概要・あらすじ
シカゴの銃工店「ガンスミスキャッツ」で働くラリー・ビンセントとミニー・メイ。彼女たちは裏で、犯罪者を捕まえて警察に引き渡す賞金稼ぎの仕事をしていた。仕事中に出会ったミスティ・ブラウンやベッキー・ファーラと共に活動の輪を広げるが、危険な事件に巻き込まれることがとても多い。中でも運び屋のビーン・バンデットとの仕事は危ない物が多く、彼とは共闘関係を結びながらも一定の距離を置く、同業者として接していた。
ある日バンデットとラリーの仕事がバッティングしてしまい、トラブルが発生。一悶着しているうちに、ラリーの愛車のコブラGT-500は爆破テロ用に改造され、破損してしまう。一方バンデットは、彼を追うためなら法の違反も辞さない警部パーシー・バカラックに追われ、命を狙われてしまう。
バンデットは返り討ちにしようとするが、彼に殺しをさせたくないラリーは騒ぎを収束させる。その後、彼女は前作『ガンスミスキャッツ』で死んだはずのゴールディ・ムッソーと対峙。ところがゴールディは過去の記憶を一切失っていた。
ゴールディの記憶を取り戻すように、彼女の部下デニスにいわれ、困惑する。
登場人物・キャラクター
ラリー・ビンセント (らりーびんせんと)
褐色肌の女性。本名はアイリーン・ビンセント。23歳。本業はシカゴで銃器を売ったりメンテナンスをするガンスミス。凄腕の賞金稼ぎとして、名をはせている。コブラGT500を愛用して乗り回していたが、爆弾テロにあい、破損してしまう。2台目は防弾仕様のフォード・マスタング・キングコブラ。 気は強く、賞金首を捕まえるためならどんな危険もいとわない。車を愛しているが、カーチェイスですぐに車を傷めてしまう。人の命を守ることを第一にしており、ドラッグやテロには強い反感を抱く。銃器の扱いに長けており、相手の銃を撃ちぬくような射撃を行い、殺人はほとんどしない。また極度のガンフリークスで、銃器の手入れをしながらニヤついて、相方のメイ・ホプキンスをドン引きさせている。 爆弾の名手メイ、情報屋ベッキー・ファーラ、サポートミスティ・ブラウンらと組んで仕事をしているが、つながりはそこまで深くなく、みんな自由に動いている。運び屋のビーン・バンデッドとは強い信頼関係を結んでいるが、仕事と割りきる彼と、正義感の強い彼女はぶつかりあうことも多く、特にビバンデッドが殺しを働こうとする時はなんとしても止めようとする。
メイ・ホプキンス (めいほぷきんす)
爆弾の専門家の女性。爆発物の扱いに長け、ラリー・ビンセントと共に賞金首を追っている。恋人のケン・ターキィのために、クスリで幼いままの容姿をとどめており、見た目は13歳程度(実際は20歳)。幼い姿を利用して相手に色仕掛けをすることが多い。ケン・ターキィと結婚してからは、ラリーとの活動は徐々に控えめになった。 かつて娼館で働いており、熟練の性的テクニシャン。後にケンの子供を産む。
ミスティ・ブラウン (みすてぃぶらうん)
ピッキングの名手である、元空き巣の少女。ラリー・ビンセントに助けられ、仲間になっている。レズビアンで、ラリーのことが好き。ガンスミスとして、銃の手入れを学んでいるが、本人はラリーの相棒として一緒に活躍することを望んでいた。おっちょこちょいで、ドジな部分が多いものの、いざというときには頼れる仲間としてラリーやメイ・ホプキンスに信用されている。 ベッキー・ファーラから買ったBMWの維持費に苦しんでおり、常にお金を欲しがっている。ラリーの天敵ともいえるミズ・ゴールディに、ドラッグを使った「説得」の洗脳を受けて、彼女の元で共に暮らすようになった。
ベッキー・ファーラ (べっきーふぁーら)
ラリー・ビンセント御用達の情報屋。お金のために働く、という徹底した理念の持ち主で、ラリーに仲間扱いされるのを嫌がっている。ただし共にいることは多く、ラリーへの助力は惜しまない。犯罪集団に襲われても、交渉の際も、動揺しないしっかりした感情の持ち主。 一番の幸せは、通帳の残高が増えていくこと。
ビーン・バンデット (びーんばんでっと)
「ロードバスター」の異名を持つ、本名や素性が一切謎の、2m近くある大きな男性。運び屋としての腕前は一流で、実績100%を誇っている。ラリー・ビンセントとの約束で、ドラッグの運搬は一切断っている。彼女とは信頼関係にあるが、あくまでも自分の仕事でぶつかる際は、お金をより多く払う方を優先する、ビジネスライクな生き方をしている。 車には防弾処理が施されており、本人も普段から防弾ジャケットを着て鉢金をおでこに巻いている。鍛え上げられた身体で、ナイフで刺された程度では腹筋で止めてしまう。ナイフの扱いに長けており、投げたナイフが銃を構えた相手の銃口を突き刺すほどの命中率を持っている。 またナイフで壁を切り裂いて、閉じたドアを突き破ることもある。RPGのロケット砲を、車を運転しながら片手でつかむなど、人間離れした力の持ち主。
ケン・ターキィ (けんたーきぃ)
