概要・あらすじ
ユーベFCに所属するサッカー選手、ジョナサン・ブッキラーボ(ブッキ)は、世界一のプレイヤーと称賛される一方、「悪童」とあだ名されるほど、素行は悪かった。日本で開催されたCW杯(クラブワールドカップ)で優勝したあと、ブッキは秋葉原を観光していた。電車のホームにいたブッキに気づいたファンは彼を取り囲み、ホームはあっという間に人でいっぱいに。その影響で、電車を待っていた男子高校生の武関心は、人だかりに押されて線路に落ちてしまう。電車がせまる中、ブッキは線路に飛び降り、心の胸ぐらをつかんで、彼をホームに投げ戻すが、自分は電車に轢かれてしまう。こうして高校生を庇って亡くなったブッキの人生は幕を閉じた。しかし彼はこの世から去ったわけではなかった。幽霊となって、心に取り憑いていたのだ。ブッキの声と姿は心にしか見えない。心といっしょに登校したブッキは、体育の授業でサッカーをやると聞き、心を震わせた。しかし心は、フィールドから離れ、一人で座り込んで何もしない。心は何事にも無関心で、友達もいない根暗少年だったのだ。その様子を見たブッキは、体を貸してくれと要求。しかし心はそれを断固拒否する。他人に体を貸すのは不快だし、ブッキの性格からして何をしでかすかわからない。ブッキは命の恩人ではあるが、心は線路に落下した時、ホーム下の退避場所に身を隠すつもりだったため、ありがたみを感じていないのだ。そこへ、乗安をはじめ、クラスメートたちがやって来た。乗安はユース出身のサッカー部の選手だった。心のためにブッキが死んでしまったことに腹を立て、心に蹴りを入れ、さらに土下座してあやまれという。その様子を見ていたブッキは激怒する。「自分が死んだのは心のせいではない」「自分の何を知っているのか」。そう言ってブッキは、自分に体を貸せと心にせまる。心は、一瞬だけという約束で、ブッキに体を貸した。心に憑依したブッキは、乗安からサッカーボールを取り上げる。「このボールが取れたら一生ドレイになる」「その代わり、このままゴールを決めたら、全員自分のドレイになれ」と言って、乗安を挑発したブッキは、超絶テクニックを見せる。こうして始まった、ブッキと心のサッカー二人三脚は、何事にも無関心だった心の気持ちを、徐々に変えていくのだった。
登場人物・キャラクター
武関 心 (むせき こころ)
高校1年生の男子。小柄で大人しい性格で、勉強はできるが、スポーツは苦手。友達がいない根暗少年で、何事にも興味を示さないため、クラスメートからは「無関心」と呼ばれる。ある日、電車のホームから線路に落ちたところを、世界的サッカー選手、ジョナサン・ブッキラーボ(ブッキ)に助けられる。以来、幽霊になったブッキに取り憑かれる。線路に落ちた際、ホーム下の退避場所に避難するつもりだったため、ブッキに対して感謝の気持ちはない。自分の体に憑依させろとせまるブッキに対し、しばしば体を貸す。サッカーをさせることによって、早く成仏させようともくろむ。
ジョナサン・ブッキラーボ (ぶっき)
世界一のサッカー選手として知られ、この世のあらゆるものを手にした男。愛称はブッキ。テクニックは超一流だが、相手を殴るなど素行が悪く、「悪童」としても有名。筋骨隆々の体と、長髪を後ろで束ねた髪型が特徴。日本での試合後、駅のホームから線路に落ちた高校生の武関心を庇って死亡。サッカーへの未練からか、幽体となって武関心に取り憑く。心の同意があれば、彼の体に憑依することができ、超絶のサッカープレイを披露する。