概要・あらすじ
小学生佃半平太の文鳥を逃してしまった代わりとして、姉つくねが拾ってきた大きな卵から出てきたのは人語を解する謎の生物ニワトリモドキだった。佃半平太の母によってガンモと名付けられたその鳥型の生物は、佃家に居候をすることになる。以後、大江戸町を舞台に、ドタバタに満ちた彼らの楽しい日々が続いていくのだった。
登場人物・キャラクター
ガンモ
卵にニワトリの部品を付けたような姿をした、謎のニワトリモドキ。ピンク色で、身長1mくらい。人語を解する。自称「鳥類のニューウェーブ」。小学生佃半平太の家に居候し、「佃ガンモ」と名乗ることも多い。飛べるが、高所恐怖症のため、低くしか飛べない上、低速。スニーカーを履いていて、脱ぐとバランスが崩れ、上手く飛べなくなる。 コーヒーが大好物だが、飲むと酔っ払う。体の表面の色や模様を自由に変化させることができる。不可思議な鳥仲間がたくさんいる。鳥と会話するときは「コケーッ」という声になる。猫が苦手で、特に「まねき猫レオ」という猫が天敵。
佃 半平太 (つくだ はんぺいた)
区立大江戸小学校3年3組。特にこれといった能力もなく、学校の成績も良くない、ごく普通の軟弱な男子。 ガンモの飼主。男勝りの姉を持ち、たびたびいじめられている。隣に住む市ヶ谷あゆみが好きだが、想いはまったく報われない。
佃 つくね (つくだ つくね)
佃半平太の姉で、区立大江戸中学校1年2組。制服はセーラー服。粗暴で気が強く、弟をよくいじめている。意外に恋多き女で、同級生の赤坂くん、担任の諸井先生、3年のイケメン旭川ツトムなどにアプローチを試みるが失敗に終わることが多い。あまり勉強はできず、リンダに英語の宿題を見られて笑われる。
半平太の父 (はんぺいたのちち)
佃半平太の父親。名前・年齢は不明。髪の毛は短く、長めの口ひげを生やしている。サラリーマンで係長だが、具体的な仕事はよくわからない。子供の頃はアパート住まいで一軒家に憧れていたので、現在一戸建てに住んでいるのを誇りにしている。
半平太の母 (はんぺいたのはは)
佃半平太の母親。名前・年齢は不明。目はいつも笑った形で、弥七が家に来たときの一度を除いて見開かれることはない。ごく普通の主婦。
リンダ・スカイラーク
佃半平太の同級生。金髪碧眼、白人の娘。恐らくアメリカ人。伝法なべらんめえ調の日本語をしゃべり、口ぐせは「ダッセー!」。いたずら好きの乱暴者。誕生日は7月15日。大江戸町4丁目のマンションに、父母と住んでいる。転校当初は、母の希望でおとなしくしていたが、同じクラスの松任谷弓子の陰湿ないじめに耐え切れず、本性を見せて大暴れしてしまう。 運動神経はとても良い。市ヶ谷あゆみとはライバル関係にある。ドロシーという年上のいとこがいる。
西郷 トシミツ (さいごう としみつ)
佃半平太の同級生。ふてぶてしい面構えで、太っていて怪力でケンカが強く、町内の番長である。乱暴者であるが、頭の回転は良く義侠心もある。口ぐせは「フン!」。同じ顔のブサイクな妹がいる。内緒にしているが、きれい好きというか極度の潔癖症で、ものすごい勢いで掃除を行い、様々なものをピカピカにする。 弱点は犬と、怪力少女おしん。
藤田 カシオ (ふじた かしお)
佃半平太の同級生。眼鏡をかけたガリ勉。カシオの母は、自分の夫を「三流企業の三流社員」と罵り、カシオを一流学校に入れようとする。スパルタ教育法で有名な塾に通って勉強をしている。通知表は体育以外オール5。髪をきっちり真ん中から二つに分け、いつもネクタイをしている。金持ちと思われているが、アパート住まい。
浅草 紀子 (あさくさ のりこ)
佃半平太の担任の若い女性教師。作品中盤までジャージばかり着ていたが、終盤は普通の服も着るようになった。
市ヶ谷 あゆみ (いちがや あゆみ)
佃半平太の隣の家に越してきた、お金持ちのお嬢様。デジャブーというカラスを飼っている。とてもかわいいが、非常に腹黒く計算高い。姫乙女女学院というお嬢様学校に通っていたが、夏休みの宿題「空き缶を百本集めてくる」ができなかったので、半平太の学校に転校してきた。 リンダ・スカイラークや松任谷弓子といつもいがみ合っている。幼い頃からの教育係である、ばあやには頭が上がらない。カラオケなどでマイクを持つと、離さなくなってしまうが、ものすごく音痴。土井中村に別荘を持つ。
デジャブー
市ヶ谷あゆみが飼っているカラス。カラスのくせに、頭に髪があるように見える。あゆみがつけてくれた蝶ネクタイをしている。とてもプライドが高く、早く飛べることが自慢で、いつも ガンモを見下している。あゆみのことが好きだが、人間の言葉がわからないので相手にしてもらえず悲しむ。