メイ・ホプキンスの夫。爆発物のプロフェッショナルで、メイに技術を教えこんだ。アニメオタクで、新婚旅行で東京に向かい、メイの衣装やプラモデルを買い込んでいる。メイのことをこよなく愛しており、どんなところでも彼女に愛情表現を示す。
ハオ
漢方師の老婆。チャイナタウンで非合法な仕事も請け負っている。ただし自分の欲のために犯罪に手をだすことはなく、どの勢力の味方にもつかない。メイ・ホプキンスが娼館にいたころ、世話になっている。ドラッグの使い方に関して非常に詳しい知識の持ち主で、ミスティ・ブラウンが洗脳にあった時、メイに助言している。
ハワード
ドラッグの取引を行っていた、組織末端のチンピラ。郊外の倉庫にドラッグを隠し持っていた。ラリー・ビンセントが彼を捕まえようとしたところ、ハワードもラリーも、ビーン・バンデットのクライアントに尾行されていた。その後バンデットの車は取られ、クライアントにも逃げられてしまい、ラリーがバンデットにお金を払い雇うことで、彼も救出されることになる。 町についてからは、多額のお金を払うことで、ラリーではなく自分に雇われろ、とバンデットに交渉を持ちかける。
マリリン
荒地のどまんなかにある「MONROE INN」を、孫娘のノーマと一緒に経営している女性。商品が極度に欠乏している地域のため、価格は全て飛び抜けて高いが、通りがかった人たちは利用せざるを得ない状態になっている。店にある飲み物は古く、ガソリンも新しくない。口が悪く、ウィンチェスターM73を操る。
ロイ・コールマン (ろいこーるまん)
シカゴ市警の警部。ラリー・ビンセントと仲が良い。リボルバー式のコルト・ローマンを愛用していたが、署長から多数弾オートを持つように強く言われ、ラリーから、彼の腕に適したSTIエッジを購入する。非合法なV8レースを追い、州から出る前に取り締まるため、警官のケイトと共に出動する。
パーシー・バカラック (ぱーしーばからっく)
デトロイト市警からシカゴ市警にやってきた警部。46歳。「ロードバスター」ビーン・バンデッドが、カーチェイスで数多くのパトカーを潰してきたことを恨んでおり、彼を追い続けていた。犯罪者は殺してもいい、という考え方の持ち主で、逮捕のためなら隠蔽工作を行い、警察や取引先に平気で脅迫をする。 V8マスタングを好んで乗り回す。非合法のV8レースに参加し、バンデッドをレース中に殺そうと企んだ。
シャーリーン
ビーン・バンデットの命を狙い、彼を銃撃して車ではねた。ところが詰めが甘く、彼は軽症。直接銃器と仕込みナイフで彼を殺そうと企むも、殺害に失敗する。別の男性をボスとして看板にたて、商社の社長に仕立て上げていたが、実際は彼女が黒幕。
ハーマン
ラリー・ビンセントにフォード・マスタング・キングコブラを売った、メガネの女性。商売上手で駆け引きがうまく、ラリーともすぐに仲良くなる。ラリーが非合法のカーレースを探っていたとき、4年おきに行われているレースの詳細についてこっそりと伝えた。
リフ・ラフ (りふらふ)
本名は不明。ラリー・ビンセントやビーン・バンデッドと張り合う実力の女性運び屋。ACコブラ427を乗り回し、バンデッドに勝負を挑み続けているが、ラリーらのトラブルに巻き込まれて決着はついていない。非合法に行われているレースの入賞者。ファンからは「スピードエンジェル」と呼ばれている。 前髪にメッシュを入れ、頬に星印を入れている。
ゴールディ・ムッソー (ごーるでぃむっそー)
背が高い、イタリアンマフィアの女幹部。薬物を使ったマインドコントロールと洗脳が得意。前作『ガンスミスキャッツ』ではラリー・ビンセントを洗脳したことがある。ラリーとの戦いで死亡したと思われていたが、生きた姿で彼女の目の前に現れる。その際、ラリーの記憶も、ドラッグの情報も全て失っていた。 組織がこのままでは壊滅寸前というところで、部下のデニスの提案でラリーに記憶を蘇らせるよう依頼される。レズビアン。
デニス
ゴールディ・ムッソーの部下。記憶を失ったゴールディの記憶を取り戻すように、ラリーに迫る。ゴールディには強く信頼されている。ラリーのことを信頼しており、できれば味方につけたいと思っている。言ったことはきちんと守る真面目な性格で、ラリーとの約束を果たすため、ゴールディに対して、彼女の願いを守るよう進言している。
アル・ベイリー (あるべいりー)
ドラッグのブローカー、ベイリー商会の代表の男性。ゴールディ・ムッソーの元で同志を増やし、ドラッグの活動を行っている。完遂できる運び屋を探し、ビーン・バンデッドを頼る。腕利きドライバーとして、レインズを雇っていた。
レインズ
ドラッグのブローカーであるアル・ベイリーの元で働く、腕利きドライバーの女性。運転テクニックには自信があったものの、ビーン・バンデッドの運転に付き合った際、あまりの走り方に吐いてしまう。彼に恨みをもち、バンデッドを執拗に追うパーシー・バカラックに連絡をとる。