帰国。係員への横暴な態度を南郷たけしに注意され、レースでの勝負を挑んできた強敵。自身の設計による六輪の巨大レーシングカー・ブルーモスラーで出場。木立の側を走りながら姿を消し、一気に相手から2000mも差をつける、まぼろしの車と呼ばれる走行をする。 ゼッケンは9。

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