あらすじ
第1巻
古臭くて陰気臭い古城に住んでいたフリッツ・ツビッキーは、クリスマスイブの日に父親を事故で亡くし、父親が死に際に遺した「ワシのかわりにコレクションしろ」という言葉に従って、自宅の城を、世界の珍品を飾る奇妙な博物館にするために奔走することになってしまう。突如として現れた有能な双子の弟、エドワードや、住み込みの使用人、グスタフの協力を得たツビッキーは、戸惑いながらも各地から集まってくる奇妙な品物をコレクションするようになる。(Episode.1。ほか、5エピソード収録)
登場人物・キャラクター
フリッツ・ツビッキー
古城に住み、アルバイトで生計を立てている青年。フットワークの軽いお調子者だが、生活力のない父親を支えるために学校にも行かず働き続け、長年貧乏暮らしを強いられてきた苦労人。クリスマスイブの日に父親が事故死し、遺言に従って城を博物館にするため、各地から奇妙な品物を集めるようになった。当初は父親の遺言に従う気はまったくなかったものの、使用人のグスタフに諭されて渋々ながら城を博物館にするために活動するようになる。父親の死後に突然現れた生き別れの双子の弟、エドワードのことを父親からいっさい聞かされていなかったため、当初は遺産狙いの詐欺師ではないかと疑っていた。しかし、コレクションを進めるうちにエドワードの誠実な人柄に触れたことで、徐々に心を許し、大きな信頼を寄せるようになる。グスタフからは「坊っちゃん」、エドワードからは「オ兄サン」と呼ばれていた。
エドワード
黒髪ロングヘアの青年。端正な顔立ちをした誠実な性格をしている。フリッツ・ツビッキーの双子の弟。ツビッキーの父親が亡くなったことを聞きつけ、ツビッキーが暮らす城に姿を現し、いっしょに暮らすようになった。顔立ちは母親似で、どちらかというと父親似のツビッキーとは全然似ていない。そのため、最初はツビッキーに遺産狙いの詐欺師ではないかと疑われていた。優秀なうえに非常に博識で、さまざまなことを知っている。そのため、コレクションのためのサイト作りや、城に持ち込まれたアイテムの調査などを行っていた。ツビッキーのことは親しみを込めて「オ兄サン」と呼んでいる。
グスタフ
フリッツ・ツビッキーの暮らす城の使用人を務める男性。家族といっしょに住み込みで働いている。少々口が悪く、特にツビッキーに対しては思ったことをズバズバ言ってしまうが、根は生真面目な性格をしている。父親の遺産を勝手に使いこもうとしたツビッキーをたしなめ、遺言どおりコレクションをするように諭していた。
ツビッキーの父親
フリッツ・ツビッキーの父親。古城に住んでいる強面の中年男性。自分の城を世界の奇妙な品物が展示された博物館にしようと計画していたが、クリスマスイブの日に交通事故で亡くなった。死に際に「ワシのかわりにコレクションしろ」という遺言を残し、ツビッキーに自分の計画を継ぐように懇願する。何事にもずぼらで生活力が低いため、妻に愛想を尽かされ、エドワードを連れて家を出ていかれてしまった過去を持つ。その反面、自身の夢であった博物館の開館に関しては用意周到で、コレクション用に多額の資金を遺産としてツビッキーに遺していた。
サナ
ショートヘアの女児。フリッツ・ツビッキーの城の庭にいたところを保護された。幽霊が実在すると主張する父親に強い不満を抱いており、我慢しきれなくなって家出をした。ツビッキーが彼女を家へと連れていくが、父親からサナが3年前に亡くなっていることを知らされてしまう。
強盗犯
強盗事件を起こして逃走していた男性。長年の貧乏暮らしで心が荒んでおり、自暴自棄になって強盗をした。逃走中にフリッツ・ツビッキーの暮らす城に侵入し、ツビッキーを脅迫して金品を奪い取ろうとする。しかし、ツビッキーから自らの悲惨な貧乏生活を聞かされて同情し、ツビッキーに小銭を渡して退散する。
その他キーワード
アンティーク人形 (あんてぃーくどーる)
古めかしい少女の人形。なぜか髪が伸びるため、前の持ち主が怖がり、フリッツ・ツビッキーのもとへと持ち込んだ。その正体は、髪が伸びる仕組みがついているただのおもちゃの人形。ヘアスタイルを自由に変更できるのが売りだったが、気持ち悪くてまったく売れなかったという、いわくつきの商品。
マンドラゴラ
根の部分が人型をしている奇妙な根菜。引き抜くと叫び声を上げ、その声を聞いたものは死に至るという恐ろしい植物。フリッツ・ツビッキーが住んでいる城の庭になぜか自生していた。
水晶ドクロ (くりすたるすかる)
水晶で作られた美しいしゃれこうべ。一説によると、古代の呪術師の一族が数百年かけて手で磨いて作り上げたとされている。フリッツ・ツビッキーのもとに持ち込まれ、コレクションするために中古車が購入できるほどの価格で買い取ったが、のちに偽物であることが判明し、ツビッキーを酷く落胆させる。