市ヶ谷あゆみの父 (いちがやあゆみのちち)
市ヶ谷あゆみの父親。名前・年齢は不明。いつも運転手付きの自家用車に乗っている。しかし、女装して緑のおばさんになり、気に入らない子供の登校を邪魔する、という妙な趣味を持つ。その姿の時は、子どもたちから「開かずのオバン」と呼ばれ、恐れられている。後に、娘のあゆみから依頼された私立探偵全部田一耕助に、正体を調査されて慌てる。
ばあや
市ヶ谷あゆみの両親から、あゆみの教育を任された老婆。行儀作法に関して、非常に厳しくあゆみをしつけようとする。ものすごく小柄だが、鋭い目と恐ろしい形相の持ち主で、いつも和服を着ている。愛車はスクーターのホンダLEAD。本名は、秋元ナオミ。
松任谷 弓子 (まつとうや ゆみこ)
佃半平太の同級生。性格の悪い冷酷そうな女子で、二人の子分の娘をいつも引き連れている。人気のある女子をいじめるのが好き。リンダ・スカイラークや市ヶ谷あゆみから、「ナットー屋さん」と名前を間違えられるのが、お定まりのギャグ。家は乾物屋で、納豆も扱っている。歌手の松任谷由実からインスパイアされたキャラクターと思われる。
西郷 芽理子 (さいごう めりこ)
西郷トシミツの妹。聖大江戸幼稚園の園児。サイゴーと同じ顔をしていて(つまり、ブサイク)、性格は悪い。登場するときは、兄と一緒にいることが多い。
東条 (とうじょう)
佃半平太の隣の組の番長。名前は不明。額に十字の傷痕があり、いつもサングラスをかけている。サイゴーを一方的にライバル視しているが、ケンカではまったくかなわない。サイゴーの弱点を知り、それを利用した作戦をとるが、結局攻略に失敗する。
鶴太郎 (つるたろう)
ガンモの鳥仲間。シベリアから渡りの途中で、仲間とはぐれ、大江戸町で食べ物を盗んで暮らしていた丹頂鶴。右目にアイパッチをしている。背中に、興奮すると模様が浮かび上がる白粉彫りの刺青があり、模様は「仁義」という文字と怖い目をしたツバメ。江戸時代の渡世人のような性格で、江戸弁。 「し」を「ひ」に発音する。
ご隠居 (ごいんきょ)
ガンモの鳥仲間。佃半平太が友人たちと春スキーを楽しむ山の中で、ガンモとデジャブーが出会った「ふくろうのご隠居」と名乗る鳥。いつも特殊なレンズのメガネをかけ、杖を持つている。スケさんとカクさんという連れがいる。ダジャレが好きだが、それを聞いた者たちはみんな沈黙する。 正体は「天下のフクロウ将軍、水戸光玉公」で、鳥のくせにやけに大きい陰嚢を見せて名乗りを上げる(陰嚢は、普段はヒゲで隠れている)。愛鳥週間に、年一回日本中の鳥達が集まって騒ぐ「バードウィークパーティ」召集の号令を発することができる。
横車の弥七 (よこぐるまのやしち)
ガンモの鳥仲間。丸く大きな鳥で、ご隠居の部下。刀のように、背中に傘を括りつけている。ものすごい大声で「なーっ!」と鳴いて、相手に耳鳴りを起こさせる、「ミラクルボイス」という技を使う。傘を持って飛ぶ。
土井中村の子どもたち (どいなかむらのこどもたち)
佃半平太たちが林間学校に行った土井中村の子供達。半平太たちと同学年と思われる。刈り上げオカッパ頭でかっこいいパンツ(下着)をはいているリーダー格の娘「ぱんつ」、ガリ勉で蝶ネクタイをしている「スダレ」、特になんの特徴もない「500円」、そして大柄で怪力の少女「おしん」の4人。 方言でしゃべる。半平太たちを馬鹿にするが、村にある別荘にやってくる東京から来たお嬢さん市ヶ谷あゆみは敬愛している。
おしん
土井中村の子どもたちのうちの一人。三白眼・獅子鼻・ドーナツ型の唇と、三拍子揃った不細工。体は大柄で、サイゴーを超える怪力の持ち主。サイゴーを好きになってしまい、土井中村に別荘がある市ヶ谷あゆみのつてで、幾度も東京へ出てくる。怪力と一途な思い込みで、何度もサイゴーにアプローチするが、きれい好きのサイゴーは彼女の顔を「きたない」と言って嫌うので、その心が受け入れられることはない。
おまわりさん
名前はない。江戸川町の交番に勤務する警察官。一人称は「本官」。ものすごくプロレスが好きだが、市ヶ谷あゆみからラリアットを食らったり、チリ紙交換屋のお蘭に、四年間保存していたスポーツ新聞のプロレスの記事を勝手に回収されたりと、あまりいい目を見たことがない。ニャンニャン子供ローンのOLを好きになり、デートでプロレスの試合に連れて行く。 それ以外にも、少年相撲大会の行司をやったり、市ヶ谷あゆみ十二番勝負の刺客をやったりした。
お蘭 (おらん)
チリ紙交換屋。軽トラックで巡回して商売をする。苗字は不明。若い女性だが、赤ん坊の息子、信長を連れている。新聞を勝手に回収してしまったり、縄張りを荒らす同業者を容赦しなかったりと、かなり強気な性格である。
レオナルド・バーンシュタイン・ルイ・アームストロングジュニア
猫だが「ニャンニャンしようよー」という言葉を発しながら、ガンモを追いかける。消費者金融「ニャンニャン子供ローン」の経営者であり、運輸会社トラネコヤマトからキャッツ・テアトルまで従える「レオ・グループ」総帥の実業家猫。
全田一 耕助 (ぜんだいち こうすけ)
私立探偵だが、大江戸ゲームセンターで店番のアルバイトをする。和服に袴姿の青年。風船ガム中毒。ゲームセンターで遊んでいた佃半平太たちを「少年タンテー団」として雇う(ゲーム料金に関する非常にセコい報酬で)。「灰色の脳細胞が泣く」と言うと、パカッと頭が開き、脳みそが飛び出て本当に泣く、というシュールなギャグを見せる。 大江戸小学校の近辺に出没する「開かずのオバン」の正体の解明を市ヶ谷あゆみから依頼される。
狼少年ケンちゃん (おおかみしょうねん)
美少年だが、嘘つきで天邪鬼。大江戸三丁目に住む。佃半平太や市ヶ谷あゆみたちを嘘やひねくれた言動で翻弄する。言動に特に深い理由があるわけではないらしい。引っ越して、大江戸三丁目から去っていく。
リンダの両親 (りんだのりょうしん)
リンダ・スカイラークの父母。父はデービット、母はジェーンで、二人とも金髪碧眼。デービットの日本語は伝法なべらんめえ調で、リンダの日本語は父の影響を受けていることがわかる。ジェーンは日曜には教会に行く熱心なクリスチャンで、娘にもっとしとやかになってもらいたいと思っている。
ドロシー・スカイラーク
リンダ・スカイラークの年上のいとこ。やはり金髪碧眼の白人の娘。スタイルはいい。ウィンドサーフィンスクールのコーチをやっている。日本語は「ダッセー」「オナカスイタ」「なメたらアカんゼよ」の3つしか喋れない。
ニャンニャン子供ローンのOL (にゃんにゃんこどもろーんのおーえる)
子供向け消費者金融業「ニャンニャン子供ローン」大江戸店に勤務するOL。「キャバレー芸能界」を辞めて、この仕事に就く。キャバレーにいた時の源氏名は、アケミ。興奮すると方言丸出しになる。彼女はおまわりさんにデートに誘われ、プロレスを一緒に見る。「ニャンニャン子供ローン」の経営者は、まねき猫レオ。
伊豆見 ヒゲ千代 (いずみ ひげちよ)
大江戸町最長老の老人の男性。年齢不明(80とも百とも言われる)で、毎日早朝に町内をジョギングする。町内対抗少年相撲大会の顧問でもある。作品連載当時、日本最高齢者だった泉重千代がモチーフと思われる。
光る鳥 (ひかるとり)
真夜中に天上から降りてきて、眠っている ガンモを窓の外から眺め、またいずこかへ消えた謎の鳥。
場所
大江戸町 (おおえどちょう)
佃半平太が通っているのが区立大江戸小学校で、つくねが通っているのが区立大江戸中学校。土井中村の林間学校の回で地元の子供達が、半平太たちを「東京人」と呼んでいるので、大江戸町は東京都にあるものと推測される。町内にある大江戸神社で、町内対抗少年相撲大会が開かれる。
アニメ
書誌情報
GU-GUガンモ 12巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉
第1巻
(1982-12-15発行、 978-4091208118)
第2巻
(1983-03-19発行、 978-4091208125)
第3巻
(1983-05-20発行、 978-4091208132)
第4巻
(1983-07-18発行、 978-4091208149)
第5巻
(1983-10-18発行、 978-4091208156)
第6巻
(1984-01-18発行、 978-4091208163)
第7巻
(1984-04-18発行、 978-4091208170)
第8巻
(1984-06-18発行、 978-4091208187)
第9巻
(1984-09-18発行、 978-4091208194)
第10巻
(1984-10-18発行、 978-4091208200)
第11巻
(1985-02-18発行、 978-4091212610)
第12巻
(1985-04-18発行、 978-4091212627)